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王子恵須取軌道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャフチョールスク市貨物交通部
狭軌鉄道
Узкоколейная железная дорога Шахтёрского погрузочно-транспортного управления
王子恵須取軌道
樺太採炭鉱業上塔路軌道
ウダルノウスカヤ炭鉱の石炭積出港、シャフチョールスク港にあったシャフチョールスク中央選炭場
運営
開業 1931年(王子恵須取軌道として)
廃止 2017年
所有者 王子製紙・樺太採炭鉱業
→ウグレゴルスク企業合同
→シャフチョールスク市貨物交通部
→鉄道株式会社
→ロコモティブ有限責任会社
路線諸元
路線総延長 23km
軌間 762mm→750mm
電化 全線非電化
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王子恵須取軌道(おうじえすとるきどう)とは、かつて樺太恵須取郡恵須取町恵須取海岸駅から同大平炭山駅の間を結んでいた専用鉄道である。ソ連接収後、シャフチョールスク市が所管するシャフチョールスク市貨物交通部狭軌鉄道Узкоколейная железная дорога Шахтёрского погрузочно-транспортного управления, ШПТУ)となった。

概要

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停車場・施設(2006年一部廃止以降)
exKBHFa
ウグレゴルスク炭鉱(Шахта «Углегорская»
KDSTxa
シャフチョールスク機関区(Депо Шахтёрск
BHF
8キロポスト(8-й км
STR+l ABZgr
KBHFe STR
シャフチョールスク中央選炭場(ЦОФ
TUNNEL1
exKBHFa STR
ウグレゴルスク港(Порт Углегорск
exDST STR
ウグレゴルスク機関区(Депо Углегорск
exBHF STR
ウグレゴルスクパルプ製紙工場(Углегорский ЦБЗ
exSTRl eABZg+r
eBHF
ウズローヴァヤ(Узловая
KBHFe
ウダルノウスカヤ炭鉱(Шахта «Ударновская»
ロコモティブ有限責任会社時代の路線図(2006年一部廃止以降)

恵須取町の大平炭山から出炭した石炭を王子製紙恵須取工場および恵須取港まで輸送することを目的に1931年に開業し、石炭輸送のほか、王子恵須取工場をはじめとする沿線工場の貨物輸送にも用いられた。1937年には海運に代わり石炭輸送を行うために久春内駅から塔路までの樺太庁鉄道の新線建設が始まり、恵須取-塔路間のトンネルなどが完成したが、1942年に工事は中断し、未成線に終わった。

本軌道は1945年にソ連軍に接収されたのち、翌年に国営ウグレゴルスク企業合同に移管された。軌間を762mmから750mmに変更するとともに、未成に終わった旧樺太庁鉄道のトンネルを利用したウグレゴルスク(恵須取)とシャフチョールスク(塔路)を結ぶ新線建設でシャフチョールスク市の旧樺太採炭鉱業上塔路軌道線を路線網に組み込み、ウダルノウスカヤ炭鉱(旧大平炭山)に加えてウグレゴルスク炭鉱(旧三菱塔路炭鉱)の石炭輸送も行った。

このあと、ウグレゴルスク炭鉱のあるシャフチョールスク市役所に貨物交通部が新設され、ウグレゴルスク市内の一部区間を除いて本軌道の運営が移管された。2炭鉱の石炭や坑道に用いる坑木などの資機材のほか、ウグレゴルスクパルプ製紙工場(旧王子製紙恵須取工場)の原料や製品を輸送した。ウグレゴルスクとシャフチョールスクの2か所に機関区を置き、1960年代から1970年代にかけてТУ4ТУ5ТУ7Аの各750mm軌間ディーゼル機関車を導入した。

しかし1970年代には乗合バスへの転移で旅客輸送はほとんどなくなり、ソ連崩壊後の1990年代には貨物輸送も激減したため、シャフチョールスク市は鉄道株式会社(АО «Железнодорожник»)を設立して運営を民営化。同社はのちロコモティブ有限責任会社(ООО «Локомотив»)に改組されて鉄道運営を継続したが、2005年にウグレゴルスクパルプ製紙工場の閉鎖とウグレゴルスク炭鉱の閉山が相次ぎ、製紙工場周辺やウグレゴルスク炭鉱周辺の路線を廃止した。

沿線に最後まで残ったウダルノウスカヤ炭鉱(2004年、サハリンウーゴル6に改称)については、周辺の道路状況の悪さから自動車輸送への切り替えができなかったため、ウダルノウスカヤ炭鉱-8キロポスト-中央選炭場間で石炭輸送の貨物列車を運行し、8キロポスト-シャフチョールスク機関区間は車両の出入区にのみ使用する形で運営を続けた。しかし2017年にサハリンウーゴル6が閉山したため、本鉄道も運営を取りやめ全線が廃止された。

路線

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(王子恵須取軌道)

  • 路線距離:恵須取海岸駅 - 大平炭山駅間:12.6km
  • 軌間:762mm(ソ連編入後は750mmに改軌)
  • 電化区間:なし(全線非電化

沿革

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駅一覧

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(王子恵須取軌道)

駅名 営業キロ 接続路線 所在地
恵須取海岸駅 0.0 樺太 恵須取郡 恵須取町
入泊駅  
大平炭山駅 12.6  

脚注

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  1. ^ 三木理史「1930年代の樺太における石炭業」『アジア経済』第46巻第5号、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2005年5月、2-18頁、doi:10.20561/00041292ISSN 00022942NAID 120006225849 
  2. ^ 2509. Шахтёрск - Ударный (Тайхэй), Углегорск (Эсуторо)
  3. ^ 地方鉄道及軌道一覧. 昭和18年4月1日現在

関連項目

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