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稲垣稔次郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
稲垣稔次郎
生誕 (1902-03-03) 1902年3月3日
日本の旗 日本 京都府
死没 (1963-06-10) 1963年6月10日(61歳没)
日本の旗 日本 京都府
国籍 日本
著名な実績 染色工芸
受賞 人間国宝(1962年)
公式サイト 稲垣稔次郎 公式ホームページ
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稲垣 稔次郎 (いながき としじろう、1902年3月3日 - 1963年6月10日) は、日本の染織家重要無形文化財「型絵染」(人間国宝)の保持者。京都市下京区出身。京都市立美術大学教授[1]。第15回国画会展に「西瓜の図」を出品し、国画会賞を受賞。その後も数々の賞を受賞し、地位を確立していく。兄は日本画家の稲垣仲静[2][3]


略歴

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  • 1902年 - 京都市下京区麩屋町に生まれる[4]
  • 1922年 - 3月に京都市立美術工芸学校図案科を卒業。後に東京三越本店図案部に就職するが、兄が死去し7月に京都に帰り、松坂屋京都支店図案部に勤務。
  • 1931年 - 松坂屋を退職。染色工芸を研究。
  • 1947年 - 富本憲吉・小合友之助らと新匠美術工芸会(現・新匠工芸会)を結成[5]
  • 1950年 - 京都市立美術専門学校助教授兼京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)講師。
  • 1951年 - 日展審査員。
  • 1958年 - 日本工芸会理事に就任・京都市立美術大学教授。
  • 1962年 - 3月に型絵染により重要無形文化財(人間国宝)に認定される[6]
  • 1963年 - 勲四等瑞宝章を受章[7]

賞典

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  • 1940年 - 第15回国画会に屏風「西瓜の図」を出品・国画会賞受賞。
  • 1941年 - 第4回新文展に屏風「善隣譜」を出品・特選[8]
  • 1946年 - 第1回日展に屏風「松の図」を出品・特選。
  • 1961年 - 第16回新匠会展に壁掛「麦の穂波図」、屏風 「平家物語図」3点を出品・富本賞受賞。


書籍

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  • 「人間国宝稲垣稔次郎手控集」(京都書院、1983年2月)


主な作品

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ギャラリー

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リスト

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着物・帯・羽織
題名 材質・技法 制作年
陶筥図の帯 紬・型絵染 1949
尾花模様の着物 縮緬・型絵染 1950
芥子図の帯 麻・型絵染 1951
結び文の着物 絽・型絵染 1953
楓ともみじ模様の着物 絽・型絵染
着物 風 紬・型絵染
羽織 丸文梅の折枝 縮緬・型絵染 1954
毛毬図の帯 縮緬・型絵染 1955
着物 苔の庭 絽・型絵染
夏草図の着物 絽・型絵染
野草と⽦田模様の着物 紬・型絵染
野草と笹と⽦田模様の着物 木綿 型絵染に摺箔
松に流水図の着物 縮緬・型絵染 1956
庭模様の着物 縮緬・型絵染 1957
木賊図の着物 絽・型絵染
竹林図の着物 縮緬・型絵染
丸文民家図の着物 紬・型絵染
着物 竹林 紬・型絵染 1958
着物 一本竹 縮緬・型絵染
野草模様の帯 縮緬・型絵染
熊笹図の羽織 縮緬・型絵染
毬つく童文図の帯 木綿・型絵染 1959
毬つく童文図の帯 縮緬・型絵染
毬つき模様の帯 縮緬・型絵染
丸文椿図の帯 塩瀬・型絵染
あやめに流水図の着物 絽・型絵染
露草図の羽織 縮緬・型絵染に摺箔
もみじと秋草模様の着物 縮緬・型絵染
木槿と野草図の着物 縮緬・型絵染に摺箔
あやめに流水図の着物 縮緬・型絵染に摺箔
野菊に流水図の着物 縮緬・型絵染に摺箔
野菊に流水図の着物 縮緬・型絵染
野草図の帯 紬・型絵染に摺箔 1960
菊小紋の帯 縮緬・型絵染
あやつり草図の帯 木綿・型絵染
落葉図の羽織 縮緬・型絵染に摺箔
野草に流水図の着物 縮緬・型絵染に摺箔
松と竹の図の着物 縮緬・型絵染に摺箔
流水図の着物 絽・型絵染
野草図の着物 紬・型絵染に摺箔
秋草に流水図の着物 縮緬・型絵染
野菊図の羽織 縮緬・型絵染に摺箔 1961
つつじに流水図の着物 縮緬・型絵染
野草飛模様の着物 縮緬・型絵染に摺箔
もみじ模様の着物 縮緬・型絵染
着物 竹林の道 縮緬・型絵染
松山図の着物 縮緬・型絵染
松山小紋の着物 縮緬・型絵染
竹の図の着物 縮緬・型絵染
椿模様の着物 縮緬・型絵染
梅小紋の着物 縮緬・型絵染 1962
水模様の着物 縮緬・型絵染
壁掛・染布
題名 材質・技法 制作年
染布 尾花図 紬・糊絵染 1950
インコ図壁掛 木綿・型絵染
染布 東寺の縁日 木綿・型絵染 1952
壁掛 ソング・オブ・グリーン(緑の歌) 木綿・型絵染 1956
掛蒲団 播半山荘図 絽・型絵染
きつね図壁掛 木綿・型絵染 1957
虎図壁掛 麻・型絵染 1957
虎図壁掛 木綿・型絵染 1960
壁掛 麦の穂波図 木綿・型絵染 1961
壁掛 竹取物語 木綿・型絵染 1962
屏風
題名 材質・技法 制作年
鯉の図の屏風 紬・糊絵染 1940
善隣譜屏風 紬・糊絵染 1941
四季の花樹図屏風 和紙・糊絵染
牡丹図屏風 和紙・糊絵染 1943
松に雪の図屏風 和紙・糊絵染 1945
梅の図屏風 和紙・糊絵染 1946
青楓図屏風 木綿・型絵染 1950
屏風 妓王寺の秋 木綿・型絵染 1952
三十三間堂内陣図屏風 和紙・型絵染 1953
竹林農家の図屏風 和紙・型絵染 1957
上賀茂神苑図屏風 和紙・型絵染 1958
野草の図屏風 紬・型絵染 1959
野草図屏風 紬・型絵染に摺箔 1960
平家物語図屏風 浮生・発端・栄華・潰走・暴挙・敢行 和紙・型絵染 1961
野草図屏風 和紙・型絵染
連作・画巻
題名 材質・技法 制作年
画巻 村 和紙・型絵染 1949
画巻 村 六斎の巻 和紙・型絵染 1951
六朝 和紙・型絵染 1955
壬生狂言 焙烙割り 和紙・型絵染
ねずみの草子 和紙・型絵染 1956
型染和紙
題名 材質・技法 制作年
六斎念仏 和紙・糊絵染 1951
東寺の朝市 和紙・型絵染 1952
八坂の塔 和紙・型絵染
嵐山 和紙・型絵染
山ぐにの春 常照皇寺 和紙・型絵染 1954
東寺 和紙・型絵染 1955
東本願寺前 和紙・型絵染
伏見稲荷の鳥居 和紙・型絵染
六波羅蜜寺 和紙・型絵染
興福寺遠景 和紙・型絵染
箱根風景 和紙・型絵染
伏見の酒造 和紙・型絵染 1956
酒倉風景 和紙・型絵染
西陣の正月 和紙・型絵染 1958
祇園町の春 和紙・型絵染
都をどり 和紙・型絵染
梅雨晴れの鴨川畔 和紙・型絵染
大原の冬 和紙・型絵染
渡月橋の松 和紙・型絵染
寂光院 和紙・型絵染
保津川快晴 和紙・型絵染 1959
広沢池 月明 和紙・型絵染
比叡山の秋 和紙・型絵染
祇園祭 和紙・型絵染
時代祭 和紙・型絵染
盛夏の行事 和紙・型絵染
桂川の風趣 和紙・型絵染
門前の落葉 和紙・型絵染 1960
五条坂 和紙・型絵染
北野の初天神 和紙・型絵染
植木屋 和紙・型絵染 1961
双ヶ岡 広隆寺 和紙・型絵染
和紙・型絵染
家並 和紙・型絵染
御室の塔 和紙・型絵染


脚注

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  1. ^ 20世紀日本人名事典,367日誕生日大事典. “稲垣 稔次郎とは”. コトバンク. 2021年3月18日閲覧。
  2. ^ 稲垣稔次郎 | 稲垣稔次郎について”. www.toshijiro.jp. 2021年3月18日閲覧。
  3. ^ inagakitoshijirou”. libmuse.kcua.ac.jp. 2021年3月18日閲覧。
  4. ^ 稲垣稔次郎 | 略歴”. www.toshijiro.jp. 2021年3月18日閲覧。
  5. ^ 稲垣稔次郎 : 作家データ&資料一覧 | 収蔵品データベース | 西宮市大谷記念美術館”. 西宮市大谷記念美術館 - 収蔵品データベース. 2021年3月18日閲覧。
  6. ^ 日本人名大辞典+Plus,日本大百科全書(ニッポニカ), デジタル版. “稲垣稔次郎とは”. コトバンク. 2021年3月18日閲覧。
  7. ^ 稲垣稔次郎 | 古美術ますけん”. masuken.jp. 2021年3月18日閲覧。
  8. ^ 三・四部も特選を発表『大阪毎日新聞』(昭和16年10月16日)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p705 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年


外部リンク

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