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老人性色素斑

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老人性色素斑
63歳の白人男性の左手にある老人性色素斑。
概要
分類および外部参照情報

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん、lentigo senilis)、日光黒子(solar lentigo、日光性黒子[1])、老人性黒子(senile freckle)は[2]老化や、太陽からの紫外線に曝露されることに関連した肌の色素斑。英語で old age spot[3](年齢によるしみ[2])とも。顔や手の甲にできやすい[2]。危険性はないが美容上、気にして除去する場合がある。美白剤[4]、副作用として色素沈着を生じることも多いレーザー[5]、その他の治療法が使われる[6]

原因

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老人性色素斑の断面の組織拡大。

ほかの原因のシミとは異なり、老人性色素斑は経時的に変化していくシミに分類される。

長期に日光に照らされたことで、表皮の突起が延長している[2]。誤修復蓄積老化理論は[7][8]、老人性色素斑の形成されるための仮説である[9]

治療

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老人性色素斑は危険なものではないため治療は不要だが、まれにシミと思っていたものが皮膚がんであることもある。しかし、一部の人は外観を気にして除去を希望し、レーザー、電気外科手術、凍結療法美白剤ハイドロキノン[6]トレチノイン[6]システアミン[10]アゼライン酸[11]アルファヒドロキシ酸 (AHA)[12]が用いられる。

トレチノインを用いて日本人を対象とし行われた研究で、6か月後に治療効果がエクセレントあるいはグッドと判断されたのは、老人性色素斑で約78%であった[13]アダパレンを使ったランダム化比較試験で、アダパレンで57-59%、偽薬で36%がより軽い病変に改善した[14]。医薬部外品の成分としては、化粧品で「メラニン生成を抑えシミ・そばかすをふせぐ」という効能表示が承認されているが、肝斑や老人性色素斑を対象に既に存在する色素沈着が改善したかを判定している[4]

日光黒子の27名での二重盲検法の試験で、6%濃度のビタミンC誘導体のアスコルビン酸リン酸ナトリウム入りのローションは、半年後にこれを含まないローションよりも有意に日光黒子を改善したが、その程度は弱かった[15]雀卵斑(そばかす)や日光黒子の計69名に対し、顔半面にアスコルビン酸リン酸ナトリウムをイオン導入し、3-4か月後にほぼ全員に有効とされ反対側よりも高い改善効果があった[16]

レーザーでは、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Nd:YAGレーザーが使われ、副作用として30-48%程度の人に色素沈着が生じ1か月をめどに最も濃くなる[5]

出典

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  1. ^ 古川福実、船坂陽子、師井洋一ほか「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン 改訂第3版」『日本皮膚科学会雑誌』第118巻第3号、2008年、347-356頁、doi:10.14924/dermatol.118.347NAID 130004708588 
  2. ^ a b c d 泉美貴『みき先生の皮膚病理診断ABC 1 表皮系病変』学研メディカル秀潤社、2006年、76-頁。ISBN 4-87962-340-7https://books.google.co.jp/books?id=n4R1CwAAQBAJ&pg=PA76 
  3. ^ Rapini, Ronald P.; Bolognia, Jean L.; Jorizzo, Joseph L. (2007). Dermatology: 2-Volume Set. St. Louis: Mosby. pp. 1716–17. ISBN 1-4160-2999-0 
  4. ^ a b 長沼雅子「香粧品の有効性の歴史的変遷」『日本香粧品学会誌』第39巻第4号、2015年、275-285頁、doi:10.11469/koshohin.39.275 
  5. ^ a b 山下理絵、松尾由紀、近藤謙司、遠山哲彦「肌のアンチエイジングに対するレーザー治療」『日本レーザー医学会誌』第31巻第1号、2010年4月15日、36-41頁、doi:10.2530/jslsm.31.36 
  6. ^ a b c “Age spots (liver spots) Treatments and drugs”. Mayo Clinic. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/age-spots/basics/treatment/con-20030473 2017年2月12日閲覧。 
  7. ^ Wang, Jicun; Michelitsch, Thomas; Wunderlin, Arne; Mahadeva, Ravi (2009). Aging as a consequence of Misrepair – a novel theory of aging. 0904. p. 9. arXiv:0904.0575. Bibcode2009arXiv0904.0575W. 
  8. ^ Wang-Michelitsch, Jicun; Michelitsch, Thomas (2015). Aging as a process of accumulation of Misrepairs. 1503. p. 13. arXiv:1503.07163. Bibcode2015arXiv150307163W. 
  9. ^ Wang-Michelitsch, Jicun; Michelitsch, Thomas (2015). Development of age spots as a result of accumulation of aged cells in aged skin. 1505. p. 9. arXiv:1505.07012. Bibcode2015arXiv150507012W. 
  10. ^ Mansouri, P.; Farshi, S.; Hashemi, Z.; Kasraee, B. (2015-07-01). “Evaluation of the efficacy of cysteamine 5% cream in the treatment of epidermal melasma: a randomized double-blind placebo-controlled trial”. The British Journal of Dermatology 173 (1): 209–17. doi:10.1111/bjd.13424. ISSN 1365-2133. PMID 25251767. 
  11. ^ Rodríguez Prieto, M. A.; Manchado Lopez, P.; Ruiz Gonzalez, I.; Suarez, D. (1993-05-01). “Treatment of lentigo maligna with azelaic acid”. International Journal of Dermatology 32 (5): 363–64. doi:10.1111/j.1365-4362.1993.tb01475.x. ISSN 0011-9059. PMID 8505164. 
  12. ^ Overview about liver spots/age spots”. Beauty Natural Skin. 3 July 2015閲覧。
  13. ^ 鈴木敏彦、松尾あおい、石原秀一、内沼栄樹「トレチノインを用いたシミ、ニキビの外用治療632例の検討 副作用、治療効果、有効治療期間について」『日本美容外科学会会報』第27巻第2号、2005年6月25日、130-139頁。 
  14. ^ Kang S, Goldfarb MT, Weiss JS; et al (2003-7). “Assessment of adapalene gel for the treatment of actinic keratoses and lentigines: a randomized trial”. Journal of the American Academy of Dermatology 49 (1): 83–90. doi:10.1067/mjd.2003.451. PMID 12833014. 
  15. ^ Ishikawa, Yuko; Niwano, Takao; Hirano, Shinichi; et al (2019). “Whitening effect of l-ascorbate-2-phosphate trisodium salt on solar lentigos”. Archives of Dermatological Research 311 (3): 183–191. doi:10.1007/s00403-019-01892-2. PMID 30778667. 
  16. ^ 船坂陽子、松中浩、榊幸子、ほか「ビタミンC誘導体のイオントフォレーシスによる色素斑に対する臨床効果」『皮膚の科学』第4巻第3号、2005年、299-308頁、doi:10.11340/skinresearch.4.3_299NAID 130005404798 

関連項目

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雀卵斑(そばかす)

外部リンク

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