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田邊勝己

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田邊勝己

田邊 勝己(たなべ かつき、1960年11月25日 - )は、日本弁護士実業家

経歴

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中央大学法学部法律学科卒業後、司法試験に合格し、1989年弁護士登録。修習期は第41期。第一東京弁護士会を経て、2020年現在、大阪弁護士会所属[1]。2016年、警視庁で講演。東日本大震災のボランティア活動により釜石市長から感謝状を拝領する。主宰事務所である弁護士法人カイロス総合法律事務所には検察出身の弁護士、警察OBの顧問が複数在籍している。主な公的経歴として、東京簡易裁判所民事調停委員、東京地方裁判所破産管財人、第一東京弁護士会常議員、法律扶助協会新宿相談センター相談員を歴任、また、東証スタンダード上場企業である株式会社アクロディア (商号変更後THE WHY HOW DO COMPANY[2])の筆頭大株主(発行済株式の13.62%所有[3]から27.41%所有[4] [5] [6] [7] [8]へ)から第3位株主(4.60%所有[9]へ)から第5位株主(3.11%所有[10]へ)であり顧問弁護士を務める[11]。取扱分野は、民事法、刑事法、企業再建法、M&A法、資金調達、スタートアップ支援。さらに、実業家として不動産、ゴルフ場、法務省管轄のサービサー会社[12]などの経営に参画している。

人物

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司法修習生時代に主宰する弁護士法人カイロス総合法律事務所の現相談役である元大阪高検検事長逢坂貞夫弁護士と出会う。

東証スタンダード上場企業である株式会社アクロディアの顧問弁護士として、「反社会的勢力チェックは、信頼できる調査機関に全取引先の調査をしている他に、株式会社アクロディア顧問の警察OBの方の有している情報も総合して判断しています。しかし、ネット情報にはいわゆるブラックジャーナリストと言われる、全く出鱈目な情報を垂れ流しているサイトが多数ありますが、株式会社アクロディアでは、調査会社の調査だけに頼るのではなく、顧問弁護士や顧問の警察OB、元検察官の情報などを総合して正確な反社会的勢力の判断を行っています。」と述べている[13]

ジャーナリスト寺澤有は、同氏が証人尋問の法廷で「山岡俊介が主犯」と絶叫し泣いたことについて、愉快そうな人物ですねと論評している[14]

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(旧社名アクロデイア)の代表取締役会長の同氏は、令和3年11月26日開催の同社定時株主総会において、同氏による株式売却[15]とこれに伴う株価低迷に関する質問をしたにすぎない株主に対して、「脅しである」「恐喝犯人と一緒にホームページを作っている」などと虚偽の事実を述べてその名誉を毀損した[16]。その4ケ月後の令和4年3月31日、第三者割当による新株発行及び新株予約権の発行を発表し[17]、本第三者割当による新規発行株式数に本新株予約権が全て行使された場合の発行数量及び株式の希薄化率36.52%の規模は合理的であると判断して、同社臨時株主総会で承認可決した[18]

同氏が筆頭株主兼代表取締役会長を務めるTHE WHY HOW DO COMPANY株式会社(旧社名アクロデイア)は、2019年8月期に2億7817万円の当期純損失[19]、2020年8月期に10億5078万円の当期純損失[20]、2021年8月期に5億7653万円の当期純損失[21]と連続で赤字を継続しているが、2022年4月27日開催の臨時株主総会において、取締役及び監査役の報酬の枠の改定につき、取締役については年額3億円以内(うち社外取締役分1億円以内)、監査役については年額5000万円以内(うち社外監査役分 3000万円以内)と報酬枠を増額する変更の承認を受けた[18]が、それは直ちに取締役報酬及び監査役報酬を増額するものではなく、報酬の枠を増額する変更をしただけで、同氏については、就任以来、同社の黒字化まで役員報酬を1円とする方針を継続することをインベスター・リレーションズしている[22]

2022年12月1日付でTHE WHY HOW DO COMPANY株式会社の取締役に就任するも[23]、2023年7月31日付で同社の取締役を退任した[24]小室哲哉へ、同社から2億9234万円の貸付をしていたが[25]、同氏は「小室哲哉さんからは、『僕のパトロンのつもりでいてくれ』と言われています。小室哲哉さんの日常には、莫大な費用がかかります。たしかに、常識を超えた金額です。でもこれは、音楽活動や創作活動に必要な経費です」「小室哲哉さんは、前夫人(2021年に離婚が成立したKEIKO)への慰謝料の支払いもあります。またこれまでも、小室哲哉さんの音楽活動に経済的支援をしていた事業家もいました。小室哲哉さんがその方々から借りたお金を清算して、弊社のエンタテインメント事業に専念していただけるように、概算で数億円の先行投資をしています。貸し付けなどは、そのなかで事業費ではない費目を計上したものです」とFLASH (写真週刊誌)の直撃取材に回答している[26]

2024年4月18日、東京高等裁判所は、令和3年11月26日開催のTHE WHY HOW DO COMPANY株式会社定時株主総会における同氏の株主に対する前述の発言により、株主の社会的評価が低下し名誉を棄損され、同氏には違法性阻却事由 (日本法)が認められず、また、同氏が本件発言において摘示した事実が、その重要な部分ついて真実であることの証明があったとは認められないし、同氏において本件発言をした時点で、同重要な部分を真実であると信じるについて相当な理由があったとも認められないと判断して、同氏及び同社らへ、株主に対し、連帯して10万円及びこれに対する令和3年11月26日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払えとの判決を言い渡した[27]

2024年6月25日、証券取引等監視委員会から「THE WHY HOW DO COMPANY株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令及び訂正報告書等の提出命令勧告について[28]」内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、約5年前のTHE WHY HOW DO COMPANY株式会社の2019年8月期仮想通貨取引所関係のソフトウエア仮勘定の資産計上に関し、訂正報告書の提出命令及び44百万円の課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った旨の公表がなされた[29]。その後、同社は、関東財務局長から2024年6月26日付で「聴聞通知」を、金融庁長官から2024年6月27日付で「審判手続開始決定通知書」を各受領したが、本件勧告の内容について、代表取締役である同氏の取締役就任前の事由であるため本件勧告に従うことはできないと判断し、本件勧告を争う旨の弁明書等を提出することを同社取締役会で決議した[30]。2024年7月17日、関東財務局は、「THE WHY HOW DO COMPANY株式会社に対する有価証券報告書の訂正報告書等の提出命令について」において、命令の理由として、重要な事項について虚偽の記載があるものと認められたと記して[31]、行政処分を行った[32]。同社は、同社が提出した有価証券報告書等について、訂正報告書等の提出命令が発出されたことに対して、今後、行政不服審査法に基づく不服の申立や行政事件訴訟法に基づく処分の取り消しの訴えの提起等の対応を通じて、同社の主張の正当性を明らかにしていくと開示した[33]。2024年8月15日、本件提出命令に従わないときには金融商品取引法に基づく罰則が規定されていることを勘案し、本件提出命令に応答して訂正報告書等の提出を行いつつ、並行して行われる課徴金納付命令に関する審判手続き、本件提出命令に述べるような虚偽の記載とは考えておらず、本件提出命令には承服できないものとして、東京地方裁判所に訂正報告書等の提出命令取消の訴訟の提起を行う方針であることを開示した[34]。2024年8月16日、過年度の決算短信の訂正を行った[35]

2024年12月5日、東京地方裁判所は、令和2年9月28日、被告(前述の株主)が自らのブログに「アクロディア ニ千万騙し取られる」と題する記事を投稿し、その記事の「アクロディア自身、 検査キットの材料がでたとたん、顧問弁護士の田邊勝己が割り当てられたばかりの新株を売り払うという、さぎみたいなことをしている会社です。」との記載により同氏らの名誉及び同氏の名誉感情が違法に侵害されたとして、株主に対し、不法行為に基づき、各自慰謝料141万円の支払を求めるとともに、 謝罪広告の掲載を求める損害賠償等請求事件を提起したが、同氏は、同社によって塩野義製薬との新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検出キットの販売契約が公表される令和2年6月8日[36]の2日前に新株予約権を行使して同社の普通株式を22万3000株取得し、上記公表の7日後に同社の普通株式を62万株、同社の新株予約権を370万個取得したこと、上記公表の28日後までに、同社の普通株式を32万5100株処分し、上記公表の2日後までに、同社の新株予約権を388万個処分したことが認められるから、この意味においても、本件記載の意見が前提としている事実は、重要な部分において真実であると認められ、その内容に照らし 同氏らの人格攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものとはいえないことから、本件記載の投稿は、同氏らの社会的評価を低下させるものとはいえず、また、この点を描くとしても、真実性の抗弁が成立するから、 同氏らの名誉を違法に侵害するものとはいえないとして、同氏らの請求をいずれも理由がないとして棄却する判決を言い渡した[37]

著書

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出演

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脚注

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  1. ^ “大阪弁護士会 会員検索サービス”. https://www.osakaben.or.jp/web/lawyersearch/result.php?id=021018 2020年3月16日閲覧。 
  2. ^ 定款第1条(商号)を変更アクロディア第17回定時株主総会決議ご通知 2021年11月26日
  3. ^ 2020年8月期 第2四半期報告書株式会社アクロディア有価証券報告書 2020年4月14日
  4. ^ 変更報告書EDINET大量保有報告書 2020年5月25日
  5. ^ 変更報告書EDINET大量保有報告書 2020年6月12日
  6. ^ 変更報告書EDINET大量保有報告書 2020年8月6日
  7. ^ 変更報告書EDINET大量保有報告書 2020年11月18日
  8. ^ 変更報告書EDINET大量保有報告書 2021年8月27日
  9. ^ 主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2023年12月7日
  10. ^ 2024年8月期第2四半期報告書THE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年4月15日
  11. ^ “株式会社アクロディア 法律顧問弁護士田邊勝己質疑応答コーナー”. https://acrodea.co.jp/company/interview/ 2020年3月16日閲覧。 
  12. ^ トップページ 栄光債権回収株式会社”. www.a-co.co.jp. 2020年3月30日閲覧。
  13. ^ コンプライアンスについて株式会社アクロディア法律顧問弁護士 田邊勝己質疑応答コーナー
  14. ^ 田邊氏証人尋問報告寺澤有@Yu_TERASAWA 2018年6月2日午前1:24
  15. ^ 第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関する報告書日本経済新聞会社情報 2020年7月1日
  16. ^ 第5号議案 名誉毀損企業等への融資等の禁止三菱UFJフィナンシャル・グループ第17回定時株主総会招集ご通知 2022年5月31日
  17. ^ 第三者割当により発行される新株式及び行使価額修正条項付第12回新株予約権の募集THE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2022年3月31日
  18. ^ a b 臨時株主総会決議ご通知THE WHY HOW DO COMPANYIR資料 2022年4月27日
  19. ^ 2019年8月期有価証券報告書THE WHY HOW DO COMPANY有価証券報告書 2019年11月27日
  20. ^ 2020年8月期有価証券報告書THE WHY HOW DO COMPANY有価証券報告書 2020年11月30日
  21. ^ 2021年8月期有価証券報告書THE WHY HOW DO COMPANY有価証券報告書 2021年11月29日
  22. ^ 役員報酬に関するお知らせTHE WHY HOW DO COMPANYプレスリリース 2022年8月17日
  23. ^ 取締役の選任に関するお知らせTHE WHY HOW DO COMPANYIR資料 2022年10月26日
  24. ^ 第19回定時株主総会招集ご通知THE WHY HOW DO COMPANYIR資料 2023年11月13日
  25. ^ 有価証券報告書THE WHY HOW DO COMPANYIR資料 2023年11月29日
  26. ^ 小室哲哉が再び借金地獄 2億9234万円貸主社長が激白「彼の日常には、莫大な費用がかかります」FLASH (写真週刊誌) 2023年12月18日
  27. ^ 東京高裁判決書 損害賠償請求訴訟・株主総会で弁護士が株主に対して名誉を毀損する発言し認められた判決書弁護士自治を考える会 2024年4月30日
  28. ^ THE WHY HOW DO COMPANY株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令及び訂正報告書等の提出命令勧告について証券取引等監視委員会 2024年6月25日
  29. ^ 証券取引等監視委員会による課徴金納付命令及び訂正報告書の提出命令の勧告についてのお知らせTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年6月25日
  30. ^ 審判手続開始決定に対する答弁書の提出及び聴聞に対する陳述書の提出並びに特別損失の計上に関するお知らせTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年7月9日
  31. ^ THE WHY HOW DO COMPANY株式会社に対する有価証券報告書の訂正報告書等の提出命令について関東財務局 2024年7月17日
  32. ^ THE WHY HOW DO COMPANY株式会社に対する有価証券報告書の訂正報告書等の提出命令について金融庁 2024年7月17日
  33. ^ 当社に対する関東財務局による有価証券報告書等の訂正報告書等の提出命令についてTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年7月17日
  34. ^ 有価証券報告書等の訂正報告書等の提出についてTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年8月15日
  35. ^ 過年度の有価証券報告書の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信の訂正に関するお知らせTHE WHY HOW DO COMPANY適時開示 2024年8月16日
  36. ^ アクロディア、塩野義製薬株式会社と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)IgG/IgM 抗体検出キットに関する販売契約を締結THE WHY HOW DO COMPANYプレスリリース 2020年6月8日
  37. ^ 【判決書】損害賠償請求事件・ブログに投稿した内容が弁護士の名誉感情を低下させたか!?原告田邊勝己弁護士(大阪)被告山口三尊氏令和6年12月5日判決弁護士自治を考える会 2024年12月7日

関連項目

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外部リンク

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