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三十二相八十種好

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
肉髻珠から転送)

三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう(ごう))とは、釈迦の姿の32の特徴を言語によって数え上げたもの[1]三十二相を詳述したものが八十種好相であり[1]見てすぐに分かる三十二相と、微細な特徴である八十種好を併せたもの。[要出典]。仏の外形的な特徴とともに、宗教的な理想を示している[1]大般若経などに述べられており、典によって多少の相違がある[1]。「相」と「好」をとって相好(そうこう、そうごう)ともいう[注釈 1]

三十二相

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仏像および仏画はこれに倣って作成される。経典により多少の相違がある。以下からの名称は大智度論巻第四による。

  1. 足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)
    足の裏が平らで、地を歩くとき足裏と地と密着して、その間に髪の毛ほどの隙もない(扁平足)。
  2. 足下二輪相(そくげにりんそう)
    足裏に輪形の相(千輻輪)が現れている。仏足石はこれを表したもの。
  3. 長指相(ちょうしそう)
    10本の手指(もしくは手足指)が長くて繊細なこと。
  4. 足跟広平相(そくげんこうびょうそう)
    足のかかとが広く平らかである。
  5. 手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)
    手足の各指の間に、鳥の水かきのような金色の膜がある。
  6. 手足柔軟相(しゅそくにゅうなんそう)
    手足が柔らかで色が紅赤であること。
  7. 足趺高満相(そくふこうまんそう)
    足趺すなわち足の甲が亀の背のように厚く盛り上がっている。
  8. 伊泥延腨相(いでいえんせんそう)
    足のふくらはぎが鹿王のように円く微妙な形をしていること。伊泥延は鹿の一種。
  9. 正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)
    正立(直立)したとき両手が膝に届き、手先が膝をなでるくらい長い。
  10. 馬陰蔵相(めおんぞうそう)
    馬のように陰相が隠されている(男根が体内に密蔵される)。[2]
  11. 身広長等相(しんこうじょうとうそう)
    身体の縦広左右上下の量が等しい(身長と両手を広げた長さが等しい)。
  12. 毛上向相(もうじょうこうそう)
    体の全ての毛の先端が全て上になびき、右に巻いて、しかも紺青色を呈し柔軟である。螺髪はこれを表す。
  13. 一一孔一毛生相(いちいちくいちもうしょうそう)
    身体の毛穴にはすべて一毛を生じ、その毛孔から微妙の香気を出し、毛の色は青瑠璃色である。
  14. 金色相(こんじきそう)
    身体手足全て黄金色に輝いている。
  15. 丈光相(じょうこうそう)
    身体から四方各一丈の光明を放っている(いわゆる後光(ごこう))。光背はこれを表す。
  16. 細薄皮相(さいはくひそう)
    皮膚が軟滑で一切の塵垢不浄を留めない。
  17. 七処隆満相(しちしょりゅうまんそう)
    両掌と両足の裏、両肩、うなじの七所の肉が円満で浄らかである。
  18. 両腋下隆満相(りょうやくげりゅうまんそう)
    両腋の下にも肉が付いていて、凹みがない。
  19. 上身如獅子相(じょうしんにょししそう)
    上半身に威厳があり、瑞厳なること獅子王のようである。
  20. 大直身相(だいじきしんそう)
    身体が広大端正で比類がない。
  21. 肩円満相(けんえんまんそう)
    両肩の相が丸く豊かである。円満。
  22. 四十歯相(しじゅうしそう)
    40本の歯を有し、それらは雪のように白く清潔である(常人は32歯)。
  23. 歯斉相(しさいそう)
    歯はみな大きさが等しく、硬く密であり一本のように並びが美しい。
  24. 牙白相(げびゃくそう)
    40歯以外に四牙あり、とくに白く大きく鋭利堅固である。
  25. 獅子頬相(ししきょうそう)
    両頬が隆満して獅子王のようである。
  26. 味中得上味相(みちゅうとくじょうみそう)
    何を食べても食物のその最上の味を味わえる。
  27. 大舌相(だいぜつそう)
    舌が軟薄で広く長く、口から出すと髪の生え際にまで届く。しかも、口に入っても一杯にはならない。
  28. 梵声相(ぼんじょうそう)
    声は清浄で、聞く者をして得益無量ならしめ、しかも遠くまで聞える。
  29. 真青眼相(しんしょうげんそう)
    眼は青い蓮華のように紺青である。
  30. 牛眼睫相(ぎゅうごんしょうそう)
    睫が長く整っていて乱れず牛王のようである。
  31. 頂髻相(ちょうけいそう)
    頭の頂の肉が隆起して髻(もとどり)の形を成している。肉髻(にくけい)。
  32. 白毫相(びゃくごうそう)
    眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。伸びると一丈五尺ある。(約4.5m)

八十種好

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(主なもの)

  • 耳が肩まで届く程垂れ下がっている。(俗に福耳
  • 耳たぶ(耳朶)に穴が空いている。(耳朶環状)
  • のどに3本のしわがある。(三胴
  • 眉が長い。
  • 鼻の穴が見えない。
  • へそが深く、右回りに渦を巻いている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 相好はまた転じて、顔かたち・表情のこと。「相好を崩す」は、顔をくしゃくしゃにして笑い喜ぶさま。[要出典]

出典

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  1. ^ a b c d (三十二相八十種好)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2018年3月15日閲覧。
  2. ^ 男性器が女性器のように体内の記述文獻『ブッダのいのちの言葉』107頁宮下真

関連項目

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外部リンク

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