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田辺裕 (地理学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

田辺 裕(たなべ ひろし、1936年10月6日 - )は、日本人文地理学者、東京大学名誉教授[1]広尾学園小石川中学校・高等学校学園長[2]広尾学園中学校・高等学校前校長[3]田邉 裕と表記されることもある。

政治地理学の立場から、市町村の領域と内部構造について検討し、明治時代の市町村合併の研究などで高く評価された[4]。また、フランスの地理学的研究に取り組み、フランス地理学の日本への紹介、日仏の文化交流にも関わった[4]

経歴

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神奈川県生まれ。神奈川県立横浜翠嵐高等学校を経て、東京大学に進む。学生時代には文学青年の一面もあり、宮原昭夫らと文芸同人誌を作っていた[3]1959年東京大学教養学部教養学科人文地理学専攻を卒業し、1961年に同大学院数物系研究科修士課程修了した後、1963年に博士課程を中途退学して、教養学部助手となった[1]1966年、「行政地域としての市町村の地理学的研究」で理学博士[5]

1966年から1968年までフランスレンヌ大学に留学[1]1971年に東京大学教養学部助教授、1986年に教授[1]1991年に外務省文化交流部より派遣され、パリ国際大学都市日本館館長となり、1993年に任期を終えて東京大学に復帰[1][3]1997年に定年退官し、名誉教授の称を受け、慶應義塾大学経済学部教授に転じる[1]。同年には、フランス政府より教育功労章オフィシエを授与されている[1]

2002年、慶應義塾大学を定年退職し、帝京大学経済学部教授となり、大学院経済学研究科長、経済学部長などを務めた後、2010年に退任[6]

この間、2000年から2008年にかけて、国際地理学連合 (IGU) の副会長を務めた[1][7]

2013年広尾学園中学校・高等学校校長に就任[8]2014年環太平洋大学理事、特任教授[9]

2019年、広尾学園中学・高校校長を退任し、前年に同校と教育連携協定を結んだ村田学園[10]の学園長に転じた。また同年、国連地名専門家グループ アジア東部地域部会長に就任。

著書

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  • 『人文地理学とその周辺』第1-3巻、私家版、1997年(田邊裕著作選)
  • 『もう一度読む山川地理』山川出版社、2012年
  • 『奇跡の学校 広尾学園の挑戦』学事出版、2019年
  • 『地名の政治地理学 地名は誰のものか』古今書院、2020年
  • 『境界の政治地理学 境界は動くのか』古今書院、2022年
  • 『地理・地誌・地理学の論理構造』古今書院、2024年

共編著

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  • 西川治・河辺宏共著『地理学と教養 人文地理学とその周辺』古今書院、1971年
  • 西川治・河辺宏共著『地理学と世界 人文地理学とその周辺』古今書院、1971年
  • 『職業からみた人口 その地域構造と変動』大蔵省印刷局、1996年9月
  • 田辺裕総監修、木村英亮・中俣均監修『世界地理大百科事典 6 ヨーロッパ』朝倉書店、2000年9月
  • 『観光産業と観光地の現場 経済社会の変化とその産業構造に与える影響 研究報告』私家版、2010年3月

翻訳

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出典・脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 田邉裕「履歴と業績」(PDF)『帝京経済学研究』第44巻第1号、帝京大学経済学部、2010年、5-10頁、2013年6月1日閲覧 
  2. ^ 活動日記 学校生活 田邉学園長 国連への出張報告”. 村田学園 (2019年5月22日). 2019年5月26日閲覧。
  3. ^ a b c 【トップインタビュー】広尾学園中学校・高等学校 校長 田邉裕先生 副校長 角田陸男先生”. 読売受験サポート(読売新聞社). 2013年8月23日閲覧。
  4. ^ a b 名誉会員候補者推薦委員会 2010年度活動報告 名誉会員候補者:田邉 裕会員”. 日本地理学会. 2013年6月1日閲覧。
  5. ^ 行政地域としての市町村の地理学的研究 田辺裕”. 国立国会図書館. 2013年5月26日閲覧。
  6. ^ 廣田功贈る言葉」(PDF)『帝京経済学研究』第44巻第1号、帝京大学経済学部、2010年、1-3頁、2013年5月26日閲覧 
  7. ^ 人文地理学会国際地理学連合』2009年3月5日更新(2013年5月26日閲覧。)
  8. ^ 大橋清貫前学園長離任式・田邉裕校長着任挨拶”. 広尾学園中学校高等学校 (2013年4月20日). 2013年5月26日閲覧。
  9. ^ 『境界の政治地理学』奥付、著者略歴。
  10. ^ 2018年4月27日(金)広尾学園と教育連携” (2019年5月1日). 2013年5月26日閲覧。

外部リンク

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