「パッセンジャー (映画)」の版間の差分
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2021年8月18日 (水) 00:09時点における版
パッセンジャー | |
---|---|
Passengers | |
監督 | モルテン・ティルドゥム |
脚本 | ジョン・スペイツ |
製作 |
ニール・H・モリッツ スティーヴン・ハメル マイケル・マー オリ・マーマー |
製作総指揮 |
デヴィッド・ハウスホルター ベン・ブラウニング ジョン・スペイツ リンウッド・スピンクス ブルース・バーマン グレッグ・バッサー ベン・ウェイスブレン |
出演者 |
ジェニファー・ローレンス クリス・プラット マイケル・シーン ローレンス・フィッシュバーン アンディ・ガルシア |
音楽 | トーマス・ニューマン |
主題歌 |
JUJU 『Because of You』 (日本語吹替版テーマソング[1]) |
撮影 | ロドリゴ・プリエト |
編集 | メリアン・ブランドン |
製作会社 |
ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ スタート・モーション・ピクチャーズ オリジナル・フィルム Lスター・キャピタル ワンダ・ピクチャーズ コンパニー・フィルムズ |
配給 |
コロンビア ピクチャーズ ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 |
2016年12月14日 2017年3月24日 |
上映時間 | 116分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $110,000,000[3] |
興行収入 |
$303,144,152[3] $100,014,699[3] 5億8000万円[4] |
『パッセンジャー』(原題: Passengers)は、2016年のアメリカ合衆国のSF映画。日本では2017年3月24日に公開。
日本版のキャッチコピーは「乗客5000人 目的地まで120年 90年も早く 2人だけが目覚めた 理由は1つ――。」。
ストーリー
宇宙移民を目的とした約5000人の人間を乗せた超大型宇宙船アヴァロン号の航行中、人工冬眠ポッドの故障によりジム(クリス・プラット)だけが目覚めてしまう。再び冬眠状態になることは不可能なうえ、アヴァロン号が目的の惑星に到着するまであと約90年あり、宇宙船の中で孤独に寿命を迎えるのは確実となる。地球へ助けを求めるメッセージを送るも返事が届くまでに約55年を要し、乗組員ではない植民者のジムは宇宙船のコントロールにアクセスすることもできない。さらに、アクセス権を持つ乗組員たちが冬眠している部屋は頑丈なハッチに守られているため、起こすことも不可能という、絶望的な状況に追い込まれる。
それから1年後。ジムは宇宙船の中で、自らこじ開けたスイートルームを独占して、船内のエンタテイメントシステムで時間をつぶす自堕落な生活を続けていた。虚しさを覚えつつも、唯一の話し相手のバーテンダー・アンドロイドのアーサー(マイケル・シーン)と日々会話を続ける。そんな中、宇宙船では作業ロボットなどの故障がたびたび発生し、無人のコントロールルームではエラーメッセージが次々と表示される。ある時、ジムは宇宙服を着ての船外活動が可能だと気づき、宇宙遊泳で初めて見る生の宇宙空間に感動する。しかし日に日に増していく孤独感に耐えられなくなったジムは、宇宙服を着ないまま外扉を開くスイッチを押そうとし、寸前で我に返り自殺を思いとどまる。
ある日、ジムは冬眠ポッドで眠る作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)に一目惚れし、彼女のことを調べていくうちにますます惹かれていくようになる。ジムはオーロラを目覚めさせたい気持ちに駆られるが、それは彼女の人生を奪ってしまうことを意味するため、葛藤する。しかし寂しさに堪えられず、冬眠ポッドを操作して彼女を目覚めさせてしまう。目覚めたオーロラは困惑するが、唯一同じ状況を共有するジムと日々を暮らしていくうちに惹かれていくようになる。だが、2人が船内での恋人の生活に慣れ、ジムがオーロラへプロポーズする直前、アーサーがオーロラに、ジムが故意に彼女を目覚めさせたと告げてしまう。オーロラはその事実に憤慨し、ジムをひどく恨み拒絶するようになる。ジムはオーロラへ謝罪し、船内に木を植えたりするなど償いの気持ちを伝えるが、依然としてオーロラはジムを避けて暮らす。
そんな中、アヴァロン号の故障が停電を起こすほど深刻な状態に陥り、冬眠ポッドの故障から甲板長のガス(ローレンス・フィッシュバーン)が目覚める。アヴァロン号への全アクセスが可能なガスが目覚めたことにより、問題の把握と修理が進み、事態の収拾がつくと思われた。しかし、突然の重力装置の停止事故により、船の恒常性維持機能が停止寸前の状態にあることが明らかとなる。事態を重く見たガスの徹底調査により、アヴァロン号は2年前の小惑星との衝突の影響で、航行や電力供給に不可欠な核融合炉が機能停止寸前であると発覚する。このままでは船は完全に機能を停止し、船内の人間が一人残らず死に絶えてしまう事態になりかねない。
3人は核融合炉の故障の原因を探ろうとするが、冬眠ポッドの故障の影響で新陳代謝を狂わされていたガスの体内は深く傷ついており、その寿命が残り少ないことが判明する。ガスはひどく動揺するが、覚悟を決めジムとオーロラに自身のアクセス権を託し、2人に看取られる中、息絶える。
2人は核融合炉の修理に取りかかるが、修理を完了するには炉内の熱を排熱孔から放出する必要があり、故障の影響で排熱孔は船外からの手動でしか開けなくなっていた。ジムが船外に出て命がけで排熱孔を開き、核融合炉は限界寸前で正常に戻るが、熱が放出された衝撃によってジムは宇宙空間に吹き飛ばされてしまう。オーロラは船外に飛び出してジムを救出し、すぐさま医療ポッドへ運び込む。一時は死亡と診断されたジムだったが、あらゆる手を尽くして蘇生に成功する。
その後、2人の関係は一連の出来事で修復する。そしてジムはガスに与えられたアクセス権で、医療用ポッドを利用して一人だけ冬眠状態に入ることができるとオーロラに告げる。ジムは目覚めさせた償いとして冬眠ポッドを譲ろうとするが、結局オーロラはそれを拒み、ジムと2人で最期まで暮らすことを決意する。そしてジムは、かつてできなかったオーロラへのプロポーズをし、オーロラは受け入れ、2人で星の旅を生き続ける。
88年後。目的の惑星に到着する5か月前に、乗組員の冬眠ポッドが起動する(乗客の起動はその1か月後)。船長以下、目覚めた乗組員たちがフロアで見たものは、一帯を覆う緑の木々と、その中心に鎮座するようにそびえ立つジムが植えた木であった。オーロラの遺言となるアナウンスにより、徐々に人々は、自分たちが眠り続けた間に起こった危機と、2人の物語を知ることになる。
キャスト
※括弧内は日本語吹替[5]
- オーロラ・レーン - ジェニファー・ローレンス(水樹奈々[6])
- ジム・プレストン - クリス・プラット(小松史法[6])
- アーサー - マイケル・シーン(村治学[6])
- ガス・マンキューゾ - ローレンス・フィッシュバーン(玄田哲章)
- ノリス船長 - アンディ・ガルシア
評価
受賞
年 | 映画賞 | 賞 | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2017 | 第89回アカデミー賞 | 美術賞 | ガイ・ヘンドリックス・ディアス、ジーン・サーデナ | ノミネート | |
作曲賞 | トーマス・ニューマン | ノミネート | [7] |
興行収入
制作費1億1,000万ドルに対し、米国だけで1億ドル、世界合計で3億300万ドルの興行収入をあげた[3]。
批評家の反応
著名な批評サイトの評価は芳しくない。映画批評サイトのRotten Tomatoesは、227件のレビューに基づいて31%の支持率を示している。また批評家の総意を「乗客(作品)はクリス・プラットとジェニファー・ローレンスがうまく連携したことを証明しているが、科学的に致命的な欠陥のある物語を克服するには不十分」としている。[8]。
Metacriticには48件のレビューがあり、加重平均値は41/100となっている[9]。
ガーディアンでピーター・ブラッドショーは、5つ星中3つ星をつけた[10]。またロジャー・イーバートでグレン・ケニーは、4つ星中1.5つ星と低評価をつけている[11]。
脚注
- ^ “J・ローレンス×C・プラット「パッセンジャー」日本語テーマソングはJUJU!”. 映画.com. (2017年2月26日) 2017年3月23日閲覧。
- ^ “Passengers (12A)”. 全英映像等級審査機構 (2016年12月8日). 2017年3月23日閲覧。
- ^ a b c d “Passengers (2016)”. Box Office Mojo (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.32
- ^ “パッセンジャー”. ふきカエル大作戦!! (2017年3月23日). 2017年3月23日閲覧。
- ^ a b c “水樹奈々、“セクシーな大人の魅力”で熱演!J・ローレンスの新作も吹替え担当”. クランクイン!. (2017年3月11日) 2017年3月12日閲覧。
- ^ a b “第89回アカデミー賞ノミネート発表!「ラ・ラ・ランド」が最多14ノミネート”. 映画.com. (2017年1月24日) 2017年4月18日閲覧。
- ^ Passengers(2016) - Rotten Tomatoes(2017年6月28日閲覧)
- ^ Passengers (2016) Reviews - Metacritic - Metacritic(2017年6月28日閲覧)
- ^ Passengers review - ガーディアン(2017年6月28日閲覧)
- ^ Passengers Movie Review & Film Summary (2016) - ロジャー・イーバート(2017年6月28日閲覧)