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定年退職後、母親の介護をするために外出が減り、それまで付き合いのあった友人らと疎遠になってしまったことから、[[パソコン通信]]で友人を作るため[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]を購入した<ref name="許斐2017">{{Harvnb|許斐健太|2017}}</ref>。購入後、3か月かけてパソコン通信に接続し、「メロウ倶楽部」に参加した<ref>{{Harvnb|藤原達矢|2018|p=31}}</ref>。[[紙袋]]や[[しおり]]、[[ブックカバー]]などのデザインを[[Microsoft Excel]]の罫線機能とセルの塗りつぶし機能を用いて作成する「エクセルアート」を考案し<ref name="小野2013">{{Harvnb|小野幸伸|2013}}</ref>、[[マイクロソフト]]から「エクセルの新しい使い方」であるという評価を受けた<ref name="中城2018" />。[[2014年]]には「[[TEDx|TEDxTokyo]]」に登壇し、英語でスピーチをしている<ref name="中城2018" />。 |
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[[スマートフォン]]用ゲームの多くは若年層向けに作られていて、シニア世代が使いやすいものではないということに着目し<ref name="若宮2018" />、[[2016年]]夏ゲームアプリの開発に着手した。[[小泉勝志郎]]からプログラミングの教えを受けて開発した、[[雛人形]]をひな壇に正しく配置するiPhone用ゲームアプリ「hinadan」は、[[App Store]]にて2017年2月に配信が開始された<ref name="中城2018" />。81歳でアプリを開発した実績から[[Worldwide Developers Conference]] 2017に招待され、[[Apple]]CEOの[[ティム・クック]]からは「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介されている<ref>{{Harvnb|岸本洋美|2018}}</ref>。さらに、[[2018年]]2月の[[国際連合総会]]では、高齢化社会とデジタル技術の活用をテーマに基調講演を行った<ref name="若宮2018" /><ref>{{Harvnb|Voice編集部|2018|p=238}}</ref>。[[内閣府]]が主催した「人生100年時代構想会議」にも82歳の最年長メンバーとして参加した<ref name="中城2018" /><ref>{{Harvnb|林孝美|2018|p=6}}</ref>。 |
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旅行先で撮影した動画を編集して[[YouTube]]に投稿する<ref name="小野2013" />[[YouTuber]]としても活動している<ref name="若宮2019(57)" />。 |
旅行先で撮影した動画を編集して[[YouTube]]に投稿する<ref name="小野2013" />[[YouTuber]]としても活動している<ref name="若宮2019(57)" />。 |
2021年5月20日 (木) 13:05時点における版
わかみや まさこ 若宮 正子 | |
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生誕 |
1935年4月19日(89歳)[1] 東京都杉並区[1] |
国籍 | 日本 |
職業 | 銀行員 プログラマー |
雇用者 | 三菱銀行 |
団体 | メロウ倶楽部 |
若宮 正子(わかみや まさこ、1935年4月19日[1] - )は、ITエヴァンジェリスト[2]。電子掲示板「メロウ倶楽部」副会長[3]。2017年に81歳でiPhoneアプリ「hinadan」を開発した世界最高齢のプログラマーである[4]。ハンドルネームは「マーチャン」[5]。
人物
東京都出身。太平洋戦争開戦後に国民学校に入学し、戦争末期には鹿教湯温泉に学童疎開した[1]。終戦後、10歳のときに親戚の家まで汽車で片道最大4時間をかけて初めて一人旅をして[6]以来、旅行を趣味としており[7]、40代になってからは毎年海外旅行に行っている[8]。新制中学校の授業をきっかけに、英語に興味を持った。東京教育大学附属高等学校卒業後、三菱銀行に就職。札勘定やそろばんが苦手だったため、入行当初は「仕事ができる人」ではなかったとしている。しかし、機械で紙幣を数える時代になると、企画開発セクションに配属され、人事評価も変化した[9]。男女雇用機会均等法の施行後には昇進試験を受験することができ、当時の女性としては珍しい管理職に就任している[4]。定年時には銀行の関連会社の副部長にまで昇進し[10]、定年退職したあとも週3日銀行で勤務した[11]。
定年退職後、母親の介護をするために外出が減り、それまで付き合いのあった友人らと疎遠になってしまったことから、パソコン通信で友人を作るためパソコンを購入した[12]。購入後、3か月かけてパソコン通信に接続し、「メロウ倶楽部」に参加した[13]。紙袋やしおり、ブックカバーなどのデザインをMicrosoft Excelの罫線機能とセルの塗りつぶし機能を用いて作成する「エクセルアート」を考案し[14]、マイクロソフトから「エクセルの新しい使い方」であるという評価を受けた[4]。2014年には「TEDxTokyo」に登壇し、英語でスピーチをしている[4]。
スマートフォン用ゲームの多くは若年層向けに作られていて、シニア世代が使いやすいものではないということに着目し[8]、2016年夏ゲームアプリの開発に着手した。小泉勝志郎からプログラミングの教えを受けて開発した、雛人形をひな壇に正しく配置するiPhone用ゲームアプリ「hinadan」は、App Storeにて2017年2月に配信が開始された[4]。81歳でアプリを開発した実績からWorldwide Developers Conference 2017に招待され、AppleCEOのティム・クックからは「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介されている[15]。さらに、2018年2月の国際連合総会では、高齢化社会とデジタル技術の活用をテーマに基調講演を行った[8][16]。内閣府が主催した「人生100年時代構想会議」にも82歳の最年長メンバーとして参加した[4][17]。
旅行先で撮影した動画を編集してYouTubeに投稿する[14]YouTuberとしても活動している[2]。
著書
- 『マーチャンがゆく 北欧編』未来文化社、1998年。ISBN 4898060153。
- 『熟年さんのパソコン物語』里文出版、1999年。ISBN 4898061117。
- 『パソコンでいきいきシルバーライフ』里文出版〈Ribun Books〉、2002年。ISBN 4898061648。
- 『花のパソコン道 パソコンでいきいきライフ―熟年さんのパソコン物語』インプレスR&D〈NextPublishing〉、2014年。ISBN 9784844396420。
- 『花のパソコン道 パソコンでいきいきライフ―熟年さんのパソコン物語』(ワイド版)インプレスR&D〈NextPublishing〉、2017年。ISBN 9784844397588。
- 『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』新潮社、2017年。ISBN 9784103513711。
- 『明日のために、心にたくさん木を育てましょう』ぴあ、2017年。ISBN 9784835638409。
- 『独学のススメ 頑張らない!「定年後」の学び方10か条』中央公論新社〈中公新書ラクレ〈655〉〉、2019年。ISBN 9784121506559。
- 『老いてこそデジタルを。』1万年堂出版、2019年。ISBN 9784866260532。
脚注
- ^ a b c d 若宮正子 2017, p. 103
- ^ a b 若宮正子 2019, p. 57
- ^ 山田真理 2018, p. 31
- ^ a b c d e f 中城邦子 2018
- ^ 山田真理 2018, p. 33
- ^ 若宮正子 2017, p. 104
- ^ 山田ともこ 1998, p. 5
- ^ a b c 若宮正子 2018
- ^ 林孝美 2018, p. 5
- ^ 若宮正子 2017, pp. 116–117
- ^ 山田ともこ 1998, p. 4
- ^ 許斐健太 2017
- ^ 藤原達矢 2018, p. 31
- ^ a b 小野幸伸 2013
- ^ 岸本洋美 2018
- ^ Voice編集部 2018, p. 238
- ^ 林孝美 2018, p. 6
参考文献
- 山田ともこ「今月のことば No.462 「欲しいものは時間、有り余っているものは好奇心」 世界と交信しながらマーチャンは行く インタビュー 旅行記「マーチャンがゆく」の著者 若宮正子さん」『社会教育』第53巻第9号、全日本社会教育連合会、1998年9月、4-7頁、ISSN 1342-5323、NAID 40001640783。
- 小野幸伸「われらデジタルマスターズ第5回 “マーチャン節”でシニア世代とデジタルの架け橋に」『日経PCビギナーズ』第4巻第6号、日経BP、2013年5月、104-105頁、ISSN 2185-1204。
- 許斐健太「特集 LIFE SHIFT 実践編 日本で広がるライフ・シフト INTERVIEW 私のライフ・シフト体験 行動するのに"決断"はいらない アプリ開発者 若宮正子(82)」『週刊東洋経済』第6738号、東洋経済新報社、2017年7月22日、39頁、ISSN 0918-5755、NAID 40021252163。
- 若宮正子『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』新潮社、2017年。ISBN 9784103513711。
- 中城邦子「特集5 ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018 世界最高齢のアプリ開発者、パソコンを始めたのは60歳! 若宮正子さん(82歳)」『日経ウーマン』第418号、日経BP、2018年1月、116-117頁。
- 林孝美「巻頭インタビュー 若宮正子(プログラマー) 子どもたちの心に“好き”の種をたくさん植えてほしい。」『総合教育技術』第72巻第15号、小学館、2018年3月、3-6頁、NAID 40021480981。
- 若宮正子「Interview アップルのクックCEO絶賛 82歳の飽くなきチャレンジ」『週刊ダイヤモンド』第106巻第10号、ダイヤモンド社、2018年3月10日、58-59頁、NAID 40021480023。
- 山田真理「特集 老けない、サビない、疲れない 脳と体をラクにするシンプルな習慣 対談 インターネットで世界は広がった 82歳でゲームアプリを開発。脳に「歳だから無理」なんてない 茂木健一郎 脳科学者×若宮正子 アプリプログラマー」『婦人公論』第103巻第8号、中央公論新社、2018年4月24日、30-33頁、NAID 40021923401。
- 藤原達矢「Interview 02 若宮正子さん 40代は「老後の準備期間」じゃない 大切なのは「今を生きる」こと」『日経ビジネスアソシエ』第17巻第6号、日経BP、2018年5月、30-32頁、ISSN 1347-2844、NAID 40021551261。
- Voice編集部「著者に聞く『明日のために、心にたくさん木を育てましょう』」『Voice』第486号、PHP研究所、2018年6月、ISSN 0387-3552、NAID 40021532789。
- 岸本洋美「リンダ・グラットンさん&若宮正子さんに学ぶ! 人生100年時代を生き抜く「学ぶ力」&「つながる力」」『日経ウーマン』第426号、日経BP、2018年7月、108-109頁。
- 若宮正子「生涯現役の達人1 「不機嫌老人」よりも「理系老人」になろう」『中央公論』第133巻第7号、中央公論新社、2019年7月、56-58頁、ISSN 0529-6838、NAID 40021906838。
関連項目
外部リンク
- 若宮 正子 - TEDxTokyo
- Masako Wakamiya - YouTubeチャンネル