第6ポールスタービル火災
第6ポールスタービル火災とは、1973年(昭和48年)5月28日に東京都新宿区歌舞伎町で発生した雑居ビル火災である。死者1人を出した。
概要
[編集]1973年5月28日午前10時ごろ、ビル4階のクラブ「キャステル」から出火。5階にいた男性(当時23歳)が死亡したが、怪我人は出なかった[1]。
ビルの概要
[編集]1958年2月に、アサヒビヤセンターとして竣工。1971年に第6ポールスタービルと改称した。地上8階、地下3階(中地下2階も含む)と塔屋(PH)が2階あった。そのうちPHはエレベーター機械室であった。
ビルテナント
[編集]ビルには以下のテナントが出店していた[2]。
- 地下1階:バー
- 1-3階:銀行
- 4-5階:ゴーゴークラブ「キャステル」
- 6階:バー
- 7階:麻雀、バー
- 8階:ビヤホール
経緯
[編集]タバコの火が椅子に引火。そのあと床の絨毯やウレタンに延焼した。また初期消火もされていなかった[2]。
7階にあった麻雀屋のアルバイトが排気口から白煙を発見。8階を点検したが火はなく、7階に戻るとさらに煙が充満していた。隣にあったコンパで女子事務員3名と話をしながら点検していたところ都市ガスメーター付近から煙が上がっていることを確認した[3]。
麻雀屋のアルバイトの指示により女子事務員1名が119番通報をし、4名は停電していなかったことからエレベーターで避難した。だが上部のファン[4]から煙が入っていたと証言。
4-5階は可燃物などが置かれ燃えやすい構造となっていた。さらに煙が濃く、消火は困難を極めた[3]。
7階の4人はエレベーターで避難した。また3階の銀行で会議をしていた13人は煙が充満することと、ベルが鳴ったために客や他の従業員を避難させ、表のシャッターを半開きにして消防隊が通行しやすくした[5]。
ビルのその後
[編集]火災から50年近く経過した2021年現在も存在し、1階にはファミリーマートが入居している。建物は外壁パネルが貼られ、新築のようにリニューアルされている[6]。
脚注
[編集]- ^ "特異火災事例 第6ポールスタービル" (PDF). 消防防災博物館. 一般財団法人 消防防災科学センター. p. 1. 2019年9月8日閲覧。
- ^ a b "特異火災事例 第6ポールスタービル" (PDF). 消防防災博物館. 一般財団法人 消防防災科学センター. p. 2. 2019年9月8日閲覧。
- ^ a b "特異火災事例 第6ポールスタービル" (PDF). 消防防災博物館. 一般財団法人 消防防災科学センター. p. 3. 2019年9月8日閲覧。
- ^ エレベーターのかごには、上部に換気のためのファン(換気扇もしくは扇風機)を取り付けているものがある。
- ^ "特異火災事例 第6ポールスタービル" (PDF). 消防防災博物館. 一般財団法人 消防防災科学センター. p. 4. 2019年9月8日閲覧。
- ^ "第6ポールスタービル". Google Map. Google. 2019年9月8日閲覧。
関連項目
[編集]- 歌舞伎町ビル火災 - 同じ雑居ビル火災
- 北新地ビル放火殺人事件