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'''マルセイバターサンド'''は、[[北海道]][[帯広市]]の[[六花亭]]が販売している[[菓子]]。同社の販売額のおよそ4割を占める代表的な菓子であり、北海道土産としての知名度が高い{{R|産研論集200603_p125}}。パッケージに記載されている「バ成タ」という文字から「バナリタ」の愛称で親しまれている{{R|SankeiBiz20200602_p2}}。 |
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六花亭専用の[[北アメリカ|北米]]産[[小麦粉]]でつくったビスケットで、[[ホワイトチョコレート]]と北海道産生乳 |
六花亭専用の[[北アメリカ|北米]]産[[小麦粉]]でつくった[[ビスケット]]で、[[ホワイトチョコレート]]と北海道産生乳100パーセントのバターおよび[[カリフォルニア州]]産の[[レーズン]]をあわせた[[クリーム (食品)|クリーム]]をサンドしている{{R|マルセイバターサンド4個入}}。バターはこの菓子専用のものであり、ビスケットにもクリームにも豊富に用いられている{{R|考える人20121104_p196}}。長らく道内のみのローカルな人気に留まっていたが、1990年代終盤頃より2000年代初頭にかけ全国的にその名が知られるようになった。単品の土産商品としては[[赤福]]や[[白い恋人]]と並ぶ大型商品である{{R|産研論集200603_p125}}。 |
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マルセイとは'''◯'''の中に'''成'''の字を入れたもので、[[依田勉三]]の興した[[晩成社]](依田牧場)が[[1905年]](明治38年)に北海道で初めて商品化したバターのことである(当時の表記はマルセイバタ) |
マルセイとは'''◯'''の中に'''成'''の字を入れたもので、[[依田勉三]]の興した[[晩成社]](依田牧場)が[[1905年]](明治38年)に北海道で初めて商品化したバターのことである(当時の表記はマルセイバタ){{R|北海道の学芸員20140227|十勝毎日新聞20140227}}。マルセイバターサンドの包装は発売当時のマルセイバターのラベルを復刻・再デザインしているため、[[レトロ]]な外観を持つ{{R|マイナビ20141210}}。晩成社がバターを開発した当時は、バターは「バタ」と呼ばれていたため{{R|製菓製パン10790805_p186}}、包装にも「バタ」のロゴがデザインされている{{R|ナトラ20020502_p57}}。 |
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クリームに用いられているホワイトチョコレートが、六花亭が日本で初めて商品化したものであることや{{R|製菓製パン10790805_p186|ナトラ20020502_p57}}、[[十勝ワイン]]と同じ原料を用いた十勝[[ブランデー]]による隠し味{{R|ナトラ20020502_p57}}、レーズンの芯を残さないために加えられた[[ラム酒]]も特色である{{R|北海道新聞20050408m_p15}}。 |
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== 開発の経緯 == |
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[[File:Ogawaken-1.jpg|thumb|小川軒 レーズンウィッチ(2010年12月8日撮影)]] |
[[File:Ogawaken-1.jpg|thumb|小川軒 レーズンウィッチ(2010年12月8日撮影)]] |
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[[1977年]]に[[六花亭|六花亭製菓]]の社名変更を記念して発売された。当時、[[代官山町|代官山]]の[[小川軒]]のレーズンウィッチが高い評価を得ていたことから、これを参考に開発された |
[[1977年]]に[[六花亭|六花亭製菓]]の社名変更を記念して発売された{{R|産研論集200603_p125}}。1968年発売の六花亭の[[ホワイトチョコレート]]が好評を得ていたことから、ホワイトチョコレートを材料とした新たな菓子を模索したことも、開発の理由の一つとなった{{R|北海道新聞20000210m_p22}}。当時、[[代官山町|代官山]]の[[小川軒]]のレーズンウィッチが高い評価を得ていたことから、これを参考に開発された{{R|産研論集200603_p125|一個人20150625_p126}}。 |
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北海道旅行経験者からの評価も高い{{R|週刊朝日19951020_p96}}。北海道新聞情報研究所による2002年のインターネットモニター調査では、「道外土産に購入したいお菓子」として、[[石屋製菓]]の[[白い恋人]]が30パーセント、マルセイバターサンドが27パーセントを占めた{{R|北海道新聞20020311m_p14}}。また味や地域性、原材料を総合的に評価した「北海道を代表する銘菓」としては、白い恋人が37パーセント、マルセイバターサンドが26パーセントであった{{R|北海道新聞20020311m_p14}}。朝日新聞社の会員サービス「アスパラクラブ」のウェブサイトで2009年に実施されたアンケート「食べたい手みやげ」では、回答総数8834人の内、マルセイバターサンドが2244人で1位を記録した{{R|朝日新聞20090811e_p2}}。[[財界さっぽろ]]編集部による2020年の「新千歳空港お土産ランキング」では、白い恋人と[[カルビー]]の[[じゃがポックル]]に次いで3位{{R|文春20200118_p1}}、[[goo]]ランキングで2020年に実施された「最強だと思う北海道のお土産ランキング」では、白い恋人に次いで2位を記録した{{R|goo20201218}}。 |
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== 脚注 == |
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<ref name="北海道新聞20000928m_p27">{{Cite news|和書|title=「お菓子のくに」十勝から(下)最高の原料厳選 常に新商品探求|newspaper=北海道新聞|edition=央B朝刊|date=2000-9-28|author=升田一憲|page=27|language=ja}}</ref> |
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== 参考文献 == |
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* {{Cite journal|和書|author=平松洋子|authorlink=平松洋子|date=2012-11-4|title=日本のすごい味 欲華道・帯広市「六花亭」|journal=[[考える人 (雑誌)|考える人]]|issue=42|publisher=[[新潮社]]|id={{OYALIB|200180447}}|ref={{SfnRef|平松|2012}}}} |
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* {{Cite journal|和書|date=1979-8-5|title=新商品発売情報 梅まろ・宇治ひめ(京都市・鶴屋吉信)、マルセイバターサンド(帯広市・六花亭)|journal=製菓製パン|volume=45|issue=8|publisher=製菓実験社|id={{NCID|AN10119991}}|ref={{SfnRef|製菓製パン|1979}}}} |
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2022年12月26日 (月) 15:41時点における版
種類 | 菓子 |
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販売開始年 | 1977年 |
日本での製造 | 六花亭 |
完成国 | 日本 |
関係する人物 | 小田豊四郎(六花亭創業者) |
外部リンク | https://www.rokkatei.co.jp/ |
マルセイバターサンドは、北海道帯広市の六花亭が販売している菓子。同社の販売額のおよそ4割を占める代表的な菓子であり、北海道土産としての知名度が高い[1]。パッケージに記載されている「バ成タ」という文字から「バナリタ」の愛称で親しまれている[2]。
概要
六花亭専用の北米産小麦粉でつくったビスケットで、ホワイトチョコレートと北海道産生乳100パーセントのバターおよびカリフォルニア州産のレーズンをあわせたクリームをサンドしている[3]。バターはこの菓子専用のものであり、ビスケットにもクリームにも豊富に用いられている[4]。長らく道内のみのローカルな人気に留まっていたが、1990年代終盤頃より2000年代初頭にかけ全国的にその名が知られるようになった。単品の土産商品としては赤福や白い恋人と並ぶ大型商品である[1]。
マルセイとは◯の中に成の字を入れたもので、依田勉三の興した晩成社(依田牧場)が1905年(明治38年)に北海道で初めて商品化したバターのことである(当時の表記はマルセイバタ)[5][6]。マルセイバターサンドの包装は発売当時のマルセイバターのラベルを復刻・再デザインしているため、レトロな外観を持つ[7]。晩成社がバターを開発した当時は、バターは「バタ」と呼ばれていたため[8]、包装にも「バタ」のロゴがデザインされている[9]。
クリームに用いられているホワイトチョコレートが、六花亭が日本で初めて商品化したものであることや[8][9]、十勝ワインと同じ原料を用いた十勝ブランデーによる隠し味[9]、レーズンの芯を残さないために加えられたラム酒も特色である[10]。
開発の経緯
1977年に六花亭製菓の社名変更を記念して発売された[1]。1968年発売の六花亭のホワイトチョコレートが好評を得ていたことから、ホワイトチョコレートを材料とした新たな菓子を模索したことも、開発の理由の一つとなった[11]。当時、代官山の小川軒のレーズンウィッチが高い評価を得ていたことから、これを参考に開発された[1][12]。
レーズンウィッチはショートニングをクリームに用いていたのに対し、マルセイバターサンドは六花亭の主力製品だったホワイトチョコレートとフレッシュバターで作ったレーズンバターをビスケットで挟んでおり、時間が経ってもサクサクした食感が保たれる[1]。この食感を実現するため、開発に当たっては材料の選定に時間が費やされ[1]、六花亭によれば「納得がいくまで5年かかった」という[11][13]。
反響
六花亭によれば「一度も爆発的に売れたことはないが、減ったこともない」といい、2003年には生産体制がそれまでの年間7400万個から、1億個へと強化された[14]。六花亭の売上の約4割を占める人気商品であり[14]、2012年時点では、最も多い売上の日は約60万個、年間販売額が約75億円に達したロングセラー商品である[15]。
北海道旅行経験者からの評価も高い[16]。北海道新聞情報研究所による2002年のインターネットモニター調査では、「道外土産に購入したいお菓子」として、石屋製菓の白い恋人が30パーセント、マルセイバターサンドが27パーセントを占めた[17]。また味や地域性、原材料を総合的に評価した「北海道を代表する銘菓」としては、白い恋人が37パーセント、マルセイバターサンドが26パーセントであった[17]。朝日新聞社の会員サービス「アスパラクラブ」のウェブサイトで2009年に実施されたアンケート「食べたい手みやげ」では、回答総数8834人の内、マルセイバターサンドが2244人で1位を記録した[18]。財界さっぽろ編集部による2020年の「新千歳空港お土産ランキング」では、白い恋人とカルビーのじゃがポックルに次いで3位[19]、gooランキングで2020年に実施された「最強だと思う北海道のお土産ランキング」では、白い恋人に次いで2位を記録した[20]。
著名人では、作家の泉麻人が、知人からこの菓子を教わって以来、仕事で札幌へ行くたびに、必ず買って帰ると語っている[16]。お笑いタレントの片桐仁も、仕事で北海道へ行き、空港の土産店でパッケージに馴染みがあったことで購入して以来、北海道へ行くたびに購入しており、冷凍保存して食事の代用にしたこともあったという[21]。文筆家の甲斐みのりは、個別包装されているために職場や友人に配りやすいことや、北海道内では多数存在する六花亭の直営店や新千歳空港の土産売場で容易に購入可能なために、「土産菓子の鑑のよう」と評している[12]。
脚注
- ^ a b c d e f 佐藤 2006, p. 125
- ^ 秋月涼佑 (2020年6月2日). “【ブランドウォッチング】再会したいお土産の「北の横綱」六花亭にみるブランディングの必要条件”. SankeiBiz. 産業経済新聞社. p. 2. 2022年12月15日閲覧。
- ^ “マルセイバターサンド4個入”. 六花亭. 2022年12月18日閲覧。
- ^ 平松 2012, p. 196
- ^ 大和田努 (2013年). “「マルセイバタ」を売り込め! - 十勝から東京へ -【コラムリレー第24回】”. 集まれ! 北海道の学芸員. 北海道博物館協会 学芸職員部会. 2016年5月23日閲覧。
- ^ 「森鴎外、漱石も味わった? 晩成社の「マルセイバタ」」『十勝毎日新聞』十勝毎日新聞社、2014年2月27日、WEB TOKACHI。オリジナルの2016年5月23日時点におけるアーカイブ。2016年5月23日閲覧。
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参考文献
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- 平松洋子「日本のすごい味 欲華道・帯広市「六花亭」」『考える人』第42号、新潮社、2012年11月4日、大宅壮一文庫所蔵:200180447。
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関連項目
- レーズンバター
- マルセイズFC - 北海道サッカーリーグに所属する帯広市のサッカークラブ。チーム名はマルセイバターサンドに因んでおり、ユニホームにマルセイバターサンドがプリントしてある。