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肝蛭症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

肝蛭症(かんてつしょう、fascioliasis)とは寄生虫病であり、人獣共通感染症の一つ。

原因

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Fasciola hepatica成虫

肝蛭Fasciola hepatica)、巨大肝蛭Fasciola gigantica)の感染を原因とする。日本では日本産肝蛭(Fasciola sp.)が分布する。肝蛭とは厳密にはFasciola hepaticaを指すが、前記の3つを合わせた用語として用いられる事が多い。中間宿主ヒメモノアラガイあるいはコシガタモノアラガイであり、終宿主反芻類ブタヒト

疫学

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世界各地に分布する。感染経路としては水辺の野草、水田におけるメタセルカリア経口感染

症状

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  • ヒト
    • 感染初期では発熱、右上腹部痛、圧痛を伴う肝腫大、発咳、好酸球増多、肝機能異常。慢性期では不規則な発熱、貧血、好酸球増多、腹痛、消化不良、下痢、黄疸、体重減少がみられる。
  • 動物(感受性は羊、牛、豚の順に高い)
    • 羊では体重減少、腹水貯留、好酸球増多、貧血、肝機能障害がみられる。

診断

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虫卵の検出(渡辺法、時計皿法、昭和式肝蛭卵簡易検査法、ビーズ法、ホルマリン・エーテル法)、皮内反応免疫電気泳動法オクタロニー法

治療

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ビチオノールブロムフェノフォスニトロキシニルプラジカンテルが有効。

予防

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水辺の野草や羊、牛、豚の肝臓の生食を避ける。家畜での予防は肝蛭症の発生のある牧野では駆虫薬を投与する。

関連項目

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参考文献

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  • 高島郁夫、熊谷進編 『獣医公衆衛生学第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4830031980
  • 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(2)蠕虫 他』 講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4061537172