「装甲巡洋艦」の版間の差分
m 冒頭に定義なしのため修正求む |
m →ドイツ海軍 |
||
49行目: | 49行目: | ||
*ローン級(1905年、9,550トン、21cm(40口径)連装速射砲2基、21,1ノット) |
*ローン級(1905年、9,550トン、21cm(40口径)連装速射砲2基、21,1ノット) |
||
**ローン、ヨルク |
**ローン、ヨルク |
||
*シャルンホルスト級(1907年、11,610トン、21cm(40口径)連装速射砲2基+同単装速射砲4基、23,5ノット) |
*[[シャルンホルスト級大型巡洋艦|シャルンホルスト級]](1907年、11,610トン、21cm(40口径)連装速射砲2基+同単装速射砲4基、23,5ノット) |
||
**シャルンホルスト、グナイゼナウ |
**シャルンホルスト、グナイゼナウ |
||
*ブリュッヒャー(1909年、15,840トン、21cm(44口径)連装速射砲6基、25,4ノット) |
*ブリュッヒャー(1909年、15,840トン、21cm(44口径)連装速射砲6基、25,4ノット) |
2007年1月8日 (月) 10:50時点における版
近代以降の大砲の威力の向上は、軍艦の防御力を向上させる必要を生じた。そこでフリゲートに装甲を施した装甲艦が生まれた。そして装甲艦は大型化していき、かつての戦列艦すら上回る巨艦に発展していった。そこで大型化した艦を戦艦、大型化をほどほどに留めた艦を装甲巡洋艦(そうこうじゅんようかん、Armored cruiser)と称して、区分するようになった。アメリカ最初の戦艦であるテキサスが、当初は装甲巡洋艦に分類されていたように、両者の区分は最初は曖昧なものであった。
一方で装甲を施さずにフリゲートから発展していった艦もあり、それは防護巡洋艦と呼ばれた。そしてその防護巡洋艦から発展し、装甲を施した軍艦もまた、装甲巡洋艦と称された。これらの艦の火力は防護巡洋艦と互角であり、速力は戦艦より高速くらいにとどめ、砲弾が突き抜けるままに任せていた舷側防御は巡洋艦の備砲に耐えるだけの舷側防御装甲を与え、吹きさらしの主砲は砲塔形式とされた。
兵装や防御装甲には各国の特色が現れ、防護巡洋艦からの発展系の装甲巡洋艦の元祖のフランスや、追従するロシアやイタリアは、速力優先で火力と装甲に比する割合が小さかった。一方日本海軍がイギリスに発注した浅間型は、主砲こそ8インチ砲だが副砲として戦艦並の15,2cm砲を多く搭載という、戦艦から分かれた装甲巡洋艦の系列らしく、準戦艦的な艦であった。日本近海での迎撃任務のため、航続能力や航海性能も抑えて防御も厚くした。こうした準戦艦的な装甲巡洋艦の傾向は各国に広まり「アミラル・シャルネ」「クレッシー」「フュルスト・ビスマルク」「ジュゼッペ・ガリバルディ」「ブルックリン」「バヤーン」等の有力な艦が続々と建艦された。
フランス海軍
- デュピュイ・ド・ローム(1890年竣工、6,676トン、19cm(45口径)単装砲2基、19,7ノット)1隻
- アミラル・シャルネ(1894年竣工、4,681トン、19cm(45口径)単装砲2基、19ノット)4隻
- アミラル・シャルネ、ブリュイ、シャンジー、ラトゥーシュ・トレヴィル
- ポテュオ(1897年竣工、5,375トン、19cm(40口径)単装砲2基、19,0ノット)1隻
- ジャンヌ・ダルク(1902年竣工、11,092トン、19cm(40口径)単装砲2基、21,8ノット)1隻
- ゲイドン級(1,902年竣工、9,367トン、19cm(40口径)単装砲2基、21,8ノット)4隻
- デュプティ・トゥアール、ゲイドン、モンカルム
- デュプレクス級(1903年竣工、7,432トン、16cm(45口径)連装砲4基、21,0ノット)3隻
- ドゥゼ、デュプレクス、クレベ
- アミラル・オーブ級(1903年竣工、9,534トン、19cm(40口径)単装砲2基、16cm(45口径)単装砲8基、21,5ノット)5隻
- アミラル・オーブ、コンデ、グロアール、マルセイエーズ、シュリー
- レオン・ガンベッタ級(1905年竣工、11,959トン、19cm(40口径)連装砲2基、16cm(45口径)連装砲6基+同単装砲4基、22,5ノット)3隻
- レオン・ガンベッタ、ジュール・フェリー、ヴィクトル・ユゴー
- ジュール・ミシュレ(1908年竣工、13,105トン、19cm(50口径)連装砲2基、16cm(45口径)単装砲12基、22,5ノット)
- エルネスト・ルナン(1909年竣工、13,504トン、19cm(50口径)連装砲2基、16cm(45口径)単装砲12基、23ノット)
- エドガー・キーネ(1911年竣工、13,874トン、19cm(50口径)連装砲2基+同単装砲10基、23ノット)2隻
- エドガー・キーネ、ワルデック・ルソー
イギリス海軍
- クレッシー級(1901年竣工、12,000トン、23,4cm(40口径)単装砲2基、21,0ノット)6隻
- アプーキア、バッカント、クレッシー、ユーライアス、ホーグ、サトレッジ
- ドレイク級(1902年竣工、14,150トン、23,4cm(45口径)単装砲2基、23,0ノット)4隻
- ドレイク、グッド・ホープ、キング・アルフレッド、リヴァイアサン
- モンマス級(1903年竣工、9,800トン、15,2cm(45口径)連装速射砲2基+同単装速射砲10基、23,0ノット)10隻
- エセックス、ケント、ベドフォード、モンマス、ベリック、コーンウォール、カンバーランド、ドニゴール、ランカスター、サフォーク
- デヴォンシャー級(1905年竣工、10,850トン、19,1cm(45口径)単装速射砲4基、22,25ノット)6隻
- アントリム、アーガイル、カーナヴォン、デヴォンシャー、ハンプシャー、ロックスバラ
- デューク・オブ・エジンバラ級(1906年竣工、13,550トン、23,4cm(45口径)単装砲6基、23,25ノット)2隻
- ブラック・プリンス、デューク・オブ・エジンバラ
- ウォーリア級(1906年竣工、13,550トン、23,4cm(45口径)単装砲6基、19,1cm(45口径)単装砲4基、23,0ノット)4隻
- アキリーズ、コクラン、ナタル、ウォーリア
- マイノーター級(1908年竣工、14,600トン、23,4cm(50口径)連装砲2基、19,1cm(50口径)単装砲10基、23,0ノット)2隻
- ディフェンス、マイノーター、シャノン
ドイツ海軍
- フュルスト・ビスマルク(1900年、10,700トン、24cm(40口径)連装砲2基、18,7ノット)
- プリンツ・ハインリヒ(1902年、8,890トン、24cm(40口径)単装速射砲2基、19,9ノット)
- プリンツ・アダルベルト級(1903年、9,090トン、21cm(40口径)連装速射砲2基、20,4ノット)
- プリンツ・アダルベルト、フリードリッヒ・カール
- ローン級(1905年、9,550トン、21cm(40口径)連装速射砲2基、21,1ノット)
- ローン、ヨルク
- シャルンホルスト級(1907年、11,610トン、21cm(40口径)連装速射砲2基+同単装速射砲4基、23,5ノット)
- シャルンホルスト、グナイゼナウ
- ブリュッヒャー(1909年、15,840トン、21cm(44口径)連装速射砲6基、25,4ノット)
イタリア海軍
- マルコ・ポーロ(1894年、4,580トン、15,2cm(40口径)単装砲6基、17,0ノット)1隻
- ヴェットール・ピサニ級(1898年、6,720トン、15,2cm(40口径)単装砲12基、19,0ノット)2隻
- ヴェットール・ピサニ、カルロ・アルベルト
- ジュゼッペ・ガリバルディ級(1901年、7,350トン、25,4cm(40口径)単装砲+20,3cm(45口径)連装砲1基、19,7ノット)3隻
- ジュゼッペ・ガリバルディ、ヴァレーゼ、フランチェスコ・フェルッキオ
- ピサ級(1909年、9,960トン、25,4cm(45口径)連装砲2基、19cm(45口径)連装砲4基、23ノット)2隻
- ピサ、アマルフィ
- サン・ジョルジョ級(1910年、9,832トン、25,4cm(45口径)連装砲2基、19cm(45口径)連装砲4基、23,2ノット)2隻
- サン・ジョルジョ、サン・マルコ
旧日本海軍
- 浅間型(1899年イギリス、アームストロング社造船所にて竣工、9,700トン:、20,3cm(45口径)連装砲2基、21,5ノット)2隻
- 八雲(1900年ドイツ、フルカン造船所にて竣工、9,695トン: 20,3cm(45口径)連装砲2基、20,5ノット)1隻
- 吾妻(1900年フランス、ロワール社サン・ナゼール造船所にて竣工、9,326トン、 20,3cm(45口径)連装砲2基、20,0ノット)1隻
- 出雲型(1900年イギリス、アームストロング社造船所にて竣工、9,775トン、 20,3cm(45口径)連装砲2基、20,8ノット)2隻
- 春日型(1904年イタリア、アンサルド社造船所にて竣工、7,700トン、 春日は25,4cm(40口径)単装砲1基、20,3cm(45口径)連装砲1基、日進は20,3cm(45口径)連装砲2基、20,0ノット)2隻
- 春日(旧アルゼンチン海軍「リバダビア」)、日進(旧アルゼンチン海軍「マリアノ・モレノ」)
- 筑波型(1907年竣工、13,750トン、30.5cm(45口径)連装砲2基、20,5ノット)2隻
- 鞍馬型(1911年竣工、14,636トン、30.5cm(45口径)連装砲2基、20.3cm(45口径)連装砲4基、21,25ノット)2隻
アメリカ海軍
- ニューヨーク(1893年竣工、8,200トン、20.3cm(35口径)連装砲2基+同単装砲2基、20ノット)1隻
→1911年2月、サラトガと改名→1917年12月、ロチェスターと改名
- ブルックリン(1896年竣工、9,215、20.3cm(35口径)連装砲4基、20ノット)1隻
- ペンシルヴァニア級(1896年竣工、9,215、20.3cm(40口径)連装砲2基、22ノット)6隻
- ペンシルバニア、ウエスト・バージニア、カリフォルニア、コロラド、メリーランド、サウス・ダコタ
- テネシー級(1896年竣工、9,215、25.4cm(40口径)連装砲2基、22ノット)4隻
- テネシー、ワシントン、ノース・カロライナ、モンタナ
帝政ロシア海軍
- パミャート・アゾヴァ級(1,890年竣工、6,670トン、20,3cm(35口径)単装砲2基、15,2cm(35口径)単装砲13基、17ノット)2隻
- パミャート・アゾヴァ、ドヴィーナ
- リューリク(I)(1895年竣工、11,690トン、20,3cm(35口径)単装砲4基、15,2cm(45口径)単装砲16基、18,7ノット)1隻
- ロシア(1897年竣工、12,195トン、20,3cm(45口径)単装砲6基、15,2cm(45口径)単装砲14基、19ノット)1隻
- グロムボイ(1900年竣工、11,359トン、20,3cm(45口径)単装砲6基、15,2cm(45口径)単装砲20基、20ノット)1隻
- バヤーン(I)1902年竣工、7,835トン、20,3cm(45口径)単装砲2基、15,2cm(45口径)単装砲8基、22,5ノット)1隻
- アドミラル・マカロフ級(1906年竣工、7,835トン、20,3cm(45口径)単装砲2基、15,2cm(45口径)単装砲8基、22,5ノット)3隻
- アドミラル・マカロフ、バヤーン(II)、パルラダ
- リューリク(II)(1906年竣工、15,170トン、25,4cm(50口径)連装砲2基、20,3cm(45口径)連装砲4基、21,5ノット)2隻
ギリシャ海軍
- イェロギオフ・アヴェロフ(1911年竣工、9,950トン、23,4cm(45口径)連装砲2、19,1cm(45口径)連装砲4基、22,5ノット)1隻
スウェーデン海軍
- フライヤ(1907年竣工、4,980トン、15.2cm(50口径)連装砲4基、22,0ノット)1隻
チリ海軍
- ジェネラル・オヒギンス(1898年竣工、8,500トン、20.3cm(45口径)単装砲4基、15.2cm(40口径)単装砲10門、21,6ノット)1隻
関連項目
参考文献
- 世界の艦船 1986年1月増刊号 近代巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 1998年12月増刊号 フランス巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 1996年11月増刊号 イギリス巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 2002年9月増刊号 ドイツ巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 2000年1月増刊号 イタリア巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 1991年9月増刊号 日本巡洋艦史 海人社
- 世界の艦船 1993年4月増刊号 アメリカ巡洋艦史 海人社