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管楽セレナード (ドヴォルザーク)

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Dvorak Serenade for wind instruments, cello and bass op.44 - ロンドン・ウィンズとロシア・ナショナル管弦楽団楽団員とのジョイント演奏。ロシア・ナショナル管弦楽団公式YouTube。
Dvorak Serenade op.44 for wind instruments - The Romanian Foundation for Excellence in Musicが開いた演奏会に於ける演奏から。The Romanian Foundation for Excellence in Music公式YouTube。

セレナード ニ短調 作品44(B77)は、アントニン・ドヴォルザークが遺した2曲のセレナードのうちの1曲。

概要

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セレナード ホ長調(弦楽セレナード)』作品22(1875年)の3年後、『スラヴ舞曲』第1集などと同時期の1878年1月4日から18日にかけて作曲された[1]。1879年春にジムロック社から出版され、ドヴォルザークの評価に貢献した批評家のルイス・エーレルト英語版に献呈されている[2]

弦楽合奏のために書かれた作品22との区別や管楽器主体の楽器編成のため、本作は『管楽セレナード』とも呼ばれるが、編成にはチェロコントラバスといった低音の弦楽器も含まれる。この編成や形式は、1877年末にウィーンで聴いたモーツァルトのセレナード『グラン・パルティータ』に触発されたとされる[3][2]

初演は1878年11月17日、プラハで催された自作発表のコンサートで、ドヴォルザークが指揮する仮劇場管弦楽団のメンバーにより行われた[1]。作品は初演時から好評を博し、楽譜を入手したブラームスは高く評価してこの時点でのドヴォルザークの「おそらく最良の作品」と評した。ドヴォルザーク自身も後年までこの作品を好んでおり、1892年にアメリカに発つ際の送別演奏会でも冒頭に取り上げられた[2]

楽器編成

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オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット(任意)、ホルン3、チェロコントラバス

初演では低音がコントラファゴット1人、チェロ2人、コントラバス2人で演奏されたとの記録がある[4]

楽曲構成

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第1楽章第2楽章
第3楽章第4楽章
Kris Stroobants指揮 't Muziek Frascatiによる演奏。Frascati Symphonic公式YouTube。

4楽章からなる。全曲で約24分。

第1楽章の「行進曲風」な主題は、古典派の時代の実用的なセレナードを思わせる[5]。第2楽章は「メヌエット」と題されてはいるが、ボヘミアの民俗舞曲のソウセツカー英語版が取り入れられており、さらにトリオではフリアントも用いられる[3]

『グラン・パルティータ』のアダージョに似た[2]夜想曲風の第3楽章を経て、第4楽章はスコチナー英語版風のリズムによる快活なフィナーレで、自由なロンド風の形式をとり、終盤に第1楽章の主題が回帰する[5]

  • 第1楽章 モデラート・クワジ・マルチャ ニ短調 4分の4拍子
  • 第2楽章 メヌエット:テンポ・ディ・メヌエット ヘ長調 4分の3拍子
  • 第3楽章 アンダンテ・コン・モート イ長調 4分の4拍子
  • 第4楽章 フィナーレ:アレグロ・モルト ニ短調 - ニ長調 4分の2拍子

注釈

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  1. ^ a b 佐川吉男「セレナード ニ短調 Op. 44 (B77)」『作曲家別名曲解説ライブラリー6 ドヴォルザーク』音楽之友社、1993。pp. 59-60.
  2. ^ a b c d Dominik Rahmer, Preface for Urtext Edition. Henle, 2021.
  3. ^ a b 内藤久子『作曲家・人と作品 ドヴォルジャーク』音楽之友社、2004。p.174.
  4. ^ コントラファゴットの「任意」の指示は出版社からの提案で追加されたもの。また弦楽器についてドヴォルザークは自筆譜に「少なくとも各2人」と記しているが、出版時には省かれている。Dominik Rahmer, Comments for Urtext Edition. Henle, 2021.
  5. ^ a b 『作曲家別名曲解説ライブラリー6 ドヴォルザーク』pp. 60-61.

関連項目

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外部リンク

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