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「共同募金」の版間の差分

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[[ファイル:Group_photo_of_Red_feather_campaign_20221001.jpg|thumb|令和4年度(第76回)赤い羽根共同募金運動のキックオフイベント]]
'''共同募金'''(きょうどうぼきん)は[[日本]]の[[募金]]活動の一形態。毎年一定期間に寄付金を集め、民間が行う社会福祉事業などに配分する。各都道府県の共同募金会が運営し、その連合体である社会福祉法人中央共同募金会でも、全国や複数の都道府県で活用される寄付金の受け入れなどを行っている<ref name=":1" />。[[社会福祉法]]に定めがある。


'''赤い羽根'''がシンボルの募金であり、募金した者に赤い羽根やそれを描いたステッカーを贈ることから、一般に「'''赤い羽根共同募金'''」「'''赤い羽根募金'''」と呼ばれる<ref name=":1" /><ref name=":6">{{Cite web|和書|title=共同募金 |url=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kyoudoubokin/index.html |website=厚生労働省 |access-date=2023-01-11}}</ref>。この記事では中央共同募金会などが行う共同募金以外の活動も解説する。
'''共同募金'''(きょうどうぼきん)とは[[日本]]の[[募金]]活動の一つ。運営主体は[[社会福祉法人]]'''中央共同募金会'''。

'''赤い羽根'''がシンボルの募金であり、一般に「'''赤い羽根共同募金'''」「'''赤い羽根募金'''」と呼ばれる<ref name=":1" /><ref name=":6" /><ref name=":0">{{Cite web |title=赤い羽根共同募金がネットで炎上!? 仁藤夢乃さん代表のColaboに3年間で計2680万円助成か 「二度と募金しない」等の声も……… |url=https://news.livedoor.com/article/detail/23510558/ |website=ライブドアニュース |access-date=2023-01-11 |language=ja}}</ref>。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[ファイル:Akaihanekyodobokin - stationfront - 2013.jpg|thumb|赤い羽根共同募金。駅の前]]
例年[[10月1日]] - 翌年[[3月31日]]の間(都道府県により期間が前後する場合がある<ref>[http://kanpou.npb.go.jp/20110901/20110901h05631/pdf/20110901h056310006.pdf 2011年(平成23年)9月1日厚生労働省告示第312号「平成二十三年度における共同募金の実施期間を定める件」(PDFファイル)]</ref>)、主に各[[市町村]]の共同募金委員会(支会・分会)を経由して[[町内会|自治会]]や[[学校]]、[[企業]]で寄付を募る。共同募金は[[都道府県]]ごとに行われ、都道府県を単位に[[社会福祉法人]]である共同募金会が組織されている。これら募金をとりまとめ、連絡調整をするのが'''社会福祉法人中央共同募金会'''である。この運動は[[1947年]]度にスタートした。募金した者に赤い羽根を贈ることから、「'''赤い羽根'''」「'''赤い羽根共同募金'''」とも呼ばれている。
[[ファイル:Akai-Hane Beverage vending machine in Japan 2014.jpg|thumb|[[自動販売機]]]]
日本の民間社会福祉施設の活動を支援するため、[[1947年]](昭和22年)に始まった募金運動である<ref name="埼玉共同募金会">{{Cite web|和書|title=共同募金とは |url=https://akaihane310.com/about.php |website=埼玉県 赤い羽根共同募金 |access-date=2023-04-11}}</ref>。こうした施設は[[第2次世界大戦]]で打撃を受け、[[日本国憲法第89条]]の規定で民間の慈善活動には公金を充てられなくなったことから、米国で当時行われていたコミュニティ・チェスト(英 [[:en:Community_Chest_(organization)|Community_Chest]])を参考に民間資金を募金によって集める仕組みが構築された。


福祉活動を行う団体が自分たちで募金を集めるのではなく、第三者の共同募金会が募金活動をして区域内の施設や団体に配分する「第三者募金」であり<ref name="埼玉共同募金会"/><ref name="渡辺2013">{{Cite journal|和書|author=渡辺一城 |date=2013-03 |url=https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/3739/ |title=共同募金改革における「当事者性」 |journal=天理大学人権問題研究室紀要 |ISSN=1344-0802 |publisher=天理大学人権問題研究室 |volume=16 |pages=33-46 |CRID=1050845763360546560}}</ref>、 区域内で助成要望を受け付け、その要望額をもとに助成計画を作って募金活動を実施する「計画募金」の仕組みになっている<ref name="埼玉共同募金会"/>。各施設・団体が個別に寄付金を募集しようとすると、煩雑になり、住民に知られていない規模の小さな施設が不利になることから、資金調達を共同募金会に任せて活動に専念できるようにする仕組みがつくられた。そのため、社会福祉法第122条で「共同募金の配分を受けた者は、その配分を受けた後1年間は、その事業の経営に必要な資金を得るために寄附金を募集してはならない」と定められている<ref name="渡辺2013"/><ref>{{Cite web|和書|url=https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000045#Mp-At_122 |title=社会福祉法第百二十二条(受配者の寄附金募集の禁止) |publisher=e-Gov |format= |date= |accessdate=2023-03-14}}</ref>。共同募金会は同第113条1項で[[社会福祉事業|第1種社会福祉事業]]に指定されている。
共同募金は[[社会福祉法]]第4節(第112〜124条)で定められている。同法第113条1項に「共同募金を行う事業は、第二条の規定にかかわらず、[[社会福祉事業|第1種社会福祉事業]]とする」と定められている。上記の募金期間は毎年の厚生労働省告示で規定される<ref name=":6">{{Cite web |title=共同募金 |url=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kyoudoubokin/index.html |website=www.mhlw.go.jp |access-date=2023-01-11 |language=ja}}</ref>。


例年[[10月1日]] - 翌年[[3月31日]]の間(毎年の厚生労働省告示で規定され<ref name=":6" />、都道府県により期間が前後する場合がある<ref>[http://kanpou.npb.go.jp/20110901/20110901h05631/pdf/20110901h056310006.pdf 2011年(平成23年)9月1日厚生労働省告示第312号「平成二十三年度における共同募金の実施期間を定める件」(PDFファイル)]</ref>)、主に各[[市町村]]の共同募金委員会(支会・分会)を経由して[[町内会|自治会]]や[[学校]]、[[企業]]で寄付を募る。共同募金は[[都道府県]]ごとに行われ、都道府県を単位に[[社会福祉法人]]である共同募金会が組織されている。'''社会福祉法人中央共同募金会'''は、共同募金運動の全国的な企画や啓発宣伝、複数の都道府県で活用される寄付金の受け入れや、都道府県共同募金会の支援をしている。
従来の「赤い羽根共同募金」では配分先対象外であった活動内容・それを行うNPOなど民間団体へ配分するために「'''赤い羽根福祉基金'''」がある。募金期間が法律で限定される「共同募金」とは異なり、企業・団体・個人に寄付金を募っている<ref name=":2" /><ref name=":7">{{Cite web |title=中央共同募金会による一般社団法人Colabo等への助成について |url=https://www.akaihane.or.jp/news/31075/ |website=赤い羽根共同募金 |date=2023-01-10 |access-date=2023-01-11 |quote=中央共同募金会(以下、本会)による一般社団法人Colabo(以下、Colabo)およびNPO法人ぱっぷす(以下、ぱっぷす)の事業への助成につきまして、多数のお問合せをいただいております。}}</ref>。
[[ファイル:Akaihanekyodobokin - stationfront - 2013.jpg|thumb|赤い羽根共同募金。駅の前]]
[[ファイル:Akai-Hane Beverage vending machine in Japan 2014.jpg|thumb|[[自動販売機]]]]


従来の「赤い羽根共同募金」では配分先対象外の活動を助成するために、中央共同募金会の「'''赤い羽根福祉基金'''」がある。募金期間が法律で限定される「共同募金」とは異なり、企業・団体・個人に寄付金を募っている<ref name=":2">{{Cite web|和書|title=赤い羽根福祉基金 |url=https://www.akaihane.or.jp/kikin/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11 }}</ref>。
===社会福祉法人中央共同募金会===
'''社会福祉法人中央共同募金会'''は都道府県を単位にした共同募金会による募金をとりまとめ、連絡調整をする。


===「赤い羽根」===
===「赤い羽根」===
日本では1947年の第一回は金属製の[[バッジ]]を寄附者へ配布していたが[[アメリカ合衆国]]で水鳥の羽を赤く染めたものを配布していたことから、翌1948年の第2回の運動から「赤い羽根」を使用するようになった。2019年12月27日放送の『[[チコちゃんに叱られる!]]』<ref name="detazou191227">{{Cite web|url=https://datazoo.jp/tv/チコちゃんに叱られる!/1325657 |title=チコちゃんに叱られる!「拡大版SP!イチョウ並木・氷の謎・イラスト一挙公開!」 |website=TVでた蔵 |publisher= |date=2019-12-27 |accessdate=2019-12-29}}</ref>によると、アメリカで赤い羽根が配布されたのは、勇気の印として、[[ロビン・フッド]]あるいはアメリカ先住民の戦いの勝者にのみ赤い羽根を着ける権利が許された故事からだという<ref name=":8">{{Cite web |title=赤い羽根共同募金とは(赤い羽根OKAYAMA) |url=https://akaihane-okayama.or.jp/pages/9/ |website=社会福祉法人 岡山県共同募金会 |access-date=2023-01-12 |language=ja}}</ref>。原料は中国産[[ブロイラー]]である<ref>{{Cite web |title=「赤い羽根」が足りない!一部シールでしのぐ 中国でニワトリの羽が品薄 |url=https://mainichi.jp/articles/20191001/k00/00m/040/286000c |website=毎日新聞 |access-date=2023-01-11 |language=ja}}</ref>。
日本では1947年の発足時に寄附者に対し赤い[[ブリキ]][[バッジ]]を配布していたが男性には不評であった<ref>{{Cite book |和書 |author=世相風俗観察会 |title=増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)|publisher=河出書房新社 |year=2003-11-07 |page=28 |isbn=9784309225043}}</ref>。[[アメリカ合衆国]]で水鳥の羽を赤く染めたものを配布していたことから、翌1948年の第2回の運動から「赤い羽根」を使用するようになった。2019年12月27日放送の『[[チコちゃんに叱られる!]]』<ref name="detazou191227">{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20211111010856/https://datazoo.jp/tv/チコちゃんに叱られる!/1325657 |title=チコちゃんに叱られる!「拡大版SP!イチョウ並木・氷の謎・イラスト一挙公開!」 |website=TVでた蔵 |publisher= |date=2019-12-27 |accessdate=2019-12-29}}</ref>によると、アメリカで赤い羽根が配布されたのは、勇気の印として、[[ロビン・フッド]]あるいはアメリカ先住民の戦いの勝者にのみ赤い羽根を着ける権利が許された故事からだという<ref name=":8">{{Cite web|和書|title=赤い羽根共同募金とは(赤い羽根OKAYAMA) |url=https://akaihane-okayama.or.jp/pages/9/ |website=社会福祉法人 岡山県共同募金会 |access-date=2023-01-12 }}</ref>。原料は中国産[[ブロイラー]]だが<ref>{{Cite web|和書|title=「赤い羽根」が足りない!一部シールでしのぐ 中国でニワトリの羽が品薄 |url=https://mainichi.jp/articles/20191001/k00/00m/040/286000c |website=毎日新聞 |access-date=2023-01-11 }}</ref>、2019年に調達困難となって以後は赤い羽根を描いたステッカーが主流になっている<ref>{{Cite web|和書|title=「赤い羽根」はどこに? 募金運動のシンボル、ステッカーが主流になっているワケ |url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/888866 |website=京都新聞 |date=2022-10-04 |access-date=2023-10-17 }}</ref>。

===税制優遇・「指定寄付金」指定===
===税制優遇・「指定寄付金」指定===
共同募金は「公益性、緊急性が高い寄付金」だとして、財務大臣から法人が寄付した場合に寄付金を「全額[[損金]]算入」することができる「指定寄付金」に指定されている。個人が寄付した場合も、所得控除または税額控除が適用される<ref>{{Cite web |title=寄付金の税制優遇 |url=https://www.akaihane.or.jp/find/tax/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
共同募金は「公益性、緊急性が高い寄付金」だとして、財務大臣から法人が寄付した場合に寄付金を「全額[[損金]]算入」することができる「指定寄付金」に指定されている。個人が寄付した場合も、所得控除または税額控除が適用される<ref>{{Cite web|和書|title=寄付金の税制優遇 |url=https://www.akaihane.or.jp/find/tax/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
===マスコット===
[[1991年]]より使用されているマスコットキャラクターの「'''愛ちゃんと希望くん'''」は漫画家の[[樫本学ヴ]]がデザインを務めている<ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784370669521731588 樫本学ヴのTwitterでのツイートより]</ref>(元々は公募によるデザインを同じく漫画家の[[藤子不二雄A|藤子不二雄<span class="Unicode">&#9398;</span>]]がキャラクター化したもの<ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784380373379653633 樫本学ヴから今賀俊へのTwitterでのリプツイートより]</ref><ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784636372720025600 樫本学ヴからおおばあつしへのTwitterでのリプツイートより]</ref>)。


== 計画募金 ==
==事業内容・創設されている助成事業と対象==
上記のように区域内の施設や団体の活動に必要な資金集めを第三者である共同募金会が担うものであり、地域ごとの福祉課題解決に必要な金額を事前に定めてから寄付を募る「計画募金」という方法をとっている。集まった募金の約7割が募金が行われた地域で使われ、残りの3割は市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えのため、都道府県の範囲で使われている<ref name=":9">{{Cite web|和書|title=しくみ |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/how/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022-2023-Annual-Report-1.pdf |title=社会福祉法人中央共同募金会 令和4年度年次報告書 |access-date=2023-10-12 |publisher=中央共同募金会 |page=4}}</ref>。

「計画募金」とは、各地域の社会福祉協議会や福祉団体、ボランティア等からの福祉活動実施のための助成要望を基に助成計画を立案し、その計画に基づいた「目標額」を定めてから、寄付を募る方法である<ref name=":9" />。

地域によって福祉活動に必要な金額が異なるため、募金の際に提示される一世帯あたりの「目標額」(募金目安額・募金期待額)は地域によってばらつきがある<ref name=":10">{{Cite web|和書|title=よくあるご質問 « 宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金 |url=http://akaihane-miyagi.or.jp/faq |website=宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12 }}</ref>。

== 事業内容・助成事業と対象 ==
===赤い羽根共同募金===
===赤い羽根共同募金===
赤い羽根共同募金は高齢者や障害者等を対象として行う食事や入浴サービス事業、住民全般を対象として行う各種福祉研修・講座開催事業、機材整備資金など地域福祉の推進ど [[社会福祉法]]規定された特定内容に使われている<ref name=":6" /><ref name=":2" />。
10月1日〜3月31日の間に寄せられた赤い羽根共同募金は、翌年度の末日までに都道府県内の地域福祉団体などに配分される。高齢者や障害者等を対象として行う食事や入浴サービス事業、住民全般を対象として行う各種福祉研修・講座開催事業、機材整備資金など地域福祉の推進に関連する様々事業が対象となり、使途を明確して配分される<ref name=":6" />。


===地域歳末たすけあい運動(歳末たすけあい募金)===
===地域歳末たすけあい運動(歳末たすけあい募金)===
毎年12月1日~12月31日の年末1か月間に行われる。令和4年度の目標募金集金額は41億5,361万6,608円<ref>{{Cite web |title=地域歳末たすけあい |url=https://www.akaihane.or.jp/saimatsu/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>。
赤い羽根共同募金の期間のうち、毎年12月1日~12月31日の年末1か月間に行われる。令和4年度の目標募金集金額は41億5,361万6,608円<ref>{{Cite web|和書|title=地域歳末たすけあい |url=https://www.akaihane.or.jp/saimatsu/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>。


=== NHK歳末たすけあい ===
===赤い羽根福祉基金===
[[日本放送協会]](NHK)が1951年(昭和26年)から実施している運動で、中央共同募金会、NHK、[[NHK厚生文化事業団]]の共催で毎年12月1日〜12月25日に行われる。51年の開始当初は「みんなで明るいお正月を」をキャッチフレーズに、戦災者や引揚者など不遇の生活を送る者に餅代を贈り、子どもたちにお年玉を贈ることを趣旨とした。その後は国内の生活困難者、身体・知的障がい者、支援を必要とする高齢者等を対象とする活動の支援に充てている<ref>{{Cite web|和書|title=令和4年度 NHK歳末たすけあい |url=https://www.akaihane.or.jp/nhk/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-10-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい |url=https://www.nhk.or.jp/event/tasukeai/ |website=NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい |access-date=2023-10-13 }}</ref>。NHK、NHK厚生文化事業団と日本赤十字社による「[[海外たすけあい]]」も同じ期間に行われる。


=== 災害等準備金 ===
中央共同募金会は「赤い羽根共同募金」運動開始から70年経った2016年度から、上記の「赤い羽根共同募金」では助成対象外となっている事業や民間団体を助成するため、「赤い羽根福祉基金」を新たに創設した<ref name=":2" /><ref name=":7" />。
共同募金のうち、被災地でのボランティア活動を支援するため、毎年3%を災害等準備金として積み立てている。共同募金は都道府県内で配分するのが原則だが、大規模災害時は都道府県を超えて全国の共同募金会が災害等準備金を拠出し、被災地を支援する<ref>{{Cite web|和書|title=赤い羽根の災害・被災地支援 |url=https://www.akaihane.or.jp/saigai/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-10-12}}</ref>。


== 共同募金以外の事業 ==
「生きづらさを抱える若者の未来創出活動応援助成」と「一般助成」の2つがあり、1活動(事業)につき前者は500万円で後者は1000万円となっている。対象外として、「特定の[[宗教]]や[[政治思想]]を広めることを目的とする団体でないこと」、「[[反社会的勢力]]および反社会的勢力と密接な関わりがある団体でないこと」と規定されている。会が独自に企業・団体・個人から寄付募集を実施している基金であり、「赤い羽根共同募金」による助成ではない<ref name=":7" />。
===赤い羽根福祉基金===
中央共同募金会は「赤い羽根共同募金」運動開始から70年経った2016年度から、上記の「赤い羽根共同募金」では助成対象外となっている事業や民間団体を助成するため、「赤い羽根福祉基金」を新たに創設した<ref name=":2" />。

「生きづらさを抱える若者の未来創出活動応援助成」と「一般助成」の2つがあり、1活動(事業)につき前者は500万円で後者は1000万円となっている。対象外として、「特定の[[宗教]]や[[政治哲学|政治思想]]を広めることを目的とする団体でないこと」、「[[反社会的勢力]]および反社会的勢力と密接な関わりがある団体でないこと」と規定されている。会が独自に企業・団体・個人から寄付募集を実施している基金であり、「赤い羽根共同募金」による助成ではない<ref name=":2" />。


===盛和塾 社会人定着応援プログラム===
===盛和塾 社会人定着応援プログラム===
2019年末に解散した「[[盛和塾]](京セラ株式 会社創業者 故[[稲盛和夫]]主宰の私塾)」からの中央共同募金会への寄付を財源として、 2018年度より[[児童養護施設|児童養護施設退所者]]への支援目的とした「盛和塾 社会人定着応援プログラム」が創設された。一年ごとの一人当たりの助成上限額30万円、施設・機関あたりの助成上限額は150万円 となっている<ref>{{Cite web |title=【助成応募受付中】赤い羽根福祉基金 「盛和塾 リスタート応援助成」の公募について~児童養護施設等を退所した方の再就職を応援します(2月6日応募締切)~ |url=https://www.akaihane.or.jp/subsidies/sub-kikin/30592/ |website=赤い羽根共同募金 |date=2022-12-21 |access-date=2023-01-11}}</ref>。
2019年末に解散した「[[盛和塾]](京セラ株式 会社創業者 故[[稲盛和夫]]主宰の私塾)」からの中央共同募金会への寄付を財源として、 2018年度より[[児童養護施設|児童養護施設退所者]]への支援目的とした「盛和塾 社会人定着応援プログラム」が創設された。一年ごとの一人当たりの助成上限額30万円、施設・機関あたりの助成上限額は150万円 となっている<ref>{{Cite web|和書|title=【助成応募受付中】赤い羽根福祉基金 「盛和塾 リスタート応援助成」の公募について~児童養護施設等を退所した方の再就職を応援します(2月6日応募締切)~ |url=https://www.akaihane.or.jp/subsidies/sub-kikin/30592/ |website=赤い羽根共同募金 |date=2022-12-21 |access-date=2023-01-11}}</ref>。

====赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム====
===赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム===
コロナ禍に対応するため「赤い羽根 福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム」が行われた。「フードバンク活動等応援助成」「居場所を失った人への緊急活動応援助成」「Withコロナ草の根活動応援助成」「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」が実施され、終了した。
コロナ禍に対応するため「赤い羽根 福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム」が行われた。「フードバンク活動等応援助成」「居場所を失った人への緊急活動応援助成」「Withコロナ草の根活動応援助成」「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」が実施され、終了した。


===被災地助成のプログラム===
===被災地助成のプログラム===
その他の中央共同募金会による助成事業には「熊本地震住民支え合い」、「東日本大震災 ボラサポ2」 がある<ref>{{Cite web |title=助成を受ける |url=https://www.akaihane.or.jp/josei/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>。
その他の中央共同募金会による助成事業には「熊本地震住民支え合い」、「東日本大震災 ボラサポ2」がある<ref>{{Cite web|和書|title=助成を受ける |url=https://www.akaihane.or.jp/josei/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>。


== 広報 ==
== 地域ごとの目標額を事前に定める「計画募金」 ==
共同募金では、中央共同募金会が全国的な広報を行い、各都道府県、市区町村でもそれぞれの広報活動が行われる。例年は10月1日の募金活動開始日に[[浅草寺]]でキックオフイベントが開催され、[[力士|大相撲力士]]、[[大河ドラマ|NHK大河ドラマ]]出演者、厚生労働大臣らが出席する<ref>{{Cite web|和書|title=令和4年度(第76回) 赤い羽根共同募金運動 キックオフイベントを開催しました |url=https://www.akaihane.or.jp/news/bokin/29517/ |website=赤い羽根共同募金 |date=2022-10-04 |access-date=2023-10-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=秋場所敢闘賞の熱海富士が赤い羽根募金イベントに参加 「呼んでもらえてうれしいです」 |url=https://hochi.news/articles/20231001-OHT1T51094.html |website=スポーツ報知 |date=2023-10-01 |access-date=2023-10-13 }}</ref>。同日は[[ANAグループ]]による「赤い羽根 空の第一便」もあり、厚生労働大臣と中央共同募金会会長のメッセージと赤い羽根が1番機で運ばれ、就航地などで現地の知事や市町村長、共同募金会長らに伝達される<ref>{{Cite web|和書|title=3年ぶりに第61回「赤い羽根 空の第一便」中央伝達式を実施しました |url=https://www.akaihane.or.jp/news/bokin/29653/ |website=赤い羽根共同募金 |date=2022-10-05 |access-date=2023-10-13}}</ref>。
共同募金の際には、地域ごとの福祉課題解決に必要な金額を事前に定めてから寄付を募る「'''計画募金'''」という方法をとっている。集まった募金の'''約7割'''が募金が行われた地域で使われ、残りの3割は市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えのためなど使われている<ref name=":9">{{Cite web |title=しくみ |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/how/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。


共同募金の活動主体である各都道府県の共同募金会ごとの広報活動もあり、地元のプロ野球チームの選手がポスターに起用される例などがある<ref>{{Cite web|和書|title=ロッテ、赤い羽根共同募金運動ポスターに佐々木朗希ら5選手が起用 | BASEBALL KING |url=https://baseballking.jp/ns/394264 |website=BASEBALL KING |date=2023-09-25 |access-date=2023-10-17 }}</ref>。
「'''計画募金'''」とは、各地域の社会福祉協議会や福祉団体、ボランティア等からの福祉活動実施のための助成要望を基に助成計画を立案し、その計画に基づいた「目標額」を定めてから、寄付を募る方法である<ref name=":9" />。「目標額」を事前に厚生労働省へ届出をし、厚生労働大臣の告示により募金活動をすることが可能となる<nowiki>{{要出典|date=2023年1月}}</nowiki>。


===全国マスコット===
上記のように地域によって福祉活動に必要な金額が異なるため、募金の際に提示される一世帯あたりの「目標額」(募金目安額・募金期待額)は地域によってばらつきがある<ref name=":10">{{Cite web |title=よくあるご質問 « 宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金 |url=http://akaihane-miyagi.or.jp/faq |website=宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12 |language=ja}}</ref>。
[[1991年]]より使用されているマスコットキャラクターの「'''愛ちゃんと希望くん'''」は漫画家の[[樫本学ヴ]]がデザインを務めている<ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784370669521731588 樫本学ヴのTwitterでのツイートより]</ref>(元々は公募によるデザインを同じく漫画家の[[藤子不二雄A|藤子不二雄<span class="Unicode">&#9398;</span>]]がキャラクター化したもの<ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784380373379653633 樫本学ヴから今賀俊へのTwitterでのリプツイートより]</ref><ref>[https://twitter.com/vuvuvumanavu/status/784636372720025600 樫本学ヴからおおばあつしへのTwitterでのリプツイートより]</ref>)。

== 事実上の強制となっているケースへの疑問と批判 ==
[[社会福祉法]]116条では「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない」と定められ、共同募金会も「寄付する人も募る人も[[ボランティア]]」とするビジョン<ref>[http://www.akaihane.or.jp/kyoudou/index.html 共同募金?]</ref>を掲げているように共同募金の募金活動や寄付は自発的なものであるべきとされている。

しかし、現実には共同募金は[[行政]]・[[町内会|自治会]]組織を通して集める戸別募金の占める割合が高く、募金活動を行う募金ボランティアも事実上の強制動員になっている場合がある。そのため、自治会の持ち回り班長などが、「自治会の当番」として共同募金の戸別募金に回るよう強制されてしまう。自治会の当番による戸別募金では断りにくい状況で強制感を伴う徴収となるケースが多発し、以前から自治会に集めさせる戸別募金は自発的な参加で行われるべき募金活動の精神に反するものとして問題視されてきた<ref>[http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz196101/b0082.html 厚生白書(昭和36年度版)]</ref>。

自治会長や[[町内会|町内会長]]が何故共同募金会の募金活動へ協力しないといけないのかという質問に対して、宮城県共同募金会は共同募金会側と住民側との「パイプ役」を期待して協力を頼んでいると回答している<ref name=":10" />。

また、中には市区町村の事務局を通じ「一世帯○○○円を目安に」など、所得や世帯構成を考慮しない「目標額」を提示し募金を集めているケースも見られる<ref>[http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/hotline/record/201010/255.html 赤い羽根共同募金の一戸あたりの目標額について] - 島根県サイト</ref>。

自治会によっては当番を戸別募金に回らせることが困難なため、予め自治会費に共同募金などへの寄付分を上乗せしている場合がある。しかし[[2007年]]8月にはこうした自治会費への寄付分上乗せは寄付を強制するもので違法とする判決<ref>[http://www3.shakyo.or.jp/cdvc/data/files/DD_71051059172111.pdf 大阪高裁判決文(PDFファイル)]</ref>が出され、翌年確定した。自治会を通して募金活動や寄付が事実上強制されている状況に対しては、[[2009年]]春に青森市内の自治会長らの団体が「寄付集めは自治会本来の業務ではない」として自治会に各種寄付を集めさせるやり方を見直すよう求める提言をまとめるなど自治会の側からも見直しを求める動きが出てきている<ref><!--http://www.kahoku.co.jp/news/2009/02/20090227t25022.htm リンク切れ-->[[河北新報]] [[2009年]][[2月27日]]</ref>。また、強制性を弱めるために当番による戸別募金をやめて寄付したい人が役員の所に持参する方式や回覧と共に募金袋を回し寄付したい人が自ら入れる方式に改めた自治会もある。


== 歴代共同募金運動ポスターモデル・キャラクターなどとのコラボ ==
=== 全国ポスターモデル ===
1977年以降からポスターモデルを採用しだした<ref>{{Cite web |title=年表(1960年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_60/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref><ref name=":13">{{Cite web |title=年表(1970年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_70/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
1977年からポスターモデルを採用した<ref>{{Cite web|和書|title=年表(1960年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_60/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref><ref name=":13">{{Cite web|和書|title=年表(1970年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_70/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
*[[1977年]] [[草刈正雄]]<ref name=":13" />
*[[1977年]] [[草刈正雄]]<ref name=":13" />
*[[1978年]] [[ピンクレディー]]<ref name=":13" />
*[[1978年]] [[ピンクレディー]]<ref name=":13" />
*[[1979年]] [[竹下景子]]<ref name=":13" />
*[[1979年]] [[竹下景子]]<ref name=":13" />
*[[1980年]] [[北の湖敏満|北の湖]]<ref name=":11">{{Cite web |title=年表(1980年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_80/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>
*[[1980年]] [[北の湖敏満|北の湖]]<ref name=":11">{{Cite web|和書|title=年表(1980年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_80/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>
*[[1981年]] [[金沢明子]]<ref name=":11" />
*[[1981年]] [[金沢明子]]<ref name=":11" />
*[[1982年]] [[伊藤つかさ]]<ref name=":11" />
*[[1982年]] [[伊藤つかさ]]<ref name=":11" />
*[[1983年]] [[堀ちえみ]]<ref name=":11" />
*[[1983年]] [[堀ちえみ]]<ref name=":11" />
*[[1984年]] [[大原麗子]]<ref name=":11" />
*[[1984年]] [[大原麗子]]<ref name=":11" />
*[[1985年|1985]]-[[1989年]] ポスターモデル無し<ref name=":11" />。
*[[1985年|1985]] - [[1997年]] ポスターモデル無し<ref name=":11" /><ref name=":15" />。
*[[1998年|1998]] - [[2000年]] [[俵万智]]<ref name=":15">{{Cite web|和書|title=年表(1990年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_90/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2024-12-23}}</ref>
*[[1998年]] - [[2000年]] [[俵万智]]
*[[2001年]] [[成田真由美]]<ref name=":12">{{Cite web |title=年表(2000年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_00/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>
*[[2001年]] [[成田真由美]]<ref name=":12">{{Cite web|和書|title=年表(2000年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_00/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>
*[[2002年]] [[柊瑠美]]<ref name=":12" />
*[[2002年]] [[柊瑠美]]<ref name=":12" />
*[[2003年]] [[宮地真緒]]<ref name=":12" />
*[[2003年]] [[宮地真緒]]<ref name=":12" />
*[[2004年]] - [[2006年]] [[石原さとみ]]<ref name=":12" />
*[[2004年|2004]] - [[2006年]] [[石原さとみ]]<ref name=":12" />
*[[2007年]] [[石橋杏奈]]<ref>{{Cite web |title=石橋杏奈がフレッシュな笑顔で『赤い羽募金』街頭呼びかけ |url=https://www.oricon.co.jp/news/48478/full/ |website=ORICON NEWS |access-date=2023-01-12 |quote=今年で61回目を迎える共同募金のポスターモデルを務める石橋}}</ref>
*[[2007年]] [[石橋杏奈]]<ref>{{Cite web|和書|title=石橋杏奈がフレッシュな笑顔で『赤い羽募金』街頭呼びかけ |url=https://www.oricon.co.jp/news/48478/full/ |website=ORICON NEWS |access-date=2023-01-12 }}</ref>
*[[2008年|2008]]-[[2009年]] ポスターモデル無し<ref name=":12" />
*[[2008年|2008]] - [[2009年]] ポスターモデル無し<ref name=":12" />
*[[2010年]]-[[2018年]] ポスターモデル無し<ref>{{Cite web |title=年表(2010年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_10/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
*[[2010年|2010]] - [[2018年]] ポスターモデル無し<ref name=":16">{{Cite web|和書|title=年表(2010年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_10/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>。
*[[2019年]] - [[2022年]] [[桜井日奈子]]<ref>{{Cite web |title=年表(2010年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_10/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-12}}</ref>
*[[2019年|2019]] - [[2021年]] [[桜井日奈子]]<ref name=":16" /><ref name=":17">{{Cite web|和書|title=年表(2020年代) |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/history_poster_20/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2024-12-23}}</ref>
*[[2022年|2022]] - [[2024年]] ポスターモデル無し<ref name=":17" />。

===キャラクターとの地域限定コラボ===
===キャラクターとの地域限定コラボ===
*[[2011年]]- [[2022年|2022年]] [[初音ミク]](【支えあうココロ、未来へ。】プロジェクト<ref>{{Cite web |title=今年も、赤い羽根共同募金とpiapro がコラボしました。 |url=https://akaihane-okayama.or.jp/pages/1/detail=1/b_id=3/r_id=451/ |website=社会福祉法人 岡山県共同募金会 |access-date=2023-01-13 |language=ja}}</ref>)※2011年11月(2012年度)に北海道共同募金会および札幌市共同募金会担当地域から始まり<ref name=":14" />、以降に他の都府県へ拡大しているものの'''地域限定。'''2016年度時点で全国44都道府県<ref name=":14">{{Cite web |title=piapro(ピアプロ){{!}}「赤い羽根共同募金×ピアプロコラボ企画」~支えあうココロ、未来へ~ ポスター&テーマ曲大募集 |url=https://piapro.jp/pages/official_collabo/akaihane17/ |website=piapro.jp |access-date=2023-01-12}}</ref><ref>{{Cite web |title=piapro(ピアプロ){{!}}「赤い羽根共同募金×ピアプロコラボ企画2022」~支えあうココロ、未来へ~ ポスター&テーマ曲大募集 |url=https://piapro.jp/pages/official_collabo/akaihane22_k3imc/result |website=piapro.jp |access-date=2023-01-12}}</ref><ref>{{Cite web |title=piapro (初音ミク) |url=https://www.akaihane-hokkaido.jp/do3ko/piapro/ |website=赤い羽根共同募金 社会福祉法人 北海道共同募金会 |access-date=2023-01-13 |language=ja}}</ref>。
*[[2011年]]- [[2022年]] [[初音ミク]](【支えあうココロ、未来へ。】プロジェクト<ref>{{Cite web|和書|title=今年も、赤い羽根共同募金とpiapro がコラボしました。 |url=https://akaihane-okayama.or.jp/pages/1/detail=1/b_id=3/r_id=451/ |website=社会福祉法人 岡山県共同募金会 |access-date=2023-01-13 }}</ref>)※2011年11月(2012年度)に北海道共同募金会および札幌市共同募金会担当地域から始まり<ref name=":14" />、以降に他の都府県へ拡大しているものの地域限定。2016年度時点で全国44都道府県<ref name=":14">{{Cite web|和書|title=piapro(ピアプロ){{!}}「赤い羽根共同募金×ピアプロコラボ企画」~支えあうココロ、未来へ~ ポスター&テーマ曲大募集 |url=https://piapro.jp/pages/official_collabo/akaihane17/ |website=piapro.jp |access-date=2023-01-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=piapro(ピアプロ){{!}}「赤い羽根共同募金×ピアプロコラボ企画2022」~支えあうココロ、未来へ~ ポスター&テーマ曲大募集 |url=https://piapro.jp/pages/official_collabo/akaihane22_k3imc/result |website=piapro.jp |access-date=2023-01-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=piapro (初音ミク) |url=https://www.akaihane-hokkaido.jp/do3ko/piapro/ |website=赤い羽根共同募金 社会福祉法人 北海道共同募金会 |access-date=2023-01-13 }}</ref>。

===募金箱でのキャラクターとのコラボ===
===募金箱でのキャラクターとのコラボ===
*[[昭和61年|昭和61年(1986年)]]度以降から共同募金活動の一環として、[[ドラえもん]]との募金箱コラボを実施している<ref>{{Cite web |title=ドラえもん組立式募金箱開封式 – 今日新聞 |url=https://kon-nichi.com/2021/11/25/doraemonnbokinn/ |access-date=2023-01-12 |language=ja}}</ref>。
*[[昭和61年|昭和61年(1986年)]]度以降から共同募金活動の一環として、[[ドラえもん]]との募金箱コラボを実施している<ref>{{Cite web|和書|title=ドラえもん組立式募金箱開封式 – 今日新聞 |url=https://kon-nichi.com/2021/11/25/doraemonnbokinn/ |access-date=2023-01-12 }}</ref>。


=== JR貨物のラッピング機関車 ===
=== JR貨物のラッピング機関車 ===
* 2021年度から、[[日本貨物鉄道]](JR貨物)グループの社員がアイデアの実現に挑戦する「C&C活動」の一環で、赤い羽根共同募金のラッピング機関車を走らせている。


=== イメージソングを歌った主な歌手 ===
* 2021年度から、[[日本貨物鉄道]](JR貨物)グループの社員がアイデアの実現に挑戦する「C&C活動」の一環で、赤い羽根共同募金のラッピング機関車を走らせている。2023年1月12日から実施予定だった運転は、JR貨物側が「ある団体への助成金について問題があるのではないかという一部報道があった」として一時中止している<ref>{{Cite news |url=https://news.railway-pressnet.com/archives/47709 |title=JR貨物「赤い羽根」ラッピング機関車、本年度の第2弾は一時中止 一部報道受け |newspaper=鉄道プレスネット |date=2023-01-13 |accessdate=2023-01-28}}</ref>。

== 共同募金の歴代イメージソングを歌った歌手(主なもの) ==
*[[荻野目洋子]]「セシルは年頃」([[1985年]]、『[[貝殻テラス]]』に収録)
*[[荻野目洋子]]「セシルは年頃」([[1985年]]、『[[貝殻テラス]]』に収録)
*[[葛城ユキ]]「RHAPSODY」([[1986年]]、『夢に吹かれて』に収録)
*[[葛城ユキ]]「RHAPSODY」([[1986年]]、『夢に吹かれて』に収録)
100行目: 104行目:
*[[Le Couple]]「逢えてよかった」(1998年)
*[[Le Couple]]「逢えてよかった」(1998年)
*[[岡本真夜]]「魔法のリングにkissをして」(1999年、『[[魔法のリングにkissをして]]』に収録)
*[[岡本真夜]]「魔法のリングにkissをして」(1999年、『[[魔法のリングにkissをして]]』に収録)
*[[諫山実生]]「Eternal Love」(2002年)
*[[KUMACHI]]「キミノアシタ」(2003年、『Good Bye! High School Days』に収録)
*[[KUMACHI]]「キミノアシタ」(2003年、『Good Bye! High School Days』に収録)
*[[島谷ひとみ]]「綺羅星」(2004年、『[[追憶+LOVE LETTER]]』に収録)
*[[島谷ひとみ]]「綺羅星」(2004年、『[[追憶+LOVE LETTER]]』に収録)
107行目: 112行目:
2010年からは[[近野陽瀬]]の「ココロの羽根」が使用され続けている。
2010年からは[[近野陽瀬]]の「ココロの羽根」が使用され続けている。


==運営・役員・配分先選定者==
==運営==
{{百科事典的でない|date=2023年7月|section=1}}
===運営主体幹部 ===
事業の運営主体は1952年5月設立された[[社会福祉法人中央共同募金会]]である。2023年1月13日時点で、中央共同募金会の顧問は[[斎藤十朗]]、会長[[清家篤]]、副会長[[古都賢一]]、[[岩上堯]] 、[[山元文明]]。常務理事は[[阿部陽一郎]]<ref name=":1">{{Cite web |title=中央共同募金会について |url=https://www.akaihane.or.jp/chuo/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>


=== 理事・監事・計監査人===
=== 各都道府県共同募金の組織 ===
共同募金運動は都道府県ごとの共同募金会によって進められており、その役員は各都道府県の各界を代表する役員で構成されている<ref name=":9" />。47都道府県のうち、東京都共同募金会を例にすると、募金協力団体、経済界、労働団体、学識経験者、教育関係などの代表が役員を務める<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyo-akaihane.or.jp/etc/yakuinmeibo.pdf |title=社会福祉法人 東京都共同募金会 役員名簿(令和5年6月13日) |access-date=2023-10-18 |publisher=東京都共同募金会}}</ref>。
====理事====
中央共同募金会の理事は17名構成され、2つの分類から選出されている<ref name=":3" />。
2023年1月13日時点の理事は下記の通りである。「'''都道府県共同募金会」枠'''から元木篤子青森県共同募金会会長 [北海道・東北ブロック] 、岩上堯茨城県共同募金会会長 [関東ブロック]、 白石好孝愛知県共同募金会会長 [東海・北陸ブロック]、 江本幸仁兵庫県共同募金会 会長 [近畿ブロック]、山元文明高知県共同募金会会長 [中国、四国ブロック] 川野美奈子宮崎県共同募金会 副会長 [九州ブロック]の6名である<ref name=":3" />。
「'''学識経験者」枠'''として選出された理事は、運営である中央共同募金会の[[清家篤|清家篤会長]]、[[古都賢一]]中央共同募金会 副会長、[[阿部陽一郎]] 中央共同募金会 常務理事・事務局長、 [[渋谷篤男]](2022年時点の資料なので肩書欄が空欄で記載無し<ref name=":3" />だが、2018年から2021年まで「中央共同募金会」の常務理事<ref name=":4">{{Cite web |title=居場所助成審査委員名簿 |url=https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/d25fab9b4a4865d01759d2f134b3644a.pdf |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>)の4名に加えて、 [[上野谷加代子]] 同志社大学名誉教授、金井正人[[全国社会福祉協議会]]常務理事、後藤順子「後藤順子公認会計士事務所」代表、 田中皓[[助成財団センター]]参与 、得能金市[[全国民生委員児童委員連合会]]会長、[[早瀬昇]]日本NPOセンター顧問、[[宮田千夏子]][[ANAホールディングス]]執行役員<ref name=":3" />。


共同募金会には、共同募金事業の公正性を担保するため、助成先を決定する「配分委員会」が市民参加により設けられている<ref name=":9" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/sakutei-suisin/kaigi3/pdf/s7.pdf |title=共同募金の概要 |access-date=2023-10-18 |publisher=警察庁 |author=厚生労働省}}</ref>。社会福祉法117条第2項で「共同募金会は、寄附金の配分を行うに当たつては、配分委員会の承認を得なければならない」、同119条で「共同募金会は、共同募金を行うには、あらかじめ、都道府県社会福祉協議会の意見を聴き、及び配分委員会の承認を得て、共同募金の目標額、受配者の範囲及び配分の方法を定め、これを公告しなければならない」などと定められており、共同募金会がその年の募金目標額や配分計画を策定し、集められた寄附金の配分する際は、配分委員会の承認を得なければならない。
====監事====
2023年1月13日時点、中央共同募金会の幹事は[[金杉等]]千葉県共同募金会 副会長、 小林和弘[[同愛記念病院|同愛記念病院財団]] 理事長、 大倉然(公認会計士)<ref name=":3" />


=== 市区町村共同募金委員会 ===
====会計監査人====
市区町村の区域ごとに、共同募金会の内部組織である「共同募金委員会」が置かれる<ref name=":9" />。支会や分会などとも呼ばれ<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1214-11e.pdf |title=共同募金について |access-date=2023-10-19 |author=厚生労働省社会・援護局総務課}}</ref>、東京都の場合は地区協力会としている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tokyo-akaihane.or.jp/etc/teikan.pdf |title=社会福祉法人 東京都共同募金会 定款 |access-date=2023-10-19 |publisher=東京都共同募金会}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=東京の赤い羽根共同募金 ~東京都共同募金会~ |url=https://www.tokyo-akaihane.or.jp/a_tikukyouryokukai.php |website=東京都共同募金会 |access-date=2023-10-19}}</ref>。募金や広報、地域の助成審査等の活動を区域ごとに実施している、助成先の審査のため、「助成審査委員会」を置く<ref>{{Cite web|和書|title=先生方へ |url=https://www.akaihane.or.jp/find/for-teachers/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11 }}</ref>。
2023年1月13日時点、中央共同募金会の会計監査人は、公認会計士岡原事務所<ref name=":3">https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/20221110yakuin_meibo.pdf</ref>。


=== 中央共同募金会の組織 ===
===評議員 ===
1952年5月に設立され、近年は元慶應義塾長の[[清家篤]]<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=中央共同募金会について |url=https://www.akaihane.or.jp/chuo/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11}}</ref>、元厚生労働事務次官の[[村木厚子]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/shikkou20230621.pdf |title=社会福祉法人中央共同募金会 会長・副会長・常務理事名簿 令和5年6月21日現在 |access-date=2023-10-18 |publisher=中央共同募金会}}</ref>らが会長を務める。
中央共同募金会の評議員は定数56名である。三種の選出先があり、その内訳は、「都道府県共同募金委員会を代表する者」41名、「市町村共同募金委員会を代表する者」6名、「学識経験者」8名である(名前はPDF参照<ref>https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/20221129hyougiin_meibo.pdf</ref>)


理事は17名構成され、「都道府県共同募金会」と「学識経験者」の2つの枠から選出されている<ref name=":3">https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/20221110yakuin_meibo.pdf</ref>。評議員は定数56名で「都道府県共同募金委員会を代表する者」41名、「市町村共同募金委員会を代表する者」6名、「学識経験者」8名である<ref>https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/20221129hyougiin_meibo.pdf</ref>。
===配分先選定者===
'''赤い羽根共同募金'''


「赤い羽根共同募金」の場合、市区町村の区域ごとに「共同募金委員」を置かれていて、区域で集金され寄付の'''多く'''(全額ではない)は、地域の代表者で構成され助成審査委員会」決められ<ref>{{Cite web |title=先生方へ |url=https://www.akaihane.or.jp/find/for-teachers/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11 |quote=区域で集まった寄付多くは区域で集まった寄付の多くは地域の代表者で構成される「助成審査委員会」で決められることになっていま。}}</ref>
「赤い羽根共同募金」以外中央共同募金会が選出し5-6名で構成され審査委員会」が配分先を決める。各審査委員会は事業の運営主体である「社会福祉法人中央共同募金会」内部大学教員、NPOや社会福祉法人や一般社団法人などで構成されてい。5-6名で構される別の審査委員会に同じ人物がいることもあるものの、下記以外も「審査委員会」があり、事業ごと存在


== 批判 ==
'''赤い羽根共同募金以外の配分先決定'''
[[社会福祉法]]116条では「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない」と定められ、共同募金会も「寄付する人も募る人も[[ボランティア]]」とするビジョン<ref>[http://www.akaihane.or.jp/kyoudou/index.html 共同募金?]</ref>を掲げているように共同募金の募金活動や寄付は自発的なものであるべきとされている。一方、戦後の共同募金は「国民たすけあい運動」として始まり<ref>{{Cite web|和書|title=歴史 |url=https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-11-01}}</ref>、戦前戦中の、富豪による一方的な「富める者から貧しい者への施し」というのを脱して、「みんなが共に幸福になる」ことを目指して助け合いが行われることが重視されてきた<ref>{{Cite journal|和書|author=野口友紀子 |year=2017 |url=https://doi.org/10.24469/jssw.58.2_67 |title=共同募金運動にみる寄付行為の意味づけ――社会化からファッション化へ―― |journal=社会福祉学 |ISSN=09110232 |publisher=日本社会福祉学会 |volume=58 |issue=2 |pages=67-79 |doi=10.24469/jssw.58.2_67 |CRID=1390282679470203392}}</ref>。


共同募金は上記の通りその地域の福祉活動に必要な資金を把握し計画を立てた上で募集するものであり、地域で必要な募金額があらかじめ定められている。自発的な寄付でなくてはならず、なおかつ国民による助け合いであるという位置づけで必要額を集める中で、町内会や自治会を通じて寄付を集める方法が主流となり、募金する側も「自発的というより、町内会にお付き合いしている」という認識となり、「強制感が伴う」という指摘が出るようになった<ref>{{Cite journal|和書|author=永田祐 |date=1999-07 |title=共同募金寄付者の類型化とその特徴からみる募金運動の課題:『共同募金とボランティア活動に関する意識調査』の分析から |journal=社会福祉研究 |ISSN=02862980 |publisher=鉄道弘済会社会福祉第一部 |issue=75 |pages=78-84 |url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I4795287 |id={{国立国会図書館書誌ID|4795287}}}}</ref>。募金活動を行う募金ボランティアも事実上の強制動員になっている場合がある{{要出典|date=2023年10月}}。そのため、自治会の持ち回り班長などが、「自治会の当番」として共同募金の戸別募金に回るよう強制されてしまう{{要出典|date=2023年10月}}。自治会の当番による戸別募金では断りにくい状況で強制感を伴う徴収となるケースが多発し{{要出典|date=2023年10月}}、以前から自治会に集めさせる戸別募金は自発的な参加で行われるべき募金活動の精神に反するものとして問題視されてきた<ref>[http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz196101/b0082.html 厚生白書(昭和36年度版)]</ref>。
「赤い羽根共同募金」以外は中央共同募金会が選出した5-6名で構成された「各審査委員会」が配分先を決める。各審査委員会は事業の運営主体である「社会福祉法人中央共同募金会」内部の者、大学教員、NPOや社会福祉法人や一般社団法人などで構成されている。5-6名で構成される別の審査委員会に同じ人物がいることもあるものの、下記以外にも「審査委員会」があり、事業ごと存在する。

自治会長や[[町内会|町内会長]]が何故共同募金会の募金活動へ協力しないといけないのかという質問に対して、宮城県共同募金会は共同募金会側と住民側との「パイプ役」を期待して協力を頼んでいると回答している<ref name=":10" />。

市区町村の事務局を通じ「一世帯○○○円を目安に」など、所得や世帯構成を考慮しない「目標額」を提示し募金を集めている事例も見られる<ref>[http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/hotline/record/201010/255.html 赤い羽根共同募金の一戸あたりの目標額について] - 島根県サイト</ref>。

自治会によっては当番を戸別募金に回らせることが困難なため、予め自治会費に共同募金などへの寄付分を上乗せしている場合がある。しかし[[2007年]]8月にはこうした自治会費への寄付分上乗せは寄付を強制するもので違法とする判決<ref>{{PDFlink|[http://www3.shakyo.or.jp/cdvc/data/files/DD_71051059172111.pdf 大阪高裁判決文]}}</ref>が出され、翌年確定した。自治会を通して募金活動や寄付が事実上強制されている状況に対しては、[[2009年]]春に青森市内の自治会長らの団体が「寄付集めは自治会本来の業務ではない」として自治会に各種寄付を集めさせるやり方を見直すよう求める提言をまとめるなど自治会の側からも見直しを求める動きが出てきている<ref><!--http://www.kahoku.co.jp/news/2009/02/20090227t25022.htm リンク切れ-->[[河北新報]] [[2009年]][[2月27日]]</ref>。強制性を弱めるために当番による戸別募金をやめて寄付したい人が役員の所に持参する方式や回覧と共に募金袋を回し寄付したい人が自ら入れる方式に改めた自治会もある。


募金総額は[[1995年]]度の約265億7,935万円がピークであった。以降から毎年前年比3-4%程度の割合で減少傾向にある<ref>[http://www.akaihane.or.jp/about/history/pdf/toukei_rekinen_bokin01.pdf 募金額の推移(PDFファイル)]</ref><ref>[http://www.akaihane.or.jp/date/pdf/1620report_h19.pdf 地域をつくる市民を応援する共同募金への転換、P58(PDFファイル)] - 中央共同募金会企画・推進委員会,平成19年</ref><ref>[http://www.akaihane.or.jp/date/pdf/1620report_h19_summary.pdf 地域をつくる市民を応援する共同募金への転換、P2((PDFファイル))]</ref>。寄付金減少の原因としては半ば強制的な集金の手法に対する反感、集金した金の配分額や配分先を決めるプロセスが[[不透明]]であることが指摘されている<ref>[https://www.mhlw.go.jp/www1/shingi/s0010/s1025-1_16.html 厚生労働省、第6回 社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会 議事概要]</ref>。2019年度に赤い羽根募金が集めた寄付金総額は、173億6569万3358円である<ref>{{PDFlink|[https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/31ab9e7fdc934aa3e43f1c2d6110cf02.pdf 昭和22年度~令和元年度 一般募金・歳末たすけあい募金の目標額と実績額の推移]}}</ref>。
====「赤い羽根福祉基金」審査委員会委員====
2023年1月13日時点、委員長は[[和田敏明]]ルーテル学院大学名誉教授、 副委員長は永井美佳[[社会福祉法人大阪ボランティア協会]]事務局長。委員は[[諏訪徹]]日本大学文理学部社会福祉学科教授、[[天野珠路]]鶴見大学短期大学部保育科教授、[[室田信一]]東京都立大学人文科学研究准教授<ref>https://www.akaihane.or.jp/wp/wp-content/uploads/meibo.pdf</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
{{reflist|30em|refs=
<references responsive="" />
<ref name=":2">{{Cite web|和書|title=赤い羽根福祉基金 |url=https://www.akaihane.or.jp/kikin/ |website=赤い羽根共同募金 |access-date=2023-01-11 }}</ref>
}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[https://www.akaihane.or.jp/ 赤い羽根共同募金]
*[https://www.akaihane.or.jp/ 赤い羽根共同募金]
*{{Cite kotobank|共同募金|encyclopedia=|accessdate=}}
*[https://kotobank.jp/word/%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%8B%9F%E9%87%91-52959#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 共同募金(きょうどうぼきん)とは] - [[コトバンク]]


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2024年12月23日 (月) 21:36時点における最新版

令和4年度(第76回)赤い羽根共同募金運動のキックオフイベント

共同募金(きょうどうぼきん)は日本募金活動の一形態。毎年一定期間に寄付金を集め、民間が行う社会福祉事業などに配分する。各都道府県の共同募金会が運営し、その連合体である社会福祉法人中央共同募金会でも、全国や複数の都道府県で活用される寄付金の受け入れなどを行っている[1]社会福祉法に定めがある。

赤い羽根がシンボルの募金であり、募金した者に赤い羽根やそれを描いたステッカーを贈ることから、一般に「赤い羽根共同募金」「赤い羽根募金」と呼ばれる[1][2]。この記事では中央共同募金会などが行う共同募金以外の活動も解説する。

概要

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赤い羽根共同募金。駅の前
自動販売機

日本の民間社会福祉施設の活動を支援するため、1947年(昭和22年)に始まった募金運動である[3]。こうした施設は第2次世界大戦で打撃を受け、日本国憲法第89条の規定で民間の慈善活動には公金を充てられなくなったことから、米国で当時行われていたコミュニティ・チェスト(英 Community_Chest)を参考に民間資金を募金によって集める仕組みが構築された。

福祉活動を行う団体が自分たちで募金を集めるのではなく、第三者の共同募金会が募金活動をして区域内の施設や団体に配分する「第三者募金」であり[3][4]、 区域内で助成要望を受け付け、その要望額をもとに助成計画を作って募金活動を実施する「計画募金」の仕組みになっている[3]。各施設・団体が個別に寄付金を募集しようとすると、煩雑になり、住民に知られていない規模の小さな施設が不利になることから、資金調達を共同募金会に任せて活動に専念できるようにする仕組みがつくられた。そのため、社会福祉法第122条で「共同募金の配分を受けた者は、その配分を受けた後1年間は、その事業の経営に必要な資金を得るために寄附金を募集してはならない」と定められている[4][5]。共同募金会は同第113条1項で第1種社会福祉事業に指定されている。

例年10月1日 - 翌年3月31日の間(毎年の厚生労働省告示で規定され[2]、都道府県により期間が前後する場合がある[6])、主に各市町村の共同募金委員会(支会・分会)を経由して自治会学校企業で寄付を募る。共同募金は都道府県ごとに行われ、都道府県を単位に社会福祉法人である共同募金会が組織されている。社会福祉法人中央共同募金会は、共同募金運動の全国的な企画や啓発宣伝、複数の都道府県で活用される寄付金の受け入れや、都道府県共同募金会の支援をしている。

従来の「赤い羽根共同募金」では配分先対象外の活動を助成するために、中央共同募金会の「赤い羽根福祉基金」がある。募金期間が法律で限定される「共同募金」とは異なり、企業・団体・個人に寄付金を募っている[7]

「赤い羽根」

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日本では、1947年の発足時に寄附者に対し赤いブリキバッジを配布していたが男性には不評であった[8]アメリカ合衆国で水鳥の羽を赤く染めたものを配布していたことから、翌1948年の第2回の運動から「赤い羽根」を使用するようになった。2019年12月27日放送の『チコちゃんに叱られる![9]によると、アメリカで赤い羽根が配布されたのは、勇気の印として、ロビン・フッドあるいはアメリカ先住民の戦いの勝者にのみ赤い羽根を着ける権利が許された故事からだという[10]。原料は中国産ブロイラーだが[11]、2019年に調達困難となって以後は赤い羽根を描いたステッカーが主流になっている[12]

税制優遇・「指定寄付金」指定

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共同募金は「公益性、緊急性が高い寄付金」だとして、財務大臣から法人が寄付した場合に寄付金を「全額損金算入」することができる「指定寄付金」に指定されている。個人が寄付した場合も、所得控除または税額控除が適用される[13]

計画募金

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上記のように区域内の施設や団体の活動に必要な資金集めを第三者である共同募金会が担うものであり、地域ごとの福祉課題解決に必要な金額を事前に定めてから寄付を募る「計画募金」という方法をとっている。集まった募金の約7割が募金が行われた地域で使われ、残りの3割は市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えのため、都道府県の範囲で使われている[14][15]

「計画募金」とは、各地域の社会福祉協議会や福祉団体、ボランティア等からの福祉活動実施のための助成要望を基に助成計画を立案し、その計画に基づいた「目標額」を定めてから、寄付を募る方法である[14]

地域によって福祉活動に必要な金額が異なるため、募金の際に提示される一世帯あたりの「目標額」(募金目安額・募金期待額)は地域によってばらつきがある[16]

事業内容・助成事業と対象

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赤い羽根共同募金

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10月1日〜3月31日の間に寄せられた赤い羽根共同募金は、翌年度の末日までに都道府県内の地域福祉団体などに配分される。高齢者や障害者等を対象として行う食事や入浴サービス事業、住民全般を対象として行う各種福祉研修・講座開催事業、機材整備資金など、地域福祉の推進に関連する様々な事業が対象となり、使途を明確にして配分される[2]

地域歳末たすけあい運動(歳末たすけあい募金)

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赤い羽根共同募金の期間のうち、毎年12月1日~12月31日の年末1か月間に行われる。令和4年度の目標募金集金額は41億5,361万6,608円[17]

NHK歳末たすけあい

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日本放送協会(NHK)が1951年(昭和26年)から実施している運動で、中央共同募金会、NHK、NHK厚生文化事業団の共催で毎年12月1日〜12月25日に行われる。51年の開始当初は「みんなで明るいお正月を」をキャッチフレーズに、戦災者や引揚者など不遇の生活を送る者に餅代を贈り、子どもたちにお年玉を贈ることを趣旨とした。その後は国内の生活困難者、身体・知的障がい者、支援を必要とする高齢者等を対象とする活動の支援に充てている[18][19]。NHK、NHK厚生文化事業団と日本赤十字社による「海外たすけあい」も同じ期間に行われる。

災害等準備金

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共同募金のうち、被災地でのボランティア活動を支援するため、毎年3%を災害等準備金として積み立てている。共同募金は都道府県内で配分するのが原則だが、大規模災害時は都道府県を超えて全国の共同募金会が災害等準備金を拠出し、被災地を支援する[20]

共同募金以外の事業

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赤い羽根福祉基金

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中央共同募金会は「赤い羽根共同募金」運動開始から70年経った2016年度から、上記の「赤い羽根共同募金」では助成対象外となっている事業や民間団体を助成するため、「赤い羽根福祉基金」を新たに創設した[7]

「生きづらさを抱える若者の未来創出活動応援助成」と「一般助成」の2つがあり、1活動(事業)につき前者は500万円で後者は1000万円となっている。対象外として、「特定の宗教政治思想を広めることを目的とする団体でないこと」、「反社会的勢力および反社会的勢力と密接な関わりがある団体でないこと」と規定されている。会が独自に企業・団体・個人から寄付募集を実施している基金であり、「赤い羽根共同募金」による助成ではない[7]

盛和塾 社会人定着応援プログラム

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2019年末に解散した「盛和塾(京セラ株式 会社創業者 故稲盛和夫主宰の私塾)」からの中央共同募金会への寄付を財源として、 2018年度より児童養護施設退所者への支援目的とした「盛和塾 社会人定着応援プログラム」が創設された。一年ごとの一人当たりの助成上限額30万円、施設・機関あたりの助成上限額は150万円 となっている[21]

赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム

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コロナ禍に対応するため「赤い羽根 福祉活動応援全国キャンペーン助成プログラム」が行われた。「フードバンク活動等応援助成」「居場所を失った人への緊急活動応援助成」「Withコロナ草の根活動応援助成」「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」が実施され、終了した。

被災地助成のプログラム

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その他の中央共同募金会による助成事業には「熊本地震住民支え合い」、「東日本大震災 ボラサポ2」がある[22]

広報

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共同募金では、中央共同募金会が全国的な広報を行い、各都道府県、市区町村でもそれぞれの広報活動が行われる。例年は10月1日の募金活動開始日に浅草寺でキックオフイベントが開催され、大相撲力士NHK大河ドラマ出演者、厚生労働大臣らが出席する[23][24]。同日はANAグループによる「赤い羽根 空の第一便」もあり、厚生労働大臣と中央共同募金会会長のメッセージと赤い羽根が1番機で運ばれ、就航地などで現地の知事や市町村長、共同募金会長らに伝達される[25]

共同募金の活動主体である各都道府県の共同募金会ごとの広報活動もあり、地元のプロ野球チームの選手がポスターに起用される例などがある[26]

全国マスコット

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1991年より使用されているマスコットキャラクターの「愛ちゃんと希望くん」は漫画家の樫本学ヴがデザインを務めている[27](元々は公募によるデザインを同じく漫画家の藤子不二雄がキャラクター化したもの[28][29])。

全国ポスターモデル

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1977年からポスターモデルを採用した[30][31]

キャラクターとの地域限定コラボ

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  • 2011年- 2022年 初音ミク(【支えあうココロ、未来へ。】プロジェクト[38])※2011年11月(2012年度)に北海道共同募金会および札幌市共同募金会担当地域から始まり[39]、以降に他の都府県へ拡大しているものの地域限定。2016年度時点で全国44都道府県[39][40][41]

募金箱でのキャラクターとのコラボ

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JR貨物のラッピング機関車

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  • 2021年度から、日本貨物鉄道(JR貨物)グループの社員がアイデアの実現に挑戦する「C&C活動」の一環で、赤い羽根共同募金のラッピング機関車を走らせている。

イメージソングを歌った主な歌手

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2010年からは近野陽瀬の「ココロの羽根」が使用され続けている。

運営

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各都道府県共同募金会の組織

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共同募金運動は都道府県ごとの共同募金会によって進められており、その役員は各都道府県の各界を代表する役員で構成されている[14]。47都道府県のうち、東京都共同募金会を例にすると、募金協力団体、経済界、労働団体、学識経験者、教育関係などの代表が役員を務める[43]

共同募金会には、共同募金事業の公正性を担保するため、助成先を決定する「配分委員会」が市民参加により設けられている[14][44]。社会福祉法117条第2項で「共同募金会は、寄附金の配分を行うに当たつては、配分委員会の承認を得なければならない」、同119条で「共同募金会は、共同募金を行うには、あらかじめ、都道府県社会福祉協議会の意見を聴き、及び配分委員会の承認を得て、共同募金の目標額、受配者の範囲及び配分の方法を定め、これを公告しなければならない」などと定められており、共同募金会がその年の募金目標額や配分計画を策定し、集められた寄附金の配分する際は、配分委員会の承認を得なければならない。

市区町村共同募金委員会

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市区町村の区域ごとに、共同募金会の内部組織である「共同募金委員会」が置かれる[14]。支会や分会などとも呼ばれ[45]、東京都の場合は地区協力会としている[46][47]。募金や広報、地域の助成審査等の活動を区域ごとに実施している、助成先の審査のため、「助成審査委員会」を置く[48]

中央共同募金会の組織

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1952年5月に設立され、近年は元慶應義塾長の清家篤[1]、元厚生労働事務次官の村木厚子[49]らが会長を務める。

理事は17名構成され、「都道府県共同募金会」と「学識経験者」の2つの枠から選出されている[50]。評議員は定数56名で「都道府県共同募金委員会を代表する者」41名、「市町村共同募金委員会を代表する者」6名、「学識経験者」8名である[51]

「赤い羽根共同募金」以外は中央共同募金会が選出した5-6名で構成された「各審査委員会」が配分先を決める。各審査委員会は事業の運営主体である「社会福祉法人中央共同募金会」内部の者、大学教員、NPOや社会福祉法人や一般社団法人などで構成されている。5-6名で構成される別の審査委員会に同じ人物がいることもあるものの、下記以外にも「審査委員会」があり、事業ごと存在する。

批判

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社会福祉法116条では「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない」と定められ、共同募金会も「寄付する人も募る人もボランティア」とするビジョン[52]を掲げているように共同募金の募金活動や寄付は自発的なものであるべきとされている。一方、戦後の共同募金は「国民たすけあい運動」として始まり[53]、戦前戦中の、富豪による一方的な「富める者から貧しい者への施し」というのを脱して、「みんなが共に幸福になる」ことを目指して助け合いが行われることが重視されてきた[54]

共同募金は上記の通りその地域の福祉活動に必要な資金を把握し計画を立てた上で募集するものであり、地域で必要な募金額があらかじめ定められている。自発的な寄付でなくてはならず、なおかつ国民による助け合いであるという位置づけで必要額を集める中で、町内会や自治会を通じて寄付を集める方法が主流となり、募金する側も「自発的というより、町内会にお付き合いしている」という認識となり、「強制感が伴う」という指摘が出るようになった[55]。募金活動を行う募金ボランティアも事実上の強制動員になっている場合がある[要出典]。そのため、自治会の持ち回り班長などが、「自治会の当番」として共同募金の戸別募金に回るよう強制されてしまう[要出典]。自治会の当番による戸別募金では断りにくい状況で強制感を伴う徴収となるケースが多発し[要出典]、以前から自治会に集めさせる戸別募金は自発的な参加で行われるべき募金活動の精神に反するものとして問題視されてきた[56]

自治会長や町内会長が何故共同募金会の募金活動へ協力しないといけないのかという質問に対して、宮城県共同募金会は共同募金会側と住民側との「パイプ役」を期待して協力を頼んでいると回答している[16]

市区町村の事務局を通じ「一世帯○○○円を目安に」など、所得や世帯構成を考慮しない「目標額」を提示し募金を集めている事例も見られる[57]

自治会によっては当番を戸別募金に回らせることが困難なため、予め自治会費に共同募金などへの寄付分を上乗せしている場合がある。しかし2007年8月にはこうした自治会費への寄付分上乗せは寄付を強制するもので違法とする判決[58]が出され、翌年確定した。自治会を通して募金活動や寄付が事実上強制されている状況に対しては、2009年春に青森市内の自治会長らの団体が「寄付集めは自治会本来の業務ではない」として自治会に各種寄付を集めさせるやり方を見直すよう求める提言をまとめるなど自治会の側からも見直しを求める動きが出てきている[59]。強制性を弱めるために当番による戸別募金をやめて寄付したい人が役員の所に持参する方式や回覧と共に募金袋を回し寄付したい人が自ら入れる方式に改めた自治会もある。

募金総額は1995年度の約265億7,935万円がピークであった。以降から毎年前年比3-4%程度の割合で減少傾向にある[60][61][62]。寄付金減少の原因としては半ば強制的な集金の手法に対する反感、集金した金の配分額や配分先を決めるプロセスが不透明であることが指摘されている[63]。2019年度に赤い羽根募金が集めた寄付金総額は、173億6569万3358円である[64]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c 中央共同募金会について”. 赤い羽根共同募金. 2023年1月11日閲覧。
  2. ^ a b c 共同募金”. 厚生労働省. 2023年1月11日閲覧。
  3. ^ a b c 共同募金とは”. 埼玉県 赤い羽根共同募金. 2023年4月11日閲覧。
  4. ^ a b 渡辺一城「共同募金改革における「当事者性」」『天理大学人権問題研究室紀要』第16巻、天理大学人権問題研究室、2013年3月、33-46頁、CRID 1050845763360546560ISSN 1344-0802 
  5. ^ 社会福祉法第百二十二条(受配者の寄附金募集の禁止)”. e-Gov. 2023年3月14日閲覧。
  6. ^ 2011年(平成23年)9月1日厚生労働省告示第312号「平成二十三年度における共同募金の実施期間を定める件」(PDFファイル)
  7. ^ a b c 赤い羽根福祉基金”. 赤い羽根共同募金. 2023年1月11日閲覧。
  8. ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、28頁。ISBN 9784309225043 
  9. ^ チコちゃんに叱られる!「拡大版SP!イチョウ並木・氷の謎・イラスト一挙公開!」”. TVでた蔵 (2019年12月27日). 2019年12月29日閲覧。
  10. ^ 赤い羽根共同募金とは(赤い羽根OKAYAMA)”. 社会福祉法人 岡山県共同募金会. 2023年1月12日閲覧。
  11. ^ 「赤い羽根」が足りない!一部シールでしのぐ 中国でニワトリの羽が品薄”. 毎日新聞. 2023年1月11日閲覧。
  12. ^ 「赤い羽根」はどこに? 募金運動のシンボル、ステッカーが主流になっているワケ”. 京都新聞 (2022年10月4日). 2023年10月17日閲覧。
  13. ^ 寄付金の税制優遇”. 赤い羽根共同募金. 2023年1月12日閲覧。
  14. ^ a b c d e しくみ”. 赤い羽根共同募金. 2023年1月12日閲覧。
  15. ^ 社会福祉法人中央共同募金会 令和4年度年次報告書”. 中央共同募金会. p. 4. 2023年10月12日閲覧。
  16. ^ a b よくあるご質問 « 宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金”. 宮城県共同募金会 赤い羽根共同募金. 2023年1月12日閲覧。
  17. ^ 地域歳末たすけあい”. 赤い羽根共同募金. 2023年1月11日閲覧。
  18. ^ 令和4年度 NHK歳末たすけあい”. 赤い羽根共同募金. 2023年10月13日閲覧。
  19. ^ NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい”. NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい. 2023年10月13日閲覧。
  20. ^ 赤い羽根の災害・被災地支援”. 赤い羽根共同募金. 2023年10月12日閲覧。
  21. ^ 【助成応募受付中】赤い羽根福祉基金 「盛和塾 リスタート応援助成」の公募について~児童養護施設等を退所した方の再就職を応援します(2月6日応募締切)~”. 赤い羽根共同募金 (2022年12月21日). 2023年1月11日閲覧。
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  55. ^ 永田祐「共同募金寄付者の類型化とその特徴からみる募金運動の課題:『共同募金とボランティア活動に関する意識調査』の分析から」『社会福祉研究』第75号、鉄道弘済会社会福祉第一部、1999年7月、78-84頁、ISSN 02862980国立国会図書館書誌ID:4795287 
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  61. ^ 地域をつくる市民を応援する共同募金への転換、P58(PDFファイル) - 中央共同募金会企画・推進委員会,平成19年
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  63. ^ 厚生労働省、第6回 社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会 議事概要
  64. ^ 昭和22年度~令和元年度 一般募金・歳末たすけあい募金の目標額と実績額の推移 (PDF)

関連項目

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  • 社会福祉協議会
  • リメンブランス・デー -イギリスの第一次世界大戦戦勝記念日。その日に赤いポピーを身に着けるイギリスの戦災救済募金がある。
  • コミックリリーフ (慈善団体) - 1985年にコメディアンと脚本家が発足させたイギリスの慈善団体。毎年3月に Red Nose Day(赤い鼻の日)として募金を呼び掛けている。同様の試みがアメリカ・ドイツ・ロシアなどに広まっている。

外部リンク

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