「デュマース」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし |
|||
32行目: | 32行目: | ||
* [[スミュルナのコイントス|クイントゥス]]『ギリシア戦記』[[松田治]]訳、[[講談社学術文庫]](2000年) |
* [[スミュルナのコイントス|クイントゥス]]『ギリシア戦記』[[松田治]]訳、[[講談社学術文庫]](2000年) |
||
* 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』[[岡三郎]]訳、[[国文社]](2001年) |
* 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』[[岡三郎]]訳、[[国文社]](2001年) |
||
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
||
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年) |
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年) |
||
* 『[[ヘシオドス]] 全作品』[[中務哲郎]]訳、京都大学学術出版会(2013年) |
* 『[[ヘシオドス]] 全作品』[[中務哲郎]]訳、京都大学学術出版会(2013年) |
2021年11月15日 (月) 11:14時点における版
デュマース(古希: Δύμας, Dymās)は、ギリシア神話の人物である。長音を省略してデュマスとも表記される。主に、
- プリュギアの王
- アイギミオスの子
などが知られている。以下に説明する。
プリュギアの王
このデュマースは、プリュギアの王である。系譜についてははっきりせず、一説によるとエーイオネウスの子で、海神プローテウスの孫にあたるといい[1][2]、また別の説によるとテュロスの王アゲーノールの子ポイニクスの子孫であり、ヘレネーとは遠く離れた同族であるという[3]。
河神サンガリオスの娘エウノエー[4]あるいはエウアゴラーと結婚し[1]、ヘカベー[5][6][7][8][9][10][3][11]、アシオス[12][11]、メゲース[13]、オトレウスをもうけた[14]。
子供たちのうちヘカベーはトロイア王プリアモスと結婚して多くの子供たちの母となった。ただし、ヘカベーはキッセウスの娘とも[15][6][8][9][10]、河神サンガリオスとメトーペーの娘とも言われる[6]。アシオス[11]およびメゲースの子供たちはトロイア戦争の際にプリュギア勢を率いて戦った[16]。オトレウスはトロイア戦争以前にプリアモスを救援してアマゾーン族と戦った[14]。
アイギミオスの子
このデュマースは、ドーリス人の王アイギミオスの子で[17][18][19]、パムピューロスと兄弟である[17][18]。ヘーラクレイダイの味方をして彼らの帰還を助けたが、オレステースの子ティーサメノスとの戦争でパムピューロスとともに戦死した[18]。
その他の人物
- マリアンデューノス人。アルゴナウタイにベブリュケス人の王アミュコスが危険であることを忠告した[20][21]。
- テーバイ攻めの七将のもとでテーバイと戦った戦士[22][23][24]。
- アリウス出身のアルケシラーオスの部下。トロイア戦争でアイネイアースに討たれた[25]。
- トロイア陥落時の混乱の中で味方に殺されたアイネイアースの部下[26]。
- パイアーケス人の間で名の知れた船乗り[27]。デュマースの娘は王女ナウシカアーの友人だった[28]。
脚注
- ^ a b エウリーピデース『ヘカベー』3行への古註。
- ^ レーロスのペレキューデース断片、136。
- ^ a b クレータのディクテュス、1巻9。
- ^ 『イーリアス』16巻718行への古註。
- ^ 『イーリアス』16巻715行。
- ^ a b c アポロドーロス、3巻12・5。
- ^ ヒュギーヌス、91話。
- ^ a b ヒュギーヌス、111話。
- ^ a b ヒュギーヌス、243話。
- ^ a b ヒュギーヌス、249話。
- ^ a b c クレータのディクテュス、4巻12。
- ^ 『イーリアス』16巻717行。
- ^ スミュルナのクイントゥス、7巻606行。
- ^ a b 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.88a。
- ^ エウリーピデース『ヘカベー』3行。
- ^ スミュルナのクイントゥス、7巻606行以下。
- ^ a b ヘーシオドス断片、10。
- ^ a b c アポロドーロス、2巻8・3。
- ^ パウサニアース、7巻17・6。
- ^ ウァレリウス・フラックス、4巻160行。
- ^ ウァレリウス・フラックス、4巻187行。
- ^ スタティウス『テーバイド』6巻559行。
- ^ スタティウス『テーバイド』10巻348行。
- ^ スタティウス『テーバイド』10巻435行。
- ^ スミュルナのクイントゥス、8巻303行。
- ^ 『アエネーイス』2巻340行-429行。
- ^ 『オデュッセイアー』6巻22行。
- ^ 『オデュッセイアー』6巻23行。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- ウェルギリウス『アエネーイス』岡道男・高橋宏幸訳、京都大学学術出版会(2001年)
- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
- 『ギリシア悲劇III エウリピデス(上)』、ちくま文庫(1986年)
- クイントゥス『ギリシア戦記』松田治訳、講談社学術文庫(2000年)
- 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』岡三郎訳、国文社(2001年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- ホメロス『イリアス(下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- ホメロス『オデュッセイア(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1994年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)