網脂
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網脂(あみあぶら)とは、牛や豚、羊などいくつかの動物の内臓を包む薄い膜。網状を呈する脂肪であることから、網脂と呼称される。フランス語では、クレピーヌ(crépine)と呼ばれる[1]。ソーセージやルーラーデン、パテをはじめとして、その他様々な肉料理においてケーシングとして用いられる[2]。このような料理の例として、スイス料理のアトリオ[3]やフランス料理のクレピネット[4]、キプロス料理のシェフタリア、南アフリカ料理のスキルパジェス、イギリス料理のファゴット[2]、セルビア料理のプルクナ・マラミカやトルブシュナ・マラミカ、イタリア料理のフェガテッリなどがある。伝統的なウクライナ料理やロシア料理では、網脂はサルニィクとして知られており、大抵は網脂にカーシャやレバーを詰め、土鍋に入れてペチカで焼かれた[5]。米国南西部のアメリカンインディアン部族であるナバホ族は、羊の腸を細長りの網脂に巻き、アチイと呼ばれる料理を作る。
ギャラリー
[編集]-
サルニィク
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ダチョウのクレピネット
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フランスの仔牛ソーセージの塊
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パスタ、にんじんと共に供されたアトリオ
脚注
[編集]- ^ “[https://www.bras-de-chef.com/special/%e7%89%9b%e8%82%89%e3%81%ae%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%94%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e5%8c%85%e3%81%bf/ イル・ド・フランス地方 Bœuf en Crépinette(牛肉のクレピネット包み)]”. 世界の地方料理. 2024年12月30日閲覧。
- ^ a b “Caul fat recipes”. BBC Food. 23 November 2022閲覧。
- ^ Association Fribourgeoise des Paysannes (1996). Küche & Traditionen im Freiburgerland. Fribourg: Éditions Fragnière. p. 133
- ^ "Crépinette". Food Dictionary.
- ^ "Salnik". The Great Encyclopedia of Culinary Art.
関連文献
[編集]- Shorland, F. B.; Jessop, A. S. (October 1955). “Isolation of Δ9 Heptadecenoic Acid from Lamb Caul Fat”. Nature 176 (4485): 737. doi:10.1038/176737a0. PMID 13265818.
- Weenink, R. O. (September 1956). “Octadecadienoic Acids of Lamb Caul Fat”. Nature 178 (4534): 646–647. Bibcode: 1956Natur.178..646W. doi:10.1038/178646b0. PMID 13369494.
- Hamilton, Bradford S.; Paglia, Diana; Kwan, Anita Y. M.; Deitel, Mervyn (September 1995). “Increased obese mRNA expression in omental fat cells from massively obese humans”. Nature Medicine 1 (9): 953–956. doi:10.1038/nm0995-953. PMID 7585224.