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粒子([[量子]])としての光を[[光子]]([[光量子]])という。光子は[[電磁場]]の[[量子化 (物理学)|量子化]]によって現れる量子の1つで、[[電磁相互作用]]を媒介する。
粒子([[量子]])としての光を[[光子]]([[光量子]])という。光子は[[電磁場]]の[[量子化 (物理学)|量子化]]によって現れる量子の1つで、[[電磁相互作用]]を媒介する。
* <math>E = h \nu</math> ... 光のエネルギー<i>E</i>は[[振動数]] <math>\nu</math> に比例する(比例定数 <i>h</i> は[[プランク定数]])
* <math>E = h \nu</math> ... 光のエネルギー''E''は[[振動数]] <math>\nu</math> に比例する(比例定数 ''h'' は[[プランク定数]])
* <math>p = \frac{h}{\lambda}</math> ... 光の[[運動量]]の大きさ<i>p</i>は[[波長]] <math>\lambda</math> に反比例する
* <math>p = \frac{h}{\lambda}</math> ... 光の[[運動量]]の大きさ''p''は[[波長]] <math>\lambda</math> に反比例する
このため波長の短い[[X線]]などにおいて、光の粒子性は特に顕著となる。
このため波長の短い[[X線]]などにおいて、光の粒子性は特に顕著となる。
{{main|光電効果|コンプトン効果}}
{{main|光電効果|コンプトン効果}}

2023年8月11日 (金) 01:13時点における版

上方から入ってきた光の道筋が、散乱によって見えている様子。(米国のアンテロープ・キャニオンにて)

ひかりは広義には電磁波を意味し, 狭義には電磁波のうち可視光(波長が380 nmから760 nmのもの)をいう[1]。狭義の光は非電離放射線の一つ[2]

基本的性質

レーザー光
  • 直進
  • 反射屈折
    • 光は異なる媒質の境界面で反射あるいは屈折する[1]屈折率も参照。
    • 凸凹の無い平面鏡に当たった光は、鏡に当たったときと同じ角度で反射する(エウクレイデスの「光の反射の法則」)。
    • 光の屈折の際は、スネルの法則が成立する。
  • 透過吸収[要曖昧さ回避]
    • 光が透明な媒質の境界面に当たったとき、その一部は境界面で反射するが、残りは媒質の内部を通過する現象を透過という[1]
    • 光が透明な媒質の内部を通過するとき、その内部へ吸収変換される現象を吸収という[1]
  • 干渉回折
    • 二つの光波(位相差が時間とともに変化しない同一周波数のコヒーレントな二つの光)が重なり合うことで光が強くなったり弱くなったりする現象を干渉という[1]
    • 光が伝搬するときに障害物の後方に回り込む現象を回折という[1]
  • 自然光と偏光

光の理解

思想史

光は様々な思想や宗教において、超越的存在者の属性を示すものとされた。古くから宗教に光は登場しており、より具体的には太陽と結びつけられることも多かった。古代エジプトの神、アメンラーなどはその一例である(太陽神も参照可)。プラトンの有名な「洞窟の比喩」では、光の源である太陽と最高原理「善のイデア」とを結びつけている。

新プラトン主義では、光に強弱や濃淡があることから、世界の多様性を説明しようとしており、哲学神秘主義が融合している。例えばプロティノスは「一者」「叡智(ヌース)」「」の3原理から世界を説明し、「一者」は、それ自体把握され得ないものであり光そのもの、「叡智(ヌース)」は「一者」を映し出しているものであり太陽であり、「魂」は「叡智」を受けて輝くもので月や星であるとし、光の比喩で世界の説明を論理化した。この新プラトン主義は魔術ヘルメス主義グノーシス主義にまで影響を及ぼした、とも言われている。

新約聖書』ではイエスにより「私は、世にいる間、世の光である」(ヨハネ福音書 9:5)と語られる。またイエスは弟子と群集に対して「あなたたちは世の光である」(地の塩、世の光)と語る。ディオニュシオス・アレオパギテースにおいては、父なる神が光源であり、光がイエスであり、イエスは天上界のイデアを明かし、人々の魂を照らすのであり、光による照明が人に認識を与えるのだとされた。この思想はキリスト教世界の思想に様々な形で影響を与えた。しばしば光=正義、闇=悪の二元対立としてたとえて語られた。

グノーシス主義では光と闇の二元的対立によって世界を説明した。

仏教では、光は、菩薩などの智慧慈悲を象徴するものとされる。

科学史

粒子説と波動説

「光は粒子なのか? それとも波なのか?」 この問題は20世紀前半まで、学者たちを大いに悩ませた。なぜなら、光が波であるとしなければ説明できない現象(たとえば光の干渉分光など)と、光が粒子であるとしなければ説明できない現象(たとえば光電効果など)が存在していたからである(詳細は後述)。

この問題は、20世紀量子力学が確立していく中でようやく解決することになった。不確定性原理によって生じた問題を説明するため、1927年ニールス・ボーアが、一方を確定すると他方が不確定になるような2つの量は、互いに補い合いあうことにより対象の完全な記述が得られるとする、相補性という概念を提唱したのである。この考え方が受け入れられ、「光は〈粒子性〉と〈波動性〉を併せ持つ」と表現されるようになった。

光の粒子性

ニュートンによって、光は粒子だとする説が唱えられた(粒子説)。アインシュタイン光子の概念を提唱し、これは現在まで用いられている。

粒子(量子)としての光を光子光量子)という。光子は電磁場量子化によって現れる量子の1つで、電磁相互作用を媒介する。

  • ... 光のエネルギーE振動数 に比例する(比例定数 hプランク定数
  • ... 光の運動量の大きさp波長 に反比例する

このため波長の短いX線などにおいて、光の粒子性は特に顕著となる。

光の波動性

光は波動として振る舞い反射屈折回折などの現象を起こす。

ヤングの実験(1805年)により光の波動説として証明され、その後マクスウェルらにより光波は電磁波であることが示された。厳密にはマクスウェルの方程式で記述されるベクトル波であり偏光を持つが、波動光学では簡略化のためにスカラー波として扱うことが多い。

波動としての光を光波と呼ぶ。

光の理論のタイム・テーブル

脚注

  1. ^ a b c d e f g 照明学会『照明ハンドブック 第2版』2003年、7頁。 
  2. ^ 「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成27年度版)」第1章 放射線の基礎知識” (pdf). 環境省. 2021年5月31日閲覧。
  3. ^ アルバート・アインシュタイン 著、金子務 訳『わが相対性理論』白揚社、1981年、147頁。 

関連項目

理論
応用
機能

外部リンク