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「タワン・ボグド」の版間の差分

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2022年11月23日 (水) 11:04時点における版

タワン・ボグド
ロシア側から見たタワン・ボグド
最高地点
標高4,374 m (14,350 ft)
プロミネンス2,342 m (7,684 ft)
総称ウルトラ・プロミネント峰
座標北緯49度8分45秒 東経87度49分9秒 / 北緯49.14583度 東経87.81917度 / 49.14583; 87.81917座標: 北緯49度8分45秒 東経87度49分9秒 / 北緯49.14583度 東経87.81917度 / 49.14583; 87.81917[1]
山岳名
IPA発音[[tɑwɑŋ ˈbɔɡ.dɔ] ]
地形
タワン・ボグドの位置(モンゴル国内)
タワン・ボグド
タワン・ボグド
モンゴルにおける位置
所在地モンゴルバヤン・ウルギー県
所属山脈モンゴル・アルタイ山脈
登山
初登頂1956年
最容易
ルート
ハイキング
登録名モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群
区分文化遺産
基準iii
登録日2011年(第35回世界遺産委員会
登録コード1382
モンゴル
地域アジア
プロジェクト 山

タワン・ボグドモンゴル語: Таван богд, [tɑwɑŋ ˈbɔɡ.dɔ])は、モンゴルにある連山である。中国ロシアとの三国国境地帯にある。最高峰のフィティン山(海抜4374メートル)は、モンゴルの最高地点である。

タワン・ボグドはモンゴルのバヤン・ウルギー県に所在する。北側の斜面はロシアのアルタイ共和国に、西側の斜面は中国の新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州アルタイ地区ブルチン県に属する。

最高峰のフィティン山を含め、タワン・ボグドには5つの山頂がある。タワン・ボグドはモンゴル語で「5人の聖人」の意味である。他の山頂は、ナイラムダル山英語版マルチン山英語版、ブルゲド山、ウルギー山である[2]

国境

三国間協定や公開された地形図によると、中露国境中蒙国境露蒙国境の接合点は、北緯49度10分13.5秒 東経87度48分56.3秒 / 北緯49.170417度 東経87.815639度 / 49.170417; 87.815639にある標高4081メートルまたは4104メートルの峰である[3][4][5]。三国間協定および地形図では、この峰は「タワン・ボグド峰」(ロシア語: Таван-Богдо-Ула, Tavan-Bogdo-Ula; モンゴル語: Таван Богд Уул, Tavan Bogd Uul)または奎屯山(ピン音:Kuítún shān)と呼ばれている[3][4][6]

この地点は常に雪に覆われており、かつ到達が困難な場所にあるため、関係3か国はこの地点に国境標識を設置しないことで合意した[3]

一部の情報源では、三国国境地点の名称を「ナイラムダル山」としているが、これは三国間協定や地形図では確認できない。

タワン・ボグドの他の山頂は、中国=モンゴル国境もしくはモンゴル=ロシア国境にある。最高峰のフィティン山は中国=モンゴル国境にあり、三国国境地点の約2.5キロメートル南にある。

山頂

タワン・ボグドにある5つの山頂は以下の通りである。

山名 標高
フィティン山 4,374 m
ナイラムダル山英語版 4,180 m
ブルゲド山 4,068 m
マルチン山英語版 4,050 m
ウルギー山 4,050 m

氷河

タワン・ボグドと氷河

衛星からの観測によると、2009年のタワン・ボグドの氷河の総面積は204 km2だった[7]。1989年の氷河の面積は213 km2だった。つまり、20年間で氷河の面積は4.2%減少した[8]

山塊が属する国のうち、最大の氷河を有するのはモンゴルである。モンゴル最大の氷河であるポタニン氷河英語版やアレクサンドラ氷河などがある。

2011年の推定によると、タワン・ボグドの北側斜面(ロシア側)には12の氷河があり、合計面積は22.8 km2である[9]。ロシアの研究者によると、山塊の北側斜面の氷河の面積は1962年から2002年の間に11%減少し、2002年から2009年の間でさらに12%減少した[10]

国立公園と自然保護区

タワン・ボグドが属する3つの国全てで、特別保護区域が指定されている。

モンゴル側は、アルタイ・タワン・ボグド国立公園英語版内にある。公園の面積は6,362km²である。この国立公園には、コトン湖英語版、フルガン湖、ダヤン湖が含まれる。保護区域には、アルガリアイベックスアカシカムナジロテンヘラジカセッケイイヌワシなど、多くの高山動物が生息している。

国境のロシア側では、タワン・ボグドの北に隣接するウコク高原が、世界自然遺産アルタイの黄金山地」の一部となっている。

国境の中国側の斜面にある氷河供給流は、アックル湖(阿克库勒湖)に流れ込み、さらに南のカナス湖に流れ込む。カナス湖地域は、中華人民共和国国家観光局によって中国の観光地等級AAAAAに指定された[11]。面積5,588km²の地域がカナス湖自然風景保護区(zh:喀纳斯湖自然风景保护区)に指定された。

脚注

  1. ^ Peaklist source
  2. ^ Yuducom source
  3. ^ a b c ПРОТОКОЛ-ОПИСАНИЕ ТОЧКИ ЗАПАДНОГО СТЫКА ГОСУДАРСТВЕННЫХ ГРАНИЦ ТРЕХ ГОСУДАРСТВ МЕЖДУ ПРАВИТЕЛЬСТВОМ Российской Федерации, ПРАВИТЕЛЬСТВОМ МОНГОЛИИ и ПРАВИТЕЛЬСТВОМ КИТАЙСКОЙ НАРОДНОЙ РЕСПУБЛИКИ (ПОДПИСАН в г. ПЕКИНЕ 24.06.1996) (Protocol between the Government of the Russian Federation, the Government of Mongolia, and the Government of the People's Republic of China, describing the western junction point of the borders of the three states. Signed in Beijing, June 24, 1996) (ロシア語)
  4. ^ a b Соглашение между Правительством Российской Федерации, Правительством Китайской Народной Республики и Правительством Монголии об определении точек стыков государственных границ трех государств (Заключено в г. Улан-Баторе 27 января 1994 года) (The Agreement between the Government of the Russian Federation, the Government of the People's Republic of China, and the Government of Mongolia on the determination of the points of junction of the national borders of the three states) (ロシア語)
  5. ^ Soviet Topo map M45-104, scale 1:100,000, (ロシア語)
  6. ^ 中华人民共和国和俄罗斯联邦关于中俄国界西段的协定 (Agreement between the PRC and RF in regard to the western section of the China-Russia border), 1994-09-03 (中国語)
  7. ^ Krumwiede et al. 2014, p. 499
  8. ^ Krumwiede et al. 2014, p. 505
  9. ^ Chistyakov & Ganiushkin 2015, p. 210
  10. ^ Chistyakov & Ganiushkin 2015, p. 207
  11. ^ AAAAA Scenic Areas”. 中華人民共和国国家観光局 (16 November 2008). 4 April 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。9 April 2011閲覧。

参考文献

  • Chistyakov, K. V.; Ganiushkin, D. A. (2015), “Glaciation and Thermokarst Phenomena and Natural Disasters in the Mountains of North-West Inner Asia”, in Culshaw, Martin; Osipov, Victor; Booth, S.J. et al., Environmental Security of the European Cross-Border Energy Supply Infrastructure NATO Science for Peace and Security Series C: Environmental Security, Springer, pp. 207–218, ISBN 940179538X, https://books.google.com/books?id=kPUSBgAAQBAJ&pg=PA207 
  • Krumwiede, Brandon S.; Kamp, Ulrich; Leonard, Gregory J.; Kargel, Jeffrey S.; Dashtseren, Avirmed; Walther, Michael (2014), “Recent Glacier Changes in the Mongolian Altai Mountains: Case Studies from Munkh Khairkhan and Tavan Bogd”, in Kargel, Jeffrey Stuart, Global Land Ice Measurements from Space, Springer-Praxis series in geophysics, Springer, pp. 481–509, ISBN 3540798188, https://books.google.com/books?id=sdkkBAAAQBAJ&pg=PA481 

外部リンク