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祝真理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
いわい まり
祝 真理
本名 不明
生年月日 (1948-12-10) 1948年12月10日(76歳)
出生地 日本の旗 日本 神奈川県横浜市
職業 女優
ジャンル 劇場用映画時代劇映画成人映画
活動期間 1966年 - 1972年
主な作品
青春の悦楽』(1967年)
徳川女系図』(1968年)
欲情する思春期娘』(1971年)
女子学生のフリーセックス』(1971年)
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祝 真理(いわい まり、1948年12月10日 - )は、日本の女優である[1][2][3][4][5][6][7][8][9]。本名は不明。芸名は岩井 まり祝 マリ[8] と表記されることもあった。横浜山下公園氷川丸ハワイアン歌手であったが、1966年(昭和41年)に女優に転身、成人映画界のスター女優となり、わずかの間に100本あまりの作品に出演した[1]木俣堯喬監督の『青春の悦楽』(1967年)、石井輝男監督の『徳川女系図』(1968年)、あるいは小川欽也監督の『欲情する思春期娘』(1971年)および『女子学生のフリーセックス』(1971年)等の出演で知られる[1][2]

人物・来歴

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祝がデビュー前に舞台に上がっていた山下公園氷川丸

成人映画スターの時代

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1948年(昭和23年)12月10日、神奈川県横浜市に生まれる[1][2][7]

1964年(昭和39年)3月に中学校を卒業後、八百屋の店員、バスガール広告モデル、と職を転々とした[1]。その後、横浜市中区山下町の山下公園にある氷川丸でハワイアン音楽の歌手として舞台に上がっていたところ、スカウトされて女優になる[1]。デビュー作は、1966年(昭和41年)10月に公開された新高恵子主演の成人映画柔肌の掟』(監督松原次郎)、同作の公開当時、祝は満17歳であった[1][10]。祝は『白日夢』(1964年)以降の1966年のデビューであり、『日本映画発達史』の田中純一郎は、同書のなかで黎明期の成人映画界のおもな出演者を挙げているが、祝についての言及はない[11]。黎明期ではなく、『日本映画俳優全集・女優編』(キネマ旬報社)の祝の項にあるように「第二次ピンク映画隆盛期の売れっ子」であった[1]。1967年(昭和42年)9月12日に公開された『性の放浪』(監督若松孝二)や同年10月13日に公開された『青春の悦楽』(監督木俣堯喬)等に出演し、「小悪魔的な現代っ子」を多く演じた[1]

独立系プロダクションの作品のほか、1968年(昭和43年)には、日本のメジャー映画会社初の成人指定映画といわれる[12]石井輝男監督の東映ポルノ『徳川女系図』に出演して「おりき」を演じた。同作には祝のほか、辰巳典子内田高子谷ナオミ、火鳥こずえら、いわゆる独立系のピンク映画女優が多数出演しており、興行的に大成功を収めた[5][6][7][8][12][13]。当時さかんであった映画館での実演にも、多く出演した[1]。1969年(昭和44年)4月1日に発行された専門誌成人映画』第39号(現代工房)では、表紙の女優に選ばれた[14]

『日本映画俳優全集・女優編』には、1971年(昭和46年)6月に公開された主演作『欲情する思春期娘』(監督小川欽也)と『女子学生のフリーセックス』(監督小川欽也)まで[1]日本映画データベースには、同年8月に公開された主演作『抜き身の拳銃 欲望に狂う奴ら』(監督葉山憐)まで[8] で出演作についての記述が終わっている。ただしこの時期の作品記録が掲載されている『映画年鑑 1973』において、独立系の映画作品については監督名以外記載されておらず、この時期の出演者が概して不明である[15]。『日本映画俳優全集・女優編』には「百本余のピンク映画に主演および準主演した」と記述されているが、その1/3しか記録が残っていない[1][2][4][5][6][7][8][9]。1972年(昭和47年)5月24日に発行された『週刊実話』創刊700号記念号には、中津巴乱孝寿とともに出席した座談会が掲載されており、同年以降に引退した。以降の消息は不明である。

再評価

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東京国立近代美術館フィルムセンターは、2014年(平成26年)現在、祝の出演作7本を所蔵している[4][16]。公開当時、アメリカでも上映された『奴隷未亡人』(監督渡辺護、1967年)の上映用プリントが同国内で発見され、2008年(平成20年)4月1日に Slave Widow の題でDVD発売されている[17]。1971年8月18日には出演作『人肉の市』(監督木俣堯喬、1969年)が Les esclaves du plaisir の題でフランスで公開されている[18][19]

おもなフィルモグラフィ

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クレジットはすべて「出演」である[1][2][4][5][6][7][8][9][15][16][20][21][22][23][24]東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)等の所蔵状況についても記す[4][16]

ビブリオグラフィ

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国立国会図書館蔵書等にみる書誌である[3]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n キネ旬[1980], p.100.
  2. ^ a b c d e 祝真理jlogos.com, エア、2014年8月5日閲覧。
  3. ^ a b 国立国会図書館サーチ 検索結果、国立国会図書館、2014年8月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 祝真理東京国立近代美術館フィルムセンター、2014年8月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 祝真理、日本映画情報システム、文化庁、2014年8月5日閲覧。
  6. ^ a b c d 祝真理日本映画製作者連盟、2014年8月5日閲覧。
  7. ^ a b c d e 祝真理KINENOTE, 2014年8月5日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j 祝真理祝マリ日本映画データベース、2014年8月5日閲覧。
  9. ^ a b c d e Mari Iwaiインターネット・ムービー・データベース (英語)、2014年8月5日閲覧。
  10. ^ 柔肌の掟 - 日本映画データベース, 2014年8月5日閲覧。
  11. ^ 田中[1976], p.85-86.
  12. ^ a b 春日太一『仁義なき日本沈没 東宝VS.東映の戦後サバイバル』新潮社〈新潮新書〉、2012年、114頁。ISBN 978-4-10-610459-6 
  13. ^ キネ旬[1980], p.110.
  14. ^ 成人映画[1969], p.表1.
  15. ^ a b c 年鑑[1973], p.137-138, 155-156, 170-171.
  16. ^ a b c d 平成16年度 独立行政法人国立美術館 事業実績統計表独立行政法人国立美術館、2014年8月5日閲覧。
  17. ^ Slave Widow - オールムービー(英語), 2014年8月5日閲覧。
  18. ^ Les Esclaves du plaisir, Encyclo-ciné (フランス語), 2014年8月5日閲覧。
  19. ^ Les esclaves du plaisir, ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥールフランス語版 (フランス語), 2014年8月5日閲覧。
  20. ^ a b 年鑑[1968], p.320.
  21. ^ a b 年鑑[1969], p.343-344, 346.
  22. ^ a b c d キネ旬[1973], p.45, 60, 122.
  23. ^ a b c 西原・円尾[2002], p.301-302, 305, 321.
  24. ^ Cowie[1977](1968), p.378, 380.
  25. ^ a b 奇譚[1969], p.233.

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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画像外部リンク
いたづら
1967年1月13日公開
日本シネマフイルム
青春の悦楽
1967年10月13日公開
プロダクション鷹葵映画三映フィルム
徳川女系図
1968年5月1日公開
東映京都撮影所東映
色気ざかり
1968年6月公開
六邦映画
人肉の市
1969年1月公開
(プロダクション鷹)
セクシープラン
1970年8月公開
大蔵映画