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産業医学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

産業医学(さんぎょういがく、英語: Occupational medicine)とは産業活動のなかで労働者における作業関連疾患を医学的に解明、予防し、労働者健康を維持するための学問である。[1][2]産業保健労働衛生学とも呼ばれる。

かつては特定の職業、作業に特有の職業病を主な対象として、それらの環境要因人的要因などについて原因究明と対策を行ってきたが、現在は事務作業なども含めて労働者の総合的な健康増進を図るものとなっている。

産業保健

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産業保健とは労働者の健康対策を行う領域である。[3][4]労働者以外の健康対策を行う領域としては学生に対する学校保健や、[5][6][7]母親子どもに対する母子保健(母性保健・乳幼児保健)、[8][9]さらには老人保健がある。産業保健は日本国憲法に基づき、労働基準法労働安全衛生法によって法的に定められている。[10]労働基準法は労働時間や休暇、休業補償など労働者の勤務条件を定めるのに対して、労働安全衛生法は安全管理、産業医の選任、健康診断など物理的労働環境についてを定めている。[11]その他、関連する法律としてはじん肺法作業環境測定法などが存在する。[12][13]

近年では産業精神保健の必要性が取り上げられている。[14]

労働衛生

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法律的な根拠は産業保健の章で述べたとおり、多岐に渡っているが、基本的に労働衛生は以下の5管理(3管理+2分野)からなっている。

作業環境管理
有害物資の除去や環境測定などによる状態の把握と評価をおこなう。それにより中毒など防ぐ目的がある。
作業管理
耳栓や防振グローブの装着といった作業そのものの手順の管理を行う。
健康管理
健康診断などを行い、職業性疾病や障害を予防する。
健康教育[15][16]
健康管理体制

研究領域

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日本産業衛生学会の研究領域

団体

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関連項目

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脚注

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  1. ^ Rom, W. N., & Markowitz, S. B. (Eds.). (2007). Environmental and occupational medicine. Lippincott Williams & Wilkins.
  2. ^ Gochfeld, M. (2005). Chronologic history of occupational medicine. Journal of occupational and Environmental Medicine, 47(2), 96-114.
  3. ^ 菊池昭. (2004). 中小企業と産業保健. 日本職業・災害医学会会誌= Japanese journal of occupational medicine and traumatology, 52(3), 149-152.
  4. ^ 二瓶俊一, 岩本謙荘, 後藤慶, 原山信也, 毛利文彦, 相原啓二, & 蒲地正幸. (2009). 産業保健と救急医療のかかわり. 産業衛生学雑誌, 0904100024-0904100024.
  5. ^ 高野陽, & 学校保健. (1996). 学校保健とその背景:-児童・生徒の健康生活. 小児科臨床, 49, 1241-1248.
  6. ^ 学校保健. (2009). 安全実務研究会: 新訂版 学校保健実務必携 (第2次改訂版).
  7. ^ 松川憲行. (2008). 学校保健法の改正及び新しい学校保健安全法について. 学校保健研究, 50(5), 334-336.
  8. ^ 林路彰. (1970). 母性と母性保健. 母性保健, 1-7.
  9. ^ 母子愛育会, & 母性保健部会. (1973). 厚生省児童局母子衛生課監修: 母性保健指針.
  10. ^ 濱口桂一郎. (2004). 労働法政策. ミネルヴァ書房.
  11. ^ a b 堀江正知. (2013). 産業医と労働安全衛生法の歴史. Journal of UOEH, 35, 1-26.
  12. ^ 森本泰夫. (2013). じん肺法と産業医. Journal of UOEH, 35, 113-119.
  13. ^ 川波祥子, & 堀江正知. (2009). 粉じん作業とじん肺法. 産業保健と看護, 1(6), 631-633.
  14. ^ a b 廣尚典. (2011). わが国の産業精神保健の動向. Journal of UOEH, 33(1), 47-53.
  15. ^ 勝木美佐子. (2018). [今さら聞けない 産業衛生のきほん] 健康教育. 産業保健と看護, 10(4), 332-332.
  16. ^ 武藤孝司. (1993). 産業保健における健康教育の評価. 日本健康教育学会誌, 1(1), 99-114.
  17. ^ 相澤好治, 松下敏夫, 藤木幸雄, & 野村茂. (2002). F213 最近の労働衛生史研究の国際動向. 産業衛生学雑誌, 44, 462.
  18. ^ 三島徳雄, 永田頌史, 久保田進也, 原谷隆史, 川上憲人, & 荒記俊一. (1996). 職場におけるストレスと精神健康 (産業衛生とストレス)(第 36 回日本心身医学会総会). 心身医学, 36(2), 145-151.
  19. ^ 長谷陽子, 堀広子, 中安いくよ, 松下裕子, 稲垣通子, 海野愛子, ... & 指原俊介. (2008). 職場のストレス軽減のための取り組み. 産業衛生学雑誌, 0806170014-0806170014.
  20. ^ 斉藤良夫. (1996). 日本産業衛生協会・産業疲労委員会による労働者の疲労研究の検討− 機能検査法を中心にして−.
  21. ^ 大西徳明. (1987). もっと産業疲労研究を高めよう. 産業医学, 29(4), 263-263.
  22. ^ 岩切一幸, 毛利一平, 外山みどり, 堀口かおり, 落合孝則, 城内博, & 斉藤進. (2004). VDT 作業者の身体的疲労感に影響する諸因子の検討. 産業衛生学雑誌, 46(6), 201-212.