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「トヨタ・XS10」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 11:05時点における版

トヨタ・コンフォート(初代)
トヨタ・クラウンコンフォート
トヨタ・クラウンセダン(6代目)
YXS1#/YXS1#H/SXS1#()/LXS1#/TSS1#(改)/GXS1#/GXS1#H型
コンフォートスタンダード
クラウンコンフォートスタンダード
クラウンセダンスーパーサルーン
概要
販売期間 コンフォート:
1995年12月 - 2009年(1期)
2011年 - 2018年1月(2期)
クラウンコンフォート:
1995年12月-2018年2月
クラウンセダン:
2001年8月 - 2018年2月
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン(タクシー・教習車および法人向け)
パワートレイン
エンジン 1G-FE型 2.0L 直6 DOHC
1G-GPE型 2.0L 直6 DOHC
3Y-PE型 2.0L 直4 OHV
1TR-FPE型 2.0L 直4 DOHC
4S-FE型DOHC 1.8L(教習車仕様のみ。1995〜2001年)
3S-FE型DOHC 2.0L(教習車仕様のみ。2001〜2007年)
1TR-FE型DOHC 2.0L(教習車仕様のみ。2007年〜)
2L-TESOHC 2.4L(1995〜2000年)
変速機 コラム4速MT(-2007年)
コラム4速AT(-2008年)
フロア5速MT
フロア4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,680mm - 2,785mm
全長 4,590 mm - 4,695mm - 4,830mm
全幅 1,695mm - 1,710mm
全高 1,515mm - 1,525mm
その他
最小回転半径 4.9m - 5.1m
系譜
先代 コンフォート:
X80型系マークIIセダン(タクシー、教習車仕様)
(先行廃止された同型チェイサークレスタの各教習車仕様を含む)
後にT140型系コロナセダン(タクシー仕様)の後継も務める
トヨタ教習車(初代・T190(改)型)
クラウンコンフォート:
S130系クラウンセダン(タクシー仕様)
後継 個人・法人用途としては14代目クラウン(S210系)に統合
タクシー用途としてはジャパンタクシー
教習車用としてはトヨタ教習車(2代目・E160(改)型)
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XS10(エックスエス10)は、トヨタ自動車が生産・販売していたセダン型の乗用車商用車)であるコンフォート(初代)、クラウンコンフォートおよびクラウンセダン(6代目)の共通車両型式番号。

いずれの車種も製造はトヨタグループのトヨタ自動車東日本(旧:関東自動車工業)東冨士工場(静岡県裾野市)で行われていた。

概要

主にタクシーとして用いることを前提に開発され、小型タクシー枠のコンフォートと中型タクシー枠のクラウンコンフォートとして1995年12月に発売された。コンフォートはタクシーとしてだけでなく教習車としても用いられた。後にクラウンコンフォートをベースにハイグレードタクシー向けに装備を充実させたクラウンセダンが2001年8月より発売された。ベースとなったのはX80型マークIIであり、クラウンコンフォートおよびクラウンセダンはデザイン等でクラウンのイメージを崩さない配慮がなされているものの、実質的にはクラウンを名乗りながらもクラウンとの結びつきが弱い。クラウンセダンに至ってはX90型マークIIと共用のプラットフォームを採用した150系クラウンより古いベース設計になるという逆転現象まで起こしている。

後席の寸法および後部トランク容積を可及的大きくとり、コンフォートのタクシーインパネ車やクラウンコンフォートでは料金メーター無線機タコグラフといったタクシー用機器設置スペースを設けるなどのタクシー向けに特化された設計が特徴である。

タクシーの小型枠に収まるコンフォートと中型枠となるクラウンコンフォートおよびクラウンセダンはホイールベースおよび全長に105mmの差がある。前述の通り後席の寸法を大きくとる設計のため前ドアのサイズが異なることで区別することが可能。

競合する日産自動車クルー(小型枠)が2009年6月に、セドリック営業車(中型枠)が2014年9月に生産終了したため、2017年5月に販売を終了するまで日本国内で新車購入可能なセダンタイプのタクシー専用車はXS10系の3姉妹車種のみとなっていた。

XS10系は、スポット溶接の箇所を減らし車体剛性を落とすことで、40万km以上の走行にも耐えられる設計であることも特徴である。この手法は同社のE110型系のカローラ / スプリンターから用いられている。日産・クルーとは異なり、Bピラーの位置は左右対称(左右のドアの大きさは同じ)である。

3車種ともエンジンの種類および用途に関わらず一般の個人客でもディーラーで購入が可能であった。

見た目が登場した年代の割に古風であったり、5ナンバーFRセダンの希少性から趣味者からも一定の需要があり、コンフォートにはスポーツセダン仕様のコンプリートカー「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」が市販されたことがある。同じくコンフォートはそのFRセダンである構成を生かし、D1仕様を製作したチューニングショップもあった。

おおむね20年にわたって生産されていたが、平成30年から厳格化される歩行者保護の安全基準に適合しないため、それまでに生産を終了することになった。

エンジン・トランスミッション 

エンジンはコンフォート教習車のみ4S-FE(1,800cc)・3S-FE(2,000cc)のガソリンエンジンおよびディーゼルターボの2L-TE(2,400cc)の設定があった他は基本的にLPGエンジンの3Y-PE(2,000cc)であった。直61G-PEおよび1G-GPEはクラウンコンフォートおよびクラウンセダンのみの設定であったがクラウンコンフォートはスーパーデラックス以上の廃止により、クラウンセダンはマイルドハイブリッドの廃止により消滅。

2007年に先行してコンフォート教習車のガソリンエンジンが1TR-FE(2,000cc)に変更されたのを皮切りに2008年にLPGエンジンも1TR-FPE(2,000cc)に変更され、燃料のインジェクション化およびエンジンヘッドのDOHC化がなされた。

トランスミッションはフロア式5速MT(コンフォート)とコラム式4速MT(クラウンコンフォート)、コラム式4速AT(クラウンコンフォート)およびフロア式4速ATを設定(このうちコラム式は2007年に廃止)。XS10系の中でガソリンエンジンとMTの組み合わせがあるのはコンフォート教習車だけである。

グレード

コンフォートのグレードは、タクシー仕様がスタンダード、スタンダードデラックスパッケージ、SGの三種で、教習車仕様はデラックスのみ。

クラウンコンフォートは直列4気筒エンジン搭載のスタンダード、デラックスAパッケージ、デラックス及び、直列6気筒DOHCエンジン(1G-GPE、形式GXS10)搭載でタコメーター装備のスーパーデラックス、起毛地シート、ウッドパネル等上級仕様のスーパーデラックスQパッケージが設定されていたが、スーパーデラックス、スーパーデラックスQパッケージは基本的に個人タクシー向けで、クラウンセダンがXS10系にモデルチェンジすることに伴い設定を廃止した。起毛地シートは後に特装扱いで設定されるようになった。

クラウンセダンはスーパーデラックス、スーパーデラックスGパッケージ及びスーパーサルーンの三種で、前述のクラウンコンフォートのスーパーデラックス及びスーパーデラックスQパッケージを移管した格好となった。同様に個人タクシー向けおよびハイグレードタクシー向けとなるが、本家である170系以降のクラウンロイヤルほどではないながらもハイヤーやハイヤー・タクシー兼用車としての採用例もあった。この他にTECS特装車扱いのロイヤルサルーンも存在した。

各車種間の差異

コンフォートとクラウンコンフォート・クラウンセダンは以下の差異がある。

  • 寸法(前述)
  • フロントグリルのエンブレム(コンフォートはトヨタマーク、それ以外はクラウンのエンブレム)
  • ホイールキャップ(コンフォートはV30系カムリプロミネントV10系ウィンダムからの流用、クラウンセダンはS150系クラウンからの流用)
  • フロントウインカー(コンフォートはカラードレンズ、それ以外はクリアレンズ)

一方、コンフォート・クラウンコンフォートとクラウンセダンは以下の差異がある。

  • 横桟グリル(クラウンセダンはそれ以外より若干大きい)
  • リアコンビランプ(クラウンセダンはトランクリッドにテールランプとバックランプがあり両端はブレーキランプとウインカー、それ以外は両端にブレーキとウインカーとバックの各ランプが集約)
  • ドアサッシの色(クラウンセダンは黒以外の場合は艶消しの黒で塗装、それ以外は車体同色)
  • パーキングブレーキの位置(クラウンセダンはフットリリース足踏み式、それ以外はフロアシフト車がサイドブレーキ式でコラムシフト車がステッキ式)
  • エアコンの仕様(クラウンセダンはオートエアコン、それ以外はマニュアルエアコン)
  • ステアリングのホーンスイッチ(クラウンセダンは中央のエンブレムがメッキ仕上げ、それ以外は地色で左上・右上のスポークに近い部分にへこみ)
  • ワイパーブレードの支持方式(クラウンセダンはUクリップ式、それ以外はビス止め式)
  • 遮音材の有無(クラウンセダンは各ドア内やボンネットおよびトランクリッド裏に遮音材があるがそれ以外はない)

なお、これらの差異はユーザーにおける改修等により変わる場合がある(車両の事業者間移籍等で塗装を変更したり、事故等で交換したりした場合等)。

車体の寸法が異なるコンフォートおよびバンパー等により3ナンバーであるクラウンセダンスーパーサルーンを除けばグレードをまたぐ改修・改造も行われ、いわゆるある種のニコイチとして部品取り車からの移植をする場合もある。

例:3Y-PEエンジンのクラウンセダンGパッケージ(ABA-YXS10)の外装・内装部品を1TR-FPEエンジンのクラウンコンフォートスタンダード(DBA-TSS10)に移植し1TR-FPEエンジンのクラウンセダンスーパーデラックスGパッケージ化する。

この例とは逆にエンジン(およびボンベ等の燃料まわり)を移植することも可能だがその場合は構造等変更検査を要する改造車となる。

例:クラウンセダンスーパーデラックスGパッケージ(ABA-YXS10)の3Y-PEエンジンを1TR-FPEエンジンに換装→ABA-YXS10改。

無論コンフォートやクラウンセダンスーパーサルーンもエンジンの換装やバンパーの交換等で構造に変更がなければ改造車にならない。

例:1TR-FPEエンジンのクラウンセダンスーパーサルーン(DBA-TSS10H)に同スーパーデラックスのバンパーやサイドモールを移植するとDBA-TSS10H改になってしまう。

主に地方においてLPGエンジンのコンフォート教習車を中古として導入しインパネ等の移植を行いタクシー化する例もあるがこちらは改造車にはならない。

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