猫の子守唄
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『猫の子守唄』(ねこのこもりうた、ロシア語: Колыбельные、フランス語: Berceuses du chat)は、イーゴリ・ストラヴィンスキーが1915年から1916年に作曲した歌曲集。コントラルトと3本のクラリネット(小クラリネット、クラリネットA管、バスクラリネット)のために作曲された4つの小曲から構成される。歌詞はロシア語で、1850年代のV・パセックによる「庶民の子守歌」という雑誌記事(後にキレーエフスキーの民謡集に収録)から取られたものだが[1]、シャルル=フェルディナン・ラミューズによるフランス語の訳詞の方が有名である。
なお『猫の子守唄』という題はフランス語訳に由来し、ロシア語の題は単に『子守歌』である。
概要
[編集]『猫の子守唄』は『プリバウトキ』(1914年作曲)と同時期に作曲され、1919年6月6日にウィーンにおいて初演された。2日後にアントン・ウェーベルンはアルバン・ベルクに宛てて、次のように書き送っている[2] 。
ストラヴィンスキーという人は天才です。この歌曲集は傑作であり、僕はこの音楽にすっかり魅惑されました。この曲集にぞっこんなのです。この子守唄は、筆舌に尽くしがたいほど感動的なのですから。それにクラリネットの何という響きでしょう!
楽曲構成
[編集]以下の4曲からなり、全曲を通して演奏しても4分とかからない。日本語の題はフランス語からの翻訳による。
- 暖炉の上で Спи кот / Le Chat sur le poêle
- 部屋の中 Кот на печи / Intérieur
- ねんね Бай-бай / Dodo
- 猫の飼い主 У кота кота / Ce qu'il a, le chat
脚注
[編集]参考書籍
[編集]- André Boucourechliev, Igor Stravinsky, Fayard, coll. « Les indispensables de la musique », France, 1982 (ISBN 2-213-02416-2).
- ロバート・クラフトの「ストラヴィンスキー全集」(Naxos 8.557505)の解説文より
- Richard Taruskin (1996). Stravinsky and the Russian Traditions: A Biography of the works through Mavra. 2. University of California Press. ISBN 0520070992