羽衣石南条記
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『羽衣石南条記』(うえしなんじょうき)は、江戸時代の享保7年(1722年)に成立した全2巻の軍記物。編著者は蘆葉舎似猿人。異本に『南条民語集』がある。
概要
[編集]伯耆南条氏10代の歴史を中心に記し、上巻の「羽衣石南条記の由来」から始まり、下巻の「似猿問答」「南条家法名」で終わる。内容は『伯耆民談記』、『陰徳太平記』からの引用が多く見られ、独自色はそれほど強くない。このほか、10代当主・元忠の記述に関しては『難波戦記』などから引用したことを「似猿問答」の中で編者が明らかにしている。また、軍記物の特徴を色濃く持っているため「史料」として扱うのは難があるが、南条氏に関する貴重な書物の一つであることには変わりはない。
編著者について
[編集]編著者の蘆葉舎似猿人は、異本『南条民語集』によれば本名を矢吹某といい、享保年間の人とされる。生没年は不明であるが、伯耆河村郡の長和田(なごうた、現在の鳥取県東伯郡湯梨浜町長和田)の地に移ってから、羽衣石南条氏に関する伝承や当時伝わっていた史料を収集し、同書の執筆を始めたといわれる。『南条民語集』も矢吹の著書とされている。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 東郷町誌
- 矢吹某著・音田忠男訳『二百余年波瀾の星霜 羽衣石南条記 全』