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2023年8月27日 (日) 21:44時点における版

主要7か国と欧州連合
主要7か国と欧州連合
主要7か国と欧州連合
2023年5月19日の広島サミット。 左から欧州理事会議長、イタリア首相、カナダ首相、フランス大統領、日本内閣総理大臣、アメリカ合衆国大統領、ドイツ首相、イギリス首相、欧州委員会委員長。
2023年5月19日の広島サミット。 左から欧州理事会議長イタリア首相カナダ首相フランス大統領日本内閣総理大臣アメリカ合衆国大統領ドイツ首相イギリス首相欧州委員会委員長

フランスの旗 フランス
大統領 エマニュエル・マクロン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
大統領 ジョー・バイデン
イギリスの旗 イギリス
首相 リシ・スナク
ドイツの旗 ドイツ
首相 オラフ・ショルツ
日本の旗 日本
首相 岸田文雄
イタリアの旗 イタリア
首相 ジョルジャ・メローニ
カナダの旗 カナダ
首相 ジャスティン・トルドー


欧州連合の旗 欧州連合
欧州理事会議長 シャルル・ミシェル
欧州委員会委員長 ウルズラ・フォン・デア・ライエン

主要国首脳会議(しゅようこくしゅのうかいぎ)もしくは先進国首脳会議(せんしんこくしゅのうかいぎ)は、7か国による国際会議である。サミットとも呼ばれる。

日本アメリカカナダフランスイギリスドイツイタリア及びEUで構成され[注釈 1][1][2][3][4]メンバーは世界最大のIMF先進国であり、“最も裕福な自由民主主義国であり、グループは多元主義代議制政府という共通の価値観に基づいて公式に組織されている”(IMF談)[5][6]2018年の時点で、G7は世界の純資産(317兆ドル)の60%近くを占め[7]、世界のGDPの32-46%を占める。また世界人口の10%に当たる約7億7000万人を占める[8]。メンバーはいずれも世界的な大国であり、経済軍事、外交面で緊密な関係を保っている[2][9]

法的・制度的な基盤を持たないものの、国際的に大きな影響力を持っている[10][11]と考えられており、HIV/AIDS対策、途上国への資金援助、2015年パリ協定による気候変動[12]への対応など、いくつかの主要な世界的取り組みのきっかけとなったり、先導したりしている[13][14][15][16][17]。一方で、古くて限られていることや、世界的な代表者が少ないこと、効果がないことなどが批判されている[18][19]。また、反グローバリズム団体がサミットで抗議活動を行うこともある[20]

G7[注釈 2]は、Group of Seven(グループ・オブ・セブン)の略で、主要7か国首脳会議先進7か国首脳会議ともいう。

概要

1998年サミットから2014年のロシアによるクリミア併合までは主要国首脳会議の構成メンバーは以下の8か国であり、G8主要8か国首脳会議などと呼ばれていた[21]

上記の8か国の政府の長および欧州連合欧州理事会議長欧州委員会委員長が年に1度集まり、国際的な政治的・経済的課題について議論する会合である(その他の国の首脳や国際機関の代表も例外的に出席することがある)。また、それに合わせて数多くの下部会議や政策検討も行われる。ただし、2014年以降、ロシアはその参加資格を停止[注釈 3]されている(後述)。

トロントにて掲揚されるG7各国の国旗

カナダとイタリアが加わる以前は日[22]米仏英と西ドイツの5か国が参加するG5(ジーファイブ)と呼ばれていた。1975年にイタリアが参加し第1回先進国首脳会議が開催されG6(ジーシックス)となる。その後1976年にカナダが加わり第2回先進国首脳会議が開催されG7となった。現在では首脳や各閣僚による会合は全てG7の枠組みとなっている。カナダ以外の6か国は20世紀前半までの帝国主義時代における列強にあたる[23][24]中国はG7を北京に侵攻した八カ国連合軍と揶揄して批判した[25]

なおロシアの参加によって首脳会議や閣僚会合がG8という枠組みとなっていた時代においても、財務相・中央銀行総裁会議に関してはG7の枠組みで活動していた。そのため一時期は「G7=先進国財務相、中央銀行総裁会議」の略称として用いられていたとされる。

経緯

発足時の名称は「先進国首脳会議」。

冷戦下の1973年オイルショックと、それに続く世界不況に起源を持つ。1973年3月25日、この不況を憂慮したアメリカ財務長官ジョージ・シュルツは、将来の経済的課題を討議する会議を模索するため、西ドイツ・フランス・イギリスからそれぞれ財務大臣(ヘルムート・シュミットヴァレリー・ジスカールデスタンアンソニー・バーバー英語版)を招集し、ワシントンD.C.で非公式の会合を行った[26]。この時、アメリカ大統領ニクソンは会場としてホワイトハウスを提供し、会合が地階の図書室で開催されたことから、この4か国は「ライブラリーグループ」と呼ばれた[27]。その後、秋に開かれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会の際に行われた非公式会合の場で、シュルツは先の4か国に日本を加えることを提唱し、合意された[26]

1975年、フランスで大統領となったジスカールデスタンは、ライブラリーグループのメンバーに日本を加えた“工業化された4つの主要民主主義国”の首脳をフランスのランブイエに招待し、フランスを含めて5か国で初めての首脳会議を開き、定期的に首脳会議を持つことを提案した。このときの出席者は、主催国(議長国)を持ち回りで交代しつつ年に1回会議を持つことに合意した。こうしていわゆる「G5」が生まれた[28]。しかし、これを不服としたイタリアの首相アルド・モロが第1回会議に乗り込んで来た為、イタリアを加えG6となる。

しかし、これではヨーロッパに偏る為[29]、翌年のプエルトリコの首都サンフアンでのサミットで米国のジェラルド・フォード大統領の要請によりカナダが参加し「G7」となる。

冷戦の終結に続く1991年の第17回先進国首脳会議(ロンドン・サミット)終了後、旧東側諸国の盟主で、かつてはG7諸国と対立していたソ連(現・ロシア)とサミットの枠外で会合を行うようになった。ロシアは1994年のナポリ会合以降は首脳会議のうち政治討議に参加するようになり、1997年のデンバー会議以降は「世界経済」「金融」などの一部セッションを除き基本的に全ての日程に参加することになった。1998年のバーミンガム会議以降は従来の「G7サミット」に代わり「G8サミット」という呼称が用いられるようになった。さらに2003年エビアン・サミット以降、ロシアは「世界経済」に関するセッションを含め完全に全ての日程に参加するようになった。一方ロシアは経済力が大きくないなどの理由により、7か国財務大臣・中央銀行総裁会議には完全参加していなかった。

ロシアの参加には米大統領ビル・クリントンの示唆などもあった。これは当時のロシア大統領ボリス・エリツィンに経済改革を進めさせ、また北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大政策に関して中立を保つようにさせるためのクリントンのジェスチャーだった。ロシアは加入当初は経済破綻で貧困状態であったために先進国とは言い難く、一人当たり名目GDPも1999年には1334ドルに過ぎない発展途上国状態であった。このころ、名称が「先進国首脳会議」から「主要国首脳会議」に変更された。

他方、2005年2月18日、米上院議員ジョー・リーバーマンジョン・マケインがロシア大統領ウラジーミル・プーチンによって民主的、政治的自由が確保されるまではG8への参加を見合わせるようにロシアに呼びかけるなどの動きもあった。

当初においては様々な国際的な課題への強い影響力を有していたが、近年では新興諸国の政治的・経済的影響力の上昇に伴う相対的な影響力の低下とともに、形骸化や単なるセレモニー化が指摘されている。一方で、国連総会などの外交官レベルの会議に比べ、主要各国の首脳会議であるサミットは決断力・実行力に格段の優位性をもつほか、拒否権のような制度的問題がなく、国連を補完する意味で一定の役割を果たしているという指摘もある。

2014年3月25日オランダハーグで開かれた核セキュリティーサミットとあわせ、臨時のG7サミットが開かれた。その議場において、ロシアのウクライナに対する軍事介入やクリミア半島掌握などを非難したG7の首脳陣は、2014年6月にロシア・ソチで行われる予定だったG8サミットを中止し、会場をベルギーブリュッセルに変更する決定をした。また同会議において、「ロシアが態度を改め、G8において意味ある議論を行う環境に戻るまで、G8への参加を停止する」という内容のハーグ宣言[30]を発表した。これにより、G8としての活動は事実上停止し、冷戦当時のG7へと戻った[31]

メンバー国と招待国

国際連合世界銀行のような国際機関とは異なり、条約に基づくものではなく、常設の事務局やオフィスはなく、議長国は加盟国の間で毎年交代し、議長国はグループの優先事項を決定し、主要国首脳会議(サミット)を開催する。サミットの新たなメンバー国を増やすには、全参加国の支持が必要となる。一方、招待国は議長国に権限が与えられている[32]。またメンバー国の間で毎年順番にグループの議長国が回り、新しい議長国は1月1日から担当が始まると考えられている。議長国は一連の大臣級会議を主催し、続いて年の中頃に3日間の首脳によるサミットを行う。また、出席者の安全を確保するのも議長国の役割である。

大臣級会議は健康、法務、労働を担当する大臣が集まり、相互のまたは全地球的な問題について議論する。これらのうち最もよく知られたものはG8外務大臣会合、G8財務大臣会合などがある。1994年にはG7の後援の下で、情報化社会の実現に関する特別プログラムが設立された。

G8サミット国や招待国以外でも、特定の分野で参加することができる。例えば2005年6月には、G8は幼児性愛者に関する国際的データベースを立ち上げることに同意され設置されたが、G8以外の国もこのデータベースに参加することができる。またG8は、各国のプライバシーと保安にかかる法律の範囲内でテロリズムに関するデータを集積することにも同意した。同時にG8構成国、およびブラジル、中国、インド(発展途上国で最大の地球温暖化ガスの排出国)の国際科学アカデミーが気候変動に関する共同声明に署名した。この声明は気候変動についての科学的理解はいまや各国が即座に対策を執るには十分に明らかになっており、IPCCの統一見解を明示的に支持するということを強調している。

G7(G8)への反発

G8への非難

G8で扱われる課題は議論のある国際的問題であるためG8は非公式な「世界政府」であり、何の関係もない第三世界にまで決定事項が強制されているという非難がアルテルモンディアリストによりしばしばなされる。ちなみにG8の「決議」「決定」「宣言」その他諸々は、国際法上の根拠を何ら持たず、すなわち非参加国に対する拘束力のない“仲間内での取り決め”に過ぎない。

年1回のサミットは、しばしば反グローバリゼーション活動の反対活動の的になる。特に2001年ジェノバで開かれた第27回主要国首脳会議では大規模なデモが行われるなど顕著だった。

G8参加国は現在、地球規模で深刻な問題となっている地球温暖化や発展途上国での貧困の原因となっていると非難があり、また主要国として問題解決に向けて対処すべきという非難もある。このようにG8諸国が作り出していると非難されている問題について責任を取って闘うよう、G8指導者へさまざまな団体から圧力がかかっている。例えば、ボブ・ゲルドフは2005年7月2日7日にグローバル・アウェアネス・コンサートであるLive 8を組織しG8指導者に「Make Poverty History(貧困を歴史としよう)」を奨励した。また組織関係者は、G8メンバー国に1992年リオデジャネイロ地球サミットの「アジェンダ21」で概説されたとおり国家予算の0.7%を海外援助に回すよう提案した。このコンサートは第31回G8サミットと同時になるように計画された。

G8とテロリズム

2005年7月7日、スコットランドでのサミットの初日に50人以上が命を落とし数百人が負傷したと言われるロンドン地下鉄およびロンドン2階建てバス同時多発爆破事件が起こった。この攻撃は、直ちに「ヨーロッパ在住のアルカーイダ秘密グループによるジハード」によるものとされた。この攻撃は西側国家に対し、アフガニスタンおよびイラクでの軍事活動をした場合攻撃を行うとイスラム原理主義者によって犯行の予告が先立ってされていた中で英国が軍事行動に参加したことと関係があるものとされた。G8サミットへ集まった国際的な注目は、おそらく最大限の象徴的な効果のためにテロリストによって増幅された。この打撃は、IOCロンドン2012年オリンピック大会の開催地に決定した告知をした直後でもあった。


議論

G7のビデオ会議2020年4月16日総理官邸にて)

近年はインド中国などの新興国の急速な経済発展の反面G7の経済力と影響力低下[33][34][35]に伴い、世界経済に関してはG7にEUとロシアおよび新興経済国11ヶ国を加えたG20の枠組みで議論される事が多くなっている[36][37][38]

2010年2月5日から6日まで2日間の日程でカナダのイカルイトで開幕したG7の財務相・中央銀行総裁会議では、世界経済の現状について意見交換する夕食会の後、膝詰めで話し合う「炉端対話」が行われ、仏財務相のクリスティーヌ・ラガルドからG7の今後のあり方が提案されたが結論は出ず、継続議論となった。日本からは財務大臣の菅直人と日銀総裁の白川方明が出席した[39]

現在では、中国の海洋進出やロシアによるクリミア併合などを受けて、法の支配や普遍的価値を共有するG7の結束は高まっている[40]。だが、2017年、国益を重視するドナルド・トランプの米大統領就任により、2019年は初の首脳宣言見送りとなった。

2016年5月31日、外務大臣の岸田文雄(当時)は、記者会見で「G20の台頭」に対して、「G7は特に、自由、民主主義、法の支配、人権と言った基本的な価値観を共有する主要国の枠組みだと思います。」「国際社会が経済も含めて不透明化する中にあって、この枠組の意義、存在感は益々高まっていくのではないか、このように認識しております。」(一部抜粋)と語っている[41]

2020年6月、同年の開催国にあたる米大統領のトランプは、G7の枠組みにオーストラリア、インド、ロシア、韓国を加えてG10またはG11に拡大する意向を示した。新型コロナウイルスの流行を背景に「対中包囲網」という意識もあると見られる。ただし、全G7諸国の承認が条件でカナダとイギリスはロシアの参加に反対し、ロシアも中国排除の仕組みに意味がないと難色を示した[42][43][44]。韓国に関しては中国政府系メディアから「韓国は大した力のない国」と批判[45][46]され、日本政府からも北朝鮮問題を理由に参加を拒否された[47][48][49]。また、EU外相のジョセップ・ボレルは「トランプにG7の枠組みを変える権限など一切ない。」と痛烈に批判[50][51]している。7月27日には、ドイツもG7の拡大を批判した[52]。2021年、日本政府はG7の拡大に反対すると正式に表明した[53]

2022年は、ロシアによるウクライナ侵略への対応を目的とし、ウクライナへの支援とロシアに対する経済制裁の議論が活発化した[54]

先進国、主要国首脳会議の一覧

以前は、サミット参加7か国の間でフランス、アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの順で毎年持ち回り開催されてきた。ロシアが参加するようになってからはイギリスの次にロシアが入り、8か国持ち回りになった。前半3か国が国際連合安全保障理事会の常任理事国であり、後半4か国はそうではない。

1990年代までは開催国の首都などの大都市での開催が多かったが、1990年代末になると反グローバリズムアルテルモンディアリスム団体の抵抗運動によるデモ活動が頻発。特に2001年のジェノヴァでは大規模なデモに見舞われたことから、以降、警備のしやすい地方都市、保養地での開催が多くなっている。

年月日 ホスト国 開催地 備考
1 1975年11月15日 - 17日 フランスの旗 フランス ランブイエ カナダ・ロシア(当時はソビエト連邦)を除く6か国(ヨーロッパの西側諸国4国、アメリカ、日本)で開催。
2 1976年6月27日・28日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 サンフアン カナダが参加し「G7」形成。
3 1977年5月7日・8日 イギリスの旗 イギリス ロンドン
4 1978年7月16日・17日 西ドイツの旗 西ドイツ ボン
5 1979年6月28日・29日 日本の旗 日本 東京
6 1980年6月22日・23日 イタリアの旗 イタリア ヴェネツィア 日本は大平正芳首相が衆参同日選挙中に急死したため、大来佐武郎外相が代理出席。
7 1981年7月20日・21日 カナダの旗 カナダ オタワ
8 1982年6月4日 - 6日 フランスの旗 フランス ヴェルサイユ
9 1983年5月28日 - 30日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ウィリアムズバーグ
10 1984年6月7日 - 9日 イギリスの旗 イギリス ロンドン
11 1985年5月2日 - 4日 西ドイツの旗 西ドイツ ボン
12 1986年5月4日 - 6日 日本の旗 日本 東京
13 1987年6月8日 - 10日 イタリアの旗 イタリア ヴェネツィア
14 1988年6月19日 - 21日 カナダの旗 カナダ トロント
15 1989年7月14日 - 16日 フランスの旗 フランス ラ・デファンス アルシュ・サミット」と呼ばれる。フランス革命200年祭(パリ祭)に合わせて開催。
16 1990年7月9日 - 11日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ヒューストン
17 1991年7月15日 - 17日 イギリスの旗 イギリス ロンドン
18 1992年7月6日 - 8日 ドイツの旗 ドイツ ミュンヘン
19 1993年7月7日 - 9日 日本の旗 日本 東京
20 1994年7月8日 - 10日 イタリアの旗 イタリア ナポリ
21 1995年6月15日 - 17日 カナダの旗 カナダ ハリファックス
- 1996年4月19日・20日 ロシアの旗 ロシア モスクワ 核の安全のための特別サミット。※非公式
22 1996年6月27日 - 29日 フランスの旗 フランス リヨン
23 1997年6月20日 - 22日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 デンバー
24 1998年5月15日 - 17日 イギリスの旗 イギリス バーミンガム 初のG8公式サミットかつ、英国初の地方開催サミット。先進国とは言い難い状態だったロシアが加わったため「先進国首脳会議」から「主要国首脳会議」に改称
25 1999年6月18日 - 20日 ドイツの旗 ドイツ ケルン
26 2000年7月21日 - 23日 日本の旗 日本 名護市 通称「九州・沖縄サミット」。日本初の地方開催サミット
27 2001年7月20日 - 22日 イタリアの旗 イタリア ジェノヴァ
28 2002年6月26日・27日 カナダの旗 カナダ カナナスキス
29 2003年6月2日・3日 フランスの旗 フランス エビアン
30 2004年6月8日 - 10日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シーアイランド
31 2005年7月6日 - 8日 イギリスの旗 イギリス グレンイーグルズ ロンドン同時爆破事件が起こり、予定が大幅変更に。
32 2006年7月15日 - 17日 ロシアの旗 ロシア サンクトペテルブルク ロシアで初開催。
33 2007年6月6日 - 8日 ドイツの旗 ドイツ ハイリゲンダム
34 2008年7月7日 - 9日 日本の旗 日本 洞爺湖町 通称「北海道・洞爺湖サミット」
35 2009年7月8日 - 10日 イタリアの旗 イタリア ラクイラ 2009年4月6日のラクイラ地震で被災したため、国際的な被災地支援を狙い、開催地をラ・マッダレーナから急遽ラクイラに変更。
36 2010年6月25日 - 27日 カナダの旗 カナダ ハンツビル G8に続き、G20(20か国・地域首脳会議)も同地で開催された。ハンツビルのある地域にちなみ「ムスコカサミット」とも呼ばれる。
37 2011年5月26日・27日 フランスの旗 フランス ドーヴィル
38 2012年5月18日・19日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キャンプデービッド
39 2013年6月17日・18日 イギリスの旗 イギリス ロック・アーン
- 2014年3月24日 オランダの旗 オランダ デン・ハーグ 核セキュリティ・サミット開催と同時にクリミアのロシア編入に関しての緊急開催。ロシアの参加資格停止が決定。
40 2014年6月4日・5日 ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル ロシア・ソチで開催予定であったが、ロシアが参加資格停止となったので代替地で開催。G8からG7に戻った最初の公式サミット。
41 2015年6月7日・8日 ドイツの旗 ドイツ エルマウ
42 2016年5月26日・27日 日本の旗 日本 志摩市 通称「伊勢志摩サミット」
43 2017年5月26日・27日 イタリアの旗 イタリア タオルミーナ
44 2018年6月8日・9日 カナダの旗 カナダ シャルルボワ英語版  
45 2019年8月24日 - 26日 フランスの旗 フランス ビアリッツ  
46 2020年6月10日 - 12日(中止)[55] アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キャンプデービッド 6月に行われるはずだったが、新型コロナウイルスの世界的大流行のため延期となった[56]。その後、ワシントン近郊での開催を検討[57]されたが実現出来ず、11月、アメリカの政権交代(ドナルド・トランプ→ジョー・バイデン)が確実となり、また新型コロナウイルスの蔓延も収まらず結局開催されなかった。これは1975年に「G6」として開催されて以来初の事態[58]
47 2021年6月11日 - 13日[59] イギリスの旗 イギリス コーンウォールカービス湾  
- 2022年3月24日 ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル ロシアのウクライナ侵攻に関しての緊急開催。
48 2022年6月26日 - 28日 ドイツの旗 ドイツ エルマウ
49 2023年5月19日 - 21日 日本の旗 日本 広島市 通称「広島サミット」
50 2024年 イタリアの旗 イタリア プッリャ州

出席者

G7(G8)リーダー

2005年のグレンイーグルズサミット。ロンドン同時爆破事件に対する声明を読み上げるイギリスのトニー・ブレア首相を囲む首脳ら。左からブラジル大統領カナダ首相ドイツ首相欧州委員会委員長中国国家主席国連事務総長アメリカ合衆国大統領イギリス首相フランス大統領イタリア首相インド首相南アフリカ大統領ロシア連邦大統領日本内閣総理大臣メキシコ大統領イギリス外相。このメンバーでの会合がサミットにおける経済分野以外での最大の拡大会合となる。イギリスは欧州連合理事会議長国の任期とバッティングしていたため、外相のジャック・ストローが欧州理事会代表として出席していた。

第1回はフランス、アメリカ、イギリス、西ドイツ、日本、イタリアの6か国首脳によるG6、第2回から第23回までは6か国にカナダを加えたG7[注釈 4]、第24回から第39回までは7か国にロシアを加えたG8。西ドイツは1990年にドイツ再統一が起こったため、第17回からは統一ドイツとして出席している。

1998年から2013年まで、G8は以下の8名で構成された。

2014年のクリミア侵攻によってロシア大統領が参加資格停止となったので、それ以降はG7に戻って今日に至っている。

なお第6回のみ日本からは外務大臣大来佐武郎が出席した。サミット直前に内閣総理大臣大平正芳が急死し、大平の後継総理は第36回衆議院議員総選挙第12回参議院議員通常選挙衆参同日選挙が終了するまで決定されなかったためである。

現在のG7首脳

歴代出席者の一覧

太字は議長。

開催年 フランスの旗 仏大統領 アメリカ合衆国の旗 米大統領 イギリスの旗 英首相 ドイツの旗 独首相 日本の旗 日首相 イタリアの旗 伊首相 カナダの旗 加首相 ロシアの旗 露大統領
1 1975年 ジスカールデスタン フォード ウィルソン シュミット 三木 モロ - -
2 1976年 ジスカールデスタン フォード キャラハン シュミット 三木 モロ P・トルドー -
3 1977年 ジスカールデスタン カーター キャラハン シュミット 福田 アンドレオッティ P・トルドー -
4 1978年 ジスカールデスタン カーター キャラハン シュミット 福田 アンドレオッティ P・トルドー -
5 1979年 ジスカールデスタン カーター サッチャー シュミット 大平 アンドレオッティ クラーク -
6 1980年 ジスカールデスタン カーター サッチャー シュミット 大来(外相) コシガ P・トルドー -
7 1981年 ミッテラン レーガン サッチャー シュミット 鈴木 スパドリーニ P・トルドー -
8 1982年 ミッテラン レーガン サッチャー シュミット 鈴木 スパドリーニ P・トルドー -
9 1983年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 中曽根 ファンファーニ P・トルドー -
10 1984年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 中曽根 クラクシ P・トルドー -
11 1985年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 中曽根 クラクシ マルルーニー -
12 1986年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 中曽根 クラクシ マルルーニー -
13 1987年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 中曽根 ファンファーニ マルルーニー -
14 1988年 ミッテラン レーガン サッチャー コール 竹下 デミータ マルルーニー -
15 1989年 ミッテラン ブッシュ(41代) サッチャー コール 宇野 デミータ マルルーニー -
16 1990年 ミッテラン ブッシュ(41代) サッチャー コール 海部 アンドレオッティ マルルーニー -
17 1991年 ミッテラン ブッシュ(41代) メージャー コール 海部 アンドレオッティ マルルーニー ゴルバチョフソ連
大統領・ゲスト参加)
18 1992年 ミッテラン ブッシュ(41代) メージャー コール 宮澤 アマート マルルーニー -
19 1993年 ミッテラン クリントン メージャー コール 宮澤 チャンピ キャンベル -
20 1994年 ミッテラン クリントン メージャー コール 村山 ベルルスコーニ クレティエン -
21 1995年 シラク クリントン メージャー コール 村山 ディーニ クレティエン -
22 1996年 シラク クリントン メージャー コール 橋本 プローディ クレティエン -
23 1997年 シラク クリントン ブレア コール 橋本 プローディ クレティエン -
24 1998年 シラク クリントン ブレア コール 橋本 プローディ クレティエン エリツィン
25 1999年 シラク クリントン ブレア シュレーダー 小渕 ダレマ クレティエン エリツィン
26 2000年 シラク クリントン ブレア シュレーダー アマート クレティエン プーチン
27 2001年 シラク ブッシュ(43代) ブレア シュレーダー 小泉 ベルルスコーニ クレティエン プーチン
28 2002年 シラク ブッシュ(43代) ブレア シュレーダー 小泉 ベルルスコーニ クレティエン プーチン
29 2003年 シラク ブッシュ(43代) ブレア シュレーダー 小泉 ベルルスコーニ クレティエン プーチン
30 2004年 シラク ブッシュ(43代) ブレア シュレーダー 小泉 ベルルスコーニ マーティン プーチン
31 2005年 シラク ブッシュ(43代) ブレア シュレーダー 小泉 ベルルスコーニ マーティン プーチン
32 2006年 シラク ブッシュ(43代) ブレア メルケル 小泉 プローディ ハーパー プーチン
33 2007年 サルコジ ブッシュ(43代) ブレア メルケル 安倍 プローディ ハーパー プーチン
34 2008年 サルコジ ブッシュ(43代) ブラウン メルケル 福田 ベルルスコーニ ハーパー メドヴェージェフ
35 2009年 サルコジ オバマ ブラウン メルケル 麻生 ベルルスコーニ ハーパー メドヴェージェフ
36 2010年 サルコジ オバマ キャメロン メルケル ベルルスコーニ ハーパー メドヴェージェフ
37 2011年 サルコジ オバマ キャメロン メルケル ベルルスコーニ ハーパー メドヴェージェフ
38 2012年 オランド オバマ キャメロン メルケル 野田 モンティ ハーパー メドヴェージェフ
(首相)
39 2013年 オランド オバマ キャメロン メルケル 安倍 レッタ ハーパー プーチン
40 2014年 オランド オバマ キャメロン メルケル 安倍 レンツィ ハーパー (参加資格停止)
41 2015年 オランド オバマ キャメロン メルケル 安倍 レンツィ ハーパー (参加資格停止)
42 2016年 オランド オバマ キャメロン メルケル 安倍 レンツィ J・トルドー (参加資格停止)
43 2017年 マクロン トランプ メイ メルケル 安倍 ジェンティローニ J・トルドー (参加資格停止)
44 2018年 マクロン トランプ メイ メルケル 安倍 コンテ J・トルドー (参加資格停止)
45 2019年 マクロン トランプ ジョンソン メルケル 安倍 コンテ J・トルドー (参加資格停止)
46 2020年 マクロン トランプ ジョンソン メルケル 安倍 コンテ J・トルドー (参加資格停止)
47 2021年 マクロン バイデン ジョンソン メルケル ドラギ J・トルドー (参加資格停止)
48 2022年 マクロン バイデン ジョンソン ショルツ 岸田 ドラギ J・トルドー (参加資格停止)
49 2023年 マクロン バイデン スナク ショルツ 岸田 メローニ J・トルドー (参加資格停止)

記録

コールは1983年から1998年にかけて出席、メルケルは2006年から2021年にかけて出席。
イタリアで開催された1994年、2001年、2009年サミットはいずれも議長を務めた。
  • 連続年同一出席者 - 3年
2001年から2003年にかけて。2005年までの5年間を見ると、カナダ首相(クレティエンマーティン)を除く全メンバーが不動であった。

その他

近年では、G8メンバー以外にも様々な政治のリーダーが会合に参加している。どの国家を招待するかについては、基本的にはそのときの議長国の判断による。

例えば中国共産党総書記中国国家主席)、大韓民国大統領オーストラリア首相インド首相ブラジル大統領メキシコ大統領南アフリカ大統領などが招待されたことがある。しかし議長国の一存次第なので彼らは必ず呼ばれるとは限らない。

このうち韓国大統領、インド首相、オーストラリア首相についてはサミットのメンバーに加えるべきという意見がある。2020年にはこの年のサミット(中止となった)の議長国だったアメリカ大統領ドナルド・トランプが韓国、オーストラリア、インド、ロシアをメンバーに加える構想を打ち出したが、ドイツ、イギリス、カナダ、日本が反対した[60]。2021年のコーンウォールサミットの議長国のイギリス首相ボリス・ジョンソンも韓国、オーストラリア、インドの首脳を同年のサミットに招待するとともに、この3国をメンバーに加えることを提案したが、日本が反対した[61]

また国際機関の長として、国際連合事務総長欧州連合欧州理事会議長および欧州委員会委員長が出席する。このうち欧州理事会議長と欧州委員会委員長はEUを代表してG8の本会合にも参加する。これ以外に経済分野では国際通貨基金専務理事が参加する。

拡大会合参加国

2010年6月25日の拡大会合が行われた。その参加国は次の通りである。

  • アフリカ - アルジェリア・エチオピア・マラウイ・ナイジェリア・セネガル・南アフリカ共和国
  • 中南米 - コロンビア・ハイチ・ジャマイカ

シェルパ

側近達が集まって予備会合を持つことがあるが、こちらは「シェルパ会議」の別名で呼ばれる。サミットが首脳の地位を山頂にたとえることが発端となったことになぞらえ、同行者の意味で随員はシェルパと呼ばれる。シェルパは3名で構成されることが決まっており、日本においては首席シェルパは経済担当外務審議官が務める。

主要国首脳会議にまつわる事柄

首脳の写真撮影の立ち位置

サミットにおいて恒例となった写真撮影では首脳の立ち位置は毎回変化しているが、この立ち位置にはルールがある。

中央に開催国(議長国)の首脳を配し、国家元首(大統領)か否(首相)かと在任期間の長い順に議長に近い順に左右に並ぶ(平成年間の日本は首相の交代が多かったため端に位置することが多い。一方で、比較的在任期間の長かった中曽根康弘や小泉純一郎、安倍晋三は中央付近に並ぶこともある)[62]。また、アメリカ合衆国で開催される場合ではこのルールはあまりこだわることはなく、議長であるアメリカ大統領との関係で立ち位置が決まることもあった。

転語

主要国首脳会議がサミットと呼ばれていることから、トップ同士の集まりのことを「サミット」と形容することがある(例:市町村サミット。首長会は普段は全国市長会全国町村会に分かれている)。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ ドイツ・フランス・イタリアの3国は更にEU加盟国
  2. ^ サミットとは | サミット情報 | 伊勢志摩サミット”. www.mofa.go.jp. 2023年2月6日閲覧。
  3. ^ 参加資格の停止であって、メンバーから除外ではない。
  4. ^ 1991年の第17回ロンドンサミットにはソビエト連邦ミハイル・ゴルバチョフ大統領がゲスト参加した。

出典

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  3. ^ McHugh, David (23 August 2019). “After 45 years, G-7 endures despite the Trump tweets”. AP. https://apnews.com/article/donald-trump-financial-markets-ap-top-news-financial-crisis-france-131ee4ca2e6e41909d871cfdef74020f 4 June 2021閲覧。 
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関連書籍

  • 蔦信彦『首脳外交 先進国サミットの裏面史』文春新書、2000年。ISBN 9784166600830 
  • 高瀬淳一『サミット 主要国首脳会議』芦書房、2010年。ISBN 9784755611520 
  • 高瀬淳一『サミットがわかれば世界が読める』名古屋外国語大出版会、2018年。ISBN 9784908523014 

関連項目

外部リンク