積分球
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積分球とは、反射率(拡散反射率)の高い粉末を内側全面に塗った中空の球のこと。光学測定でよく用いられる[1]。 光源から生じたあらゆる方向に向かう光束が、球体内面に塗布された内面材で何回か反射することにより検出器に集まることで、光源の明るさを測定するのに用いられる[2]。 直径は光源の直径の3倍以上、長尺の光源であれば長さの1.5倍以上、面状光源ならば対角線の2~3倍以上を有することとされる[2]。
塗布剤
[編集]紫外・可視・近赤外の領域では、中空球の内側の塗布剤として酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム[2]、硫酸マグネシウム[3]、酸化亜鉛などが用いられる[4]。
赤外領域では金が用いられる。
応用
[編集]積分球は透過率、量子収率、拡散反射率などを測定するときに用いられる[5]。
拡散反射光だけが検出器に入るように、入射光を取り除くための遮光板が検出器の前には置かれている[6]。
参考文献
[編集]- 積分球
- 鈴木守、香取寛二「積分球の分光特性測定の一方法」『照明学会誌』第46巻第8号、照明学会、1962年、17-19頁、doi:10.2150/jieij1917.46.8_383、ISSN 21851506、NAID 130003756901、OCLC 5182560333、国立国会図書館書誌ID:9079743、2023年1月4日閲覧。
- 鈴木守「積分球」『応用物理』第39巻第9号、応用物理学会、1970年、886頁、doi:10.11470/oubutsu1932.39.886、ISSN 03698009、NAID 40017515818、OCLC 5181710658、国立国会図書館書誌ID:8120166、2023年1月4日閲覧。
- 久保田重夫「次世代薄型大画面TVを支える科学」『生産研究』第60巻第5号、東京大学生産技術研究所、2008年、418-422頁、doi:10.11188/seisankenkyu.60.418、ISSN 18812058、NAID 130000102333、OCLC 5179028993、国立国会図書館書誌ID:9680940、2023年1月4日閲覧。
- 伊藤正行、忽那周三、吉山秀典、竹内浩士「NOy化学種の吸着、表面反応に関する研究」『大気の酸化能と温室効果ガスの消滅過程をコントロールする反応性大気微量気体の大気質へのインパクトに関する研究. NOy化学種の生成・変質・除去過程に関する研究』、環境省、2010年、33-46頁、ISSN 18812058、NDLJP:1198793、2023年1月4日閲覧。
- 石田斉「金属錯体の発光測定における最近の動向」『Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry』第64巻第0号、錯体化学会、2014年、14-24頁、doi:10.4019/bjscc.64.14、ISSN 18831737、NAID 130005129296、OCLC 5853466826、国立国会図書館書誌ID:026566327、2023年1月4日閲覧。
- 小林耕治、古布諭「簡易積分球の試作」『長野県工技センター研報』第17号、長野県工業技術総合センター、2022年、58-60頁、ISSN 1881-3135、OCLC 852251465、国立国会図書館書誌ID:000008229206、2023年1月4日閲覧。
脚注
[編集]- ^ 久保田重夫 2008, p. 28.
- ^ a b c 小林耕治 & 古布諭 2022, p. 58.
- ^ 伊藤正行 et al. 2010, p. 34.
- ^ 鈴木守 & 香取寛二 1962, p. 19.
- ^ 石田斉 2014, p. 21.
- ^ 鈴木守 1970, p. 886.