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「小河内岳」の版間の差分

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2022年11月23日 (水) 09:28時点における版

小河内岳

前小河内岳から望む小河内岳
標高 2,801.56[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県下伊那郡大鹿村
静岡県静岡市葵区
位置 北緯35度32分16秒 東経138度09分11秒 / 北緯35.53778度 東経138.15306度 / 35.53778; 138.15306座標: 北緯35度32分16秒 東経138度09分11秒 / 北緯35.53778度 東経138.15306度 / 35.53778; 138.15306[2]
山系 赤石山脈
種類 隆起褶曲
小河内岳の位置(日本内)
小河内岳
小河内岳の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

小河内岳(おごうちだけ、こごうちだけ)は長野県下伊那郡大鹿村静岡県静岡市葵区の境界に位置する赤石山脈(南アルプス)の標高 2,802 mである。

概要

南アルプス国立公園[3]塩見岳荒川岳との間にあり、三伏峠の南東に位置する。赤石山脈の主稜線上では比較的里に近く、鳥倉林道を利用すると日帰り登山も可能である。山頂からは荒川岳が南側に馬近くに望め、富士山北アルプス中央アルプスを望むことができる。山頂部は森林限界ハイマツ帯の砂礫地でライチョウの生息地となっている。山名は大鹿村側の小渋川の支流「小河内沢」の源流の山であることに由来する[4]。「釜沢岳」の古称もあった。静岡県側の東山腹は特種東海製紙株式会社の井川社有林で、明治から伐採・植林が行われていた[5]

登山

登山ルート

登山道は、塩川小屋または鳥倉林道から三伏峠を経て小河内岳までを往復するルートが一般的である。また、塩見岳から小河内岳を経由して荒川岳(前岳)へ向かう南アルプスの縦走路上にある。

  • 塩川ルート:塩川小屋 - 尾根取付点 - 豊口山(鳥倉林道)分岐 - 三伏峠(三伏峠小屋) - 烏帽子岳 - 前小河内岳 - 小河内岳
  • 鳥倉林道ルート:鳥倉林道 - 林道ゲート - 尾根取付(夏期臨時バス停) - 塩川ルート分岐 - 三伏峠(三伏峠小屋) - 烏帽子岳 - 前小河内岳 - 小河内岳
  • 南アルプス縦走路: - 塩見岳 - 塩見小屋 - 本谷山 - 三伏山 - 烏帽子岳 - 前小河内岳 - 小河内岳 - 大日影山 - 板屋岳 - 高山裏避難小屋 - 荒川岳 -

周辺の山小屋

登山口や稜線上には、山小屋キャンプ指定地がある[6]。登山シーズン中の一部の期間に有人の営業を行っている。山頂直下東に小河内岳避難小屋があり、期間外は緊急避難用として一部が解放されている。南アルプス国立公園内であり、キャンプ指定地を除き、全山幕営禁止となっている。三伏小屋が三伏峠から北東約 1 km の三伏沢にあったが、2003年度からし尿処理問題のため閉鎖となった。同様に、三伏沢のキャンプ指定地も閉鎖となっている[7]

名称 所在地 標高
(m)
小河内岳からの
方角と距離 (km)
収容
人数
キャンプ
指定地
備考
塩川小屋 塩川右岸 1,400 北東 5.6 36 テント20張
三伏峠小屋 三伏峠 2,615 北東 2.2 25 テント25張 [7]
小河内岳避難小屋 小河内岳山頂直下東 2,780 東 0.1 10 水場なし
高山裏避難小屋 高山裏、荒川岳北西 2,450 南 3.8 20 テント20張

地理

周辺の山

小河内岳から望む蝙蝠岳富士山

赤石山脈南部の主稜線上にある。稜線の西側の急斜面は崩落や風化が進んでいる[4]。小河内岳と高山裏避難小屋の間には、大日影山 (2,573 m) と板屋岳 (2,646 m) がある[2][8]

山容 山名 標高
(m)[1][2]
三角点等級
基準点名[1]
小河内岳からの
方角と距離(km)
備考
蝙蝠岳 2,864.69  三等
「中俣」
北東 5.4
塩見岳 3,046.86  二等
「塩見山」
北東 4.8 日本百名山
烏帽子岳 2,726 北 1.8
前小河内岳 2,784 北東 1.0
小河内岳 2,801.56  二等
「小河内」
0 小河内岳避難小屋
荒川前岳 3,068 南 4.9
悪沢岳 3,141 南東 4.9 日本百名山

源流の河川

源流となる以下の河川太平洋へ流れる[8]

交通・アクセス

小河内岳の風景と展望

山頂は見晴らしが良く、中央アルプス富士山、塩見岳、荒川岳などの南アルプスの山々が望める。

脚注

  1. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年3月26日閲覧。
  2. ^ a b c 日本の主な山岳標高(長野県の山)”. 国土地理院. 2011年3月26日閲覧。
  3. ^ 南アルプスの国立公園紹介”. 環境省自然環境局. 2011年3月26日閲覧。
  4. ^ a b 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、1056頁。ISBN 4-779-50000-1 
  5. ^ 井川社有林”. 特種東海製紙株式会社. 2011年3月26日閲覧。
  6. ^ 『山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011)』山と溪谷社、2010年12月、134-138頁、ASIN B004DPEH6G頁。 
  7. ^ a b 三伏峠小屋”. 三伏峠小屋. 2011年3月26日閲覧。
  8. ^ a b 『塩見・赤石・聖岳』昭文社〈山と高原地図2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757821 
  9. ^ 伊那バス株式会社”. 伊那バス株式会社. 2012年10月29日閲覧。

関連図書

  • 山下春樹『赤石・聖・荒川三山を歩く』山と溪谷社〈フルカラー特選ガイド〉、1988年7月。ISBN 4635171213 
  • 『アルペンガイド10 南アルプス』山と溪谷社〈ヤマケイ・アルペンガイド〉、2009年6月。ISBN 9784635013581 
  • 『改訂版 長野県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2010年1月、146-149頁。ISBN 9784635023658 

関連項目