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「エイジ オブ エンパイア」の版間の差分

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{{Infobox video game
{{Redirect|AoE|「Anywhere on Earth」とも呼ばれる世界で最も西の標準時|UTC-12}}
|title = Age of Empires
{{Otheruses|エイジ オブ エンパイア シリーズの第1作目|シリーズ全体の説明|エイジ オブ エンパイア シリーズ}}
|image =
'''エイジ オブ エンパイア''' (Age of Empires) は、[[マイクロソフト]]が発売した[[リアルタイムストラテジー]]ゲーム。開発は[[アンサンブルスタジオ]]。[[エイジ オブ エンパイア シリーズ|『エイジ オブ エンパイア』シリーズ]]の第1作目である。それまでにはなかった時代の進化というシステムを導入しており、4つの時代([[旧石器時代]]、[[新石器時代]]、[[青銅器時代]]及び[[鉄器時代]])を取り扱っている。この時代の進化という概念は以降の[[エンパイア・アース]]や[[ライズ オブ ネイション 〜民族の興亡〜]]などのゲームにも用いられている。日本では、[[1997年]]12月19日に、アメリカでは、[[1997年]]10月15日に発売された。その後、拡張版の[[エイジ オブ エンパイア: ライズ オブ ローマ|ライズ オブ ローマ]]が発売されている。
|caption =
|developer = {{ubl|[[アンサンブルスタジオ]]|'''Definitive Edition''': Forgotten Empires}}
|publisher = {{ubl|[[マイクロソフト]]|'''Definitive Edition''': [[Xbox Game Studios|Microsoft Studios]]}}
|director = {{仮リンク|ブルース・シェリー|en|Bruce Shelley}}<ref>{{cite web|url=http://www.ign.com/lists/top-100-game-creators#/57 |title=57. Bruce Shelley |website=ign.com |access-date=April 4, 2017 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20170307210441/http://www.ign.com/lists/top-100-game-creators |archive-date=March 7, 2017 }}</ref>
|designer = {{plainlist|
* {{仮リンク|ブライアン・サリヴァン|en|Brian Sullivan (game designer)}}<ref name="AoETech">{{cite web|url=http://uk.gamespot.com/pc/strategy/ageofempires/tech_info.html|title=Age of Empires - Tech Info|work=[[GameSpot]]|publisher=[[CBS Interactive]]|access-date=January 1, 2009|url-status=dead|archive-url=https://web.archive.org/web/20090331104832/http://uk.gamespot.com/pc/strategy/ageofempires/tech_info.html|archive-date=March 31, 2009|df=mdy}}</ref>
* {{仮リンク|リック・グッドマン|en|Rick Goodman}}}}
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* {{仮リンク|スティーヴン・リッピー|en|Stephen Rippy}}
* デヴィッド・リッピー}}
|programmer = アンジェロ・ラウドン
|artist = ブラド・クロウ
|series = [[エイジ オブ エンパイア シリーズ]]
|engine = {{仮リンク|Genie|en|Genie (game engine)}}
|released= 1997年10月15日
|genre = [[リアルタイムストラテジー]]
|modes = [[シングルプレイヤーコンピュータゲーム|シングルプレイ]], マルチプレイ
|platforms = [[Microsoft Windows]], [[Windows Mobile]], [[Macintosh]]
}}
『'''エイジ オブ エンパイア'''』(Age of Empires、略称:'''AoE''')は[[アンサンブルスタジオ]]が開発し、1997年10月15日に[[マイクロソフト]]が販売した[[リアルタイムストラテジー]]ゲーム(戦略シミュレーション)。[[エイジ オブ エンパイア シリーズ]]の第1作目。プレーヤーは複数の古代文明から1つを選んでその指導者となり、[[旧石器時代]]、[[新石器時代]]、[[青銅器時代]]、[[鉄器時代]]に相当する4つの時代を通して自身の文明を発展させて、新しいユニットや改良されたユニットを手に入れ、最終的に他文明を滅ぼすなどの条件を満たして勝利を目指す。


1995年に設立された新興のアンサンブルスタジオは、カジュアルゲーマーの取り込みなどを企図して、歴史を題材としたリアルタイムストラテジーゲームの開発に着手した。当時、歴史を題材とした戦略シミュレーションゲームとしては『[[シヴィライゼーション]]』、SFやファンタジーを題材としたリアルタイムストラテジーとしては『[[ウォークラフト]]』といった成功した先駆者がある中にあって、歴史を題材としたリアルタイムストラテジーゲームで著名な作品はない状況であった。この狙いは成功し、批評家から好評で、売上もリアルタイムストラテジーゲームとして当時1位の記録を達成した。この人気を受けて1998年には拡張版『ライズ・オブ・ローマ(The Rise of Rome)』が発売され、さらにその後初代AoEと拡張パックをまとめた『ゴールドエディション(The Gold Edition)』も発売された。また、1999年には続編の『[[エイジ オブ エンパイアII]]』が発売された。2018年2月20日にリマスター版「Definitive Edition」が発売された。
実際の歴史に基づいたシングルプレイと[[インターネット]]回線や[[Local Area Network|LAN]]経由での多人数プレイが可能。複数の文明から自身の文明を選択し、一定の条件(設定により可変)を満たしたプレイヤーが勝利者となる。また、プレイヤー間でのチャット機能を有する。


== 登場する文明 ==
== ゲームプレイ ==
本作ではプレーヤーはわずか数人の狩猟採集民(町の人)から始めて、最終的に広大な鉄器時代の帝国へ文明を発展させていくことを必要とする<ref>{{cite news |url=https://www.lifewire.com/age-of-empires-series-812456 |title=Age of Empires Series |first=Michael |last=Klappenbach |date=24 June 2019 |access-date=22 August 2019 |work=[[Lifewire]] |publisher=[[Dotdash]]}}</ref>。
* [[漢王朝|漢]]
勝利するためには新しいユニットや建物の建築、より高度なテクノロジーが必要であり、それらを獲得するためには資源(食料・木材・石・金)を集める必要がある。例えば伐採した木は新たに生えてこないように、ゲームの進行に応じてそれまでの資源が得られなくなるなど、資源の保全・確保も重要となる<ref name=GameRevolution/><ref name="GSPreview">{{cite news|url=http://uk.gamespot.com/age-of-empires/previews/age-of-empires-preview-2554687/ |title=''Age of Empires'' preview |access-date=July 6, 2008 |website=[[GameSpot]] |publisher=[[CBS Interactive]] |date=February 14, 1997 |archive-url=https://web.archive.org/web/20121009002638/http://uk.gamespot.com/age-of-empires/previews/age-of-empires-preview-2554687/ |archive-date=October 9, 2012 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。
* [[古朝鮮|朝鮮]]
* [[ヤマト王権|大和]]
* [[シュメール]]
* [[ヒッタイト]]
* [[古代エジプト|エジプト]]
* [[古代ギリシア|ギリシア]]
* [[アッシリア]]
* [[バビロニア]]
* [[フェニキア]]
* [[ペルシア]]
* [[ミノア文明|ミノア]]


ゲームでは12種類の文明が利用可能であり、利用可能なテクノロジーやユニットの数にそれぞれ差異があるなど、個性を持つ。また、各文明には固有のテクノロジーがあり、ゲーム内においてすべてのテクノロジーを扱える文明は存在しない<ref name="Ensemble">{{cite web|url=http://www.ensemblestudios.com/Games/AgeOfEmpires/Default.aspx |title=''Age of Empires'' |publisher=[[Ensemble Studios]] |access-date=October 13, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20081026080001/http://www.ensemblestudios.com/Games/AgeOfEmpires/Default.aspx |archive-date=October 26, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>
『[[エイジ オブ エンパイア: ライズ オブ ローマ|ライズ オブ ローマ]]』で追加された文明
* [[古代ローマ|ローマ]]
* [[カルタゴ]]
* [[パルミラ帝国|パルミュラ]]
* [[マケドニア王国|マケドニア]]


本作の主要な要素は4つの時代を経ることにある。これらは順番に、「石の時代」「道具の時代」「青銅の時代」「鉄の時代」である。時代を進めるには建物「町の中心」で行うことができ、進化するたびに新しいテクノロジー、武器、ユニットを手に入れることができるようになる<ref name="GSPreview" /><ref name=CVGReview>{{cite web|url=http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=2701 |title=PC Review: Age Of Empires |magazine=[[Computer and Video Games]] |author=Chris Anderson |date=August 13, 2001 |access-date=February 24, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080209233322/http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=2701 |archive-date=February 9, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。
== 登場ユニット ==
(*)は拡張パック「[[エイジ オブ エンパイア: ライズ オブ ローマ|ライズ オブ ローマ]]」にて追加されたユニット。
* 戦士
** [[棍棒]]戦士 - [[斧]]戦士
** [[短剣]]剣士 - 青銅剣剣士 - 鉄剣剣士 - 精鋭鉄剣剣士
** [[投石器|投石]]戦士(*)
* 射手
** 原始[[弓 (武器)|弓]]射手 - 強弓射手 - 戦闘弓射手
** 戦車射手
** 象乗り射手
** 弓騎兵 - 精鋭弓騎兵
* [[騎兵]]
** [[斥候]]
** [[チャリオット|戦車兵]] - 重装戦車兵(*)
** 騎兵 - 重騎兵 - 精鋭重騎兵
** [[戦象|軍用象]] - 重装軍用象(*)
** [[駱駝騎兵|ラクダ騎兵]](*)
* 歩兵
** 歩兵 - 重装歩兵 - 精鋭重装歩兵
* [[攻城兵器]]
** [[バリスタ (兵器)|弩砲]] - 重弩砲
** 軽[[カタパルト (投石機)|投石機]] - 投石機 - 重投石機
* 軍艦
** 偵察船 - 兵船 - [[ガレー船]]
** 投石ガレー船 - [[軍艦]]
** 火炎ガレー船(*)
* その他
** 町の人 - 聖職者 - 釣り船 - 漁船 - 交易船 - 貿易船 - 輸送船 - 大型輸送船


== 隠しコマンの存在 ==
=== モー===
本作にはプレーヤーが特定の目的を達成するための4つのシングルプレイヤー・キャンペーンがある。キャンペーンとは、直線的に展開されるシナリオ(ステージ)のまとまりを指す。キャンペーンでは、エジプト、ギリシャ、バビロニア、大和の各文明の歴史に沿ったものが用意されており、また体験版として途中までプレイ可能であったヒッタイトのキャンペーンの完全版も遊べる<ref>{{cite web|url=http://aoe.heavengames.com/academy/SinglePlayerMenu.shtml |title=Single Player Help |publisher=HeavenGames |work=Age of Empires Heaven |access-date=February 25, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080516033900/http://aoe.heavengames.com/academy/SinglePlayerMenu.shtml |archive-date=May 16, 2008 }}</ref>。
このゲームには、チャットウィンドウにあるコマンドを入力すると、一定の効果が現れる'''[[隠しコマンド]]'''が存在する。このコマンドには、「ユニット製造が一瞬で完了する」「兵士ユニットが海を徒歩で渡れるようになる」「レーザービームを装備した兵士が出現する」「核兵器を搭載した車が出現する」などのゲームバランスを根底から覆すものから、「マップの何処かにマントをつけた裸の犬が飛び回る」「鳥がドラゴンになり、打ち落とすことが出来なくなる」「動物を操作することが出来るが必ず敗北する」などネタコマンドまでが存在する。製作者の遊び心が多分に含まれていると思われるが、多人数プレイの際にも許可すれば隠しコマンドを使用することが出来る(「隠しコマンドの使用」というボックスにチェックを入れる)。
キャンペーン以外にはゲームごとに異なるマップが生成される「ランダムマップ」というゲームモードがある。ランダムマップのバリエーションとして最初から大量の資源を保有して行う「デスマッチ」などのゲーム種類がある<ref name="GSPreview"/><ref>{{cite web |url=http://www.mobiletechreview.com/games/age_of_empires.htm |title=Review: Age of Empires |publisher=MobileTechReview.com |access-date=February 25, 2008 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20071216211326/http://www.mobiletechreview.com/games/age_of_empires.htm |archive-date=December 16, 2007 |df=mdy-all }}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.insanely-great.com/reviews/aoe.html|title=Age of Empires|author=Brent Hecht|date=August 19, 1999|access-date=February 25, 2008|url-status=dead|archive-url=https://web.archive.org/web/20080725130720/http://www.insanely-great.com/reviews/aoe.html|archive-date=July 25, 2008|df=mdy}}</ref>。


本作では最大8名までのオンライン・ネットワークプレイが可能であった。その後に発売されたゲームに比べてネットワークプレイの性能が低かったためにラグや切断が頻発した<ref>{{cite web|url=http://artho.com/age/lag.html |title=Age of Empires tips - lag |website=artho.com |access-date=February 26, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080213023150/http://artho.com/age/lag.html |archive-date=February 13, 2008 }}</ref>。
また、本作の隠しコマンドがあまりにゲームバランスを崩すものが多かったためか、2作目以降は出現する隠し兵器(車や特殊機動兵など)がかなり弱体化された。ただし「ユニット製造が一瞬で完了する」「マップを一瞬で開拓」などのコマンドはそのまま残された。
マルチプレイは「Microsoft Gaming Zone」が2006年6月19日までサポートを行っていた。サービス終了に伴い、『エイジ オブ エンパイア II』を含むほとんどのCD-ROMゲームのサポートを終了した<ref>{{cite web |url=http://zone.msn.com/en/general/article/genbeyondthezone.htm |title=Beyond the Zone – MSN Games Looks to the Future |publisher=[[MSN Games]] |access-date=February 26, 2008 |date=June 19, 2006 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20080228064007/http://zone.msn.com/en/general/article/genbeyondthezone.htm |archive-date=February 28, 2008 }}</ref>。

「シナリオビルダー」を通して、ユーザーがシナリオ(ステージ)や一連のシナリオ(キャンペーン)を作成することができる(カスタムシナリオ)。このツールは後のゲームで使用されているようなエディターに比べればシンプルで習得しやすいが、その分だけ機能は少なかった。アンサンブル・スタジオでは、このシナリオビルダーを使って、ゲーム内のシングルプレイ用のキャンペーンを作成していた。カスタムシナリオを投稿したりダウンロードする非公式サイトも存在する。2005年末にはデータファイルの改竄によってβ版に登場したユニットがエディタで使用できるようになることが判明した。その中には宇宙船や、ユニットが近づくと所有者が変わる英雄などがあった。また、データ編集によってユニットの配置ルールを変更することもできた。これにより、ユニットをどんな地形にも、あるいは他のユニットの上に配置することもできるようになり、デザインに新たな可能性が生まれた。その他の重要な発見として新しい地形テンプレートや各ユニットのヒットポイントを3倍にするモード、マップサイズを編集するツールなどがあった<ref>{{cite web|url=http://www.tribulationdesigns.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=8 |title=The "Glitch" Template |access-date=July 6, 2008 |publisher=Tribulation Designs |date=October 24, 2005 |archive-url=https://web.archive.org/web/20081205130619/http://www.tribulationdesigns.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=8 |archive-date=December 5, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。

=== 文明と外観 ===
プレーヤーは12の文明から1つを選びプレイする。ユニットや建物の見た目は、大きく東アジア、メソポタミア、エジプト、ギリシャの4つの様式に分かれている<ref name=FeaturesHistorical>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/empires/features_historical.htm |title=Age of Empires presents you with an opportunity to shape history |publisher=[[Microsoft]] |access-date=February 24, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080307015947/http://www.microsoft.com/games/empires/features_historical.htm |archive-date=March 7, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。

{{div col|cols=4}}
* エジプト
** [[古代エジプト|エジプト]]
** [[アッシリア]]
** [[シュメール]]
* ギリシャ
** [[古代ギリシア|ギリシャ]]
** [[ミノア文明|ミノア]]
** [[フェニキア]]
* メソポタミア
** [[バビロニア]]
** [[ヒッタイト]]
** [[ペルシア]]
* 東アジア
** [[漢王朝|漢]](シャン)
** [[ヤマト王権|大和]]
** [[古朝鮮|朝鮮]]
{{div col end}}

=== テクノロジー ===
テクノロジーは特定の建物で研究を行うことで取得し、その内容と建物の種別は一般に関連している。例えば、宗教的な研究は「神殿」で行われ、剣や鎧の改良は「貯蔵庫」(資源を保管する建物)で行われる<ref name="GSPreview"/>。
テクノロジーの進歩には、軍事(軍事ユニットの強化)・経済(資源収集の効率化)・宗教(聖職者の転向や能力の向上)・インフラ(建物の強化)など様々な分類がある。基本技術の研究が完了すると、より高度な技術の研究が行えるようになることがある。また、特定の文明では利用できないテクノロジーもある。例えばエジプトは「神殿」のテクノロジーをすべて研究できるのに対し、マケドニアは何も出来ない。その代わり「貯蔵庫」のテクノロジーについて、エジプトでは一部研究ができないもの(盾系)があるのに対し、マケドニアはすべて研究することができる<ref name="GSPreview"/>。

テクノロジーはゲームの戦略において非常に重要な役割を果たす<ref name="Allgame">{{cite web|url=http://www.allgame.com/cg/agg.dll?p=agg&sql=1:714|title=Age of Empires - Overview|website=AllGame|access-date=October 31, 2008|url-status=dead|archive-url=https://archive.today/20121129225125/http://www.allgame.com/game.php?id=714|archive-date=November 29, 2012|df=mdy}}</ref>。
文明が発展するにつれ、テクノロジーはより高コストになり、研究に必要な資源の確保が困難になっていく<ref name="Allgame"/>。
結果として資源収集を行う町の人の労働力を様々な資源にバランスよく配置することが勝敗を分けることにも繋がる<ref name="Allgame"/>。

=== ユニット ===
プレーヤーは様々な民間ユニットや軍事ユニットを操作する<ref name="Allgame"/>。
ほとんどのユニットは研究によってアップグレードすることが可能である(例えば、町の人の収集速度の向上、軍事ユニットの防御力強化、射手の射程の延長など)<ref name="Allgame"/>。

陸上ユニットは、ゲーム上最も用いられるものである。「町の人」は、エイジ オブ エンパイアにおいて最も基本的なユニットである。主な役割は資源の収集であり、狩猟・採集・農耕・釣りをして食材を集めたり、木を伐採して木材を得たり、石や金を採掘して収集する<ref name="Allgame"/>。
また、建物の建造や、建物及び船の修理を行うこともできる。必要に応じて戦闘を行わせることも可能である。
「聖職者」は非戦闘ユニットであり、味方ユニットを回復させたり、敵ユニットを「転向」させることができる(「転向」は相手ユニットの所属文明を自分に変えるもの)。
歩兵ユニットは近接戦闘を行い、弓兵ユニットは遠距離攻撃を行う。騎兵ユニットは歩兵よりも移動や攻撃に優れるが作成に必要な資源が多い。攻城ユニットには投石器と重弩砲があり、投石器は範囲攻撃を行え、特に建物やユニットに対するダメージが大きい。重弩砲は投石器ほど攻撃力はないが、発射速度が速く、コストも投石器より軽いメリットがある。

海上ユニットは基本的に副次的な役割を期待するものだが、しばしば勝利に不可欠な要素となる。「漁船」は漁場で魚を捕獲することで食料を集めるもので「町の人」に似ている。「貿易船」は備蓄されている資源を取引して、他プレーヤーの「港」で金を得る。獲得できる金の量は両港の距離に比例する(遠いほど得られる金が多い)。「輸送船」は陸上ユニットを川や海を通して運ぶことができる。軍艦は敵の船を攻撃するだけではなく、水際にいる陸上ユニットを攻撃することもできる(特に近接ユニットの場合は反撃ができないため、非常に効果的である)。軍艦には矢を発射する「ガレー船」と、より攻撃力が高い「投石ガレー船」がある(後者は水辺の建物に対して非常に有効)。

文明によって使用できるユニットには差異があるが(例えば東アジア系の文明では象騎兵は使用できない)、使用可能なユニットの性能は、原則として文明間に差異がない。例えば大和の剣士はエジプトやフェニキアの剣士と同じ性能である。ただし、特定の文明における文明特性や研究でのアップグレードで強化されたことで差異が生じる場合があり、歩兵に特性があるローマやカタルゴの剣士は攻撃速度やHPにボーナスがある。
鎧や服の描写は歴史的に不正確であり、長剣士はローマの近衛兵に似ている。
一部のユニットは史実と異なって使用できる場合もある。例えば重装歩兵はペルシャを除くすべての文明で使用でき、大和では投石器やガレー船の建造ができる。

=== 建物 ===
「町の中心」はゲームにおいて最も重要な建物の一つである。ここでは「町の人」が作られ、時代を進めるための研究が行われる<ref name="Allgame"/>。
ほとんどのシナリオでは各プレーヤーは1つの「町の中心」からスタートし、新たに建てることはできない。複数の「町の中心」が建造できるようになるのは、青銅の時代に建物「政治機関」を建造してからである<ref name="Allgame"/>。
ゲームには人口のシステムがあり、建物に応じて一度に保有できるユニットの最大数が決まっている。「町の中心」は4人をサポートし、それ以上作成するには「家」が必要なる。家も1つにつき4ユニットをサポートし、いくらでも建てることができるが、1文明につき最大50ユニットまでしか保有できない<ref name="Allgame"/>。

軍事ユニットは、その種別に関連する特定の建物で生産できる。海上ユニットはすべて「港」で作成する。防御のために必要な建物として「壁」や「塔」がある。「畑」は食料を生産する。「穀倉」「貯蔵庫」「町の中心」は町の人が集めた資源を保管するための建物である。

特殊な建物として「民族の象徴」がある。これはエジプトのピラミッドのような当時の建築技術の成果を示す巨大なモニュメントである。建設には膨大な資源を必要とし、建設速度も非常に遅い。さらに「民族の象徴」は新たなテクノロジーを生み出すことも、ユニットを生産することもできない。
勝利条件が標準設定のゲームにおいては「民族の象徴」は勝利条件の1つであり、完成した後2000年間(リアルタイムでは10分間)、守ることができればゲームに勝利することができる。勝利条件が「スコア」の場合も、「民族の象徴」は大幅なスコアの増加をもたらすためゲーム上優位になる。このため、ゲーム上は敵が「民族の象徴」を完成させた場合に、これを破壊することが最優先課題になる。その上で、「民族の象徴」は非常に破壊しやすいため、プレーヤーは常に守ることに気をつけねばならない<ref name=FeaturesHistorical/>。

== 開発 ==
エイジ・オブ・エンパイアは、アンサンブル・スタジオが最初に開発したゲームであった。開発時の仮題は『Dawn of Man』<ref>{{cite book|last=Grossman|first=Austin|title=Postmortems from Game Developer|publisher=Focal Press|year=2003|isbn=1-57820-214-0}}</ref>であり、その歴史的設定は、既存のゲームよりも最もらしく、また特にカジュアルゲーマーに好まれるように設定された<ref>{{cite web|url=http://www.gamasutra.com/features/20031126/carless_01.shtml |title=Interview: Bruce Shelley - The Mythology of Empires |last=Carless |first=Simon |date=November 26, 2003 |website=Gamasutra |access-date=September 2, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20081011041451/http://www.gamasutra.com/features/20031126/carless_01.shtml |archive-date=October 11, 2008 }}</ref>。
当時の一般的なリアルタイムストラテジは、SFやファンタジーをテーマとしたものであり、歴史を題材としたことは、それ自体が本作を際立たせるものであった<ref name="BehindBruce">{{cite web|publisher=Microsoft |access-date=September 2, 2008 |url=http://www.microsoft.com/games/empires/behind_bruce.htm |title=Behind the Scenes: Bruce Shelly |archive-date=December 30, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20081230021557/http://www.microsoft.com/games/empires/behind_bruce.htm |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。
デザイナーは、歴史を題材としたゲームとして既に名声を確立していた『シヴィライゼーション』から多くのインスピレーションを受け、これは後に批評家たちからも肯定的に見なされていた部分であった<ref>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/empires/behind.htm |title=Behind the Scenes |publisher=Microsoft |access-date=September 2, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080725113501/http://www.microsoft.com/games/empires/behind.htm |archive-date=July 25, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。
本作の開発は1996年6月の[[Electronic Entertainment Expo]](E3)にて発表された<ref name=announcement>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/19961221005300/http://www.cdmag.com/news/oldnews1.html | url=http://www.cdmag.com:80/news/oldnews1.html | title=E3 News; ''Age of Empires'' | date=June 3, 1996 | archive-date=December 21, 1996 | author=Staff | work=[[Computer Games Magazine|Computer Games Strategy Plus]] | url-status=dead | access-date=October 4, 2018 | df=mdy-all }}</ref>。
ゲームの設計は{{仮リンク|ブルース・シェリー|en|Bruce Shelley}}<ref name="BehindBruce"/>、{{仮リンク|トニー・グッドマン|en|Tony Goodman}}(アートワーク担当)<ref>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/empires/behind_tony.htm|title=Behind the Scenes: Tony Goodman|publisher=Microsoft.com|access-date=September 2, 2008|url-status=dead|archive-url=https://web.archive.org/web/20080430013405/http://www.microsoft.com/games/empires/behind_tony.htm|archive-date=April 30, 2008|df=mdy}}</ref>、{{仮リンク|デイブ・ポッティンジャー|en|Dave Pottinger}}(AI担当)の3人が担当した<ref>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/empires/behind_dave.htm |title=Behind the Scenes: Dave Pottinger |publisher=Microsoft |access-date=September 2, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20081013144438/http://www.microsoft.com/games/empires/behind_dave.htm |archive-date=October 13, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>。
音響監督はスティーブン・リッピーが務め(続編も担当)、いくつかは弟のデイヴィッド・リッピーやケヴィン・マクマランも協力した<ref name=m4g>{{cite web|url=http://www.music4games.net/Features_Display.aspx?id=64|title=Interview with Age of Empires III lead composer Stephen Rippy|publisher=[[Music4Games]]|date=February 1, 2006|access-date=January 23, 2008| archive-url= https://web.archive.org/web/20080217213329/http://www.music4games.net/Features_Display.aspx?id=64|archive-date=February 17, 2008}}</ref>。
本作のオリジナル楽曲は、ゲームに登場する時代の実際の楽器音と、そのデジタルサンプルを元にして制作された<ref name=AoEH/>。
これら楽曲は、その文化やスタイル、楽器に関する広範なリサーチを踏まえてのものであった<ref name=AoEH>{{cite web|url=http://aoe.heavengames.com/town/esteam/chat1.shtml |title=Ensemble Studios Chat 16Oct97 |publisher=HeavenGames |work=Age of Empires Heaven |date=October 16, 1997 |access-date=January 24, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20061111233615/http://aoe.heavengames.com/town/esteam/chat1.shtml |archive-date=November 11, 2006 }}</ref>。

=== ライズ・オブ・ローマ ===
本作の拡張版として1998年10月22 日に、ローマ帝国の興隆をテーマとした『'''マイクロソフト エイジオブエンパイア 拡張パック:ライズ オブ ローマ'''』(Age of Empires: The Rise of Rome)がリリースされた。これは既存の本編に、新たに4つの文明([[古代ローマ|ローマ]]、[[カルタゴ]]、[[パルミラ帝国|パルミュラ]]、[[マケドニア王国|マケドニア]])と、それに伴う新規のシナリオとキャンペーンが追加するものであった<ref>{{cite web|url=http://www.gamecenter.com/News/Item/0,3,0-2190,00.html|title=What's in Stores This Week|last=Gentry|first=Perry|date=October 16, 1998|website=[[CNET#Gamecenter|CNET Gamecenter]]|archive-url=https://web.archive.org/web/20000817182219/http://www.gamecenter.com/News/Item/0,3,0-2190,00.html|archive-date=August 17, 2000|url-status=dead|access-date=December 6, 2019}}</ref>。

ゲームプレイ面でも、特に数多くのインターフェイスの改良が行われ、ユニットのキュー(作成待ち時間)や、任意のユニットをダブルクリックするによって同種のものをまとめて選択状態にする機能、投石機のダメージバランス調整、人口制限を50以上に増やすオプション(マルチプレイのみ)などがなされた。1999年に発信された1.0aアップデートでは、ピリオドキーを押すことで待機状態の町の人にカーソルすることも可能となった<ref>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/aoeexpansion/downloads.htm#update |title=Microsoft Age of Empires Expansion Update 1.0a |publisher=Microsoft.com |date=1999 |access-date=2012-03-21 |archive-url=https://web.archive.org/web/20000304030352/http://www.microsoft.com/Games/aoeexpansion/downloads.htm|archive-date=2000-03-04}}</ref>。
新たに追加された4つの文明の建物のデザインは、ローマ建築で統一された新規のものとなっている。また、5つの新しいユニット、4つの新しいテクノロジーが追加され、ランダムマップには新たなマップタイプや、より大きなマップサイズのオプションが追加された<ref>{{cite web|url=http://www.microsoft.com/games/aoeexpansion/features.htm |title=Rise of Rome feature set |publisher=Microsoft.com |access-date=2012-03-21 |df=ymd |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20120419011635/http://www.microsoft.com/games/aoeexpansion/features.htm |archive-date=2012-04-19 }}</ref>。
すべてのユニットの自動的な経路探索もかなり改善された。また楽曲も刷新され、オリジナルのものと完全に入れ替えられた。開発元による最終公式パッチのリリース後も、ファンによるコミュニティでは残された問題に対処するための{{仮リンク|非公式パッチ|en|Unofficial patch}}をリリースし続け、この中には最新のハードウェアやOSとの互換性改善するためのものも含まれている<ref>{{cite web|url=http://aoe.heavengames.com/cgi-bin/aoecgi/display.cgi?action=ct&f=17,6327,,365 |title=UPatch - unofficial patch for Age of Empires: The Rise of Rome |date=2014-09-17 |access-date=2014-09-21 |publisher=aoe.heavengames.com |author=aoe_scout |quote=''UPatch is unofficial update (user patch) for Age of Empires: The Rise of Rome. A solid improvement over the original game, UPatch includes custom game resolutions (up to 1920x1200), over 150 bug fixes, new gameplay options and other enhancements.''}}</ref>。

Microsoftによれば、この拡張版のデモ版は、1999年4月までに公式サイトだけで100万ダウンロードされ<ref>{{Cite web |url=http://pc.ign.com/news/7605.html |title=Archived copy |access-date=2018-10-04 |archive-url=https://web.archive.org/web/20000117030343/http://pc.ign.com/news/7605.html |archive-date=2000-01-17 |url-status=dead }}</ref>、さらにCNETのDownload.comからは35万ダウンロードを記録した<ref>{{Cite web |url=http://www.gamedaily.com/news/april_99/4_5/index.shtml |title=GameDaily April 5th, 1999 |access-date=2001-05-24 |archive-url=https://web.archive.org/web/20010524144544/http://www.gamedaily.com/news/april_99/4_5/index.shtml |archive-date=2001-05-24 |url-status=live }}</ref>。
2001年6月までで、リリース本数は120万本に達した<ref name=cgwsales2>{{cite magazine |title=''Computer Gaming World''{{'}}s Hall of Fame | author=Staff |issue=203 |date=June 2001 |pages=80, 81 |magazine=[[Computer Gaming World]] }}</ref>。
本作は、Computer Games Strategy Plusによる1998年度のAdd-On of the Year賞を受賞し、選評では「すでに高い評価を得ていたタイトルに、まったく新しいキャンペーンと洗練されたルール、そして新鮮で新しいゲーム体験を追加した」と紹介された<ref name=cgmawards1998>{{cite web |author=Staff |archive-url=https://web.archive.org/web/20050203235412/http://cdmag.com/articles/017/163/best_of_year.html |url=http://cdmag.com:80/articles/017/163/best_of_year.html |title=The Best of 1998 |date=February 11, 1999 |work=[[Computer Games Magazine|Computer Games Strategy Plus]] |archive-date=February 3, 2005 |url-status=dead | accessdate=2022/10/8 }}</ref>。

== リリースと売上 ==
本作は1997年10月15日にアメリカ国内でリリースされた。1997年10月販売のコンピュータゲームの売上ランキングでは初登場7位であった<ref name=oct1997>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/19980204090955/http://www.next-generation.com/news/120497e.chtml | url=http://www.next-generation.com:80/news/120497e.chtml | title=''MS Flight Sim'' Tops PC Data Charts | date=December 4, 1997 | author=Staff | work=[[Next Generation (magazine)|Next Generation]] | archive-date=February 4, 1998 | url-status=dead | access-date=May 8, 2019 | df=mdy-all }}</ref>。
その後、11月は8位、12月は13位と推移した<ref name=nov1997>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/19980204085151/http://www.next-generation.com/news/123097a.chtml | url=http://www.next-generation.com:80/news/123097a.chtml | title=Cyan Takes Top Two | date=December 30, 1997 | author=Staff | work=[[Next Generation (magazine)|Next Generation]] | archive-date=February 4, 1998 | url-status=dead | access-date=May 8, 2019 | df=mdy-all }}</ref><ref name=dec1997>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/20050502205940/http://www.cdmag.com/articles/009/198/top_20_december.html | url=http://www.cdmag.com:80/articles/009/198/top_20_december.html | title=December's hottest games | author=Ocampo, Jason | work=[[Computer Games Magazine|Computer Games Strategy Plus]] | date=January 20, 1998 | archive-date=May 2, 2005 | url-status=dead | df=mdy-all | accessdate=2022/10/8}}</ref>。
1997年末時点で、アメリカ国内での累計販売本数は17.8万本を超え、売上額は800万ドルに達した。これは1997年後半において、リアルタイムストラテジゲームとして、アメリカで最も成功したものであった。PC Gamer USのライターによれば、同時期のライバル作であった『Total Annihilation』と『DArk Reign: The Future Wars』を合計した売上数を上回り、また、『Myth: The Fallen Lords』の4倍以上の売上であったという<ref name=strategysellers>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/19980218070317/http://www.pcgamer.com/news/news-1998-01-19.html | url=http://www.pcgamer.com:80/news/news-1998-01-19.html | title=Retail Strategy Games | date=January 22, 1998 | author=Staff | work=[[PC Gamer US]] | archive-date=February 18, 1998 | url-status=dead | access-date=October 4, 2018 | df=mdy-all }}</ref>。

マイクロソフトは、本作は世界的成功も収めたとしている。最初の4ヶ月の間に55カ国でリリースされ<ref name=850k />、12月12日までに全世界で65万本以上が出荷された<ref>{{Cite web |url=http://www.pcgamer.com/news/news-1997-12-08.html |title=News: Week of December 8, 1997 |website=[[PC Gamer]] |access-date=October 4, 2018 |archive-url=https://web.archive.org/web/19980218070342/http://www.pcgamer.com/news/news-1997-12-08.html |archive-date=February 18, 1998 |df=mdy-all }}</ref><ref name=650k>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/20000303203805/http://headline.gamespot.com/news/97_12/12_age/index.html | url=http://headline.gamespot.com:80/news/97_12/12_age/index.html | title=Coming of Age | date=December 12, 1997 | author=Staff | work=[[GameSpot]] | archive-date=March 3, 2000 | url-status=dead | access-date=October 4, 2018 | df=mdy-all }}</ref>。
マイクロソフトの発表では、1998年1月までで、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスにおいて一貫して最も売れ続けた戦略シミュレーションゲームであったとしている<ref name=850k>{{cite press release | archive-url=https://web.archive.org/web/19990202052852/http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/feb98/worldpr.htm | url=http://www.microsoft.com:80/presspass/press/1998/feb98/worldpr.htm | title=''Age of Empires'' Tops Worldwide PC Game Best-Seller Lists | date=February 5, 1998 | archive-date=February 2, 1999 | publisher=[[Microsoft]] | location=[[Redmond, Washington]] | url-status=dead | access-date=October 4, 2018 | df=mdy-all }}</ref>。
そして2月までに世界で85万本がリリースされた<ref name=850k />。

本作はドイツでもヒットし<ref name=focus />、1997年10月後半のMedia Controlのセールスランキングで1位を獲得した<ref name=oct1997-de>{{cite journal | author=Staff | title=Verkaufs-Charts | date=January 1998 | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | language=de | page=72 }}</ref>。
11月前半まで1位を保ち、その後も年末までMedia Controlのトップ5を維持した<ref name=nov1997-de>{{cite journal | author=Staff | title=Verkaufs-Charts | date=February 1998 | language=de | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | page=68 }}</ref><ref name=dec1997-de>{{cite journal | author=Staff | title=Spiele-Charts | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | language=de | date=March 1998 | page=54 }}</ref>。
翌年も3月までトップ3の座を保ち、3月最後の2週間では1位に返り咲いた<ref name=jan1998-de>{{cite journal | author=Staff | title=Spiele-Charts | language=de | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | date=April 1998 | page=64 }}</ref><ref name=feb1998-de>{{cite journal | author=Staff | title=Spiele-Charts | date=May 1998 | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | language=de | page=76 }}</ref><ref name=mar1998-de>{{cite journal | author=Staff | title=Spiele-Charts | language=de | journal=[[PC Player (German magazine)|PC Player]] | date=June 1998 | page=76 }}</ref>。
本作は1998年の最初の9ヶ月間、ドイツ市場で4番目に売れたコンピュータゲームとなった<ref name=focus />。
8月には、ドイツ、オーストリア、スイスで合わせて、少なくとも10万本以上の売上があったとして<ref name=gameprogold>{{cite magazine | archive-url=https://web.archive.org/web/20180718145345/https://www.gamepro.de/artikel/vud-gold-awards-2003,1290773.html | url=https://www.gamepro.de/artikel/vud-gold-awards-2003,1290773.html | title=VUD-Gold-Awards 2003 | author=Horn, Andre | date=January 14, 2004 | magazine=[[GamePro|GamePro Germany]] | archive-date=July 18, 2018 | language=de | url-status=live }}</ref>、Verband der Unterhaltungssoftware Deutschland (VUD)より「ゴールド」賞が与えられた<ref name=vud1998>{{cite press release | archive-url=https://web.archive.org/web/20000713050154/http://www.vud.de/infopres/cebit98.htm | url=http://www.vud.de:80/infopres/cebit98.htm | title=Uhr TCM Hannover – ein glänzender Event auf der CebitHome | date=August 26, 1998 | publisher=Verband der Unterhaltungssoftware Deutschland | archive-date=July 13, 2000 | language=de | url-status=dead | access-date=May 8, 2019 | df=mdy-all }}</ref>。
さらにドイツ市場では9月末までに売上が11.5万本に達し<ref name=focus>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/20181206015705/https://www.focus.de/finanzen/news/unterhaltung-die-spassmaschine_aid_174129.html | url=https://www.focus.de/finanzen/news/unterhaltung-die-spassmaschine_aid_174129.html | title=Die Spaßmaschine | date=November 23, 1998 |author=Müller, Eva |author2=Canibol, Hans-Peter | issue=48 | work=[[Focus (German magazine)|Focus]] | archive-date=December 6, 2018 | language=de | url-status=live | accessdate=2022/10/8}}</ref>、VUDは11月までに20万本以上売り上げたとして「プラチナ」に格上げした<ref name=vud1998-2>{{cite press release | archive-url=https://web.archive.org/web/20000610165302/http://www.vud.de/infopres/PM-271198.htm | url=http://www.vud.de:80/infopres/PM-271198.htm | title=Neues aus der Verbandsgeschäftstelle | location=[[Paderborn]] | date=November 27, 1998 | publisher=Verband der Unterhaltungssoftware Deutschland | archive-date=June 10, 2000 | language=de | url-status=dead | access-date=May 8, 2019 | df=mdy-all }}</ref>。
1999年にカンヌで行われたMilia festivalではEU全体で1500万ユーロを超える収益を上げたとしてゴールド賞が与えられた<ref name=eccsell>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/19990830171428/http://www.gamespot.com/milia/0212/ecc/index.html | url=http://www.gamespot.com:80/milia/0212/ecc/index.html | title=Milia News; ECCSELL Awards Name Winners | author=Staff | work=[[GameSpot]] | date=February 12, 1999 | archive-date=August 30, 1999 | url-status=dead | access-date=May 8, 2019 | df=mdy-all }}</ref>。

韓国だけでも2000年までに約15万本の売上に達した<ref name=pcxl>{{cite journal | title=And in the third installment, Blizzard created... ''WarCraft III''; Korean ''StarCraft'' Mania | pages=17–19, 22–28 | author=Staff | journal=[[PC Accelerator]] | date=April 2000 | issue=20 }}</ref>。
PC Dataによれば、1998年1月から11月の期間において、アメリカ国内で10番目に売れたコンピュータゲームであった<ref name=jannov>{{cite web | archive-url=https://web.archive.org/web/20000901031920/http://pc.ign.com/news/6269.html | url=http://pc.ign.com:80/news/6269.html | title=Best Selling Games of 1998 | date=January 4, 1999 | work=[[IGN]] | author=IGN Staff | archive-date=September 1, 2000 | url-status=dead | access-date=October 4, 2018 | df=mdy-all }}</ref>
本作は2000年までに300万本、収益で1億2000万ドル以上に達し、商業的に成功した<ref>{{cite web|first=Bob|last=Weinstein|url=https://www.newspapers.com/clip/91951403/florida-today/|title=Game industry lures top programmers|newspaper=[[Florida Today]]|page=44|date=January 5, 2000|accessdate=January 7, 2022|via=[[Newspapers.com]]}}</ref>。

== 評価 ==
{{Video game reviews
| GR = 87%<ref name=GameRankings/>
| MC = 83/100<ref name=Metacritic/>
| Allgame = {{Rating|4.5|5}}<ref name=Allgamerev>{{cite web|url=http://www.allgame.com/cg/agg.dll?p=agg&sql=1:714~T1 |title=Age of Empires > Review|publisher=[[Allgame]]|author=Chris Couper|access-date=June 23, 2008|url-status=dead|archive-url=https://web.archive.org/web/20141114122303/http://www.allgame.com/game.php?id=714&tab=review|archive-date=November 14, 2014|df=mdy}}</ref>
| CGW = {{rating|4.5|5}}<ref name=cgw>{{cite magazine|archive-url=https://web.archive.org/web/20000816004345/http://www.gamespot.com/strategy/ageof/review_cgw.html |url=http://www.gamespot.com/strategy/ageof/review_cgw.html |archive-date=August 16, 2000 |title=Age of Empires |date=November 21, 1997 |first=Elliott |last=Chin |magazine=[[Computer Gaming World]] |access-date=April 14, 2010 |df=mdy |url-status=dead }}</ref>
| CVG = 9/10<ref name=CVGrev>{{cite web|url=http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=8065 |title=The best news for Megalomaniacs all year |work=[[Computer and Video Games]] |date=August 15, 2001 |author=Kim Randell |access-date=June 23, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080610114634/http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=8065 |archive-date=June 10, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>
| GameRev = B+<ref name=GameRevRev>{{cite web|url=http://www.gamerevolution.com/review/pc/age_of_empires |title=Build an Empire to Surpass Microsoft's |website=[[Game Revolution]] |author=Daniel Gies |access-date=June 23, 2008 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20080724141339/http://www.gamerevolution.com/review/pc/age_of_empires |archive-date=July 24, 2008 }}</ref>
| GSpot = 6.8/10<ref name=GameSpotRev>{{cite web|url=https://www.gamespot.com/reviews/age-of-empires-review/1900-2537895/ |title=This is not quite the game you hoped for. Even worse, it has some definite problems. |work=[[GameSpot]] |publisher=[[CBS Interactive]] |author=T. Liam McDonald |date=October 27, 1999 |access-date=June 23, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080726183453/http://www.gamespot.com/pc/strategy/ageofempires/review.html |archive-date=July 26, 2008 |url-status=live |df=mdy }}</ref>
| Hyper = 82/100 (''The Rise of Rome'')<ref>{{cite magazine|last=Clarksmith|first=Ross|url=https://archive.org/details/hyper-063/page/88/mode/2up?q=%22Brunswick+Circuit+Pro+Bowling%22|title=Age of Empires: The Rise of Rome|issue=63|date=January 1999|magazine=[[Hyper (magazine)|Hyper]]|page=88|access-date=August 5, 2021}}</ref>
| IGN = 7/10<ref name=IGNMac>{{cite web|url=http://www.ign.com/articles/2002/06/07/age-of-empires |title=Real time strategy meets empire building |website=[[IGN]] |author=Rich Sanchez |date=June 2, 2002 |access-date=July 6, 2016 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20160310063307/http://www.ign.com/articles/2002/06/07/age-of-empires |archive-date=March 10, 2016 }}</ref>
| NGen = {{rating|4|5}}<ref name="NG"/>
| PCZone = 9.4/10<ref name=PCZrev>{{cite web|url=http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=2701 |title=PC Review: Age Of Empires |work=[[PC Zone]] |date=August 13, 2001 |access-date=June 23, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080518133649/http://www.computerandvideogames.com/article.php?id=2701 |archive-date=May 18, 2008 |url-status=dead |df=mdy }}</ref>
| rev1 = PC Gameworld
| rev1Score = 91%<ref name=PCGameworld>{{cite web|url=http://pcgames.gwn.com/reviews/gamereview.php/id/21/p/0/title/Age_of_Empires.html |title=Age of Empires is a "must have" for any real-time strategy fan |publisher=PC Gameworld |author=James Holland |access-date=June 23, 2008 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080611224845/http://pcgames.gwn.com/reviews/gamereview.php/id/21/p/0/title/Age_of_Empires.html |archive-date=June 11, 2008 |url-status=dead |df=mdy | accessdate=2022/10/8}}</ref>
| rev2 = ''Coming Soon Magazine''
| rev2Score = 90%<ref name=ComingSoon>{{cite web|url=http://www.csoon.com/issue31/aoe.htm |title=Age of Empires review |author=Daniel Roth |magazine=Coming Soon Magazine |access-date=June 23, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080513105556/http://www.csoon.com/issue31/aoe.htm |archive-date=May 13, 2008 }}</ref>
| rev3 = ''Game Vortex''
| rev3Score = 75%<ref name=GameVortex>{{cite web|url=http://www.gamevortex.com/gamevortex/soft_rev.php/316 |title=Age of Empires review |author=Phil Bordelon |publisher=GameVortex |access-date=June 23, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080514131300/http://www.gamevortex.com/gamevortex/soft_rev.php/316 |archive-date=May 14, 2008 }}</ref>
}}

各レビュー集計サイトの結果では、Metacriticが10点満点中8.3点とし<ref name=Metacritic>{{cite web|url=http://www.metacritic.com/game/pc/age-of-empires |title=Age of Empires (pc: 1997) |website=[[Metacritic]] |access-date=July 6, 2016 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20160721082733/http://www.metacritic.com/game/pc/age-of-empires |archive-date=July 21, 2016 }}</ref>、GameRankingsでは87%<ref name=GameRankings>{{cite web|url=http://www.gamerankings.com/htmlpages2/90380.asp |title=Age of Empires Reviews |publisher=[[GameRankings]] |access-date=June 23, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080704004628/http://www.gamerankings.com/htmlpages2/90380.asp |archive-date=July 4, 2008 }}</ref>、MobyGamesでは100点満点中85点など<ref name=MobyGames>{{cite web|url=http://www.mobygames.com/game/windows/age-of-empires/mobyrank |title=Age of Empires for Windows |website=[[MobyGames]] |access-date=June 23, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080622143635/http://www.mobygames.com/game/windows/age-of-empires/mobyrank |archive-date=June 22, 2008 }}</ref>、批評家から「概ね肯定的」であった<ref>{{cite web|url=http://www.gamerankings.com/pc/90380-age-of-empires/index.html |title=Age of Empires - PC |publisher=[[GameRankings]] |access-date=July 6, 2016 |df=mdy |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20160719113105/http://www.gamerankings.com/pc/90380-age-of-empires/index.html |archive-date=July 19, 2016 }}</ref>。

Game Informerは、2001年に発行した第100号記念号において、当時時点における最高のゲームランキングで本作を81位とした。『ウォークラフト』と『シムシティ』を掛け合わせたようなゲームと呼び、マルチプレイヤーやゲーマーから人気を集めたとしている<ref>{{cite magazine|title=Game Informer's Top 100 Games Of All Time (Circa Issue 100) |url=http://www.gameinformer.com/b/features/archive/2009/11/16/game-informer-s-top-100-games-of-all-time-circa-issue-100.aspx |magazine=[[Game Informer]] |last=Cork |first=Jeff |date=November 16, 2009 |access-date=December 2, 2013 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20160119181519/http://www.gameinformer.com/b/features/archive/2009/11/16/game-informer-s-top-100-games-of-all-time-circa-issue-100.aspx |archive-date=January 19, 2016 }}</ref>。
Game Revolutionは、本作を「シヴィライゼーション2とウォークラフト2を組み合わせたもの」と分類し<ref name="GameRevolution">{{cite web|url=http://www.gamerevolution.com/oldsite/games/pc/strategy/ageofempires.htm |title=Build an Empire to Surpass Microsoft's |publisher=[[Game Revolution]] |author=Daniel Gies |access-date=February 24, 2008 |date=November 1997 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20080514072454/http://www.gamerevolution.com/oldsite/games/pc/strategy/ageofempires.htm |archive-date=May 14, 2008 |df=mdy }}</ref>、GameSpotは「輝かしい帝国を建設するゲームというよりは、単純な戦闘ゲーム」と嘆き、「シヴィライゼーションからヒントを受けたウォークラフト」と評した<ref name=gamespot>{{cite web|author=T. Liam McDonald |url=http://www.gamespot.com/pc/strategy/ageofempires/review.html?om_act=convert&om_clk=gssummary&tag=summary;review |title=PC Age of Empires Review |work=[[GameSpot]] |publisher=[[CBS Interactive]] |date=October 27, 1997 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20070930160450/http://www.gamespot.com/pc/strategy/ageofempires/review.html?om_act=convert&om_clk=gssummary&tag=summary%3Breview |archive-date=September 30, 2007 |df=mdy | accessdate=2022/10/8}}</ref>。
Computer Gaming Worldのエリオット・チンは、ウォークラフト2と比較しながら「非常に深みがあり、かつ、リアルタイムゲーム群の中で最も洗練されたものでなければならない」と述べている<ref name=cgw/>。
GameVortexは、戦闘重視のゲーム内容には否定的な見解を見せたが、プレイモードを称賛し、「ランダムマップ生成は(中略)本当にゲームにスパイスを与えるものになっている」と評した<ref name="gamevortex">{{cite web|author=Phil Bordelon |url=http://www.gamevortex.com/gamevortex/soft_rev.php/316 |title=Age of Empires |publisher=GameVortex |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080514131300/http://www.gamevortex.com/gamevortex/soft_rev.php/316 |archive-date=May 14, 2008 | accessdate=2022/10/8}}</ref>。
GameSpotは、ゲームを制御するために必要な細かな管理作業の内容を「お粗末なアイデア」と呼び(これは生産キューがないことと、ユニットAIの程度が低いことに起因)、「楽しさを著しく低下させている」と批判した<ref name=gamespot/>。
GameVortexも、同じ批判を行い<ref name="gamevortex"/>、PC Gameworldは、その後の修正パッチによって、欠陥のあったAIの修正が一部なされて改善されたと指摘している<ref name=pcgameworld>{{cite web|url=http://pcgames.gwn.com/reviews/gamereview.php/id/21/p/0/title/Age_of_Empires.html |author=James Holland |title=Age of Empires |work=PC Gameworld |archive-url=https://web.archive.org/web/20080611224845/http://pcgames.gwn.com/reviews/gamereview.php/id/21/p/0/title/Age_of_Empires.html |archive-date=June 11, 2008 |url-status=dead |df=mdy | accessdate=2022/10/8}}</ref>。
また、エリオット・チンはユニットの人口制限を批判し、これが「最も深刻な不満」だとしている<ref name=cgw/>。

PC Gameworldは『ウォークラフト2』との類似点を指摘しつつ、プレイ可能な各文明の独自性を称賛し、「グラフィックが非常に細かく、手書きのような雰囲気がある。ユニットの動きが細かいがゆえに美しさもあるゲームは珍しい」と述べた<ref name=pcgameworld/>。
Game Revolutionは、ゲームに登場するユニットの種類に感銘を受け、開発者たちについて「(彼らが)よくリサーチを行ったことは明白であり、その結果、(少なくともゲームとしては)よくまとまった、歴史に忠実なものになった」と指摘した<ref name=GameRevolution />。
ゲームのサウンドスケープも批判され、GameVortexは「音声情報の手がかりのみでは、何が起こっているのか区別するのに不十分だ」と指摘した<ref name=gamevortex/>。
GameRevolutionは、本作の将来性を見据えて、シナリオエディタの重要性を論じ、「(エディタは)シナリオとキャンペーンを完全に作ることができ」「自分の好みに合わせたシナリオを自由に組み合わせて作成できるツールである」と紹介している<ref name=GameRevolution/>。

Next GenerationはPC版のレビューにおいて、5つ星中4つ星とし、「永久かと思われるほど長い開発期間を経て完成された『エイジ・オブ・エンパイア』は、『[[シヴィライゼーション]]』の共同開発者のブルース・シェリーと[[アンサンブルスタジオ]]のチームによって、ほぼ約束されていた成果を挙げた」と評している<ref name="NG">{{cite magazine|title=Finals|magazine=[[Next Generation (magazine)|Next Generation]]|issue=37|publisher=[[Future US|Imagine Media]]|date=January 1998|page=158}}</ref>。

本作はGamecenterによる1997年のゲームオブザイヤー<ref>{{cite web|url=http://artho.com/age/AoE_1.html |title=Age of Empires Receives Worldwide Praise |website=Artho.com |access-date=January 19, 2008 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20080201020542/http://artho.com/age/AoE_1.html |archive-date=February 1, 2008 }}</ref>や、第1回AIAS Interactive Achievement Awardsのコンピュータ戦略ゲーム部門など、数多くの賞を受賞した<ref>{{cite web|url=http://www.interactive.org/awards/annual_awards.asp?idAward=1998|archive-url=https://web.archive.org/web/20090203065916/http://interactive.org/awards/annual_awards.asp?idAward=1998|title=1st Annual Interactive Achievement Awards|publisher=[[Academy of Interactive Arts & Sciences]]|url-status=dead|df=mdy|date=May 28, 1998|archive-date=February 3, 2009|access-date=January 10, 2017}}</ref>。
Computer Gaming Worldが主催した1997年の戦略ゲーム・オブ・ザ・イヤーは、『Myth: The Fallen Lords』が受賞し、本作は次点に甘んじた<ref name=cgwpremier1997>{{cite magazine | author=Staff | magazine=[[Computer Gaming World]] | title=''CGW'' Presents The Best & Worst of 1997 |date=March 1998 | issue=164 | pages=74–77, 80, 84, 88, 89 }}</ref>。

== リマスター版 ==
2017年6月、Microsoft Studiosのクリエイティブディレクターであるアダム・イスグリーンは、2017のElectronic Entertainment Expo(E3)において、リマスター版となるDefinitive Editionがリリース予定であることを発表した。開発はマイクロソフトの新しい内部スタジオで、エイジオブエンパイアシリーズを担うForgotten Empiresが担当した。4K解像度に対応したグラフィックのオーバーホール、サウンドトラックのリマスター、その他ゲームプレイの改善を特徴とし、当初は2017年10月19日にリリース予定であったが、最終的には2018年2月20日に延期された<ref name="pcgamer_definitive">{{cite web|url=http://www.pcgamer.com/the-original-age-of-empires-is-being-remastered-in-the-definitive-edition/ |title=The original Age of Empires is being remastered in the Definitive Edition |work=[[PC Gamer]] |first=Chrisopher |last=Livingston |date=June 12, 2017 |access-date=June 12, 2017 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20170617134715/http://www.pcgamer.com/the-original-age-of-empires-is-being-remastered-in-the-definitive-edition/ |archive-date=June 17, 2017 }}</ref><ref>{{cite web|last1=Pereira|first1=Chris|title=Age Of Empire: Definitive Edition Remaster's Release Date Announced|url=https://www.gamespot.com/articles/age-of-empire-definitive-edition-remasters-release/1100-6452720/|website=GameSpot|access-date=21 August 2017}}</ref><ref>{{cite web|last1=Makuch|first1=Eddie|title=PC's Age Of Empires: Definitive Edition Gets New Release Date After Delay|url=https://www.gamespot.com/articles/pcs-age-of-empires-definitive-edition-gets-new-rel/1100-6456207/|website=GameSpot|access-date=19 January 2018}}</ref>。
『Age of Empires: Definitive Edition』は、Windowsストアを通じてリリースされ、Metacriticでは100点満点中70点とし、賛否両論ないし平均的評価としている<ref>{{Cite web|url=http://www.metacritic.com/game/pc/age-of-empires-definitive-edition|title=Age of Empires: Definitive Edition|website=Metacritic|access-date=2018-02-23}}</ref>。
PC Gamer はこのゲームに 60/100とし、「過去のゲームのソリッドリメイク」と評した<ref>{{Cite news|url=https://www.pcgamer.com/age-of-empires-definitive-edition-review/|title=Age of Empires: Definitive Edition review|work=pcgamer|access-date=2018-02-23|language=en}}</ref>。
GameSpotは6/10とし、4Kグラフィックとアップグレードされたサウンドトラックを称賛する一方で、かつての問題点がまだ残っていると批判した<ref>{{Cite web|url=https://www.gamespot.com/reviews/age-of-empires-definitive-edition-review-antique-r/1900-6416862/|title=Age Of Empires: Definitive Edition Review: Antique Revival|last=Starkey|first=Daniel|date=2018-02-22|website=GameSpot|language=en-US|access-date=2018-02-23}}</ref>。

== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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* [http://www.ensemblestudios.com/ Ensemble Studios]{{en icon}}
* [http://www.ensemblestudios.com/ Ensemble Studios]{{en icon}}
* {{moby game|id=/age-of-empires|name=''Age of Empires''}}
* [http://www.ageofempires.com/ Official website]


{{エイジ オブ エンパイア}}
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2022年10月17日 (月) 06:27時点における版

Age of Empires
ジャンル リアルタイムストラテジー
対応機種 Microsoft Windows, Windows Mobile, Macintosh
開発元
発売元
ディレクター ブルース・シェリー英語版[1]
デザイナー
プログラマー アンジェロ・ラウドン
音楽
美術 ブラド・クロウ
シリーズ エイジ オブ エンパイア シリーズ
人数 シングルプレイ, マルチプレイ
発売日 1997年10月15日
エンジン Genie英語版
テンプレートを表示

エイジ オブ エンパイア』(Age of Empires、略称:AoE)はアンサンブルスタジオが開発し、1997年10月15日にマイクロソフトが販売したリアルタイムストラテジーゲーム(戦略シミュレーション)。エイジ オブ エンパイア シリーズの第1作目。プレーヤーは複数の古代文明から1つを選んでその指導者となり、旧石器時代新石器時代青銅器時代鉄器時代に相当する4つの時代を通して自身の文明を発展させて、新しいユニットや改良されたユニットを手に入れ、最終的に他文明を滅ぼすなどの条件を満たして勝利を目指す。

1995年に設立された新興のアンサンブルスタジオは、カジュアルゲーマーの取り込みなどを企図して、歴史を題材としたリアルタイムストラテジーゲームの開発に着手した。当時、歴史を題材とした戦略シミュレーションゲームとしては『シヴィライゼーション』、SFやファンタジーを題材としたリアルタイムストラテジーとしては『ウォークラフト』といった成功した先駆者がある中にあって、歴史を題材としたリアルタイムストラテジーゲームで著名な作品はない状況であった。この狙いは成功し、批評家から好評で、売上もリアルタイムストラテジーゲームとして当時1位の記録を達成した。この人気を受けて1998年には拡張版『ライズ・オブ・ローマ(The Rise of Rome)』が発売され、さらにその後初代AoEと拡張パックをまとめた『ゴールドエディション(The Gold Edition)』も発売された。また、1999年には続編の『エイジ オブ エンパイアII』が発売された。2018年2月20日にリマスター版「Definitive Edition」が発売された。

ゲームプレイ

本作ではプレーヤーはわずか数人の狩猟採集民(町の人)から始めて、最終的に広大な鉄器時代の帝国へ文明を発展させていくことを必要とする[3]。 勝利するためには新しいユニットや建物の建築、より高度なテクノロジーが必要であり、それらを獲得するためには資源(食料・木材・石・金)を集める必要がある。例えば伐採した木は新たに生えてこないように、ゲームの進行に応じてそれまでの資源が得られなくなるなど、資源の保全・確保も重要となる[4][5]

ゲームでは12種類の文明が利用可能であり、利用可能なテクノロジーやユニットの数にそれぞれ差異があるなど、個性を持つ。また、各文明には固有のテクノロジーがあり、ゲーム内においてすべてのテクノロジーを扱える文明は存在しない[6]

本作の主要な要素は4つの時代を経ることにある。これらは順番に、「石の時代」「道具の時代」「青銅の時代」「鉄の時代」である。時代を進めるには建物「町の中心」で行うことができ、進化するたびに新しいテクノロジー、武器、ユニットを手に入れることができるようになる[5][7]

モード

本作にはプレーヤーが特定の目的を達成するための4つのシングルプレイヤー・キャンペーンがある。キャンペーンとは、直線的に展開されるシナリオ(ステージ)のまとまりを指す。キャンペーンでは、エジプト、ギリシャ、バビロニア、大和の各文明の歴史に沿ったものが用意されており、また体験版として途中までプレイ可能であったヒッタイトのキャンペーンの完全版も遊べる[8]。 キャンペーン以外にはゲームごとに異なるマップが生成される「ランダムマップ」というゲームモードがある。ランダムマップのバリエーションとして最初から大量の資源を保有して行う「デスマッチ」などのゲーム種類がある[5][9][10]

本作では最大8名までのオンライン・ネットワークプレイが可能であった。その後に発売されたゲームに比べてネットワークプレイの性能が低かったためにラグや切断が頻発した[11]。 マルチプレイは「Microsoft Gaming Zone」が2006年6月19日までサポートを行っていた。サービス終了に伴い、『エイジ オブ エンパイア II』を含むほとんどのCD-ROMゲームのサポートを終了した[12]

「シナリオビルダー」を通して、ユーザーがシナリオ(ステージ)や一連のシナリオ(キャンペーン)を作成することができる(カスタムシナリオ)。このツールは後のゲームで使用されているようなエディターに比べればシンプルで習得しやすいが、その分だけ機能は少なかった。アンサンブル・スタジオでは、このシナリオビルダーを使って、ゲーム内のシングルプレイ用のキャンペーンを作成していた。カスタムシナリオを投稿したりダウンロードする非公式サイトも存在する。2005年末にはデータファイルの改竄によってβ版に登場したユニットがエディタで使用できるようになることが判明した。その中には宇宙船や、ユニットが近づくと所有者が変わる英雄などがあった。また、データ編集によってユニットの配置ルールを変更することもできた。これにより、ユニットをどんな地形にも、あるいは他のユニットの上に配置することもできるようになり、デザインに新たな可能性が生まれた。その他の重要な発見として新しい地形テンプレートや各ユニットのヒットポイントを3倍にするモード、マップサイズを編集するツールなどがあった[13]

文明と外観

プレーヤーは12の文明から1つを選びプレイする。ユニットや建物の見た目は、大きく東アジア、メソポタミア、エジプト、ギリシャの4つの様式に分かれている[14]

テクノロジー

テクノロジーは特定の建物で研究を行うことで取得し、その内容と建物の種別は一般に関連している。例えば、宗教的な研究は「神殿」で行われ、剣や鎧の改良は「貯蔵庫」(資源を保管する建物)で行われる[5]。 テクノロジーの進歩には、軍事(軍事ユニットの強化)・経済(資源収集の効率化)・宗教(聖職者の転向や能力の向上)・インフラ(建物の強化)など様々な分類がある。基本技術の研究が完了すると、より高度な技術の研究が行えるようになることがある。また、特定の文明では利用できないテクノロジーもある。例えばエジプトは「神殿」のテクノロジーをすべて研究できるのに対し、マケドニアは何も出来ない。その代わり「貯蔵庫」のテクノロジーについて、エジプトでは一部研究ができないもの(盾系)があるのに対し、マケドニアはすべて研究することができる[5]

テクノロジーはゲームの戦略において非常に重要な役割を果たす[15]。 文明が発展するにつれ、テクノロジーはより高コストになり、研究に必要な資源の確保が困難になっていく[15]。 結果として資源収集を行う町の人の労働力を様々な資源にバランスよく配置することが勝敗を分けることにも繋がる[15]

ユニット

プレーヤーは様々な民間ユニットや軍事ユニットを操作する[15]。 ほとんどのユニットは研究によってアップグレードすることが可能である(例えば、町の人の収集速度の向上、軍事ユニットの防御力強化、射手の射程の延長など)[15]

陸上ユニットは、ゲーム上最も用いられるものである。「町の人」は、エイジ オブ エンパイアにおいて最も基本的なユニットである。主な役割は資源の収集であり、狩猟・採集・農耕・釣りをして食材を集めたり、木を伐採して木材を得たり、石や金を採掘して収集する[15]。 また、建物の建造や、建物及び船の修理を行うこともできる。必要に応じて戦闘を行わせることも可能である。 「聖職者」は非戦闘ユニットであり、味方ユニットを回復させたり、敵ユニットを「転向」させることができる(「転向」は相手ユニットの所属文明を自分に変えるもの)。 歩兵ユニットは近接戦闘を行い、弓兵ユニットは遠距離攻撃を行う。騎兵ユニットは歩兵よりも移動や攻撃に優れるが作成に必要な資源が多い。攻城ユニットには投石器と重弩砲があり、投石器は範囲攻撃を行え、特に建物やユニットに対するダメージが大きい。重弩砲は投石器ほど攻撃力はないが、発射速度が速く、コストも投石器より軽いメリットがある。

海上ユニットは基本的に副次的な役割を期待するものだが、しばしば勝利に不可欠な要素となる。「漁船」は漁場で魚を捕獲することで食料を集めるもので「町の人」に似ている。「貿易船」は備蓄されている資源を取引して、他プレーヤーの「港」で金を得る。獲得できる金の量は両港の距離に比例する(遠いほど得られる金が多い)。「輸送船」は陸上ユニットを川や海を通して運ぶことができる。軍艦は敵の船を攻撃するだけではなく、水際にいる陸上ユニットを攻撃することもできる(特に近接ユニットの場合は反撃ができないため、非常に効果的である)。軍艦には矢を発射する「ガレー船」と、より攻撃力が高い「投石ガレー船」がある(後者は水辺の建物に対して非常に有効)。

文明によって使用できるユニットには差異があるが(例えば東アジア系の文明では象騎兵は使用できない)、使用可能なユニットの性能は、原則として文明間に差異がない。例えば大和の剣士はエジプトやフェニキアの剣士と同じ性能である。ただし、特定の文明における文明特性や研究でのアップグレードで強化されたことで差異が生じる場合があり、歩兵に特性があるローマやカタルゴの剣士は攻撃速度やHPにボーナスがある。 鎧や服の描写は歴史的に不正確であり、長剣士はローマの近衛兵に似ている。 一部のユニットは史実と異なって使用できる場合もある。例えば重装歩兵はペルシャを除くすべての文明で使用でき、大和では投石器やガレー船の建造ができる。

建物

「町の中心」はゲームにおいて最も重要な建物の一つである。ここでは「町の人」が作られ、時代を進めるための研究が行われる[15]。 ほとんどのシナリオでは各プレーヤーは1つの「町の中心」からスタートし、新たに建てることはできない。複数の「町の中心」が建造できるようになるのは、青銅の時代に建物「政治機関」を建造してからである[15]。 ゲームには人口のシステムがあり、建物に応じて一度に保有できるユニットの最大数が決まっている。「町の中心」は4人をサポートし、それ以上作成するには「家」が必要なる。家も1つにつき4ユニットをサポートし、いくらでも建てることができるが、1文明につき最大50ユニットまでしか保有できない[15]

軍事ユニットは、その種別に関連する特定の建物で生産できる。海上ユニットはすべて「港」で作成する。防御のために必要な建物として「壁」や「塔」がある。「畑」は食料を生産する。「穀倉」「貯蔵庫」「町の中心」は町の人が集めた資源を保管するための建物である。

特殊な建物として「民族の象徴」がある。これはエジプトのピラミッドのような当時の建築技術の成果を示す巨大なモニュメントである。建設には膨大な資源を必要とし、建設速度も非常に遅い。さらに「民族の象徴」は新たなテクノロジーを生み出すことも、ユニットを生産することもできない。 勝利条件が標準設定のゲームにおいては「民族の象徴」は勝利条件の1つであり、完成した後2000年間(リアルタイムでは10分間)、守ることができればゲームに勝利することができる。勝利条件が「スコア」の場合も、「民族の象徴」は大幅なスコアの増加をもたらすためゲーム上優位になる。このため、ゲーム上は敵が「民族の象徴」を完成させた場合に、これを破壊することが最優先課題になる。その上で、「民族の象徴」は非常に破壊しやすいため、プレーヤーは常に守ることに気をつけねばならない[14]

開発

エイジ・オブ・エンパイアは、アンサンブル・スタジオが最初に開発したゲームであった。開発時の仮題は『Dawn of Man』[16]であり、その歴史的設定は、既存のゲームよりも最もらしく、また特にカジュアルゲーマーに好まれるように設定された[17]。 当時の一般的なリアルタイムストラテジは、SFやファンタジーをテーマとしたものであり、歴史を題材としたことは、それ自体が本作を際立たせるものであった[18]。 デザイナーは、歴史を題材としたゲームとして既に名声を確立していた『シヴィライゼーション』から多くのインスピレーションを受け、これは後に批評家たちからも肯定的に見なされていた部分であった[19]。 本作の開発は1996年6月のElectronic Entertainment Expo(E3)にて発表された[20]。 ゲームの設計はブルース・シェリー英語版[18]トニー・グッドマン英語版(アートワーク担当)[21]デイブ・ポッティンジャー英語版(AI担当)の3人が担当した[22]。 音響監督はスティーブン・リッピーが務め(続編も担当)、いくつかは弟のデイヴィッド・リッピーやケヴィン・マクマランも協力した[23]。 本作のオリジナル楽曲は、ゲームに登場する時代の実際の楽器音と、そのデジタルサンプルを元にして制作された[24]。 これら楽曲は、その文化やスタイル、楽器に関する広範なリサーチを踏まえてのものであった[24]

ライズ・オブ・ローマ

本作の拡張版として1998年10月22 日に、ローマ帝国の興隆をテーマとした『マイクロソフト エイジオブエンパイア 拡張パック:ライズ オブ ローマ』(Age of Empires: The Rise of Rome)がリリースされた。これは既存の本編に、新たに4つの文明(ローマカルタゴパルミュラマケドニア)と、それに伴う新規のシナリオとキャンペーンが追加するものであった[25]

ゲームプレイ面でも、特に数多くのインターフェイスの改良が行われ、ユニットのキュー(作成待ち時間)や、任意のユニットをダブルクリックするによって同種のものをまとめて選択状態にする機能、投石機のダメージバランス調整、人口制限を50以上に増やすオプション(マルチプレイのみ)などがなされた。1999年に発信された1.0aアップデートでは、ピリオドキーを押すことで待機状態の町の人にカーソルすることも可能となった[26]。 新たに追加された4つの文明の建物のデザインは、ローマ建築で統一された新規のものとなっている。また、5つの新しいユニット、4つの新しいテクノロジーが追加され、ランダムマップには新たなマップタイプや、より大きなマップサイズのオプションが追加された[27]。 すべてのユニットの自動的な経路探索もかなり改善された。また楽曲も刷新され、オリジナルのものと完全に入れ替えられた。開発元による最終公式パッチのリリース後も、ファンによるコミュニティでは残された問題に対処するための非公式パッチ英語版をリリースし続け、この中には最新のハードウェアやOSとの互換性改善するためのものも含まれている[28]

Microsoftによれば、この拡張版のデモ版は、1999年4月までに公式サイトだけで100万ダウンロードされ[29]、さらにCNETのDownload.comからは35万ダウンロードを記録した[30]。 2001年6月までで、リリース本数は120万本に達した[31]。 本作は、Computer Games Strategy Plusによる1998年度のAdd-On of the Year賞を受賞し、選評では「すでに高い評価を得ていたタイトルに、まったく新しいキャンペーンと洗練されたルール、そして新鮮で新しいゲーム体験を追加した」と紹介された[32]

リリースと売上

本作は1997年10月15日にアメリカ国内でリリースされた。1997年10月販売のコンピュータゲームの売上ランキングでは初登場7位であった[33]。 その後、11月は8位、12月は13位と推移した[34][35]。 1997年末時点で、アメリカ国内での累計販売本数は17.8万本を超え、売上額は800万ドルに達した。これは1997年後半において、リアルタイムストラテジゲームとして、アメリカで最も成功したものであった。PC Gamer USのライターによれば、同時期のライバル作であった『Total Annihilation』と『DArk Reign: The Future Wars』を合計した売上数を上回り、また、『Myth: The Fallen Lords』の4倍以上の売上であったという[36]

マイクロソフトは、本作は世界的成功も収めたとしている。最初の4ヶ月の間に55カ国でリリースされ[37]、12月12日までに全世界で65万本以上が出荷された[38][39]。 マイクロソフトの発表では、1998年1月までで、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスにおいて一貫して最も売れ続けた戦略シミュレーションゲームであったとしている[37]。 そして2月までに世界で85万本がリリースされた[37]

本作はドイツでもヒットし[40]、1997年10月後半のMedia Controlのセールスランキングで1位を獲得した[41]。 11月前半まで1位を保ち、その後も年末までMedia Controlのトップ5を維持した[42][43]。 翌年も3月までトップ3の座を保ち、3月最後の2週間では1位に返り咲いた[44][45][46]。 本作は1998年の最初の9ヶ月間、ドイツ市場で4番目に売れたコンピュータゲームとなった[40]。 8月には、ドイツ、オーストリア、スイスで合わせて、少なくとも10万本以上の売上があったとして[47]、Verband der Unterhaltungssoftware Deutschland (VUD)より「ゴールド」賞が与えられた[48]。 さらにドイツ市場では9月末までに売上が11.5万本に達し[40]、VUDは11月までに20万本以上売り上げたとして「プラチナ」に格上げした[49]。 1999年にカンヌで行われたMilia festivalではEU全体で1500万ユーロを超える収益を上げたとしてゴールド賞が与えられた[50]

韓国だけでも2000年までに約15万本の売上に達した[51]。 PC Dataによれば、1998年1月から11月の期間において、アメリカ国内で10番目に売れたコンピュータゲームであった[52] 。 本作は2000年までに300万本、収益で1億2000万ドル以上に達し、商業的に成功した[53]

評価

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings87%[54]
Metacritic83/100[55]
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4.5/5stars[56]
Computer and Video Games9/10[58]
Game RevolutionB+[59]
GameSpot6.8/10[60]
Hyper Magazine82/100 (The Rise of Rome)[61]
IGN7/10[62]
Next Generation4/5stars[63]
PC Zone9.4/10[64]
PC Gameworld91%[65]
Coming Soon Magazine90%[66]
Game Vortex75%[67]

各レビュー集計サイトの結果では、Metacriticが10点満点中8.3点とし[55]、GameRankingsでは87%[54]、MobyGamesでは100点満点中85点など[68]、批評家から「概ね肯定的」であった[69]

Game Informerは、2001年に発行した第100号記念号において、当時時点における最高のゲームランキングで本作を81位とした。『ウォークラフト』と『シムシティ』を掛け合わせたようなゲームと呼び、マルチプレイヤーやゲーマーから人気を集めたとしている[70]。 Game Revolutionは、本作を「シヴィライゼーション2とウォークラフト2を組み合わせたもの」と分類し[4]、GameSpotは「輝かしい帝国を建設するゲームというよりは、単純な戦闘ゲーム」と嘆き、「シヴィライゼーションからヒントを受けたウォークラフト」と評した[71]。 Computer Gaming Worldのエリオット・チンは、ウォークラフト2と比較しながら「非常に深みがあり、かつ、リアルタイムゲーム群の中で最も洗練されたものでなければならない」と述べている[57]。 GameVortexは、戦闘重視のゲーム内容には否定的な見解を見せたが、プレイモードを称賛し、「ランダムマップ生成は(中略)本当にゲームにスパイスを与えるものになっている」と評した[72]。 GameSpotは、ゲームを制御するために必要な細かな管理作業の内容を「お粗末なアイデア」と呼び(これは生産キューがないことと、ユニットAIの程度が低いことに起因)、「楽しさを著しく低下させている」と批判した[71]。 GameVortexも、同じ批判を行い[72]、PC Gameworldは、その後の修正パッチによって、欠陥のあったAIの修正が一部なされて改善されたと指摘している[73]。 また、エリオット・チンはユニットの人口制限を批判し、これが「最も深刻な不満」だとしている[57]

PC Gameworldは『ウォークラフト2』との類似点を指摘しつつ、プレイ可能な各文明の独自性を称賛し、「グラフィックが非常に細かく、手書きのような雰囲気がある。ユニットの動きが細かいがゆえに美しさもあるゲームは珍しい」と述べた[73]。 Game Revolutionは、ゲームに登場するユニットの種類に感銘を受け、開発者たちについて「(彼らが)よくリサーチを行ったことは明白であり、その結果、(少なくともゲームとしては)よくまとまった、歴史に忠実なものになった」と指摘した[4]。 ゲームのサウンドスケープも批判され、GameVortexは「音声情報の手がかりのみでは、何が起こっているのか区別するのに不十分だ」と指摘した[72]。 GameRevolutionは、本作の将来性を見据えて、シナリオエディタの重要性を論じ、「(エディタは)シナリオとキャンペーンを完全に作ることができ」「自分の好みに合わせたシナリオを自由に組み合わせて作成できるツールである」と紹介している[4]

Next GenerationはPC版のレビューにおいて、5つ星中4つ星とし、「永久かと思われるほど長い開発期間を経て完成された『エイジ・オブ・エンパイア』は、『シヴィライゼーション』の共同開発者のブルース・シェリーとアンサンブルスタジオのチームによって、ほぼ約束されていた成果を挙げた」と評している[63]

本作はGamecenterによる1997年のゲームオブザイヤー[74]や、第1回AIAS Interactive Achievement Awardsのコンピュータ戦略ゲーム部門など、数多くの賞を受賞した[75]。 Computer Gaming Worldが主催した1997年の戦略ゲーム・オブ・ザ・イヤーは、『Myth: The Fallen Lords』が受賞し、本作は次点に甘んじた[76]

リマスター版

2017年6月、Microsoft Studiosのクリエイティブディレクターであるアダム・イスグリーンは、2017のElectronic Entertainment Expo(E3)において、リマスター版となるDefinitive Editionがリリース予定であることを発表した。開発はマイクロソフトの新しい内部スタジオで、エイジオブエンパイアシリーズを担うForgotten Empiresが担当した。4K解像度に対応したグラフィックのオーバーホール、サウンドトラックのリマスター、その他ゲームプレイの改善を特徴とし、当初は2017年10月19日にリリース予定であったが、最終的には2018年2月20日に延期された[77][78][79]。 『Age of Empires: Definitive Edition』は、Windowsストアを通じてリリースされ、Metacriticでは100点満点中70点とし、賛否両論ないし平均的評価としている[80]。 PC Gamer はこのゲームに 60/100とし、「過去のゲームのソリッドリメイク」と評した[81]。 GameSpotは6/10とし、4Kグラフィックとアップグレードされたサウンドトラックを称賛する一方で、かつての問題点がまだ残っていると批判した[82]

脚注

注釈

出典

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外部リンク