「コルキューラ」の版間の差分
6行目: | 6行目: | ||
== 神話 == |
== 神話 == |
||
コルキューラの父親が[[ボイオーティア]]地方の河神アーソーポスであるか、それともプリウスと[[シキュオーン]]を流れるアーソーポス河神であるかという問題については、[[ロドスのアポローニオス]]、[[シケリアのディオドロス]]、[[パウサニア |
コルキューラの父親が[[ボイオーティア]]地方の河神アーソーポスであるか、それともプリウスと[[シキュオーン]]を流れるアーソーポス河神であるかという問題については、[[ロドスのアポローニオス]]、[[シケリアのディオドロス]]、[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]ともに後者であるとしている<ref name=SD4721 /><ref name=PA252 /><ref name=RA4568 />。神話によるとコルキューラはポセイドーンにさらわれ、プリウスから[[イオニア海]]の孤島に連れ去られた<ref name=RA4568 /><ref name=SD4723 />。コルキューラはポセイドーンの息子パイアークスを生み、島は彼女にちなんでコルキューラ島と呼ばれ、住民は息子にちなんでパイアーケス人と呼ばれるようになった<ref name=SD4723 />。一説によるとパイアーケス人の王[[アルキノオス]]はパイアークスの息子とされる<ref>シケリアのディオドロス、4巻73・4。</ref>。 |
||
パウサニアースは、コルキューラ島の名前はもともとは『[[オデュッセイアー]]』で言及されているスケリア島であり、コルキューラにちなんで名前が変わったと述べている<ref name=PA252 />。またパウサニアースは[[詩人]][[ピンダロス]]がテーベー讃歌と[[ゼウス]]讃歌の中で、コルキューラがポセイドーンに愛されたことを歌ったと証言しているが<ref name=PA5226 />、両讃歌ともに現存していない<ref>パウサニアース飯尾訳注、p.86。</ref>。 |
パウサニアースは、コルキューラ島の名前はもともとは『[[オデュッセイアー]]』で言及されているスケリア島であり、コルキューラにちなんで名前が変わったと述べている<ref name=PA252 />。またパウサニアースは[[詩人]][[ピンダロス]]がテーベー讃歌と[[ゼウス]]讃歌の中で、コルキューラがポセイドーンに愛されたことを歌ったと証言しているが<ref name=PA5226 />、両讃歌ともに現存していない<ref>パウサニアース飯尾訳注、p.86。</ref>。 |
2021年11月15日 (月) 11:18時点における版
コルキューラ(古希: Κόρκυρα, Korkȳra)あるいはケルキューラ(古希: Κέρκυρα, Kerkȳra)は、ギリシア神話の女性である。長音を省略してコルキュラ、ケルキュラとも表記される。
河神アーソーポスと[1][2][3]メトーペーの娘で、サラミース、ペイレーネー、クレオーネー、タナグラ、テスペイア、アーソーピス、シノーペー、オルニス、カルキス、アイギーナ、テーベー[2]、ハルピンナと姉妹[4]。コルキューラ島の名祖。海神ポセイドーンに愛されたことで知られる[5][6][3][7]。
神話
コルキューラの父親がボイオーティア地方の河神アーソーポスであるか、それともプリウスとシキュオーンを流れるアーソーポス河神であるかという問題については、ロドスのアポローニオス、シケリアのディオドロス、パウサニアスともに後者であるとしている[2][3][5]。神話によるとコルキューラはポセイドーンにさらわれ、プリウスからイオニア海の孤島に連れ去られた[5][6]。コルキューラはポセイドーンの息子パイアークスを生み、島は彼女にちなんでコルキューラ島と呼ばれ、住民は息子にちなんでパイアーケス人と呼ばれるようになった[6]。一説によるとパイアーケス人の王アルキノオスはパイアークスの息子とされる[8]。
パウサニアースは、コルキューラ島の名前はもともとは『オデュッセイアー』で言及されているスケリア島であり、コルキューラにちなんで名前が変わったと述べている[3]。またパウサニアースは詩人ピンダロスがテーベー讃歌とゼウス讃歌の中で、コルキューラがポセイドーンに愛されたことを歌ったと証言しているが[7]、両讃歌ともに現存していない[9]。