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「HuCARD」の版間の差分

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[[1985年]]にハドソンと三菱樹脂が[[MSX]]用のICカード型ROMカートリッジとして開発した『[[BEE CARD]]』をベースとしている。既存の家庭用ゲーム機に比べても[[メディア (媒体)|メディア]]自体が薄く小型のため保管しやすく可搬性にも富んでいた。また、他の家庭用ゲーム機向けROMカートリッジよりも格段に[[コンパクト]]であるため、後にHuCARDがそのまま使用出来る[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]][[PCエンジンGT]]も発売されたが、PCエンジンのソフト供給の主力は容量単価が安いCD-ROMへと移行していった。但しカード型の家庭用ゲーム機専用ROMカートリッジは、[[セガ・マークIII]]の[[マイカード]]に先を越されている。
[[1985年]]にハドソンと三菱樹脂が[[MSX]]用のICカード型ROMカートリッジとして開発した『[[BEE CARD]]』をベースとしている。既存の家庭用ゲーム機に比べても[[メディア (媒体)|メディア]]自体が薄く小型のため保管しやすく可搬性にも富んでいた。また、他の家庭用ゲーム機向けROMカートリッジよりも格段に[[コンパクト]]であるため、後にHuCARDがそのまま使用出来る[[携帯型ゲーム|携帯型ゲーム機]][[PCエンジンGT]]も発売されたが、PCエンジンのソフト供給の主力は容量単価が安いCD-ROMへと移行していった。但しカード型の家庭用ゲーム機専用ROMカートリッジは、[[セガ・マークIII]]の[[マイカード]]に先を越されている。


基本的に黒い部分がROMチップと[[プリント基板]]で構成されており、これは白い部分の[[合成樹脂|プラスチックカード]]にはめ込み接着され、その表面は樹脂シートで[[コーティング]]されていた。電気的接点は露出していたが、表面を[[金]]で[[めっき]]処理され防錆加工としていた。カード部分には基板の露出面と同じ面(PCエンジン差込時に露出している)にゲームタイトルなどがカラー印刷されており、裏面には標準的な取り扱いの注意などが単色印刷されていた。ただ後述するようなバッテリーバックアップなどの機能を追加した製品ではプラスチックカード部分に空間があり電子回路や電池を組み込んだ製品も存在する。
基本的に黒い部分がROMチップと[[プリント基板]]で構成されており、これは白い部分の[[合成樹脂|プラスチックカード]]にはめ込み接着され、その表面は樹脂シートで[[コーティング]]されていた。電気的接点は露出していたが、表面を[[金]]で[[めっき]]処理され防錆加工としていた。カード部分には基板の露出面と同じ面(PCエンジン差込時に露出している)にゲームタイトルなどがカラー印刷されており、裏面には標準的な取り扱いの注意などが単色印刷されていた。ただ後述するようなバッテリーバックアップなどの機能を追加した製品ではプラスチックカード部分に空間があり電子回路や電池を組み込んだ製品も存在する。高度な計算処理を行うためには一定量のRAMスペースが必要となる。PCエンジン本体にはワークRAMとして、8KBのRAMが搭載されているが。その容量では必要な計算はこなせない。RAMは常に電流を流していないと作動しないため電池が積み込まれている。そのためカード本体が従来のHuカードより厚くなっている。<ref>{{Cite book|title=増刊ファミコン通信 Vol.5|date=1991年4月5日|year=1991|publisher=株式会社アスキー|page=14}}</ref>


その構造上大容量化と追加機能の搭載が困難である。
その構造上大容量化と追加機能の搭載が困難である。

2021年8月1日 (日) 08:57時点における版

HuCARD(ヒューカード)とは、三菱樹脂とハドソンが共同開発したICカード型のROMカートリッジである。日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)とハドソンが共同開発した家庭用ゲーム機であるPCエンジンに使われた。

概要

HuCARD
基本的に、容量が大きくなるほど樹脂シートのコーティング部分(黒いところ)が広くなっている。

1985年にハドソンと三菱樹脂がMSX用のICカード型ROMカートリッジとして開発した『BEE CARD』をベースとしている。既存の家庭用ゲーム機に比べてもメディア自体が薄く小型のため保管しやすく可搬性にも富んでいた。また、他の家庭用ゲーム機向けROMカートリッジよりも格段にコンパクトであるため、後にHuCARDがそのまま使用出来る携帯型ゲーム機PCエンジンGTも発売されたが、PCエンジンのソフト供給の主力は容量単価が安いCD-ROMへと移行していった。但しカード型の家庭用ゲーム機専用ROMカートリッジは、セガ・マークIIIマイカードに先を越されている。

基本的に黒い部分がROMチップとプリント基板で構成されており、これは白い部分のプラスチックカードにはめ込み接着され、その表面は樹脂シートでコーティングされていた。電気的接点は露出していたが、表面をめっき処理され防錆加工としていた。カード部分には基板の露出面と同じ面(PCエンジン差込時に露出している)にゲームタイトルなどがカラー印刷されており、裏面には標準的な取り扱いの注意などが単色印刷されていた。ただ後述するようなバッテリーバックアップなどの機能を追加した製品ではプラスチックカード部分に空間があり電子回路や電池を組み込んだ製品も存在する。高度な計算処理を行うためには一定量のRAMスペースが必要となる。PCエンジン本体にはワークRAMとして、8KBのRAMが搭載されているが。その容量では必要な計算はこなせない。RAMは常に電流を流していないと作動しないため電池が積み込まれている。そのためカード本体が従来のHuカードより厚くなっている。[1]

その構造上大容量化と追加機能の搭載が困難である。

ケースにはCD用ケースをベースとしたパッケージが使われ、ソフトビニールケースに入ったHuCARD本体を収めている。

  • 初期は表側のフタはCDと同じ、裏側は専用の部品で背の部分と裏側に商品名が書かれた簡素なシールが貼られていた。メーカーがゲームなどの説明を書くにしても表側に入れる取扱説明書の表紙部分しか場所が無いが、そこはタイトルとイメージイラストのみで占められていたものがほとんどだったため、店頭デモを見るか事前にゲーム雑誌などで情報を得ている場合以外では、ジャケット買いをするしかなかった。このタイプのケース内には緩衝材としてHuCARD大の薄いスポンジも同梱されていた。
  • 後にCD用ケースのCDをはめる台座部分のみがHuCARD用の台座となり裏ジャケットや帯の付いた物に変更された。時期によっては同じソフトの再発売版でこのタイプに変更された例もある。このタイプのケースではソフトビニールケースの片側に小穴が開けられており、これを台座部分にある突起に引っ掛けてHuCARDを固定していた。

これらのパッケージは店頭で陳列される際にまとめて一般に市販されているCDラックに収納が可能である。同時期の家庭用ゲーム機用ソフトウェアのパッケージよりも省スペースな商品展示と陳列で便利だった。

HuCARDラインアップ

ゲーム関連ROM容量別
  • 1Mbit(128KB)
コラムス』、『上海』、『倉庫番ワールド』、『ハットリス』、『ブロディア』等
  • 2Mbit(256KB)
R-TYPE I/II』、『カトちゃんケンちゃん』、『THE 功夫』、『邪聖剣ネクロマンサー』、『ビックリマンワールド』、『ボンバーマン』、『モトローダー』他
  • 3Mbit(384KB)
ガンヘッド』、『ダンジョンエクスプローラー』、『ネクタリス』、『ニュートピア』、『ファイヤープロレスリング コンビネーションタッグ』他
  • 4Mbit(512KB)
源平討魔伝 巻ノ弐』、『スーパースターソルジャー』、『ゼロヨンチャンプ』、『ソルジャーブレイド』、『麻雀学園 東間宗四郎登場』、『マジカルチェイス』他
F1サーカス '92』、『スーパー桃太郎電鉄II』、『ダライアスプラス』、『ニュートピア II』、『パワーリーグ '93』、『桃太郎伝説II』、『雷電』等
  • 8Mbit(1MB)
1941 Counter Attack』、『オルディネス』、『大魔界村』、『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』、『PC原人3』、『ファイヤープロレスリング 3 Legend Bout』、『ボンバーマン'94』等
周辺機器関連
NEC-HE非公認製品
  • 4Mbit(512KB) 『ボディコンクエスト II』、『アイドル花札ファンクラブ』他
  • 8Mbit(1MB) 『ストリップ・ファイター II』、『レディソード 略奪された10人の乙女』他
  • HACKER CD CARD(32KB)『CD麻雀 美少女中心派』、『ハイレグファンタジー』他
ゲームエクスプレス社から発売されたCD-ROMソフトに同梱されていたもの。NEC-HE非公認でCD-ROM2システムを合法的な形で利用するために使用するもので、同社のゲームをプレイ時には必ず本体にこのカードを装着する必要があった。SUPER CD-ROM2/Duoシリーズ専用ソフトのため、旧CD-ROM2システムでは使用できない。緑と青の色違いの2種類があるが性能は同等。

脚注

  1. ^ 増刊ファミコン通信 Vol.5. 株式会社アスキー. (1991年4月5日). p. 14 
  2. ^ 本体内ワークRAMのみでの処理が無理だったためとされている

関連項目