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* [[スミュルナのコイントス|クイントゥス]]『トロイア戦記』[[松田治]]訳、[[講談社学術文庫]](2000年) |
* [[スミュルナのコイントス|クイントゥス]]『トロイア戦記』[[松田治]]訳、[[講談社学術文庫]](2000年) |
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* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年) |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年) |
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* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年) |
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年) |
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* [[ホメロス]]『[[イリアス]](上・下)』[[松平千秋]]訳、[[岩波文庫]](1992年) |
* [[ホメロス]]『[[イリアス]](上・下)』[[松平千秋]]訳、[[岩波文庫]](1992年) |
2021年11月15日 (月) 11:13時点における版
テストール(古希: Θέστωρ, Thestōr)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してテストルとも表記される。主に、
- カルカースの父
- エーノプスの子
が知られている。以下に説明する。
カルカースの父
このテストールは、予言者イドモーンあるいはアポローンの子で[1]、カルカース[2][3][4]、レウキッペー[4]、テオノエーの父[4][5]。父と同じく予言者であったとされる[4]。息子カルカースもまた予言者となり、トロイア戦争でギリシア軍を導いた。
ヒュギーヌスによると娘テオノエーは海賊にさらわれ、カーリア王イーカロスに妾として買われた。テストールは娘を探すため航海に出たものの、船が難破し、何とかたどり着いたカーリアで奴隷の身分に堕ちた。1人残されたレウキッペーはデルポイの神託に伺いを立てた。するとアポローンの神官として諸国をめぐるよう命じられたため、髪を剃って男装し、諸国を回る過程でカーリアに赴いた。するとテオノメーは姉妹と気づかずにレウキッペーに恋をしたが、レウキッペーもまた相手が姉妹であることに気づかずに女であることを理由に拒んだ。怒ったテオノメーはレウキッペーを一室に幽閉し、老いた奴隷に剣を渡してレウキッペーを殺すよう命じた。しかしその奴隷は実は父テストールであり、自分の素性と奴隷になったいきさつを話し、今度を殺人の罪を犯さなければならなくなったと嘆いた。その言葉でレウキッペーは父と気づき、テオノメーもまた父と気づいた。このように認知がなされるとテストールはカーリア王によって故郷に送り届けられた[4]。
系図
エーノプスの子
このテストールは、エーノプスと[6]サトニオエイス川のニュムペーの子で、サトニオスと兄弟[7]。トロイア戦争で戦ったが、ギリシア軍の窮状を見かねてアキレウスの鎧をまとって出陣したパトロクロスによって討たれた[6]。