木曽川うかい
木曽川うかい(きそがわうかい)とは、愛知県犬山市の木曽川で毎年6月1日から10月15日まで(8月10日を除く)行われる鵜飼である。
概要
[編集]木曽川鵜飼、犬山鵜飼ともいう。
増水、台風時以外のときは行われる。鵜飼は基本的に夜に行う漁法であるが、木曽川うかいは、夜の鵜飼の他に、昼間に行う鵜飼である「昼鵜飼」を唯一行なっている(毎週火・木・土曜日)。
1300年ほど前から行われており、起源は漁としての鵜飼だが、現在は古典漁法を今に伝える観光としての鵜飼である。日本ライン下りを行なっていた木曽川観光株式会社が運営する[1]。
また、木曽川うかいの伝統漁法は、1985年(昭和60年)12月26日に、木曽川犬山鵜飼漁法として犬山市の指定文化財(無形民俗文化財)となっている[2]。
歴史
[編集]『犬山市史』によると、犬山城3代城主成瀬正親が故郷の三河国から鵜匠を呼び寄せ、万治3年(1660年)に幕府の御料鵜飼として始めたことによる[3]。鵜匠を住まわせた場所は現在も「鵜飼町」という地名で残されている[3]。しかし、6代城主成瀬正典が隠居の際に仏教に帰依し、殺生を嫌って鵜匠を追放したことから、犬山の鵜飼は途絶えることとなった[3]。
明治時代になると、犬山の鵜飼を復興する運動が始まり、鵜飼鎌次郎の尽力で鵜飼が再興された[3]。鎌次郎は1910年(明治43年)に鵜飼遊船株式会社、1914年(大正3年)には犬山通船株式会社を創業して観光鵜飼の発展に尽力した[3]。
2013年(平成25年)には、東海地方唯一の女性鵜匠として、稲山琴美がデビューした。
漁法
[編集]鵜匠(鵜飼漁をする人)の装束は風折烏帽子、漁服、胸あて、腰蓑という古式ゆかしいものである。
舟首に篝火を付けた鵜舟に鵜匠が乗り10羽の鵜を手縄をさばき、操り、篝火に集まってきたアユを鵜が次々に捕る。鵜匠と鵜は呼吸の合った動きを見せ、見事に鮎を捕らえてくる。鵜の捕った鮎は鵜匠のより吐き篭に吐かせられる。実際には、鵜の首の紐の巻き加減を調整し、小さいアユはウの胃に入る。鵜は海鵜を使っている。
昼間の鵜飼は、篝火をつけないで行う。アユが寄ってくる光が無いこともあり、アユを捕らえるのは難しい。
観光
[編集]この光景を、観光客は屋形船から眺める事が出来る。木曽川うかいの場合は、以下のように行なわれる。
注意:時間は5月~8月の標準。「鈎括弧」内は9・10月、(括弧)内は昼鵜飼の時間。
- 18:00「17:30」(11:30) 犬山橋右岸の乗船場より屋形船に乗船。船内で食事及び木曽川を遊覧。
- 19:00「18:30」(12:20) 一旦下船。トイレ休憩。
- 19:30「19:00」(12:40) 再乗船。鵜飼を見物。
- 20:15「19:45」(13:40) 終了。
船舶
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 犬山市「3 木曽川周辺にみる歴史的風致」『犬山市歴史的風致維持向上計画』(第2期)、2022年3月、72-80頁 。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 木曽川鵜飼・遊覧 - 木曽川観光株式会社
- 木曽川鵜飼・犬山観光情報 - 犬山市観光協会