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「日産・シルエイティ」の版間の差分

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2021年9月6日 (月) 09:48時点における版

日産・180SX > 日産・シルエイティ
日産・シルビア > 日産・シルエイティ
ドリフト走行中のシルエイティ(S13版)

シルエイティ(Sileighty)とは、日産・180SXの車体にシルビアの前部を接合した車両通称である[注釈 1]。いわゆる顔面スワップ[注釈 2]の代表例として知られる。

なお、シルエイティなる名称はもとは正式な車種名でなく通称であり、正式な名称はあくまで180SXだが、日産自動車によって商標登録され(登録番号第5118200号)、正式な車種名としての「シルエイティ」も存在する(詳細は後述)。

概要

S13型シルビアと180SXは別車種だが同型番であり、姉妹車の関係にある。それゆえパーツの互換性が高く、流用が比較的容易に行える。それどころか北米仕様車(240SX)はヘッドランプ位置に関する規制を背景に、ノッチバック(≒シルビア)も180SXと共通の共通のリトラクタブルヘッドランプを採用(いわゆる「ワンビア」)していた。

この特徴をうまく利用したのがシルエイティと言われる車両で、あるチューニングカー愛好者が180SXの前部を破損した際に、「リトラクタブルヘッドライトは修理するのに部品代が高くつくため、台数が多く部品代の安い姉妹車のシルビアの前部を使ったらどうだろうか」という発想をしたことが原点とも言われるが、フロントヘビーとなるリトラクタブルライトを取り払うことで、フロントを軽量化させることを目的としたものともいわれる。

当時シルビアはS14型にモデルチェンジしていたが、3ナンバーサイズに拡大した事から不人気であり、S13型を懐かしむユーザーが次善の選択肢としてモデルチェンジがなされなかった180SXを購入する事例が多かった。シルエイティは180SXをS13シルビア類似のデザインに改造できるという事で、人気が高まった。

シルエイティを製作する際、車両の全長が180SXのときと比較して4cmほど短縮される。そのため法的には(公道走行には)、エアロパーツを装着して全長を伸ばし辻褄合わせをするか、記載事項変更の必要がある。なお、ボディのモノコックはそのまま使用するため、いわゆるニコイチ車両ではない。

前述のとおり北米ではワンビアが純正仕様であるため、その逆であるシルエイティが容易に成立するのも当然と言えよう。

歴史

シルエイティの元祖ともいえる車両は、三栄書房Option」1989年8月号「TEST on ROAD」に掲載された、東京都内のあるショップで製作のコンプリート車両である。発売間もない180SX(AT車)にブーストアップ等のライトチューンを施し、シルビアのフロント周りを移植した車両であるが、このときはまだ「シルエイティ」という名前ではなく「シルビア180SX」という名前での登場だった。

その後、モーターマガジン社の隔週刊自動車専門誌「ホリデーオート」に掲載されたことや、漫画『頭文字D』、ゲーム『グランツーリスモ』に登場、またタカラトミーの自動車玩具「トミカ」で製品化[注釈 3]されたことも認知、普及した要因として挙げられる。

バリエーション

シルエイティは、もともとは前述の通り、S13型シルビアの各種フロントパーツを180SXに装着した構成を持つ車両であったが、シルビアはその後2度に渡ってモデルチェンジがなされ、S14型、そしてS15型へとスタイリングも変わっていった。S13型の人気が高かった事から、S14/15型をS13型類似に改造する例も見られた。しかしながらS14/15型は、S13型とは車両の構造が大きく異なり、板金作業を伴う大幅な改造が必要となる。それでもS13型の人気から一定のニーズがあったため、アフターメーカーからは、これらの車両への変換キットも発売されている。

新車販売

1998年5月1日、D1ドライバー手塚強も在籍する名古屋のチューニングショップ「有限会社きっずはあと(シルエイティ事業部)」が、日産系のディーラーに製作委託したシルエイティの新車を発売し、雑誌にも取り上げられた。日産純正扱いとなるため、全国の日産ディーラーで整備を受けることもでき、NIライト、フィンタイプグリル、エアロフォルムバンパー、サイドステップ、専用ロゴ(サイド、リア)が標準装備。 純正オプションもニスモLSDなどが用意されていた。500台限定で販売を終了。カラーリングはイエロー、スパークシルバーメタリック、ミッドナイトパープルパール、スーパーブラック、ホワイトの計5色。なお、本来シルエイティは単なる通称であり、正式名称はあくまで180SXであるが、この「有限会社きっずはあと(シルエイティ事業部)」のシルエイティに関しては、唯一、商標登録の使用を日産自動車から認められており、いわば正式名称としての「シルエイティ」である。

脚注

注釈

  1. ^ 下記の新車販売された車両を除く。
  2. ^ フロントバンパーやヘッドライトなど、自動車の前部を構成する各種パーツを別車種のものに換装してしまうこと。
  3. ^ レギュラートミカとしての発売はなく、頭文字Dなどギフトセットの一台として登場することがほとんどであった。また、イベント限定の銀メッキ仕様やディスプレイモデルの『トミカリミテッド』では数量限定ながらも単品で流通しており、高単価ブランドの『トミカプレミアム』でも発売されている。

出典

関連項目