糖原病
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糖原病 | |
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グリコーゲン | |
概要 | |
診療科 | 内分泌学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | E74.0 |
ICD-9-CM | 271.0 |
MeSH | D006008 |
糖原病(とうげんびょう、英: Glycogenosis, Glycogen storage disease)は、グリコーゲン異化(分解)に必要な酵素の先天的異常により肝臓、筋肉などの組織にグリコーゲンが異常に蓄積する病気。糖原蓄積症とも呼ばれる。発育障害、肝腫大、空腹時低血糖、高コレステロール血症などが認められる。ヒトでは欠損酵素に基づいて17の型、犬では4つの型に分類される。多くの型は常染色体劣性遺伝(→遺伝学)である。
難病法により、筋型糖原病と肝型糖原病に分かれて指定難病となった[1][2]。
原因
[編集]グリコーゲンの代謝に関わる酵素異常症である。それぞれのグリコーゲン代謝酵素であるタンパク質をコードする遺伝子の病的変異が見つかっている[1] 。
疫学
[編集]日本における患者数は、筋型糖原病が推定約3,000〜6,000人[3]、肝型糖原病が約1,200人[4]とされている。
症状
[編集]主に筋肉と肝臓に症状が表れる。
筋肉の症状としては、運動時筋痛、筋硬直、横紋筋融解症、ミオグロビン尿症、筋力低下、筋萎縮、心筋障害などがあげられる。[1]
肝臓の症状としては、低血糖、肝腫大、乳酸アシドーシスなどがあげられる。[2]
合併症状としては、一部の病型において、知的障害、てんかん、小奇形、黄疸、肝腫大、不整脈、突然死などがあげられる。[1]
病型
[編集]多くの病型があるが[1][2]、知られた病型として以下のものがある。
病型 | 病名 | 主に侵す | 原因遺伝子 | 特徴的な症状 |
---|---|---|---|---|
0型 | 筋肉 | glycogen syntase欠損 | 運動時失神 運動不耐 | |
I型 | von Gierke病 | 肝臓 | G6Pase欠損 | 低身長 人形様顔貌 高脂血症 高乳酸血症 |
II型 | Pompe病 | 全身 | α1,4glucosidase欠損 | 心肥大 筋力低下 肝腫大 |
III型 | Cori病 | 肝・筋 | debranching enzyme欠損 | 肝腫大 筋力低下 |
IV型 | Andersen病 | 肝・筋 | branching enzyme欠損 | 新生児低血圧 肝硬変 心筋障害 |
V型 | McArdle病 | 筋肉 | 筋型phosphorylase欠損 | 筋力低下 |
VI型 | Hers病 | 肝臓 | 肝型phosphorylase欠損 | 肝硬変 低血糖 |
VII型 | Tarui病 | 筋肉 | PFKase欠損 | 筋力低下 溶血 |
IX型 | 肝・筋 | phosphorylase kinase欠損 | ||
PGK欠損症 | 筋・大脳 | phosphoglycerate kinase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 知的障害 てんかん 進行性筋力低下 | |
X型 | 筋肉 | phosphoglycerate mutase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 | |
XI型 | Kannno病 | 筋肉 | lactate dehydrogenase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 |
XII型 | 筋肉 | aldolase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 黄疸 発達遅滞 | |
XIII型 | 筋肉 | enolase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 | |
XIV型 | 筋肉 | phosphoglucomutase欠損 | 運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 糖鎖修飾異常 | |
XV型 | 筋肉 | glycogenin 1欠損 | 筋力低下 不整脈 |
関連項目
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- メルクマニュアル
- 杉江秀夫. “256 筋型糖原病” (pdf). 厚生労働省. 2015年7月10日閲覧。
- 遠藤文夫, 堀川玲子. “257 肝型糖原病” (pdf). 厚生労働省. 2015年7月10日閲覧。
- “筋型糖原病(指定難病256)”. 難病情報センター. 2018年4月11日閲覧。
- “肝型糖原病(指定難病257)”. 難病情報センター. 2018年4月11日閲覧。