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男女七歳にして席を同じゅうせず

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず)は、儒教礼記からの言葉。

概要

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一般に男女は7歳になれば、男女の別を明らかにして、みだりに交際させてはならないという意味で用いられている[1]。礼記の原文は「七年男女不同席」。

歴史

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古来人間とは7歳が人生の大きな区切りとされてきた。7歳までは子供期であり、大人に求められるような倫理性や道徳性や社会性は必ずしも強調されていなかった。その天真爛漫な姿が子供らしい姿であり、暗黙の了解であり理解があった。そして7歳以降の人間には倫理性や道徳性や社会性が求められるようになる。「男女七歳にして席を同じゅうせず」は、そのような社会風土のことわざである[2]

日本の戦前の小学校1年生のクラスは男女共学であったが、2年生以降から「男女七歳にして席を同じにせず」で男子と女子でクラスが分かれていた。6歳までは神の子であり、神の子には男女差がないとされていたためである。7歳から男女の差が見られ、初めて人間としての扱いを受けるようになっていた[3]

戦前の日本は「男女七歳にして席を同じゅうせず」をもって学校は男女別学が原則で、思春期は男女が接触しないことが良識であった。戦前は同じ沿線に男子校と女子校が有る場合には、男子の乗る車両と女子の乗る車両で分けられていたことがあった[4]

1947年教育基本法制定の時には、旧来の日本は男尊女卑と共に「男女七歳にして席を同じゅうせず」であったことが孤立主義として否定される。このことから教育基本法第5条「男女は、互いに敬重し、協力し合わなければならない」を制定して、教育の力で根本的な改革をするとした[5]

ここでの席は座席ではなく寝床であるという説もある。席とは本来は草や竹で編んだ敷物のことである。これが後に座席などの座る場所を意味する言葉となった[6]

脚注

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  1. ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉, 精選版. “男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょななさいにしてせきをおなじゅうせず)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年6月15日閲覧。
  2. ^ 田中亨胤「英知としての諺・格言に潜在する教育視座(Ⅰ) ―子どもの存在・概念をめぐって―」『京都文教短期大学研究紀要』第56巻、京都文教短期大学、2018年3月、33-44頁、CRID 1050282812965398528ISSN 0389-5467 
  3. ^ 家族の絆を深めよう|日本文教出版Webサイト|日文の教育情報Web版|明石要一”. www.nichibun-g.co.jp. 2023年6月15日閲覧。
  4. ^ Company, The Asahi Shimbun. “女性専用車両は差別だと女性を脅かすのは筋違い - 木村涼子|論座 - 朝日新聞社の言論サイト”. 論座(RONZA). 2023年6月15日閲覧。
  5. ^ 第5条 (男女共学):文部科学省”. 文部科学省ホームページ. 2023年6月15日閲覧。
  6. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2016年3月6日). “【続教育漢字考】《11》遠い昔『日中は一衣帯水』(1/2ページ)”. 産経ニュース. 2023年6月15日閲覧。