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=== 企画 ===
=== 企画 ===
==== 契約と発表 ====
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2017年7月、映画『[[ロード・オブ・ザ・リングシリーズ|ロード・オブ・ザ・リング]]』および『[[ホビット (映画)|ホビット]]』の[[ワーナー・ブラザース]]とそれらの映画の原作者である[[J・R・R・トールキン]]の財産を管理する{{仮リンク|トールキン財団|en|Tolkien Estate}}のあいだで起こっていた訴訟が和解に達した。和解後に双方にとって「より良い条件」で彼らはトールキンの『[[指輪物語]]』に基づいたテレビシリーズ企画を[[Amazon.com|Amazon]]、[[Netflix]]、[[HBO]]などに持ちかけた<ref name="Nov2017Deal" />。9月までにAmazonが最有力として浮上し、シリーズの交渉に入った<ref name="THRInsideDeal" /><ref name="Nov2017Negotiations" />。同スタジオの番組開発には珍しく、AmazonのCEOの[[ジェフ・ベゾス]]が直々に交渉に関与した<ref name="Nov2017Negotiations" />。ベゾスはこれ以前からHBOの『[[ゲーム・オブ・スローンズ]]』に匹敵する規模のファンタジーシリーズを企画するよう[[アマゾン・スタジオ]]に命じており、それによって同社はこのプロジェクトの最有力となっていた<ref name="Nov2017Deal" />。
2017年7月、映画『[[ロード・オブ・ザ・リング (映画シリーズ)|ロード・オブ・ザ・リング]]』および『[[ホビット (映画)|ホビット]]』の[[ワーナー・ブラザース]]とそれらの映画の原作者である[[J・R・R・トールキン]]の財産を管理する{{仮リンク|トールキン財団|en|Tolkien Estate}}のあいだで起こっていた訴訟が和解に達した。和解後に双方にとって「より良い条件」で彼らはトールキンの『[[指輪物語]]』に基づいたテレビシリーズ企画を[[Amazon.com|Amazon]]、[[Netflix]]、[[HBO]]などに持ちかけた<ref name="Nov2017Deal" />。9月までにAmazonが最有力として浮上し、シリーズの交渉に入った<ref name="THRInsideDeal" /><ref name="Nov2017Negotiations" />。同スタジオの番組開発には珍しく、AmazonのCEOの[[ジェフ・ベゾス]]が直々に交渉に関与した<ref name="Nov2017Negotiations" />。ベゾスはこれ以前からHBOの『[[ゲーム・オブ・スローンズ]]』に匹敵する規模のファンタジーシリーズを企画するよう[[アマゾン・スタジオ]]に命じており、それによって同社はこのプロジェクトの最有力となっていた<ref name="Nov2017Deal" />。


2017年11月13日、Amazonは小説のグローバルテレビ化権の取得契約を締結した。企画または製作費を含まない映像化権のみで2億5000万ドルにおよぶと報じられ、業界のコメンテーターからはクリエイティブな才能がプロジェクトにまだ関与してない段階でAmazonが支払ったこの契約金額は「正気ではない」と評された<ref name="Nov2017Deal" />。Amazonのストリーミングサービスの[[Amazon Prime Video|Prime Video]]は構想されている5シーズンに加えて、製作の可能性のあるスピンオフシリーズの契約も交わしている。シリーズの予算は1シーズンあたり1億ドルから1億5000万ドル、総額10億ドルを超える可能性があり、これまでで最も高額なテレビシリーズになると予想されている<ref name="Nov2017Deal" /><ref name="THRInsideDeal" />。アマゾン・スタジオは独自でのシリーズ製作を望んだために[[ワーナー・ブラザース・テレビジョン]]はプロジェクトに関与せず、代わりに{{仮リンク|トールキン財団|en|Tolkien Estate}}、{{仮リンク|トールキン・トラスト|en|The Tolkien Trust}}、[[ハーパーコリンズ]]、[[ニュー・ライン・シネマ]]と協力した<ref name="Nov2017Deal" />。ワーナー・ブラザースのいち部門であり映画版を製作したニュー・ラインはテレビシリーズが映画の素材を使用する可能性があるために契約に含まれた<ref name="THRInsideDeal" />。このシリーズはトールキン作品を基にした「未踏の物語」を描く『指輪物語』の前日譚であり、トールキン財団によっていくつかの創造上の制限が課せられている<ref name="Nov2017Deal" />。この契約では2年以内にシリーズの製作を開始することが定められていた<ref name="THRInsideDeal" />。
2017年11月13日、Amazonは小説のグローバルテレビ化権の取得契約を締結した。企画または製作費を含まない映像化権のみで2億5000万ドルにおよぶと報じられ、業界のコメンテーターからはクリエイティブな才能がプロジェクトにまだ関与してない段階でAmazonが支払ったこの契約金額は「正気ではない」と評された<ref name="Nov2017Deal" />。Amazonのストリーミングサービスの[[Amazon Prime Video|Prime Video]]は構想されている5シーズンに加えて、製作の可能性のあるスピンオフシリーズの契約も交わしている。シリーズの予算は1シーズンあたり1億ドルから1億5000万ドル、総額10億ドルを超える可能性があり、これまでで最も高額なテレビシリーズになると予想されている<ref name="Nov2017Deal" /><ref name="THRInsideDeal" />。アマゾン・スタジオは独自でのシリーズ製作を望んだために[[ワーナー・ブラザース・テレビジョン]]はプロジェクトに関与せず、代わりに{{仮リンク|トールキン財団|en|Tolkien Estate}}、{{仮リンク|トールキン・トラスト|en|The Tolkien Trust}}、[[ハーパーコリンズ]]、[[ニュー・ライン・シネマ]]と協力した<ref name="Nov2017Deal" />。ワーナー・ブラザースのいち部門であり映画版を製作したニュー・ラインはテレビシリーズが映画の素材を使用する可能性があるために契約に含まれた<ref name="THRInsideDeal" />。このシリーズはトールキン作品を基にした「未踏の物語」を描く『指輪物語』の前日譚であり、トールキン財団によっていくつかの創造上の制限が課せられている<ref name="Nov2017Deal" />。この契約では2年以内にシリーズの製作を開始することが定められていた<ref name="THRInsideDeal" />。

2021年9月28日 (火) 08:57時点における版

The Lord of the Rings
ジャンル
原作 J・R・R・トールキン
指輪物語
企画
  • J・D・ペイン
  • パトリック・マッケイ
出演者 参照
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作
製作総指揮
撮影地 ニュージーランドの旗 ニュージーランド
製作
配給 Amazon
放送
放送チャンネルPrime Video
テンプレートを表示

ロード・オブ・ザ・リング』(The Lord of the Rings)は、J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』を基に製作され、放送が予定されているテレビドラマシリーズである[1]。J・D・ペインとパトリック・マッケイがストリーミング・サービスのPrime Video向けに企画し、小説『指輪物語』やその映画の前日譚となる中つ国第二紀を舞台とする物語である。シリーズはトールキン財団英語版トールキン・トラスト英語版ハーパーコリンズニュー・ライン・シネマと協力してアマゾン・スタジオが製作し、ペインとマッケイがショーランナーを務める。

Amazon.comは2017年11月に『指輪物語』のテレビ化権を2億5000万ドルで購入し、少なくとも10億ドルの予算で5シーズンの製作を確約した。これは史上最も高額なテレビシリーズになると報じられている。2018年7月にペインとマッケイがシリーズ企画のために雇われ、残りの製作チームはその1年後に発表された。キャスティングは世界各所で行われ、ロバート・アラマヨ英語版が膨大なアンサンブル・キャストの主演となる。アマゾンと映画三部作が撮影地であるニュージーランドの政府間での交渉の末、2020年2月にニュージーランドのオークランドで撮影が始まった。COVID-19パンデミックの影響により3月に一時製作は中断されたが、同年9月に再開された。

全8話構成となる第1シーズンは2022年9月2日にPrime Videoで配信開始予定である。第2シーズンは2019年11月に正式発注済みである。

あらすじ

ホビットの冒険』と『指輪物語』の数千年前となる中つ国第二紀を舞台としたこのシリーズでは中つ国の悪の再出現に対処するキャラクターたちに焦点が当てられる[2]

エピソード

第1シーズンの最初の2話をJ・A・バヨナ[3]、4話分をウェイン・チェ・イップ英語版[4]、2話分をシャーロット・ブランドストーム英語版が監督している[5]

キャスト

2020年12月時点でアマゾン・スタジオは以下のキャストを発表している:[6][7]

製作

企画

契約と発表

2017年7月、映画『ロード・オブ・ザ・リング』および『ホビット』のワーナー・ブラザースとそれらの映画の原作者であるJ・R・R・トールキンの財産を管理するトールキン財団英語版のあいだで起こっていた訴訟が和解に達した。和解後に双方にとって「より良い条件」で彼らはトールキンの『指輪物語』に基づいたテレビシリーズ企画をAmazonNetflixHBOなどに持ちかけた[10]。9月までにAmazonが最有力として浮上し、シリーズの交渉に入った[11][12]。同スタジオの番組開発には珍しく、AmazonのCEOのジェフ・ベゾスが直々に交渉に関与した[12]。ベゾスはこれ以前からHBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』に匹敵する規模のファンタジーシリーズを企画するようアマゾン・スタジオに命じており、それによって同社はこのプロジェクトの最有力となっていた[10]

2017年11月13日、Amazonは小説のグローバルテレビ化権の取得契約を締結した。企画または製作費を含まない映像化権のみで2億5000万ドルにおよぶと報じられ、業界のコメンテーターからはクリエイティブな才能がプロジェクトにまだ関与してない段階でAmazonが支払ったこの契約金額は「正気ではない」と評された[10]。AmazonのストリーミングサービスのPrime Videoは構想されている5シーズンに加えて、製作の可能性のあるスピンオフシリーズの契約も交わしている。シリーズの予算は1シーズンあたり1億ドルから1億5000万ドル、総額10億ドルを超える可能性があり、これまでで最も高額なテレビシリーズになると予想されている[10][11]。アマゾン・スタジオは独自でのシリーズ製作を望んだためにワーナー・ブラザース・テレビジョンはプロジェクトに関与せず、代わりにトールキン財団英語版トールキン・トラスト英語版ハーパーコリンズニュー・ライン・シネマと協力した[10]。ワーナー・ブラザースのいち部門であり映画版を製作したニュー・ラインはテレビシリーズが映画の素材を使用する可能性があるために契約に含まれた[11]。このシリーズはトールキン作品を基にした「未踏の物語」を描く『指輪物語』の前日譚であり、トールキン財団によっていくつかの創造上の制限が課せられている[10]。この契約では2年以内にシリーズの製作を開始することが定められていた[11]

製作チーム

2018年4月までに『ロード・オブ・ザ・リング』および『ホビット』の監督のピーター・ジャクソンはシリーズへの関与の可能性についてAmazonとの話し合いを始めたが[11]、6月には関与しないことが明らかとなった[13]。その月の後半、アマゾン・スタジオ首脳のジェニファー・サルケはジャクソンとのシリーズ関与の程度についての話し合いが続いていると語った。彼女はシリーズの契約は約1か月前に正式に締結されたばかりであり、スタジオはプロジェクトに関して多くの異なる作家と会っていることを付け加えた。彼らはシリーズの戦略と脚本チームを「すぐに」用意することを意図しており、2021年にシリーズを開始することを望んだ[14]。7月、アマゾンはシリーズ企画のために脚本家のJ・D・ペインとパトリック・マッケイを雇った[15]。その年の12月、ジャクソンは自分と製作パートナーがこのシリーズの脚本を読み、脚本家をアドバイスをする可能性があるが、それ以外はこのプロジェクトに関与しないと述べた。ジャクソンはさらに「彼らの成功を願っているし、もし我々が彼らの力になれるのであれば必ず努めるつもりだ」と述べた[16]。またジャクソンは自身が製作した映画では経験できなかったトールキンの翻案を客として観賞できることに興奮を示した[17]

2019年5月、アマゾンとの契約を交わしたブライアン・コグマン英語版がコンサルタントとしてシリーズに加わった。コグマンは以前に『ゲーム・オブ・スローンズ』の脚本家を務めており、ペインとマッケイと共に新シリーズの企画に取り組むことになった[18]。7月、J・A・バヨナがシリーズの最初の2話を監督し、彼のパートナーであるベレン・アティエンサと共にエグゼクティブ・プロデューサーを務めるために雇われた[3]。その月の後半、『ゲーム・オブ・スローンズ』のデイヴィッド・ベニオフD・B・ワイスは『ロード・オブ・ザ・リング』のコンサルトに関心があるアマゾンンを含め、複数の会社と契約について話し合っていたが[19]、2人は最終的にNetflixと契約した[20]。7月末、アマゾンはペインとマッケイがシリーズのショーランナーと製作総指揮を務め、さらにバヨナ、アティエンサ、ブルース・リッチモンド、ジーン・ケリー、リンジー・ウェバー、シャロン・タル・イグアドがエグゼクティブ・プロデューサー、ロン・エイムスが共同プロデューサー、ケイト・ホーリーが衣裳デザイナー、リック・ハインリクスがプロダクションデザイナー、ジェイソン・スミス英語版が視覚効果スーパーバイザー、映画のコンセプトデザイナーの1人だったジョン・ハウ英語版がイラストレーター兼コンセプトアーティストとしてプロジェクトに取り組んでいることが明かされた[21][22]。さらにトールキン学者のトム・シッピー英語版もシリーズに取り組んでいることが明らかとなったが[22]、その後2020年4月までにはプロジェクトに関与しなくなったと報じられた[23]

第1シーズンの企画後にコグマンは新しいプロジェクトに集中するためにシリーズを去った。またケリーもシリーズから去り、新たにカラム・グリーンがエグゼクティブ・プロデューサーに加わった[24]。グリーンは以前に『ホビット 竜に奪われた王国』(2013年)でプロデューサーを務めていた[25]。2021年3月、ウェイン・チェ・イップ英語版がシリーズの4話分で監督を務め、共同エグゼクティブ・プロデューサーに就任したことが発表された[4]。5月にさらに2話分の監督としてシャーロット・ブランドストーム英語版が加わった[5]

ロケーション

2018年6月にサルケはシリーズは映画が製作されたニュージーランドで撮影可能であると述べたが、アマゾンはまた「我々は信じられないようなものを見せたいので、本当に本物のようなロケーションを提供できる」ならば他の国での撮影もいとわないと考えた[26]。シリーズのプリプロダクションはオークランドで始まったと報じられ[27]、その一方でシリーズのロケーション・スカウティングがスコットランドでも行われ、製作側はスカイ島ポートパトリック英語版スクーリー英語版パースシャー英語版ローモンド湖を訪れた[28]。 アマゾンとクリエイティヴ・スコットランド英語版エディンバラリース英語版で建設中の新たなスタジオを拠点としてのシリーズの製作について話し合いを行った[29]。12月、アマゾンがオークランドに利用可能なスタジオスペースががないために製作を国外を持ち出すと迫った後、当時のニュージーランドの経済開発大臣英語版デヴィッド・パーカー英語版と「危機会議」を開催した[30]。その際にパーカーはアマゾンに対し、ニュージーランドでの製作を歓迎し、ニュージーランド政府がシリーズ製作を望んでいることを伝えたが、「是が非でもこれを望んでいるのではなく、ニュージーランドに取って良い条件を望んでいる」として、シリーズのための特別な契約を要求することはなかった。ニュージーランドでは国際的な作品に対して最大25%の税金が還付される「ニュージーランド・メジャー・スクリーン・プロダクション・グラント」がアマゾンに提供されている[31]

2019年6月末時点でニュージーランドでの撮影は内定しており、7月にはクメウ・フィルム・スタジオとオークランド・フィルム・スタジオとのリース契約が予定された。映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作はウェリントンで製作されたが、その映画スタジオはシリーズ製作開始が決定した時点で『アバター』に使われていたため、オークランドが国内の主要な撮影地に選ばれた[27]。アマゾンがニュージーランドでの撮影を決定した理由は、2019年3月のクライストチャーチモスク銃乱射事件後にニュージーランド政府が現地での安全な撮影の可能性を再確認したことや、スコットランドのブレクジットの影響が考えられたことが関わっていると報じられている。製作は主にオークランドであるが、追加撮影はクイーンズタウンやニュージーランド国内のその他の場所で行われる見込みである[32]。2019年9月、アマゾンはニュージーランド政府およびニュージーランド・フィルム・コミッション英語版、オークランド観光イベント経済開発(ATEED)との交渉を終え、シリーズをニュージーランドで撮影することを正式に発表した。スタジオによるとシリーズの撮影は「今後数ヶ月間」のうちに開始予定であり、ATEEDによるといくつかの具体的なロケ地は未だ検討中であった。ペインとマッケイはシリーズの主要なロケ地を選択するにあたり、製作要件を満たすことができる「自然のままの海岸、森、山がある雄大な場所」を望んでいたと説明した[1][33]

2020年12月にアマゾンはニュージーランド・フィルム・コミッション、ニュージーランド政府観光局英語版企業・技術革新・雇用省英語版(MBIE)と2つの覚書を締結し、ニュージーランド・メジャー・スクリーン・プロダクション・グラントで提供される25%の税還付をフルに利用できるようになった[34]。国内の全ての映画およびテレビ作品には自動的に20%の税還付があるが、「大きな経済的利益」をもたらす作品には追加で5%の交渉が可能となる[35]。1つの覚書は追加還付と引き換えにアマゾンが負うべき全体的な義務を説明したものであり、もう1つはシリーズの第1シーズンに特化したものであった。今後のシーズンでも追加のリベートを受けるためには更なる覚書を交わす必要がある。この契約によりニュージーランド政府観光局はシリーズのキャストやスタッフ、映像、舞台裏を利用してニュージーランドを宣伝することが可能となり、キャンペーンはシリーズの初回配信とCOVID-19パンデミック後のニュージーランドへの海外旅行解禁に合わせて行われる[34]。アマゾンはフィルム・コミッションと協力してニュージーランドの映画産業発展を支援し、シリーズのレッドカーペット・プレミアではコミッションのメンバーがメディアに対応する。MBIEは雨ゾンが運営するニュージーランドの企業や研究グループのための「イノベーション・プログラム」を監修する[34][35]。覚書の詳細は2021年4月に明かされたが、公式側は当初はホビット・デイ英語版である9月22日に契約を発表する予定であった[35]

シーズン

Prime Videoはトールキン財団との最初の契約の一部として、5シーズンと考えられる複数シーズンの確約をシリーズに与えたが[11][10]、ストリーミング・サービスは着手前に将来のシーズンの正式なゴーサインを出さなければならなかった[36]。2019年7月、シッピーはシリーズの第1シーズンが20話構成になると考えられていると述べた[37]。11月、アマゾンはシリーズの第2シーズンを正式に発注し、最初の2話分の撮影終了後に通常より長い4、5ヶ月の製作休止の予定が組まれた。これは第1シーズンの撮影を続ける前に第1話の全ての映像を確認し、シリーズの脚本家ルームを再編成して第2シーズンの製作を開始できるようにするためである。これにより映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのように最初の2シーズンを連続英語版で撮影することが可能となった[36]

2020年1月、アマゾンは第1シーズンが8話構成であることを発表した[38]。2021年4月、ニュージーランドの経済開発大臣兼観光大臣英語版スチュアート・ナッシュ英語版はアマゾンが第1シーズンに6億5000万ニュージーランドドル(4億6500万アメリカドル)を費やしており、同国のスタジオとの協定により1億6000万ニュージーランドドル(1億1400万アメリカドル)の税還付を受けることができることを明かした。『ハリウッド・リポーター』のジェームズ・ヒバード英語版はこの4億6500万ドルという金額にはシーズンの製作費に加え、シリーズ製作権や今後のシーズンでも使用されるセット、衣裳、小道具などの費用も含まれていることは「ほぼ間違いない」と指摘した[39]。サルケはすぐにこれを確認し、製作費について「クリックしたくなるクレイジーな見出しだが、それは実際にはシリーズ全体を支えるインフラを構築している」と説明した[40]

脚本執筆

シリーズの脚本家ルームは2019年2月中旬にサンタモニカで作業を開始した。サルケは脚本の詳細を極秘にするために窓はテープで閉じられ、部屋に入る者は警備員によって指紋認証が要求されるなど大規模なセキュリティ対策がとられたことを説明した[41]。ペインとマッケイの他にはジェニファー・ハッチソン英語版、ヘレン・シャン、ジェイソン・ケイヒル英語版、ジャスティン・ドブル、ブライアン・コグマン、ステファニー・フォルソム英語版も脚本家、グレニス・マリンズはコンサルティング・ライターとして参加した[21][22]。脚本家ルームはシリーズの撮影が始まると解散されることになっていたが、最初の2話の撮影後に予定されていた4、5ヶ月の撮影休止期間中に再結成されることとなった。脚本家たちはこの製作休止期間中に第2シーズンのマップを作成し、その脚本の大半を書き上げることが期待されていた[36]

2019年初頭、アマゾンはシリーズが『指輪物語』の数千年前の中つ国第二紀が舞台となることを明かした[42]。シッピーはシリーズがトールキン自身によって描かれた第二紀と矛盾することなく彼の物語の大まかな流れに従わなければならず、トールキン財団はそのような改変にたいして拒否権を持っているが、アマゾンはトールキン作品間のギャップを埋めるためにキャラクターや設定を自由に追加することが出来ると説明した。また『指輪物語』とその膨大な補遺からの引用のみが許可されており、『シルマリルの物語』といった第二紀を扱ったトールキンの他の作品は許可されていない。トールキン財団が第一紀、ミドルアース・エンタープライズ英語版が第三紀の出来事(映画『ホビット』や『ロード・オブ・ザ・リング』)に関する権利を持っているため、シリーズではこれらを扱うことが出来なかった。2021年1月に発表された。シッピーはこれによってシリーズには「解釈と自由な発想の余地が多く残されている」と考えた[37]。2021年1月に発表されたあらすじで霧ふり山脈英語版、エルフの都リンドン英語版ヌーメノールの王国が舞台に含まれることが明らかになった[2]

デザイン

2018年12月、ジャクソンはアマゾンが映画用に作られた「デザインを維持したい」と考えていることから、シリーズは映画と同じ連続性の中に設定されていると認識していると述べた[17]。ハウは2019年8月にこれを繰り返し、ショーランナーたちは映画三部作のデザインや小説の精神性に忠実であり続けることを決意したと述べた。映画からテレビシリーズのデザインへの移行についてハウは予算の違いはあるが、美的な違いは無いようにしたと述べた。また彼はテレビシリーズの企画プロセスは映画の初期デザインと同様にコンセプトデザインから始まったと付け加えた[43]

キャスティング

2018年6月にサルケはテレビシリーズは映画のリメイクではないものの、映画のいくつかのキャラクターが登場するだろうと述べた[26]。2019年7月までにシリーズのキャスティングが世界中で行われ、キャスティングディレクターがアメリカ、イギリス、オーストラリアで活動していた[44]。また同時期にニュージーランドでエキストラのキャスティングが始まっていた[45]。7月末にマルケラ・カヴェナー英語版が「Tyra」と呼ばれるシリーズレギュラーのキャラクターを演じる交渉を行った[46][44]。9月にウィル・ポールターがシリーズの主要キャラクターの1人の「Beldor」と報じられているヤクにキャスティングされた[47][48]。この役柄はポールターのキャスティングされる以前はハリウッドの若手俳優にとって「最も切望されている仕事の一つ」であった[48]。10月中旬にマックス・ボルドリーが「重要な役」[49]、同月末にジョゼフ・マウルがキャスティングされた。マウルはシリーズの主要な悪役である「Oren」を演じると報じられた[50]。12月、エマ・ホーヴァスが別のレギュラーキャラクター役にキャスティングされ[51]、一方でポールターはスケジュールの都合のために降板した[52]。さらにモーフィッド・クラークが映画でケイト・ブランシェットが演じたガラドリエルの若年期役でキャスティングされた[8]

2020年1月初頭、ロバート・アラマヨ英語版がポールターに代わってシリーズの主役にキャスティングされた[53]。その1週間後、アマゾンはシリーズのメインキャストとしてアラマヨ、オウェイン・アーサー英語版ナザニン・ボニアディトム・バッジ英語版、クラーク、イスマエル・クルス・コルドバ英語版、ホーヴァス、カヴェナー、マウル、タイロエ・ムハフィディン、ソフィア・ノムヴェテ、メーガン・リチャーズ、ディラン・スミス英語版、チャーリー・ヴィッカース、ダニエル・ウェイマン英語版の出演を公式発表した。アマゾンのテレビ部門の共同責任者であるヴァーノン・サンダースはまだ決まっていない重要な役があると指摘した[6]。この重要な役の1つとして2019年10月に非公式にボルドリーがシリーズに参加し、契約が完了した2020年3月に彼に決定した[49][54]。2020年12月、アマゾンはシリーズの主役新しいキャスト20人としてシンシア・アダイ=ロビンソン、ボルドリー、新人のイアン・ブラックバーン、キップ・チャップマン、アンソニー・クラム、マクシーン・カンリフ、トリスタン・グラヴェル英語版レニー・ヘンリー英語版スーシータ・ジャヤスンデラ英語版、ファビアン・マッカラン、サイモン・メレルズジェフ・モレル()ピーター・マランロイド・オーウェン英語版オーガスタス・プリュー、ピーター・テイト、アレックス・タラント、レオン・ウェイダム。ベンジャミン・ウォーカー、サラ・ズワンゴバニが発表された。バックバーン、チャップマン、クラム、カンリフ、テイト、タラント、ウェイダムはいずれもニュージーランド人、その他はオーストラリア、スリランカ、イギリス、アメリカから集まっている。ペインとマッケイは今回のキャスティング・アップデートを「数年にわたる捜索の集大成」と表現した[7]

2021年3月、バッジは数話を撮影した後にシリーズから降板したことを発表した。バッジはアマゾンが最初の数話を見直した結果、彼のキャラクターを別の方向性に進めることにしたのだと説明した[55]

撮影

2020年2月上旬の撮影開始に先立って1月中旬にニュージーランドのキャストの読み合わせが始まった[6][56]。製作はオークランドで始まり、主にクメウ・フィルム・スタジオとオークランド・フィルム・スタジオで行われた[27]。2月7日、スタントのリハーサルをしていたスタントウーマンのエリッサ・カドウェルがクメウの水槽に落ちて頭を打って負傷した。アマゾンはこの事故の調査を開始したが、ニュージーランドの労働衛生・安全規制機関であるワークセーフ英語版に通知されたのは2月14日でった。それまでにカドウェルは病院で治療を受け、自宅で怪我を治した[57]。ロケーション撮影は2月にオークランド周辺でも行われた[58]

シリーズの最初の2話分の撮影は5月まで続いた上で[59]、その後4から5ヶ月の休止期間に突入し、その間に最初の2話を映像を見返して第2シーズンの脚本執筆を始める計画であった[36]。そして撮影は10月中旬に再開され、2021年6月下旬まで続く予定であった[59]。しかしながらCOVID-19パンデミックにより2020年3月中旬にシリーズの撮影は無期限中断となり、約800人のキャストとスタッフは自宅待機を命じられた[60]。5月上旬、COVID-19による中断前に最初の2話分の撮影の大部分が完了していたことが明らかとなった。この時点でニュージーランドの新たな安全ガイドラインに基づいての撮影再開が認められていたが、アマゾンは最初の2話分の撮影を完了する予定はなかった。代わりに当初意図していた撮影休止期間を前倒しし、第3話以降の撮影準備を終えた後に最初の2話分の撮影を完了させる計画となった[61]

シリーズはCOVID-19の影響で非ニュージーランド人の入国が禁じられていた際にキャストとスタッフがニュージーランド入国を認められていた7つの映画・テレビ作品のうちの1つであった。この免除措置は6月18日までにフィル・トワイフォード英語版経済開発大臣によって承認され、製作スタッフ93人とその家族20人に適用された。シリーズのスタッフの約10%が非ニュージーランド人であると考えられており、彼らの多くはパンデミックによる封鎖中に国に留まっていたために免除を必要としなかった。第3話以降のプリプロダクションは2020年7月までに開始され[62]、撮影は9月28日に再開された[63]。バヨナは12月23日までに自身の担当話を撮影を完了し[64]、2週間のクリスマス休暇後の2021年1月中に第3話以降の撮影が開始される計画となった[64][65]。3月までにイップは自身の担当話の撮影が始まったことを明かし[4]、また5月に監督就任が発表されたブランドストームは製作のためにニュージーランドに滞在していた[5]

マーケティング

アマゾンは中つ国の第二紀の地図と小説『指輪物語』からの抜粋を使ってソーシャルメディア上でのシリーズの宣伝を開始した[37][66]。地図はイラストレーターのジョン・ハウがデザイン・作成し、トールキン学者のトム・シッピーによってトールキン作品に忠実であることを確認するために監修した[66]。ハウとシッピーはトールキンの中つ国の第二紀のヌーメノールの地図と第三紀の地図を基にして多くの時間をかけて地図を作成した。彼らの努力にもかかわらず、ハーパーコリンズは地図がオンライン上で公開された直後に地図にあった2つの間違いについてファンから苦情を受けた[43]

公開

シリーズはストリーミング・サービスのPrime Videoにより2022年9月2日に配信開始が予定されている[67]

参考文献

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外部リンク