換気 (医学)
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(用手換気から転送)
換気(かんき、英: ventilation)とは、生理学ないしは医学における吸気と呼気による体外と肺の間の空気の移動を意味する。
解説
[編集]呼吸とほぼ同義であるが、医学用語として、サ変動詞として用いる場合、呼吸は自動詞(呼吸する、breathe)となるが、換気は他動詞(○○を換気する、ventilate)となる。
医学用語としての機械換気は人工呼吸器を用いた換気を意味するが、医学文献では単に換気でも人工呼吸を意味することもある[1]。バッグバルブマスクなどを用いた、ヒトの手による換気は用手換気[2]またはマスク換気と呼ばれ、人工呼吸器を用いない人工呼吸の一種である。
→「バッグバルブマスク」も参照
他に人工呼吸器を用いない人工呼吸としては口対口人工呼吸がある[3]。
麻酔用酸素マスク
[編集]→詳細は「全身麻酔 § 麻酔の導入」を参照
用手換気は全身麻酔の導入時にも行われる。麻酔用マスクは、患者に麻酔ガスを吸入させるためのフェイスマスクである。2023年現在ではディスポーザブルのプラスチック製のマスクやホースが多く用いられている(写真参照)。マスクは口と鼻に装着するもので、ホースが二本繋がっている。1本のホースで吸入した麻酔ガスをマスクに送り、もう1本のホースで吐いた麻酔ガスを麻酔器に戻す。マスクを患者の顔に密着させるにはある程度の熟練を必要とする[4]。
脚注
[編集]- ^ “Definition of VENTILATION” (英語). www.merriam-webster.com. 2023年4月5日閲覧。
- ^ 相澤 千草「用手換気」『呼吸器ケア = Respiratory care : 呼吸器医療チームの専門誌』第6巻、2008年、360~364。
- ^ “応急手当Web│救急蘇生法│手順6.│人工呼吸(2回行う)”. www.hokkaido.med.or.jp. 北海道医師会. 2023年4月5日閲覧。
- ^ 山崎 信也, 川合 宏仁, 田中 一歩, 杉田 俊博, 奥秋 晟 (1999). “熟練者でなければマスク換気は難しい”. 蘇生 18: 38-40. doi:10.11414/jjreanimatology1983.18.38 .