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神戸市交通局750形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
神戸市交通局750形電車
名谷車両基地に保存されている760号の前頭部(2012年10月14日撮影)
基本情報
運用者 神戸市交通局
製造所 神戸市交通局長田車両工場
製造年 1949年 - 1953年
製造数 10両(751 - 760)
廃車 1970年8月
主要諸元
軌間 1,435mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
車両定員 80人(座席34人)(751 - 755)
80人(座席36人)(756 - 760)
車両重量 15.0 t
全長 12,700 mm
全幅 2,438 mm
全高 3,565 mm(751 - 755)
3,558 mm(756 - 760)
駆動方式 吊り掛け駆動方式
歯車比 4.21(59:14)
出力 76.0 kw
定格速度 24.5 km/h
制動装置 空気ブレーキ
備考 主要数値は1963年8月時点のもの[1]
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神戸市交通局750形電車(こうべしこうつうきょく750がたでんしゃ)は、神戸市交通局がかつて所有していた神戸市電路面電車車両である。

概要

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750形は、戦前にロマンスカーとして名を馳せた700形の言わば後継車的な存在として、1949年から1953年にかけて 751 -760 の10両が製造された。漸く復興なった神戸市交通局長田車両工場で、戦前の様な設備は整わないまでも、何とか車輌製造が可能な環境が整ったので、まずは車両を製造してみようという事で作られたのである。

車体は、既に登場していた900形から中扉部分の車体を縮めた形で、700形よりも短くなった。電装機器類も新たに製造されたものである。まず 751, 752 の2両が1949年に登場し、1951年に 753 - 755 の3両が増備された。集電装置は 751, 752 がトロリーポールなのに対し、753 - 755 はビューゲルとなった。

やや間が空いて1953年に増備された 756 - 760 は、市民からの要望に応える形で待望のロマンスカーとして製造された。室内の座席には、出入台付近には1人掛けの転換クロスシートが前後あわせて8脚、中央部には2人掛けの転換クロスシートが16脚並ぶび、室内灯は窓上に蛍光灯を並べて装備するという、従来車とは一線を画する出来栄えで、市民から大変歓迎されたという。

しかし、乗客増が続いた当時の神戸市電においては、クロスシート車は乗客収容力に欠けるため、ラッシュ時には使用する事が出来ず、昼間においてもあまり使用されなくなるなど、やや宝の持ち腐れ的な状態になってしまった。そこで交通局では、クロスシートのロングシート化に踏み切る事となり、1963年に改造を実施、ロマンスカーとしての750形は10年で消滅した。なお同時に、窓枠下段のアルミサッシ化が実施されている。

その後は10両ともに揃って使用され、この間事故に遭った 760 は、側面窓全てがアルミサッシ化されている。

750形は、1970年3月の山手・上沢・須磨の各線が廃止された際にも廃車を免れたが、結局同年8月1日付で廃車された。このうち 760 は解体を免れて局工場で保管されたが、結局片側の運転台部を除いて解体された。現在、神戸市営地下鉄名谷車両基地に保管されており、車庫の一般公開日に同じく保存されている700形705や800形808ともども公開展示される。また、705の車内に設置されているクロスシートは、本形式からの流用品である。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 朝日新聞社「日本の路面電車諸元表」『世界の鉄道 昭和39年版』1963年、168-169頁。 

参考文献

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  • 神戸市交通局編『神戸市交通局八十年史』、神戸市交通局、2001年
  • 「神戸市電 車両史」『鉄道ファン』No.122(1971年7月号)、交友社
  • 小山敏夫『全盛期の神戸市電』(上)、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY No.75〉、2005年11月 ISBN 4-7770-5128-5
  • 小西滋男・宮武浩二『全盛期の神戸市電』(下)、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY No.76〉、2005年12月 ISBN 4-7770-5129-3