Association for Computing Machinery
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(米国コンピュータ協会から転送)
Association for Computing Machinery(計算機協会)とは、コンピュータの科学と教育に関するテーマ全般を対象にしたコンピュータサイエンス分野の国際学会である。一般に「ACM」の略称で知られている。この分野の学会として世界最大で、会員規模は研究者・専門家から学生までを含めておよそ10万人を擁する。1947年にアメリカ合衆国で創設され、本部はニューヨークに置かれている。
ACMのモットーは、Advancing Computing as a Science & Profession(コンピューティングを科学および専門職として前進させる)[1]である。ACMが主催する「チューリング賞」は計算機科学分野での最高の栄誉とされており、物理や化学の分野でのノーベル賞に相当する権威がある。
日本語では米国計算機学会[2][3][4]、国際計算機学会[5]、米国計算機協会[6]、計算機協会[7]とも呼ばれている。
ACMの表彰一覧
[編集]- チューリング賞 (The A.M. Turing Award)
- 計算機科学分野に対する特に優れた業績・貢献に対し100万ドルの賞金と共に与えられる。
- 計算機科学インフォシス財団賞 (ACM Infosys Foundation Award in the Computing Sciences)
- 若手研究者やシステム開発者のすぐれた業績に対し贈られる。受賞者にはインフォシス財団の寄付により15万ドルの賞金が贈られる。
- ソフトウェアシステム賞 (Software System Award)
- 優れたソフトウェアシステムの開発者・開発団体に贈られる。
- グレース・ホッパー賞 (Grace Murray Hopper Award)
- 35歳以下の若手研究者の単一の業績に対し贈られる。賞金は3万5千ドル。賞の名称はプログラミング言語COBOL開発者の一人グレース・ホッパーの名にちなむ。
- アレン・ニューウェル賞 (ACM/AAAI Allen Newell Award)
- 計算機科学分野で優れた功績を残した個人に1万ドルの賞金と共に贈られる。 AAAI (アメリカ人工知能学会) との共同事業である。賞の名称は人工知能研究の第一人者アレン・ニューウェルの名にちなむ。
- パリス・カネラキス理論&実践賞 (Paris Kanellakis Theory and Practice Award)
- 計算機に実践的な影響を与えたすぐれた理論に対して与えられる。賞金は5000ドルであり、賞の名称ともなったデータベース研究者パリス・カネラキスの遺族やいくつかのSIGの寄付による。
- カール・カールストローム教育賞 (Karl V. Karlstrom Outstanding Educator Award)
- 計算機科学分野の教育に多大な貢献をしたものに贈られる。賞金は5000ドル。
- ユージン・ローラー賞(Eugene L. Lawler Award)
- 計算機科学者による人道的貢献に対して2年に一度与えられる。
- 博士論文賞 (Doctoral Dissertation Award)
- すぐれた博士論文に対し贈られる。
- ACM貢献賞 (Outstanding Contribution to ACM Award)
- ACMの活動に対し優れた貢献した人に対して与えられる。
- エッカート・モークリー賞 (Eckert-Mauchly Award)
- すぐれたコンピュータ・アーキテクチャに対して5000ドルの賞金と共に贈られる。 IEEE Computer Societyとの共同事業である。賞の名称は、ENIAC開発者であるジョン・プレスパー・エッカートとジョン・モークリーの名にちなむ。
- 計算機科学&工学SIAM/ACM賞 (SIAM/ACM Prize in Computational Science and Engineering)
- SIMA (アメリカ応用数理学会) との共同事業である。計算機科学分野において優れた功績をあげた個人に贈られる。
- ゴードン・ベル賞 (Gordon Bell Prize)
- 高性能計算 (HPC) 分野の優れた性能の達成に対し与えられる。IEEE Computer Societyとの共同事業。
SIG (Special Interest Group)
[編集]ACMでは具体的な研究分野ごとにSIG (Special Interest Group) と呼ぶ分科会を形成している.各SIGでは分野ごとの国際会議やワークショップの開催,論文誌の編集等を行っている.2007年現在,34のSIGが存在する.
- SIGACCESS (Accessibility and Computing)
- SIGACT (Algorithms and Computation Theory)
- SIGAda (Ada Programming Language)
- SIGAPL (APL Programming Language)
- SIGAPP (Applied Computing)
- SIGARCH (Computer Architecture)
- SIGART (Artificial Intelligence)
- SIGBED (Embedded Systems)
- SIGCAS (Computers and Society)
- SIGCHI (Computer-Human Interaction)
- SIGCOMM (Data Communication)
- SIGCSE (Computer Science Education)
- SIGDA (Design Automation)
- SIGDOC (Design of Communication)
- SIGecom (Electronic Commerce)
- SIGEVO (Genetic and Evolutionary Computation)
- SIGGRAPH (Computer Graphics and Interactive Techniques) - コンピュータグラフィックス
- SIGHPC (High Performance Computing)
- SIGIR (Information Retrieval)
- SIGITE (Information Technology Education)
- SIGKDD (Knowledge Discovery in Data)
- SIGMETRICS (Measurement and Evaluation)
- SIGMICRO (Microarchitecture)
- SIGMIS (Management Information Systems)
- SIGMM (Multimedia)
- SIGMOBILE (Mobility of Systems, Users, Data and Computing)
- SIGMOD (Management of Data) - 大規模データ管理の問題およびデータベース
- SIGOPS (Operating Systems)
- SIGPLAN (Programming Languages)
- SIGSAC (Security, Audit and Control)
- SIGSAM (Symbolic and Algebraic Manipulation)
- SIGSIM (Simulation and Modeling)
- SIGSOFT (Software Engineering)
- SIGUCCS (University and College Computing Services)
- SIGWEB (Hypertext, Hypermedia and Web)
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ “About ACM” (英語). www.acm.org. 2023年10月31日閲覧。
- ^ “著者名寄せ問題解決に向け、研究関連団体が一致協力 | STI Updates | 科学技術情報プラットフォーム”. jipsti.jst.go.jp. 2023年10月31日閲覧。
- ^ “米国計算機学会(ACM)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加”. カレントアウェアネス・ポータル (2021年5月24日). 2023年10月31日閲覧。
- ^ “計算機科学研究の推進について(勧告)”. www.scj.go.jp (1997年5月28日). 2023年10月31日閲覧。
- ^ “ACM、主題分類システムCCSの最新版を発表 | STI Updates | 科学技術情報プラットフォーム”. jipsti.jst.go.jp. 2023年10月31日閲覧。
- ^ “学術誌問題の解決に向けて― 「包括的学術誌コンソーシアム」の創設 ―”. www.scj.go.jp (2010年8月2日). 2023年10月31日閲覧。
- ^ “CHORUSに米国化学会(ACS)等が新たに参加、署名した機関は100以上に”. カレントアウェアネス・ポータル (2014年9月30日). 2023年10月31日閲覧。