球麻痺
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球麻痺 (きゅうまひ、英語: bulbar palsy) とは、延髄の下位運動ニューロンまたは脳幹外部の下部脳神経の損傷によって生じる第IX~XII脳神経の機能障害に関連したさまざまな症状を指す[1]。 なお、「球」とは延髄の慣用語で、延髄を外から見るとボールのように丸いことによる。
症状
[編集]症状
[編集]- 嚥下障害
- 咀嚼困難
- 発話障害(はっきり話せない)
- 発声障害(声が出せない)
- 構音障害(呂律が回らない)
徴候
[編集]四肢の下位運動ニューロンの障害が見られることもある。
重症筋無力症とは異なり、眼周囲の筋肉の運動は障害されない。
原因
[編集]- 遺伝性: 球脊髄性筋萎縮症、 急性間欠性ポルフィリン症
- 血管疾患: 延髄梗塞
- 変性疾患: 筋萎縮性側索硬化症、 延髄空洞症
- 炎症性/感染症性: ギラン・バレー症候群、急性灰白髄炎、ライム病
- 悪性腫瘍: 神経膠腫、悪性髄膜炎
- 毒性: ボツリヌス症、サソリ刺傷(特にセントルロイデス属のもの)[2]、一部の神経性ヘビ毒[2]
- 自己免疫性: 重症筋無力症
鑑別診断
[編集]偽性球麻痺は球麻痺と臨床症状は同様だが、偽性球麻痺は大脳皮質前頭葉の運動野から伸びる皮質脊髄路(上位運動ニューロン)が障害されることによって生じ、脳卒中が原因であることが多い。
治療
[編集]根治療法は存在しないため、支援療法が主体となる。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ “Bulbar Palsy”. Palsy. 2011年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月27日閲覧。
- ^ a b http://www.us.elsevierhealth.com/wilderness-medicine-9781437716788.html