外国語
外国語(がいこくご、英: foreign language、仏: langue étrangère、独: Fremdsprache)とは、外国の言語[1]。例えばスイス連邦の自国語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つであるので、この4つの言語でない全ての言語はスイスにとっての外国語である。
概説
[編集]外国語とは外国の言語のことであり、自国で使われている言語以外の言語である。例えば、フランス人にとっては自国で使われている言語はフランス語なので、それ以外の英語・スペイン語・ロシア語・アラビア語・中国語・日本語などは外国語である。またイギリス人にとっては、フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語・中国語・日本語などは外国語である。例えば、スイス連邦の自国語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つであるので、この4つの言語でない全ての言語はスイス国民にとっての外国語である。
日本人にとっては、日本語が自国語なので、それ以外の英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語・中国語などは外国語である。ただし、日本人といっても日系人にとっては事情は異なり、日系ブラジル人にとってはブラジルポルトガル語は外国語ではなく自国語である。特に日系ブラジル人2世・3世以降にとっては、「ブラジル語」が自国語である。日系ペルー人 2世・3世以降にとって、スペイン語は自国語である。日系人にとって「日本語」は外国語になりうる。
「外国語」と対比的な概念、つまり自国の言語は「自国語」や「母国語」と言う。
「外国語」がどの程度理解しづらいかということは、自国語とその外国語との言語学的な姻戚関係の深さにもよる。例えば、スペイン人にとっては、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語などはたしかに定義としては「外国語」なのだが、このうちイタリア語・スペイン語・フランス語に関しては、「外国語」ではあっても、特に学習しなくても言われていることのおおよその意味は分かる。スペイン語話者は、全く学習していなくても、イタリア語の放送を聞いておおよその意味が分かるし、イタリア語話者はスペイン語の放送を聞いておおよその意味が分かる。フランス人でもイタリア語やスペイン語の放送の概略を理解できる。というのは、イタリア語・スペイン語・フランス語はともにロマンス諸語であり、つまりローマ帝国の言葉であるラテン語が同帝国が支配した広大な地域の中で方言化したものがルーツであり、今も仏・伊・西語には共通の痕跡や類似した語彙や全く同形の語彙が多数残っているためである。ただし、話すことに関してはハードルが高く、たとえばスペイン人がイタリア語を正しく話すことはしっかり学習しないと難しい。したがって、スペイン人とイタリア人がとりあえずコミュニケーションする時は、無理して相手の言葉を間違いだらけで話すよりも、それぞれの自分の母国語を話し、相手はそれを聞いておよその意味を理解し、また母国語で返答し相手に理解してもらう、ということを繰り返せば、コミュニケーションがおおむね成立する。
外国語能力の獲得・外国語学習・外国語教育
[編集]外国語を学び獲得することには、より良いキャリア(職業人生)を歩む機会を得たり、認知能力が高まるなど、様々な効能がある。
2004年にイギリスのマイケル・トーマス・ランゲージ・センターが行った調査によると、平均的な労働者が母語以外の言語を話すことができるようになると平均で年収が3300ユーロ増し、生涯賃金では15,000ユーロ増すということや、異性関係も良好になることが判った[2][3]
ヨーロッパでは外国語学習が行われている。イギリス人がフランス語・ドイツ語 ・イタリア語・スペイン語などを学んだり、フランス人が英語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語などを学ぶということは行われている。
「先進諸国の中で外国語の学習意欲が特に低い国は米国である」と言われる。米国が軍事力や経済力によって世界の広い領域で影響力をふるってきたのでアメリカ英語が通じる地域が多いために、米国人は米語で済ませてしまう傾向があり、結果として外国語を学んだことも無いような米国人、外国語の知識が全く欠如したような米国人が非常に多い。
外国語がらみの作品
[編集]- NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』 - 昭和から令和の3つの時代をNHKの「ラジオ英語講座」と共に生きた祖母、母、娘の3世代のヒロインの一世紀におよぶ家族の物語
- NHKドラマ『わげもん〜長崎通訳異聞〜』2022年1月8日から毎週土曜 NHK総合「土曜ドラマ」枠で放送 - 「わげもん(和解者)」とは当時正式には「通詞(つうじ)」と呼ばれ、現代で言うと通訳者のことで、江戸時代の長崎で活躍していたオランダ語に達者なオランダ通詞たちは、幕府の職員であり、オランダとの交易・政治交渉・情報収集などを行うプロフェッショナル集団だった。当物語では波乱の時代を迎えていた幕末に、通詞だった父の失踪の謎を追って伊嶋壮多青年が長崎にやってきて、さまざまな事件に巻き込まれる。外国語を操る者たちが激動の時代に立ち向かう、という物語。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 広辞苑第六版【外国語】
- ^ “Languages 'boost work and love'”. (November 2004)
- ^ “Life is better for linguists, survey finds” (英語). The Guardian. (2004年11月1日). ISSN 0261-3077 2023年5月5日閲覧。