「トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565」の版間の差分
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それに続く[[フーガ]]部は、4声体で書かれてはいるものの対旋律の性格が弱く、他のバッハのフーガと比べると比較的単純な構成になっている。楽想が絡み合うような濃厚なものではなく、強弱をつけながら連なり出会うといった簡素なものであるが、重厚感は強い。演奏の難易度は他のバッハのオルガン作品と比較すれば平易である。本作はもともとは[[ヴァイオリン]]用で、後にオルガン用に編曲されたという説もあり{{要出典|date=2016年6月5日}}、復元を試みヴァイオリン独奏用に編曲した版([[アンドルー・マンゼ|アンドリュー・マンゼ]]ら複数ある)による録音もリリースされている。 |
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== 偽作説 == |
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* フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、および短調の変終止で終わるオルガンフーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。 |
* フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、および短調の変終止で終わるオルガンフーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。 |
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* いささか表面的な減7の和音の効果や技巧の誇示が認められること。 |
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⚫ | などが挙げられる。ロルフ・ディートリッヒ・クラウス {{Lang|de|Rolf Dietrich Claus}} は、この曲の作者を[[テューリンゲン州|テューリンゲン地方]]のオルガニスト、[[ペーター・ケルナー]]([[:de:Johann Peter Kellner|{{Lang|de|Johann Peter Kellner}}]], 1705年 - 1772年)としている<ref>Claus, Rolf-Dietrich. 1998. Zur Echtheit von Toccata und Fuge d-moll BWV 565. Verlag Dohr, 2nd ed. Cologne. ISBN 3-925366-37-7. (ドイツ語)。参考:[http://www.music.qub.ac.uk/tomita/bachbib/review/bb-review_Claus-Echtheit565.html Yo Tomitaによるレビュー].</ref>。なお、フーガ主題の前半は[[ディートリヒ・ブクステフーデ|ブクステフーデ]]のオルガン作品『前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV 140』に見られる。 |
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* 作曲推定年代は1705年とされているが、これがペーター・ケルナーの生年であること。 |
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* AdagissimoやPrestissimoはバッハの作品に殆ど見られないこと。 |
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などが挙げられる。 |
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⚫ | ロルフ・ディートリッヒ・クラウス {{Lang|de|Rolf Dietrich Claus}} は、この曲の作者を[[テューリンゲン州|テューリンゲン地方]]のオルガニスト、[[ペーター・ケルナー]]([[:de:Johann Peter Kellner|{{Lang|de|Johann Peter Kellner}}]], 1705年 - 1772年)としている<ref>Claus, Rolf-Dietrich. 1998. Zur Echtheit von Toccata und Fuge d-moll BWV 565. Verlag Dohr, 2nd ed. Cologne. ISBN 3-925366-37-7. (ドイツ語)。参考:[http://www.music.qub.ac.uk/tomita/bachbib/review/bb-review_Claus-Echtheit565.html Yo Tomitaによるレビュー].</ref>。なお、フーガ主題の前半は[[ディートリヒ・ブクステフーデ|ブクステフーデ]]のオルガン作品『前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV 140』に見られる。 |
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== 楽曲の利用、編曲 == |
== 楽曲の利用、編曲 == |
2023年11月22日 (水) 02:37時点における版
トッカータとフーガ ニ短調(ドイツ語:Toccata und Fuge in d-Moll)BWV 565は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲したオルガン曲であり、数多いバッハのオルガン曲のなかでも特に人気の高い作品のひとつである。
構成
演奏時間は8~12分程度。
トッカータ部の演奏時間は3分足らずで、強烈な旋律で始まる。全体的に急速であり重厚感を併せ持つ。
それに続くフーガ部は、4声体で書かれてはいるものの対旋律の性格が弱く、他のバッハのフーガと比べると比較的単純な構成になっている。楽想が絡み合うような濃厚なものではなく、強弱をつけながら連なり出会うといった簡素なものであるが、重厚感は強い。演奏の難易度は他のバッハのオルガン作品と比較すれば平易である。本作はもともとはヴァイオリン用で、後にオルガン用に編曲されたという説もあり[要出典]、復元を試みヴァイオリン独奏用に編曲した版(アンドリュー・マンゼら複数ある)による録音もリリースされている。
偽作説
この作品には偽作説がある。一般にはバッハの最も初期の作品と言われているが、他のフーガとは異なった趣を持ち、また曲の規模のわりに内容が平易であるといったことも特異である。
偽作説の根拠は
- バッハの自筆譜が現存せず、最も古い筆写譜が18世紀後半のものであること。
- フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、および短調の変終止で終わるオルガンフーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。
- いささか表面的な減7の和音の効果や技巧の誇示が認められること。
などが挙げられる。ロルフ・ディートリッヒ・クラウス Rolf Dietrich Claus は、この曲の作者をテューリンゲン地方のオルガニスト、ペーター・ケルナー(Johann Peter Kellner, 1705年 - 1772年)としている[1]。なお、フーガ主題の前半はブクステフーデのオルガン作品『前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV 140』に見られる。
楽曲の利用、編曲
カール・タウジヒ、フェルッチョ・ブゾーニ、マックス・レーガーらの編曲がピアノで演奏されることも多く、レオポルド・ストコフスキー編曲の管弦楽版もある。
- 鼻から牛乳(嘉門達夫) - 楽曲中の落ちとなる部分で、本曲の冒頭部が用いられている。
- イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスのライブ・アルバム『9012Live・THE SOLOS』収録の「Si」は本曲のアレンジ。
- イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、エッグの1stアルバム『エッグ』収録の「Fugue In D Minor」は本曲のロックアレンジ。
- Back on the Rocks(メガ・エナジー・マン) - 前奏部に使用されている。
- CM
- ゲーム
- ドンキーコングJR.(1982年、任天堂) - アーケード版のオープニングデモに利用。
- ジャイラス(1983年) - コナミのアーケードゲーム。ゲームスタート時に、本曲の冒頭部を使用。
- 映画
- ファンタジア(1940年) - 冒頭でストコフスキー指揮によるフィラデルフィア管弦楽団が演奏。
- ローラーボール(1975年) - ラストシーンからエンドロールで使用される。
- ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?(1996年) - パイプオルガン・ロボットが演奏。
- 名探偵コナン 戦慄の楽譜(2008年) - 登場人物がパイプオルガンで演奏。
脚注
- ^ Claus, Rolf-Dietrich. 1998. Zur Echtheit von Toccata und Fuge d-moll BWV 565. Verlag Dohr, 2nd ed. Cologne. ISBN 3-925366-37-7. (ドイツ語)。参考:Yo Tomitaによるレビュー.
- ^ “スカイライン(1985/08〜1989/05・R31型)CMについて教えて。”. 日産自動車. 2023年10月10日閲覧。
外部リンク
- "A haunting tune, but is it really Bach's?" (Andrew Druckenbrod, October 30, 2005) from Pittsburgh Post-Gazette. Summary of the authorship issue for the layperson.
- 楽譜
- 原曲とブゾーニ版 - cantorion.org
- トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト - with a Solo Piano Transcription by Busoni.
- 録音
- Free download of BWV 565 recorded by James Kibbie on the 1724–30 Trost organ in the Stadtkirche, Waltershausen, Germany
- Free download of BWV 565 recorded by Frederik Magle on the 1882-83 Walcker organ in Riga Cathedral, Latvia.
- Animated version on YouTube
- Fantasia (1940), Stokowski's Transcription
- 楽譜、動画など
- Free-content sheet music, audio and video of BWV 565
- Johann Sebastian Bach - Toccata con Fuga in D minor, BWV 565 (Ernst-Erich Stender) - ClassicalExperience公式YouTube
- ピアノ用編曲
- ピアノ用編曲版の解説 - 夏井睦
- ピアノ用編曲のデータベース