田原 (詩人)
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田原 | |
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プロフィール | |
出生: | 1965年11月10日 |
出身地: | 中国河南省[1][2] |
職業: | 詩人、翻訳家 |
各種表記 | |
繁体字: | 田原 |
簡体字: | 田原 |
拼音: | Tián Yuán |
和名表記: | でんげん |
発音転記: | ティエンユエン、ティアンユアン |
田 原(でん げん、ティエン・ユエン、ティアン・ユアン[3]、1965年11月10日 - )は、中国の詩人、翻訳家[4]。谷川俊太郎の研究家としても知られ、谷川俊太郎の詩作品を中国語に翻訳して出版している。母語である中国語での詩作のほかに、日本語での詩作も行っており、日本語による第2詩集『石の記憶』は、第60回H氏賞を受賞した。
2013年4月より、東北大学から城西国際大学に転勤、客員教授として教鞭をとっている[2]。
略歴
[編集]1965年、河南省の農村で生まれた[5]。詩作は高校生のときからはじめ、大学在学中に最初の詩集を刊行した[5]。
河南大学卒業後、1991年5月に公費留学生として来日、天理大学国際文化学部日本学科で学ぶ。1997年3月卒業。そこで谷川俊太郎の作品に触れて感銘を受け、谷川作品を中国語に翻訳した『谷川俊太郎詩選』を刊行して、中国に紹介した[5]。大阪外国語大学[6]、立命館大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程修了。『谷川俊太郎論』で文学博士号取得。他に田村隆一、辻井喬、北園克衛、白石かずこ、高橋睦郎などの作品を中国語に翻訳している。
2001年に第1回ボヤン賞(後の留学生文学賞)を受賞。2004年に、日本語による第1詩集『そうして岸が誕生した』(思潮社)を刊行。2009年には、四川大地震の悲しみなどを綴った第2詩集『石の記憶』(思潮社)を刊行、同作で第60回H氏賞を受賞した。
2005年春、翻訳した『谷川俊太郎詩選』(河北教育出版社)が北京・第二回「21世紀鼎鈞文学賞」を受賞。 2011年秋、翻訳した数冊の中国語詩集により、北京大学が主催する第三回「中坤詩歌賞」を受賞。 [2]。
作品
[編集]中国語詩集
[編集]- 『田原詩選』(人民文学出版社) 2007年
- 『樓梯 田原 STAIRWAY TIANYUAN』(中英対訳、英訳:Denis Mair、William.l.Elliott、Kazuo kawamura 、香港中文大学出版社) 2011年10月
- 『梦蛇』(東方出版社) 2015年11月
- 『夢的標點 - 田原年代詩選』(台湾印刻社) 2022年10月
日本語詩集
[編集]- 『そうして岸が誕生した』(思潮社) 2004年
- 『石の記憶』(思潮社) 2009年
- 『田原詩集』(思潮社、現代詩文庫) 2014年
- 『夢の蛇』(思潮社) 2015年
- 『詩人と母』(共著、ポエムピース社) 2021年7月
日本語絵本
[編集]- 『ねことおばあさん』(絵・くさなり、みらいパブリッシング社) 2020年
韓国語詩集
[編集]- 『돌의 기억(石の記憶)』(韓成禮:訳、子音と母音出版社) 2011年9月
韓国語絵本
[編集]- 『猫とおばあさん』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2020年8月
- 『雀の墓』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2020年8月
- 『蟬』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2020年8月
- 『犬と私』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2020年8月
- 『漁師と亀』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2020年8月
- 『オオカミと草原』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
- 『小さい白い犬』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
- 『トンボ』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
- 『キリギリス』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
- 『マスク』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
- 『国平君』(絵・林娥莉、訳・李国明、ソウル春芸図書) 2021年3月
編著
[編集]- 『中国新世代詩人アンソロジー』(田原:選、竹内新:訳、詩学社) 2004年
- 『谷川俊太郎詩選集』1 - 3(集英社) 2005年
- 『続中国新世代詩人アンソロジー』(田原:選、竹内新:訳、詩学社) 2006年
- 『私の胸は小さすぎる - 谷川俊太郎』(角川学芸出版) 2010年9月
- 『谷川俊太郎論』(岩波書店) 2010年12月21日
- 『谷川俊太郎詩選集』第4巻(集英社) 2016年
- 『私の胸は小さすぎる』(集英社文庫、谷川俊太郎恋愛詩ベスト96) 2019年
- 『いつかどこかで』(谷川俊太郎、集英社文庫、子どもの詩ベスト147) 2021年
- 『百代の俳句』(ポエムピース社) 2021年10月
- 『となりの谷川俊太郎』(ポエムピース社) 2022年7月
翻訳
[編集]- 『谷川俊太郎詩選』(作家出版社) 2002年
- 『谷川俊太郎詩選』(河北教育出版社) 2004年
- 『異邦人 - 辻井喬詩歌選』(人民文学出版社) 2005年
- 『定義』(谷川俊太郎:著、田原:訳、新加坡作家協会) 2006年
- 『春的臨終 - 谷川俊太郎詩選』(中日対訳、香港OXFORD出版社) 2010年7月
- 『天空 - 谷川俊太郎詩選』(北京大学出版社) 2012年3月
- 『小鳥在天空消失的日子』(谷川俊太郎 著)(上海浦睿文化伝播公司+湖南文芸出版社) 2013年9月
- 『二十億光年的孤獨』(谷川俊太郎 著、台灣 合作社出版) 2015年12月9日
- 『谷川俊太郎詩選』(谷川俊太郎 著、台灣 合作社出版) 2015年12月11日
- 『谷川俊太郎精選集』(人民文学出版社) 2016年
- 『二十億光年の孤独』(日中対訳、天津人民出版社) 2017年
- 『我』(日中対訳、台湾大鴻芸術合作社) 2017年
- 『春的臨終』(日中対訳、南京訳林出版社) 2017年
- 『譲我們継続沈黙的旅行 - 高橋睦郎詩選』(湖南文芸出版社) 2018年
- 『我』(人民文学出版社) 2018年
- 『金子美鈴全集』(中信出版社) 2018年
- 『三万年前的星空』(江蘇鳳凰文芸出版社) 2018年
- 『人間失格』(中信出版社) 2019年
- 『晩霞与少年 - 高橋睦郎詩選』(香港中文大学出版社) 2019年
- 『人間失格』(台湾時報文化出版社) 2019年
- 『minimal』(谷川俊太郎 著、台湾合作社) 2019年
- 『松尾芭蕉俳句選』(上海文芸出版社) 2019年
- 『定義』(谷川俊太郎 著、台湾合作社) 2020年
- 『金子美鈴詩選』(台湾INK出版社) 2020年
- 『谷川俊太郎詩歌総集』(江蘇鳳凰文芸出版社) 2021年
- 『心与女人』(南京訳林出版社) 2021年10月
- 『谷川俊太郎詩選全集』1-2巻(台湾合作社) 2022年11月
監修(日本語)
[編集]- 『西川詩選・中国現代詩人シリーズ1』(西川 著、竹内新 訳、思潮社) 2019年
- 『少年の詩・中国現代詩人シリーズ2』(閻志 著、竹内新 訳、思潮社) 2019年
- 『梅爾詩選・中国現代詩人シリーズ3』(梅爾 著、竹内新 訳、思潮社) 2020年
企画(日本語)
[編集]- 『短編小説・時間の河、シリーズ現代中国文学』(齋藤晴彦 訳、みらいパブリッシング社) 2020年
- 『散文・時間の入り口、シリーズ現代中国文学』(徳間佳信 訳、みらいパブリッシング社) 2020年
- 『詩・時計工場、シリーズ現代中国文学』(竹内新 訳、みらいパブリッシング社) 2020年
メディア報道
[編集]- おはよう宮城「日常から詩を生み出す」(NHK仙台放送、2010 年5月10日)
- テレビで中国語「中国見聞録・詩人田原」(NHK教育、2010年5月11日)
- Nスタみやぎ「H氏賞・受賞者・田原さん」(TBC 東北放送、2010年6月8日)
- NTDTV「訪談・中国詩人田原」(アメリカ NTDTV、2010年6月26日)
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脚注
[編集]- ^ H氏賞に中国出身・田原さん 現代詩人賞は高橋睦郎さん(2010年5月13日閲覧)[リンク切れ]
- ^ a b c H氏賞に中国籍の田原さん 四川大地震の悲しみ歌う(2010年5月13日閲覧)[リンク切れ]
- ^ 思潮社、第60回H氏賞
- ^ 谷川俊太郎 著、田原 編集『谷川俊太郎詩選集 1』集英社〈集英社文庫〉、2005年、ISBN 978-4-08-747831-0、奥付編著者略歴より
- ^ a b c 『読売新聞』 2010年5月13日付朝刊、14版、2面
- ^ 詩人・田原さん 下