コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「ラドン川」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m bot: 解消済み仮リンクアロアニア山を内部リンクに置き換えます
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m Bot作業依頼: パウサニアスの改名に伴うリンク修正依頼 (パウサニアス (地理学者)) - log
32行目: 32行目:
{{Commonscat|Ladon (river)}}
{{Commonscat|Ladon (river)}}
* [[オウィディウス]]『[[変身物語]](上)』[[中村善也]]訳、[[岩波文庫]](1981年)
* [[オウィディウス]]『[[変身物語]](上)』[[中村善也]]訳、[[岩波文庫]](1981年)
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
* [[ヘシオドス]]『[[神統記]]』[[廣川洋一]]訳、岩波文庫(1984年)
* [[ヘシオドス]]『[[神統記]]』[[廣川洋一]]訳、岩波文庫(1984年)



2021年11月15日 (月) 11:11時点における版

ラドン川
Λάδων ποταμός
ラドン川 2007年3月24日撮影
古くから風光明媚として知られていたラドン川
水系 アルフェイオス川
延長 70 km
水源 アロアニア山
河口・合流先 トリポタミア英語版
アルフェイオス川に合流
流域 ギリシャの旗 ギリシャ ペロポネソス
アルカディア県
テンプレートを表示
1955年に完成したダムによって形成されたラドン湖。

ラドン川: Λάδων, : Ladonカサレヴサ)あるいはラドナス川: Λάδωνας, : Ladonasデモティキ)は、ギリシャペロポネソス半島を流れる川である。イオニア海に注ぐアルフェイオス川支流で、長さは約70キロ(43マイル)[1]。ラドン川の名はすでにヘシオドスの『神統記』で言及され[2]、古来より景観の美しさで名高く[3]ギリシア神話にも河神として登場している。

地理

ラドン川の水源はアカイア県クレイトリア英語版の市町村単位であるカストリア英語版村の近くのアロアニア山西側の斜面にある。川は南に流れ、左からの支流アロアニオス英語版の合流を受けながらクレイトリアに沿って流れたのち、アルカディア県との県境近くで南西に曲がる。その後、川は細長いラドン湖に流れ込むが、この湖は1955年に完成したラドン水力発電所ダムによって川の水が堰き止められて形成された人工湖である。川はさらにディミトラ英語版の近くで再び南に曲がり、トリポタミア英語版村の南東3キロの地点でアルフェイオス川に合流する。またフィリア英語版付近ではトラグス川英語版が合流する。

神話

ラドン川はヘシオドスが『神統記』で言及した25の川の1つであり、彼らは「オケアノスと女王テテュスの息子」であった[2]。ラドン川は同名の河神として擬人化され、神から求愛された魅力的なニンフや人間の乙女の父親だと信じられていた。アポロンに求婚されたダプネは一説によるとラドン川の娘だった[4]。また娘の1人であるメトペは、ボイオティア地方のアソポス川の化身アソポスと結婚して、多くの娘を生んだと伝えられている。ラドン川の流域には河神の娘の名前に由来する都市テルプサ英語版があった。この町はパウサニアスの時代には廃墟となっていた[5]。またエウアンドロスはラドン川の娘とヘルメス神の息子だった[6]。川はギリシア神話によると穢れを浄化する力を持っていた。海神ポセイドンデメテルを襲ったとき、彼女はラドン川の流れでポセイドンから受けた恥辱を洗い流したと伝えられている[7]パーン神に追われたシュリンクスはラドン川に遮られたが、その川辺で葦に変身した[8]

脚注

  1. ^ Greece in Figures January - March 2018, p. 12
  2. ^ a b ヘシオドス、344行。
  3. ^ パウサニアス、8巻20・1。
  4. ^ パウサニアス、10巻7・8。
  5. ^ パウサニアス、8巻25・2。
  6. ^ パウサニアス、8巻43・2。
  7. ^ パウサニアス、8巻25・6。
  8. ^ オウィディウス『変身物語』1巻。

参考文献