古田土会計グループ
種類 | 税理士法人 |
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本社所在地 |
日本 〒134-0088 東京都江戸川区西葛西五丁目5丁目4-6 アールズコート302[1] |
設立 | 1983年1月11日(創立)[1] |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 税務、会計、コンサルティング |
代表者 | 古田土 満[1] |
資本金 | 3000万円[2] |
従業員数 | 375(2021年12月末現在)[3] |
主要子会社 |
株式会社 エムケーパーソナルセンター 社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング 税理士法人 生駒会計 株式会社 生駒経営[2] |
関係する人物 | 古田土 満(公認会計士・税理士) |
外部リンク | https://www.kodato.com/ |
特記事項:古田土の「土」は正式には右側に「、」が入り古田圡である[4]。 |
税理士法人 古田土会計グループ(こだとかいけいぐるーぷ)は、東京都江戸川区西葛西に本拠を置く税理士法人、会計事務所。税理士法人古田土会計を中心に株式会社古田土経営、その他数社からなる。業界で初めて経営計画発表会を開催した会計事務所であり、経営計画書と「古田圡式月次決算書」で知られている[5]。
概要
[編集]「日本中の中小企業を元気にすること」をビジョンに掲げ、独自開発の“商品”である「月次決算書」と「経営計画書」を導入。経営指導と会計指導を両展開。一般な会計事務所は、試算表の作成と決算申告業務を行うのみだが、同社は、「増収増益」「資金調達」「人材育成」と多面的なノウハウやサービスを提供する[6]。法人・個人を合わせ約4,000社の顧客を持ち[7][5][4]、うち約1200社が「月次決算書」を導入。300社が経営計画書を作成している[8]。近年は従来の会計顧問だけにとどまらず、財務顧問市場を開拓にも注力する[5]。中小企業と社員の幸せを追求する理念経営を実践してきたことなどが評価され、2024年春の叙勲において、創業者の古田圡満が旭日単光章を受賞。社会貢献に対する叙勲は、士業では初であった[9]。
会計事務所として新規顧客獲得数日本一、自己資本比率90%(総資産25億円、純資産22億円)、創業以来赤字なしで36期(2019年現在)増収[4]を続ける。不動産は持たず現預金を持ち、パートタイマーを含め社員全員にB/SやP/Lを配布、総勘定元帳は社員の休憩室に常備、代表者自身の給料まで財務内容をすべてオープンにしているほか、「古田土式月次決算書」や「経営計画書」を顧客に無償で指導し作らせるなど独自の経営方法で知られる。経営方針書を指導できる会計事務所は日本ではほとんどないが、同法人では顧客のうち300社(2014年現在)ほどが経営計画書を作成し、経営者が経営を真剣に取り組むようになった。このため、会計以外に人事問題も浮上するようになり、社会保険労務士業務の必要性が生じたが、同社専務が社会保険労務士資格を持っていたことから社会保険労務士法人も設立[10]。2021年には四国屈指の生駒会計グループ(香川県高松市)と経営統合し、400人規模に拡大した[5]。
代表の古田土満は、財務三表(財務諸表:貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)のうち、1年間の損益を示す損益計算書(P/L)は読めても、「会社に残っている財産」を示す貸借対照表(B/S)が読めない経営者が非常に多いと感じ、長期借入金の返済原資はB/Sの当期純利益と減価償却累計額と捉え、万が一に備え利益を現預金として手元に残しておくのが賢明な経営と考えている。経営に最も必要なのは「経営理念」であり、会社の存在意義、「社会にどう貢献していくか」の表明であり、この理念を全社員で共有し社会に役立っていることを実感することで社員のモチベーションが上がると考えている。その経営理念を全社的に共有するための道具が、「経営計画書」であり、そこで経営理念と使命感を明確に打ち出すことで、短期利益計画や中期事業計画、長期事業計画に血が通い始めるとしている。また、P/Lは全社員で作るものだが、B/Sは社長一人で作るものであり、財務体質の良い会社と悪い会社の違いは「社長の差」だとも発言している。以上の内容は三菱UFJグループが提供する情報誌「SQUET」2020年10月号でも紹介された[11][8]。
古田土は、企業の利益改善に関し、コロナ禍などの有事と2022年に見られる物価高騰時とでは利益構造の本質が異なると考えている。コロナ禍のようにいつか終息を迎える有事では、固定費削減が正しい対応だが、物価高騰は半永続的な事象であると予測され、コストカットだけではなく販売価格の引き上げを視野に入れるべきと考えている。このためには、自社の変動費と固定費の関係を正しく理解する必要があり、同社では通常の損益計算書ではなく変動損益計算書(変動P/L)を月次決算書として採用している。また、今後の物価高騰にそなえ、自己資本比率を高め内部留保は社員の給与額の1.5年分を目標とし、中長期的対策として、自社が価格決定権を持てるビジネスモデルの構築が必要であり、また良き人材の確保のために人件費を上げていくべきとも発言している[12]。
同社によれば、これからの経理担当者には、単なる経理作業者として精度を上げることだけではなく、「財務責任者」として財務諸表の分析、経営状態の把握、財務体質改善の実行力など、経営者の進むべき方向を提言する能力が求められるとしている[13]。また、安定的な経営を続けている会社の特徴として、「経営計画書」を作成し、社内でそれが運用され、その方針が社員に浸透していることを挙げている[14]。
古田土式月次決算書
[編集]独立前には監査法人勤務であった代表者古田土満は、独立後、税理士の多くが申告書しか作っておらず、中小企業がどうやればもうかるかとか財務体質が強くなるかということをアドバイスしている人が全くいないことに気づき、監査経験を活かし中小企業を対象とした現在の「古田土式月次決算書」を作り上げた[10]。古田土は、経営ビジョンとして「日本中の中小企業を元気にする」を掲げており、こうしたノウハウを税理士や一般企業家にも公開している[15][8]。
その他
[編集]- 「日本一元気な朝礼」と呼ばれるユニークな朝礼でも知られ、年間1000人の見学者がある[16]。同社では「三つの文化」(朝礼とあいさつと掃除)を徹底することで社員の人間性を高めるという理念が深く浸透し、商品・サービスの質が向上すると考えている[17]。
- 障がい者雇用を経営計画書の長期事業構想に明記し、5名の障がい者が就労中(知的障がい者1名、在宅雇用の身体障がい者1名、精神障がい者3名 2015年11月現在)[16][5]。
- 毎月第1月曜の朝、パートを含む全従業員を本社ビル1階の会議室に集め売り上げの発表会を開く。従業員が一人ずつが発表し、その数字を他の人が手書きで、自分の経営計画書に書き写していく。全員が同じ経営計画書を持っているのが特徴だが、全員が一堂に会し、全員が発表し、全員で書き込むという行為が一体感を生むうえで重要だと古田土は考えている[4]。
- 社員旅行として海外旅行と国内旅行を毎年交互に実施するほか、毎年4月2日を会社の休業日として定め、パート社員を含めた全社員とその家族をディズニーリゾートに無料で招待している。毎年8月にはパート社員を含む全社員の子どもを会社に招待する「ファミリーデー」を実施。これは会社見学と簡単な仕事の体験を通じて、親がどのようなところで働いているかを子ども達に知ってもらうためのイベントである[18]。
- 2021年7月現在、同社の顧問先2,450社を対象として新型コロナ危機による業績への影響では、全体の49.6%で売上の減少が見られ、うち、前年比50%以上減少した会社は12.6%、前年比30%減の会社が25.7%であった。同社によれば、間近の損益は赤字でも、過去から強い財務体質を構築している会社は問題がないという[13]。
- 「決算書が読める、とは会社の問題点が分かることであり、特に貸借対照表は非常に重要な指標で、改善にも時間がかかる。毎月チェックし必要に応じ早急に対応すべきだ」と、川名徹はセミナーで説いている[19]。
沿革
[編集]- 1983年 - 1月11日、監査法人武蔵監査法人(現新日本有限責任監査法人)[8]に勤めていた古田土満が個人で開業。
- 1988年 - 社会保険労務士登録。
- 1991年 - 初めて経営計画書を作成。
- 2006年 - 仙台支店開設、ハッピー体操 本気のじゃんけん導入。社員数100名突破。
- 2010年 - 売上高10億円達成。ファミリーデーを初めて実施。
- 2011年 - 社会保険労士法人 MK人事コンサルティング設立。東京都「東京ワークライフバランス認定企業」受賞。
- 2012年 - 法人化し、古田土満が代表社員に就任[8]。
- 2013年
- 2014年 - 中小企業庁「がんばる中小企業300社」受賞。東京都「障害者雇用優良企業」受賞。
- 2015年
- 2016年 - 日経BP社「人づくり大賞 中小企業社員育成法18選」 受賞。経済産業省「新ダイバーシティ経営企業100選」受賞。
- 2017年 - 社員数200名突破。
- 2021年 - 生駒会計グループ(香川県高松市)と経営統合し、400人規模に拡大。実質的にはM&Aであったにもかかわらず、社員のモチベーション維持と顧客への印象なども考慮し、「生駒会計」の名を残した[20]。
- 2023年
- 2024年
受賞歴他
[編集]- 2011年 - 東京都 東京ワークライフバランス認定企業受賞[1]。
- 2012年 - 平成24年度「ワーク・ライフ・バランス推進企業表彰」[24]
- 2013年 - 経済産業省 おもてなし経営企業30選受賞。
- 2014年
- 中小企業庁 がんばる中小企業300社受賞。
- 東京都 障害者雇用優良企業受賞。
- 2015年
- ※売上目標設定とスキル習得状況の可視化により、パートタイム労働者のスキルアップを推進[25]。
著書・書籍
[編集]- 『熱血会計士が教える会社を潰す社長の財務!勘違い』(日経BP、台湾でも翻訳出版)
- 『小さな会社の財務 コレだけ!』(日経BP)
- 『経営計画は利益を最初に決めなさい!―社長しかできない、2つの落とし込み』(あさ出版)
- 『社員100人までの会社の「社長の仕事」』(かんき出版)
- 『CD-ROM付 ドロくさいけど必ず結果が出る! 経営計画のつくり方』(あさ出版)
- 『掃除、挨拶、計画で会社は儲かる』(あさ出版)
- 『中小企業は行列のできるラーメン屋を目指せ!』(秀作社出版)
(以上、著者はすべて古田土満)[31]
- 『社長、会社を誰に、どう継がせますか?~事業承継の新しい教科書』佐奈徹也(かんき出版)ISBN 9784761275365
- 『なぜ、社長は決算書が読めないのか』(あさ出版)ISBN 9784866673967
- 月刊『経理WOMAN』(研修出版)2022年12月号「コロナ融資の返済」川名徹[32]
- 『企業実務』2023年1月号「先行き不透明な時代の羅針盤 社長を鼓舞する「経営計画」の立て方 川名徹(エヌ・ジェイ・ハイ・テック)
- 月刊『経理WOMAN』(研修出版)2023年3月号「貸借対照表(B/S)から読み解く財務改善7つのヒント」川名徹[32]
- 『企業実務』2023年10月号「金融機関との融資交渉術」川名徹
- 月刊『経理WOMAN』(研修出版)2024年1月号「経理担当者から財務責任者にステップアップする5つの心得」川名徹[33]
- 『あんしんlife』2024年4月号「チームビルディングのイロハ」(P24-P25)松本毅
所在地
[編集]本社
[編集]東京都江戸川区西葛西五丁目4-6 アールズコート302
仙台支店
[編集]宮城県仙台市宮城野区榴岡四丁目5-22 宮城野センタービル703
関連会社
[編集]- 株式会社 エムケーパーソナルセンター
- 社会保険労務士法人 エムケー人事コンサルティング
- 税理士法人 生駒会計
- 株式会社 生駒経営
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g “税理士法人 古田土会計公式サイト”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b c “古田土経営公式サイト - 会社情報”. 2022年3月1日閲覧。
- ^ “税理士法人 古田土会計公式サイト - 会社概要”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b c d “数値目標は社員の成長を促すために使う 経営者や上司の自己満足で目標を定めても社員は育たない 古田土 満”. 日経ビジネス (2019年4月18日). 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b c d e 『月間実務ニュース』2022年3月号「生駒会計グループとの経営統合で月次決算書と経営計画書を全国に 日本中の中小企業と社員の幸せを追求する古田土会計グループ」
- ^ 『月刊 中小企業家』2022年4月号 P20-21
- ^ “経理ウーマン9月号/特別企画/直近の経営課題を把握して早急に手を打つ!社長と経理が知っておきたい!!「月次決算書」の正しい読み方&活かし方 税理士法人古田土会計取締役/税理士 川名 徹”. 研修出版. 2024年9月10日閲覧。
- ^ a b c d e “OBCネットサービス OMSS会計ひろば 税理士法人古田土会計”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “士業として初めて旭日単光章を叙勲 古田圡 満先生に訊く理念経営への信念と実践”. 月刊実務経営ニュース. 2024年9月10日閲覧。
- ^ a b c “VTR1:新規顧客獲得数 日本一の会計事務所に潜入 (2014年6月公開)”. カウテレビジョン. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “Book&Author 著者に聞く!古田土満「熱血会計士が教える会社を潰す社長の財務!勘違い」”. 2020年12月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 『弥報』2022年6月号「利益改善と今後の対策」古田土満
- ^ a b 『月刊経理ウーマン』2021年7月号(研修出版)戦略財務コンサルタント 株式会社古田土経営 執行役員 川名徹 P26-46
- ^ 『経理WOMAN』2023年8月号22P「儲けにつながる経営計画書のつくり方&活かし方」川名徹
- ^ “カウテレビジョン公式サイト【古田土会計事務所(2)】未来を創る経営計画書 古田土式会計資料を拝見”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b “FVP - 障がい者雇用事例/おおつかがゆく!2015.11.19”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ 『理念と経営2024年8月号』朝礼の成否は経営者の志で決まる
- ^ a b c d “厚生労働省 - パート労働者活躍企業好事例バンク”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ 「KIRABOSHI」(きらぼしコンサルティング会報誌)2024.7-8 No.387「決算書の読み方入門講座」川名徹
- ^ “実務経営Channel YouTube【取材PV】古田土会計(東京)と生駒会計(香川)が経営統合、400人規模に! (3月号)2022/02/01”. 2022年3月1日閲覧。
- ^ “月刊『実務経営ニュース』2023年3月号”. 2023年3月14日閲覧。
- ^ 『2023完全版士業業界ランキング500』
- ^ 日経トップリーダー2024年5月号マンスリーコレクション「人気講師古田土会計の川名徹氏が…」(日経BP)
- ^ “江戸川区公式サイト”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “平成27年度 パートタイム労働者活躍推進企業表彰受賞企業事例集”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “経済産業省、「攻めのIT経営中小企業百選」選定企業を発表、中小企業33社を選定”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “経産省、2015年度の新・ダイバーシティ経営企業100選、なでしこ銘柄を発表ANA、JAL、東急ら旅行/交通関連企業も選出”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “[https://www.tcsw.tvac.or.jp/activity/taikai/documents/11R4kansha-bora.pdf IV 東京都社会福祉協議会会長感謝状受賞者1 ボランティア等社会福祉協力者・団体�]”. 東京都社会福祉協議会. 2023年1月19日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 『えどがわ社協だより』第155号
- ^ “ご寄附をいただいた皆さま(5月)”. 江戸川区社会福祉協議会. 2023年6月22日閲覧。
- ^ “Amazon公式サイト 古田土満”. 2020年12月25日閲覧。
- ^ a b “月刊経理ウーマン オススメ記事のご紹介”. 月刊『経理WOMAN』(研修出版). 2022年12月12日閲覧。
- ^ 月刊『経理WOMAN』(研修出版)2024年1月号 税理士法人 古田土会計 取締役/税理士 川名徹 P90-98
外部リンク
[編集]- 株式会社古田土経営・税理士法人 古田土会計公式サイト
- 古田土会計グループ (kodatokaikei) - Facebook
- 古田土会計グループのブログ