糯
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糯(もち)とは、イネやオオムギなどの作物でアミロースを全くあるいはほとんど含まない品種[1]。
概要
[編集]対義語は粳(うるち)であり[2]、組成としてアミロースを全くあるいはほとんど含まないものを糯、アミロースを含むものを粳という[1]。これらの性質のことを糯粳性(もちうるちせい)という[3]。粳性植物が変異した変異体である[4]。ヨード・ヨードカリ水溶液との呈色反応において赤色を示す[3]。
糯の品種のある植物としては、イネ、トウモロコシ、オオムギ、アワ、キビ、モロコシ、アマランサスなどがある[1]。モチ性の品種のデンプンは調理時に強い粘性を生じるという特性を持つ[4]。なお、「糯」の一字でもち米を意味することもある[5]。
なお、同音の語として「餅」があるが、「餅」がモチ性の穀粒などを蒸した上で搗くなどして作られた食物をいうのに対し[6]、「糯」はアミロースを全くあるいはほとんど含まない性質を持つ作物を指す[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d 農業・生物系特定産業技術研究機構 2006, p. 1525.
- ^ 渡部忠世 & 深澤小百合 1998, p. 2.
- ^ a b 日本作物学会編『作物学用語事典』農山漁村文化協会 p.202 2010年
- ^ a b 農業・生物系特定産業技術研究機構 2006, p. 1526.
- ^ 『大修館漢語新辞典』大修館書店 p.917 2001年
- ^ 渡部忠世 & 深澤小百合 1998, p. 3.
参考文献
[編集]- 農業・生物系特定産業技術研究機構 編「もち, 糯」『最新農業技術事典』農山漁村文化協会、2006年、1525 - 1526頁。ISBN 4-540-05163-6。
- 渡部忠世; 深澤小百合『もち(糯・餅)』法政大学出版局〈ものと人間の文化史〉、1998年。ISBN 978-4-588-20891-1。