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経済的解放の闘士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国政党
経済的解放の闘士
Economic Freedom Fighters
最高司令官 ジュリアス・マレマ
成立年月日 2013年7月27日
本部所在地 ハウテン州ヨハネスブルグ
国民議会議席数
39 / 400   (10%)
(2024年5月29日)
全国州評議会議席数
11 / 90   (12%)
(2019年5月[注釈 1]
政治的思想・立場 左翼 - 極左
マルクス・レーニン主義
左派ポピュリズム
反資本主義
反帝国主義
パン・アフリカ主義
反白人主義
反インド主義
黒人民族主義
シンボル
公式サイト Economic Freedom Fighters
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経済的解放の闘士(けいざいてきかいほうのとうし、英語: Economic Freedom Fightersアフリカーンス語: Ekonomiese Vryheidsvegters、EFF)は、パン・アフリカ主義を掲げる[1]南アフリカ共和国極左政党[2][3]2013年7月27日ソウェトで結党された[4]

概要

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2024年議会選挙における地域別で見たEEFの支持割合。

2012年、アフリカ民族会議(ANC)の青年同盟のリーダーであったジュリアス・マレマがANCを除名され、翌年EFFを設立した[3]マルクス・レーニン主義の党と自己定義し[5]反資本主義反帝国主義を掲げ、鉱山および銀行の国有化、再分配のための土地収容を主張し[3][4]、若者、貧困層、失業者を中心に支持を集めている[3]。2014年5月の総選挙では下院400議席中25議席(得票率6.35%)[6][7]、2019年5月の総選挙では44議席(得票率10.79%)[8]

マレマは、過去に白人(ボーア人)に対するヘイトスピーチにより有罪判決を受けている[9]

南アフリカで開かれた政治集会で、オランダ人の入植者の子孫の白人を指す「ボーア人を殺せ」という歌が合唱されたことについて、南アフリカ出身のイーロン・マスクは非難の声を上げている。マスクは反アパルトヘイト運動の闘争歌の1つの『キル・ザ・ボーア』の歌詞を引用し「ボーア人を殺せ」と唱えた動画について発言し、彼らが白人の虐殺を推進していると主張し、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領に「なぜ何も言わないのか?」と問いかけた。また「この歌の歌詞は文字どおりに受け取られることを意図していない」という歴史学者の主張を引用したニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事について、同紙が大量虐殺の呼びかけを支持していると主張した。『キル・ザ・ボーア』の起源は1990年代に廃止された南アフリカの人種隔離政策のアパルトヘイトに遡り、マレマはヨハネスブルグに10万人近くが集まった左翼政党のイベントで、この歌の唱和を先導した。南アフリカの野党の民主同盟の白人党首のジョン・スティーンハイゼンは、この件を国連人権理事会に告発する意向を明らかにし、マレマが暴力を扇動した過去があると主張した。さらに、反アパルトヘイト運動を主導した与党のアフリカ民族会議(ANC)が、対策を講じなかったことを非難した。南アフリカの平等裁判所は、『キル・ザ・ボーア』の歌がヘイトスピーチや扇動には当たらないとの判決を下した。この歌は言論の自由によって保護されており、歌詞の「撃ち殺せ、ボーア人を殺せ、農民を殺せ」は文字どおりに受け取られることを意図したものではないと裁判所は述べていた。[10]

ANCは、ジンバブエムガベ政権の与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線英語版が、ANCの不安定化を狙ってEFFを支持していると非難している[11]

2019年3月上旬、マレマは、ベテラン女性ジャーナリストのカリマ・ブラウン英語版のプライベートの電話番号を自身のツイッターアカウントに無断で掲載し、結果ブラウンがEFF支持者とみられる人々から強姦および殺人予告を含む多数の脅迫を受けるという事件があった。ブラウンは本件に関して警察に告発するとともに、選挙委員会に不服を申し立てた[12][リンク切れ]

2018年に浮上したVBS Mutual Bank英語版のスキャンダルでは、EFF党首のジュリアス・マレマおよび副党首のフロイド・シヴァンブ英語版の親族を通じて、資金の一部が不正にEFFに流れた疑惑がもたれた[13]

2024年の総選挙では5議席減となる39議席を獲得した[14]

脚注

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注釈

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  1. ^ 11名の内訳は州議会から構成される常任議員9名、州政府の閣僚が兼務する特別議員2名。

脚注

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  1. ^ Guerandi, Giuseppe Rajkumar (2022年1月23日). “Destructive game: analysis: EFF’s apparent U-turn on pan-Africanism raises questions about its stance on immigrants” (英語). Daily Maverick. https://www.dailymaverick.co.za/article/2022-01-23-effs-apparent-u-turn-on-pan-africanism-raises-questions-about-its-stance-on-immigrants/ 2022年12月8日閲覧。 
  2. ^ “South Africa's left-wing EFF leads latest anti-government protest”. (2020年6月13日). オリジナルの2020年6月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200613173659/https://uk.reuters.com/article/uk-safrica-politics/south-africas-left-wing-eff-leads-latest-anti-government-protest-idUKKCN0SL13020151027 2022年12月8日閲覧。 
  3. ^ a b c d Economic Freedom Fighters | Ideology, Leadership, & Fact” (英語). Encyclopedia Britannica. 2022年12月8日閲覧。
  4. ^ a b Economic Freedom Fighters (EFF)”. South African History Online. 2022年12月8日閲覧。
  5. ^ DECLARATION OF THE ECONOMIC FREEDOM FIGHTERS NATIONAL ASSEMBLY ON WHAT IS TO BE DONE—26 – 27 JULY 2013.EFF公式サイト
  6. ^ 南ア与党が15議席減 総選挙の最終結果発表」『MSN産経ニュース』2014年5月11日。2014年5月15日閲覧。
  7. ^ 南ア総選挙は与党ANCが圧勝、アパルトヘイト後5期連続」『AFPBB』2014年5月12日。2014年5月15日閲覧。
  8. ^ 南アフリカ共和国における総選挙について(外務報道官談話)』(プレスリリース)外務省、2019年5月13日https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_004962.html2020年5月16日閲覧 
  9. ^ “ANC youth leader found guilty of hate speech” (英語). (2011年9月12日). https://www.france24.com/en/20110912-anc-youth-leader-malema-found-guilty-hate-speech-south-africa 2022年12月8日閲覧。 
  10. ^ イーロン・マスクが南アの反アパルトヘイト運動を非難する理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2024年10月6日閲覧。
  11. ^ Marrian, Natasha (2013年7月29日). “Mantashe hits out at EFF for ‘distorting the Freedom Charter’”. BDlive. オリジナルの2013年8月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130801072713/http://www.bdlive.co.za/national/politics/2013/07/29/mantashe-hits-out-at-eff-for-distorting-the-freedom-charter 2022年12月8日閲覧。 
  12. ^ “It’s official: Brown to lay complaints with cops, IEC against EFF” (英語). The Citizen. (2019年6月3日). https://citizen.co.za/news/south-africa/news-update/2096712/its-official-brown-to-lay-complaints-with-cops-iec-against-eff/ 2020年5月16日閲覧。 
  13. ^ 牧野久美子「2019年総選挙を控えた南アフリカの政治情勢」『アフリカレポート』第57巻、アジア経済研究所、2019年、47-51頁、doi:10.24765/africareport.57.0_472020年5月19日閲覧 
  14. ^ 南アフリカ共和国における総選挙について(外務報道官談話)』(プレスリリース)外務省、2024年6月3日。オリジナルの2024年6月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20240603124006/https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/pageit_000001_00699.html2024年6月9日閲覧 

関連項目

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外部リンク

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