砂湯
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砂湯(すなゆ)は、海岸に湧き出る源泉(あるいは温泉を通した地中の配管)によって温められた砂を、横たわった状態で首から下の体全体にかけてもらう形態の温泉の利用法[1][2]。温泉熱と砂の圧力による効果を利用するもので[2]、砂風呂[3]、砂蒸し[1](風呂)ともいう。鹿児島県の指宿温泉や大分県の別府温泉などが有名である[2]。
各地の砂湯
[編集]指宿温泉
[編集]指宿温泉の「砂むし温泉」の最も古い文献は1547年にジョルジェ・アルバレスが著した『日本報告』とされている[4]。指宿市内には、摺ヶ浜海岸にある砂むし施設「砂楽(さらく)」と伏目海岸にある砂むし施設「砂湯里(さゆり)」がある[4]。指宿温泉には世界的にも珍しい天然の砂蒸し温泉があることで知られる[4]。
別府温泉
[編集]別府温泉の「砂湯」は江戸時代には行われていた[2]。大正時代初期には各地に天然砂湯が存在していたが、次第に減少し、1966年(昭和41年)に最後になっていた北浜海浜砂湯が閉鎖されいったん消滅した[5]。その後、1986年(昭和61年)に上人ヶ浜に別府海浜砂湯が開設され市営温泉となっていたが[5]、この市営温泉は2023年(令和5年)3月末で閉鎖され、民営の後継施設のもとで従来の2倍超の面積をもつ砂湯が整備される計画がある[6]。このほか竹瓦温泉などにも屋内の砂湯を持つ施設がある[2]。
備考
[編集]- 屈斜路湖東岸に位置する「砂湯」(北海道川上郡弟子屈町)は、砂浜に穴を掘ると温泉が湧き出すことからこの名があり、足湯などに利用されている[7]。屈斜路湖畔温泉郷を参照。
- 岡山県真庭市にある「砂湯」は砂風呂ではなく湯に浸る天然の露天風呂で、川底から砂が湧き上がる様子から「砂湯」または「砂噴き湯」と呼ばれている[8]。
脚注
[編集]- ^ a b 野村英幸、田中信行「指宿砂むし温泉の作用機序とその効果について」『日本温泉気候物理医学会雑誌』第77巻第1号、日本温泉気候物理医学会、2013年、36-37頁。
- ^ a b c d e “第7章 温泉・湯けむりの利用実態”. 別府市. 2024年5月27日閲覧。
- ^ “砂風呂の本場”. 国土交通省. 2024年5月27日閲覧。
- ^ a b c 指宿まるごと博物館構想推進実行委員会. “指宿まるごと博物館ガイドブック”. 全国遺跡総覧. 2024年5月27日閲覧。
- ^ a b “参考資料 2 市営別府海浜砂湯調書”. 別府市. 2024年5月27日閲覧。
- ^ “上人ケ浜公園がアツくなる 後継施設詳細決まる コテージやグランピング充実 砂湯2倍超に 別府/大分”. 毎日新聞. 2024年5月27日閲覧。
- ^ “砂湯”. 国土交通省. 2024年5月27日閲覧。
- ^ “「砂湯」は砂風呂ですか?”. 真庭市. 2024年5月27日閲覧。