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2023年1月27日 (金) 05:09時点における版

藤嶋 健人
中日ドラゴンズ #54
ナゴヤドームにて（2018年5月29日）
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 愛知県豊橋市
生年月日 (1998-05-08) 1998年5月8日（26歳）
身長
体重		 177 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト5位
初出場 2018年4月28日
年俸 4600万円（2023年）[1][2]
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
この表について

藤嶋 健人（ふじしま けんと、1998年5月8日 - ）は、愛知県豊橋市出身[3]のプロ野球選手（投手）。右投右打。中日ドラゴンズ所属。

経歴

プロ入り前

ナゴヤドームにて（2018年5月29日）

小学2年時から軟式野球の栄ドリームズでプレー。中学生時代に東三河ボーイズで硬式野球に転じ、野茂ジュニア・オールジャパンに選出された[3][4]。

愛知県名古屋市の東邦高校へ進学後は、1年夏の第96回全国高等学校野球選手権本大会に出場。阪神甲子園球場で初登板初勝利を挙げると、2回戦まで進出し[5]、同様の経緯で在学中に全国へ名を馳せた坂本佳一の愛称（バンビ）にちなんで「バンビ2世」と称された[6]。2年時の秋に東海大会で優勝し、3年時の春に主将兼エース兼4番打者として第88回選抜高等学校野球大会へ出場したが、またしても2回戦で敗退した。夏には、選手権愛知大会決勝で右肘を痛めた[7]ものの、チームの優勝によって第98回全国高等学校野球選手権本大会に出場[5]。4番打者として、大会通算で14打数8安打8打点を記録した。北陸高等学校との初戦では、サイクルヒットを上回る1本塁打1三塁打2二塁打を放ち、19 - 9というスコアでの圧勝に貢献している[8]。八戸学院光星高校戦との2回戦では、先発投手として登板したが、2回1/3を投げて4失点で降板。チームも最大で7点差を付けられたが、10‐9で逆転サヨナラ勝利を収めた[9]。聖光学院高等学校との3回戦にも先発したが、3暴投を記録するなど本調子には程遠く、自身で二塁打を放ちながら2-5で敗れた[10]。それでも、大会終了後に開かれた第11回 BFA U-18アジア選手権大会に日本代表として出場するとインドネシア代表との試合に先発。5回参考ながら完全試合を記録した[11]ほか、香港代表との試合には外野手として出場した[12]。

東邦高校在学中に対外試合で49本塁打を放っていたことから、2016年のNPBドラフト会議で野手として指名される可能性もあったが、藤嶋自身は投手としてのNPB入りを希望[10]。地元球団の中日ドラゴンズから投手として5巡目で指名される[13]と、契約金3000万円、年俸540万円（金額は推定）で入団した。背番号は54。

中日時代

2017年は、ウエスタン・リーグ公式戦5試合に登板。0勝1敗、防御率6.75という成績[14]で、一軍公式戦への登板機会はなかった。

2018年は、4月28日の対横浜DeNAベイスターズ戦（ナゴヤドーム）の9回表に、救援投手として一軍公式戦にデビュー[15]。6月7日の対千葉ロッテマリーンズ戦（ナゴヤドーム）では、5点を追う3回表から2番手投手として4イニングを無失点に抑えると、3回裏に迎えた打席で一軍初安打を放った[16]。また、この試合は中日がサヨナラ勝ちした[17][18]ため、試合後に初めてヒーローインタビューを受けた[16][19]。6月17日の対埼玉西武ライオンズ戦（メットライフドーム）では、先発が予告されていた松坂大輔が試合直前に背中の痙攣で登板を回避したため、西武球団の了解を得たうえで先発デビュー。試合開始15分前に先発を告げられたものの、6回を2失点に抑え、一軍公式戦での初勝利を挙げた[20]。NPBの公式戦において、予告先発の代役で登板した投手が白星を挙げた事例は11人目（12度目）であるが、一軍公式戦での初勝利にもなった投手はマイク・ハートリー（小宮山悟の代役）、濱田達郎（川上憲伸の代役）、新垣勇人（ルイス・メンドーサの代役）に次いで史上4人目であった[21]。7月12日のフレッシュオールスターゲーム（弘前市はるか夢球場）では、ウエスタン・リーグ選抜の4番手として登板した[22]。

前半戦では主に救援投手として経験を重ねたが、8月12日の対東京ヤクルトスワローズ戦（ナゴヤドーム）以降に登板した6試合では、先発のみで2連勝を記録した。一軍公式戦全体では、19試合の登板で3勝1敗、防御率3.66を記録。

2019年には、自主トレーニング期間中の1月下旬に、右手の血行障害を疑われる症状に見舞われた[23]。このため、一軍で迎える予定であった春季キャンプへの参加を見合わせた[23]うえで、キャンプ期間中から2度にわたって右手のカテーテル手術を受けた[24][25]。6月中旬のウエスタン・リーグ公式戦から実戦に復帰する[26]と、救援要員として7月5日から一軍に合流[25]。合流後の一軍公式戦では、21登板試合連続無失点を記録する[27][28]ほど好調で、全て救援での登板ながら32試合の登板で14ホールドを挙げた。オフの11月21日に年俸2000万円（800万円増）で契約更改[25][28]。

2020年は開幕二軍スタートとなった[29]が、7月12日に一軍昇格[30][31]し、同日の広島東洋カープ戦（ナゴヤドーム）でシーズン初登板した[32]。7試合に登板し防御率1.42の成績を記録していたが、7月28日に登録抹消された[33]。9月8日に一軍昇格[34]した後はシーズン終了まで一軍に帯同[35]。11月11日の広島とのシーズン最終戦（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島）でプロ初セーブを記録した[36]。同年は26試合に登板し1勝0敗1セーブ3ホールドを挙げた[35]が、防御率3.91は前年を下回った。オフの12月2日に年俸1840万円（160万円減）で契約更改[35][37]。

2021年は3月26日の開幕戦・広島戦（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島）で、4点ビハインドの7回裏にシーズン初登板[38]。1回を三者凡退に抑える[39]と、直後に打線が逆転し[38][39]チームはそのまま勝利した[39]ため、シーズン初勝利を挙げた[38][39]。同年は自己最多の48試合に登板し、1勝0敗5ホールド、防御率1.59（自己最高）の成績を残した[40]。オフの11月14日に年俸3000万円（1160万円増）で契約更改[40]。

2022年7月1日の阪神タイガース戦では、当日先発予定だった大野雄大が背中の張りで登板を回避した[41]ため、試合開始1時間前に立浪和義監督に先発投手に指名された[42]。先発登板は藤嶋にとって4年ぶりのことだった[43]が、3回無失点で切り抜け、後のリリーフ陣も奮闘し、3-1の勝利に貢献した[44]。8月6日に新型コロナウイルスの感染により登録抹消されるなど一時離脱はあったものの[45][46]、前述の緊急登板も含め様々な起用で自己最多の50試合に登板し、2勝1敗10ホールド、防御率2.13という成績を残した。オフの11月19日に年俸4600万円（1600万円増）で契約更改[47] [48]。

選手としての特徴

上原浩治を参考にしたテークバックが小さく、球の出所が見えづらいフォームが特徴[49]。変化球はスプリット[50]、ナックルカーブ、スライダー、カットボールを操る[51]。

人物

高校時代

高校時代はメディアから「バンビ（東邦高校OBで夏大会準優勝投手の坂本佳一のニックネーム）2世」[52]と称されたが、学校内では「アンパンマン」[53]や「ふじっしー」[54]と呼ばれていた。

高校1年時の夏に登板した選手権愛知大会や全国大会では、相手打者を打ち取るたびに雄叫びを上げる姿[52]や、帽子を飛ばしながら闘争心むき出しで力投する姿に注目が集まった。当時は球審から注意を受けることもあったが、1年半ぶりに甲子園球場のマウンドへ立った3年時の選抜大会では、そのような姿が影を潜めた。本人は「1年の夏には頑張って投げるしかなく、自分に余裕がなかった（のでマウンド上で吠えていた）」と語っている[52]。

プロ入り後

中日3年目の2019年に発症した右手の血行障害については、手術を受けた後も完治に至っていない。本人によれば、ランニングで両腕を振った後や、緊張感を覚えるシーン（救援要員としてブルペンで待機している試合中の投球練習など）で、右手の指先が冷たく感じられることがあるという[26]。

2020年9月23日のヤクルト戦（ナゴヤドーム）にて4回表から登板したが、特別ユニフォーム（昇竜ユニホーム）着用試合にもかかわらず通常のホーム用の帽子を被って登板するハプニングが発生した[55][56]。

2021年オフからノートにこなしたトレーニングメニューや食事内容を記す「マッスル日記」をつけている[57]。

2020年オフに一般女性と結婚したことを発表した[58]。2022年2月の秋季キャンプ中に第1子（長女）が誕生した[47] [48] 。

詳細情報

年度別投手成績

年

度		 球

団		 登

板		 先

発		 完

投		 完

封		 無
四
球		 勝

利		 敗

戦		 セ
丨
ブ		 ホ
丨
ル
ド		 勝

率		 打

者		 投
球
回		 被
安
打		 被
本
塁
打		 与
四
球		 敬

遠		 与
死
球		 奪
三
振		 暴

投		 ボ
丨
ク		 失

点		 自
責
点		 防
御
率		 W
H
I
P
2018 中日 19 8 0 0 0 3 1 0 0 .750 307 71.1 71 8 27 0 0 40 1 0 29 29 3.66 1.37
2019 32 0 0 0 0 0 2 0 14 .000 114 29.0 19 1 7 2 2 35 0 0 8 8 2.48 0.90
2020 26 0 0 0 0 1 0 1 3 1.000 103 25.1 21 5 9 0 1 21 2 0 11 11 3.91 1.18
2021 48 0 0 0 0 1 0 0 5 1.000 200 51.0 35 3 13 0 0 38 1 0 9 9 1.59 0.94
2022 50 1 0 0 0 2 1 0 10 .667 201 50.2 39 3 11 0 1 43 0 0 12 12 2.13 0.99
通算：5年 175 9 0 0 0 7 4 1 32 .636 925 227.1 185 20 67 2 4 177 4 0 69 69 2.73 1.11
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

年
度		 球
団		 投手
試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率
2018 中日 19 6 6 0 1 1.000
2019 32 2 3 0 0 1.000
2020 26 1 5 0 1 1.000
2021 48 2 9 1 0 .917
2022 50 1 5 0 0 1.000
通算 175 12 28 1 2 .976
  • 2022年度シーズン終了時

記録

投手記録
打撃記録

背番号

  • 54（2017年 - ）

代表歴

登場曲

脚注

出典

  1. ^ “中日 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年11月19日閲覧。
  2. ^ “【中日】藤嶋健人は1600万円アップでサイン「いろいろな場面で投げたことも評価してもらえた」”. 中日スポーツ (2022年11月18日). 2022年11月18日閲覧。
  3. ^ a b “【センバツ直前連載】東邦・藤嶋健人投手（３年）”. スポーツ報知 (2016年3月15日). 2016年10月26日閲覧。
  4. ^ “JUNIOR ALL JAPAN 2013”. NOMOベースボールクラブ (2013年). 2016年10月26日閲覧。
  5. ^ a b c “侍ジャパンU-18代表選手紹介／藤嶋 健人（東邦3年・投手）”. 野球日本代表. 2016年10月26日閲覧。
  6. ^ “東邦Ｖバンビ2世1年藤嶋11K完投／愛知”. 日刊スポーツ (2014年8月1日). 2016年10月26日閲覧。
  7. ^ “東邦・藤嶋、右ひじ痛だった　先発も4失点降板に「自分に自信持てなかった」”. 週刊ベースボール (2016年8月17日). 2016年10月26日閲覧。
  8. ^ “【高校野球】東邦・藤嶋がサイクル逃すもサイクル「超え」　24安打19得点で初戦突破”. Full-Count (2016年8月8日). 2016年12月28日閲覧。
  9. ^ “八戸学院光星 対 東邦 - スコア速報 - 夏の甲子園2016” (日本語). 日刊スポーツ. (2016年8月14日). https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/sensyuken/2016/score/2016081403.html 2018年7月31日閲覧。 
  10. ^ a b “【夏の1ページ】東邦・藤嶋　プロで投手として聖地“帰還”誓う”. スポーツニッポン (2016年8月18日). 2019年2月10日閲覧。
  11. ^ “藤嶋完全　日本35点大勝／U18アジア選手権詳細”. 日刊スポーツ (2016年10月17日). 2016年10月26日閲覧。
  12. ^ “第11回 BFA U-18アジア選手権 日本 vs 香港 投打成績”. 野球日本代表. 2016年10月26日閲覧。
  13. ^ “中日ドラゴンズ”. 日本プロ野球機構. 2016年10月26日閲覧。
  14. ^ “2017年度 中日ドラゴンズ 個人投手成績（ウエスタン・リーグ）”. NPB.jp 日本野球機構. 2021年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  15. ^ a b c “藤嶋、1イニング0封デビュー　地元の2年目19歳「ふじっしー」本拠で堂々”. 中日スポーツ(CHUNICHI Web). 中日新聞社 (2018年4月29日). 2018年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  16. ^ a b c ““お助けマン”藤嶋　緊急登板またまたロングリリーフ”. 中日スポーツ. 中日新聞社 (2018年6月8日). 2018年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  17. ^ “竜、今季初サヨナラ　最大5点差ひっくり返した”. 中日スポーツ. 中日新聞社 (2018年6月8日). 2018年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  18. ^ “2018年6月7日 【公式戦】 試合結果 （中日vs千葉ロッテ）”. NPB.jp 日本野球機構. 2022年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  19. ^ “平田、ラッキー　劇勝誘う　「決めるつもりだった」”. 中日スポーツ. 中日新聞社 (2018年6月8日). 2018年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月9日閲覧。
  20. ^ “15分前にいきなり…中日　代役藤嶋　プロ初勝利「すぐに腹をくくった」”. スポーツニッポン (2016年8月18日). 2019年2月10日閲覧。
  21. ^ “中日・藤嶋、プロ初先発プロ１勝！松坂の代役が6回2失点熱投”. サンケイスポーツ (2018年6月18日). 2019年2月10日閲覧。
  22. ^ 2018年度フレッシュオールスター・ゲーム　試合結果NPB日本野球機構
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  26. ^ a b “「緊張すると指先が冷たく…」 藤嶋、今も出る血行障害の症状 受け入れた先に今季の活躍”. 中日スポーツ (2019年11月7日). 2019年12月26日閲覧。
  27. ^ “藤嶋、連続無失点ついに止まった　3ラン被弾で初黒星反省も前向く”. 中日スポーツ (2019年9月1日). 2019年12月26日閲覧。
  28. ^ a b “中日　藤嶋、800万円アップでサイン　血行障害乗り越え32試合登板”. スポニチ Sponichi Annex 野球. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2019年11月21日). 2020年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
  29. ^ “開幕2軍ショック立ち直った！ 中日・藤嶋が2K無失点投球「もう一段階レベルアップしたい」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp). 中日新聞社 (2020年6月24日). 2020年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
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  32. ^ “9回誠也ら3者連続三振！1軍昇格の中日・藤嶋がいきなり4奪三振で存在感「これからが大事」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp). 中日新聞社 (2020年7月12日). 2020年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
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関連項目

外部リンク

 
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中日ドラゴンズ - 2016年ドラフト指名選手
指名選手
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