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硫化ガリウム(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硫化ガリウム(II)
識別情報
CAS登録番号 12024-10-1 チェック
PubChem 6370242
ChemSpider 4898760 ×
特性
化学式 GaS
モル質量 101.788 g mol−1
外観 黄色結晶
密度 3.86 g cm−3
融点

965 °C, 1238 K, 1769 °F

磁化率 −-23.0·10−6 cm3/mol
構造
結晶構造 六角形, hP8
空間群 P63/mmc, No. 194
関連する物質
関連物質 硫化ガリウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫化ガリウム(II) (Gallium(II) sulfide, GaS) は、ガリウム硫黄からなる化合物である。元素から合成される通常の形の硫化ガリウム(II)は、Ga-Ga距離が248 pmのGa24単位を含む六角形の層状構造である[1]。この層状構造は、テルル化ガリウム(II)セレン化ガリウム(II)セレン化インジウム(II)等に似ている[1]有機金属気相成長法を用いて、歪んだウルツ鉱型構造を持つ珍しい準安定状態が生成されたことが報告されている[2]有機金属化合物の前駆体は、例えばGatBu2(S2CNMe2)等のジ-tert-ブチルガリウムジチオウレタンであり、GaAsの上に堆積する。この方法で生成したGaSの構造は、Ga2+S2-と考えられる。

硫化ガリウムの単層は、動的安定な二次元半導体であり、その中の価電子帯は逆ソンブレロ型で、正孔ドープが増加し、リフシッツ転移が起きる[3]

出典

[編集]
  1. ^ a b グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  2. ^ MOCVD Growth of Gallium Sulfide Using Di-tert-butyl Gallium Dithiocarbamate Precursors: Formation of a Metastable Phase of GaS A. Keys, S G. Bott, A. R. Barron Chem. Mater., 11 (12), 3578 -3587, 1999. doi:10.1021/cm9903632
  3. ^ V. Zolyomi, N. D. Drummond and V. I. Fal'ko (2013). “Band structure and optical transitions in atomic layers of hexagonal gallium chalcogenides”. Phys. Rev. B 87: 195403. arXiv:1302.6067. Bibcode2013PhRvB..87s5403Z. doi:10.1103/PhysRevB.87.195403.