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短十二糎砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
短十二糎砲
原開発国 大日本帝国の旗 大日本帝国
運用史
配備期間 1943-1945
配備先  大日本帝国海軍
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
開発史
製造数 500
諸元
重量 約1.8トン(内、砲身重量:218kg[1]
全長 1,510mm(12.6口径
砲腔(ライフリング)長

砲弾 使用弾
通常弾(榴弾
阻塞弾
焼夷弾
焼霰弾
演習弾
対潜弾
砲弾重量 17kg[2]
口径 120mm
仰角 15度から+75度(俯仰速度:13度/秒)
旋回角 360度(旋回速度:12.5-13.5度/秒)
発射速度 7-12発/分
10発/分(標準)
初速 初速
最大射程 5,300m
3,100m(射高)
装填方式 人力
炸薬量 九一式爆薬:2.515kg(一号通常弾)[1]
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短十二糎砲(短12cm砲/たんじゅうにせんちほう)は、第二次世界大戦中期に日本海軍が開発した高角砲である。短二十糎砲と同時開発された。

概要

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短十二糎砲は、商船(特設艦船)の自衛用に開発された簡易急造高角砲である。大仰角を取ることが可能で、対空攻撃も行うために高角砲に分類されているが、実質は対潜を主とし、対潜・対水上・対空兼用の迫撃砲に似た特性を有する榴弾砲である。外見の特徴として、駐退機砲身の上方に1本ある。砲身の下方には短い円筒があるが復座機の可能性がある。閉鎖機は正面向かって右開きの螺旋式閉鎖機である。

TM型戦時標準船などに搭載された。

短十二糎砲は初速が低く、射程や射高も短く、砲弾装填時には砲身の仰角を約10度にせねばならなかったので発射速度も低い。そのため、主目的は潜水艦による通商破壊に対抗するための、対潜弾を使用した対潜攻撃であり、対空攻撃は副次的な目的と思われる。

開発と製造は呉海軍工廠にて行われ、短十二糎砲と短二十糎砲は合わせて、昭和18年に230門、昭和19年に230門、昭和20年に40門の計500門が製造された。

艦載砲である本砲を車載用に大幅に改造して、九七式中戦車に搭載し自走化した短十二糎自走砲がある。

脚注

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  1. ^ a b 陸戦兵器要目表, 68頁(アジア歴史資料センターのオンライン版で39コマ目).
  2. ^ 佐山二郎『日本陸軍の火砲 迫撃砲噴進砲』p388。

参考文献

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関連項目

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